声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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師弟対談編 師:勝田久 / 弟子:森川智之

今回お送りする“師弟対談”は、勝田声優学院の勝田久学院長と、勝田声優学院の5期生で現在は母校のゼミ講師を勤める森川智之さんのトーク。入所した直後 から勝田先生の助手に抜擢され、その一挙手一投足を見て育った森川さんは、勝田先生の指導法をしっかり受け継いでいます。そんな固い絆で結ばれたおふたりの対談を、3回に分けてお届けします。

プロフィール

勝田久 かつたひさし……4 月2日生まれ。アーツビジョン所属。主な出演作はアニメ『鉄腕アトム』(お茶の水博士)、『ジャングル大帝』(マンディ)、『ジェターマルス』(川下博士)、『ベルサイユのばら』(ルイ15世)、『牧場の少女カトリ』(エリアス)、『闘将ダイモス』(和泉博士)、『サスケ』(ナレーション)ほか、CMなど多数。

森川智之 もりかわとしゆき……1月26日生まれ。アーツビジョン所属(現在はアクセルワン代表)。主な出演作はアニメ『花咲ける青少年』(倣立人)、『戦国BASARA』(片倉小十郎)、『今日からマ王!』(ウェラー卿コンラート)、『Devil May Cry』(ダンテ)ほか。吹き替えではトム・クルーズ、キアヌ・リーブス・ブラッド・ピットなど多数。

①心血を注いで教えてくれたからこそ厳しく感じた指導

勝田先生はかなり早くから後進の指導に当たっていますが、きっかけは何だったんですか。

勝田久 師弟対談

勝田 僕は75歳くらいまでは現役でやってきたけど、人間の命は限りがあるし、いつまでも第一線にはいられませんよね。業界のためにもそろそろ後進の指導をしたほうがいいのかなって思い始めたころ、ひとつの節目と思って書いた本の印税がいっぱい入ってきちゃって、だったら学校を作っちゃえと思ったのがきっかけなんですよ。ところが始めてみたら、声優になりたいという熱意をもった生徒がいっぱい入ってきて、こっちもその気になっちゃった。

では、森川さんが勝田声優学院を選ばれた理由は?

森川 声の仕事に興味を持ったとき、勝田声優学院のサマースクールに参加したんです。それがすごく楽しかったんですが、今までまったく芝居の経験がないし、業界に対する知識もなかったから、どこの養成所に行っても同じように楽しいんだろうなって思いこんじゃったんですよ。それであちこちの入学案内を取り寄せたところ、勝田声優学院が一番学費が安かったんでここに決めました。結果的にはその選択で正しかったんですが、ほとんどなにも考えてませんでしたね。

お互いの第一印象はいかがでしたか。

勝田 僕は森川くんの声を聞いてすぐに、スポーツマンだと思いました。尋ねてみたらその通りで、日体大の系列校でアメフトをやっていたんだけど、ケガをして辞めたんだよね。
森川 そうです。
勝田 スポーツをやっていた人は反応がいいので、訓練すれば良くなるんじゃないかなという手応えを感じました。そういう打てば響くような感性をもっていないと、声優にはなれないんだよ。しかも森川くんはマジメ人間で、約束したことはきちっと守ってくれる。そういうところが好ましかった。
森川 勝田先生は、生徒に対して情熱的にぶつかってくる人だなという印象でしたね。生徒よりも元気があって、レッスンのときも「若いんだからもっと声を出しなさい。僕はもっと大きな声が出るぞ」といって、実際に生徒より大きな声を出すんですよ。僕はまったく演技の経験がない状態で勝田声優学院の門を叩いたんですが、一人前になるまで鍛えてもらえる、勝田先生を信じて勉強すれば声優になれるという手応えを感じました。

森川さんがレッスンを受けていたころは、どんな雰囲気だったんでしょうか。

勝田 みんな一所懸命だったよな。
森川 なにしろ厳しかったですからね。でも、所詮は声優になるためのレッスンですから、歯を食いしばって腕立て伏せをするとか、体力の続く限りなにかをやるとかいうんじゃないんで、今から考えると特に厳しいわけじゃないんですよ。でも生徒って、恥ずかしがったりして自分を出し切って演じるっていうことができないんです。しかも僕らのころは週1回しかレッスンがなかったから、先生もそこに集中して心血を注いで教えてくれるし、僕らが頑張れば頑張っただけ受け止めてくれました。そういうところが当時は厳しいと感じたんでしょうね。
勝田 そうだよな。僕としては厳しくしたつもりはないんだよ。
森川 でも、泣きながら帰る子もいましたよ。
勝田 そういえば、横山智佐なんかはよく泣いてたな。森川くんの同期は「華の5期生」と呼ばれていて、高木渉、三石琴乃、横山智佐、菅原祥子、根谷美智子なんかがいたんだけど、みんな食らいついてきて離れないんだよ。そうすると僕も自然と指導に力が入っちゃうというのはあるかもしれないね。要求すればするだけ食いついてくるから教えるのも楽しいし、みんな僕のいうことを何とかしてものにして、絶対にこの世界で生きていくぞっていう気迫があった。そういう熱意のある子がひとりでもいると、同期がみんな引っ張られて伸びていくんだよ。
森川 僕らは「華の5期生」といわれますけど、どの期も同じように伸びる可能性はあるんですよ。ただ、みんなが同じ方向を向いて頑張っていないと、なかなかいい雰囲気が作れなかったりするんですよね。そういう意味では、5期生はうまく回ってたんじゃないかな。レッスンが終わった後もみんなで自主練したり、近所迷惑なんだけど公園で発声練習をしたりしてましたね。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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