声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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師弟対談編 師/野沢那智 弟子/遠藤綾&小松史法

日本の声優界で、野沢那智を知らない人はいない。 こんなに怖くて厳しい師匠もいなければ、こんなに面白くて話し好きで、愛情深い先輩もいない。ふだんの声グラでは伝えきれない師弟トークを、お見せします。 “君たちを絶対に世に出すつもりだから” 師匠の熱い思いが、何より力を与えてくれる・・・・・・。

プロフィール

野沢那智 のざわなち…1月13日生まれ。2010年10月30日没。
アラン・ドロン、アル・パチーノ、ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、ジェームズ・ディーン、『ダイ・ハード4.0』のブルース・ウィリス等の吹き替えで声優として活躍。


遠藤綾 えんどうあや…2月17日生まれ。主な出演作品は、アニメ『NEEDLESS』(クルス)、『花咲ける青少年』(花鹿)、『マクロスF』(シェリル)、『ネオアンジェリーク』(アンジェリーク)、海外ドラマ『五星大飯店~Five Star Hotel』(タン・トウトウ)、『流星花園』(牧野つくし)ほか。


小松史法 こまつふみのり…7月23日生まれ。主な出演作品は劇場映画『トランスフォーマー』(主演:サム・ウィトウィッキー)、海外ドラマ『ベートベン・ウィルス』(カン・ゴヌ)、『雪山飛狐』(平・阿四)、『ザ・ユニット』(ヘクター・ウィリアムズ)、『アグリーベティ』(スズキ)ほか

①学校を始める以上、みんなを絶対に世の中に出すつもりだった

留年続きで卒業できなかった!?・・・・・・遠藤綾

───まず第一印象を聞かせてください。 遠藤綾
野沢 僕がやってる『パフォーミング・アート・センター』(PAC)は俳優コースと、声優コースがある。ふたりは声優コースの初期の頃に入ってきたんだよな。綾(遠藤)は何期?
遠藤 1期生です。
野沢 おまえ1期生か!じゃあもう10年になるなあ。卒業公演3回やったんだよな。
遠藤 PACでは本科で約2年勉強したあと卒業公演をやって、先生方から「よし、大丈夫だ」て言ってもらえると専科に上がれるんですけど、私、何度も何度も落とされて。でもまだPACにいるという不思議なタイプ。
野沢 あはは。最初の1年は留年だったな。
遠藤 留年っていうのはないですよ。ただずっと芝居をやらなきゃいけないってだけで。
野沢 あれはまあ、学校側としちゃ留年なんだよ(笑)。本科が2年で、それから専科Jrか専科。で、オフィスPAC所属になる。だっておまえ、ラブシーンがやだ、って。男の子に手触られるのもいやだったんだろ?
遠藤 はい(きっぱり)。
野沢 芝居だからしょうがないだろって言っても、「いやです」(口真似して)って。じゃあ卒業させられないだろ(笑)。
遠藤 名目上、卒業公演って名前はついてますけど、それだけじゃなく上演実習みたいなのもあって、何度も舞台をやって。で、最終的に専科に上がった理由が「あれ、おまえまだ専科じゃなかったっけ」ですよ。
野沢 いいかげんだよなあ(笑)。
遠藤 おかげで精神的に強くなりました(笑)。
野沢 僕らは早く卒業してほしいと思ってるんだよ。だって、この学校始めたのは12~13年前から、外国映画の日本語版がどうも面白くなくなってきたからなんだ。まあ、予算のことや、アメリカ側の要求とか、いろんなことも重なったんだけど。これはまずい、できる人間を育てなくては、っていう危機感があった。声の仕事が好きで、演劇もやりたいってやつを集めて、育てようって。そしたら綾は演劇がいやだって言う。

アニメは『ルパンIII世』、劇団は宝塚しか知らなかった・・・・・・
小松史法

小松史法 野沢 小松は野球で甲子園は行ったの?
小松 チームは出たんですけど、僕はアルプススタンドで応援です。甲子園のベンチ入りは背番号16番まで。僕17番で。
野沢 うわあ、そうか。なんで辞めたの?
小松 大学2年のとき足を怪我しまして。軟式なら就職先あるって監督に言われたんですけど、辞めてふつうの会社に就職したんです。
遠藤 え?就職したんですか?
小松 そう。着物屋さんに。
遠藤 え~!
小松 まったくなじめず(笑)。
野沢 あはははは。そりゃそうだろ。
小松 紳士服の部署もあって、異動できるって話だったんですけど、先輩が「そんな前例ないど」って。それで4ヶ月で辞めました。
野沢 それ、俺の大学よりひでえぞ(笑)。で、なんで役者になろうと思ったの?
小松 野球部の寮生活が大学4年の10月で終わったんで、カラオケ屋でバイトを始めたんです。その店には役者志望の人がたくさんいて、養成所に通ってるやつの舞台見に行ったら、隣の席の女の子が、舞台を見て号泣してるんですよ。お! すげえなと思いました。向こう側の人たちを見て心動かされるんですから。俺も向こう側の人になりたいなと思いながらも、着物屋に就職したんです。で、辞めたとき友人に相談したら、「劇団に入りなよ」ってすすめてくれたんですね。でも僕、劇団って宝塚しか知らなくて。でも女性だけって知らなかった・・・・・・。
遠藤 えー!(笑)
小松 サッカーの試合なんかやってるとき、蹴られてうずくまったりすると、「あ、こいつ演技してる、宝塚だ宝塚だ」ってよく言われてたんですよ。だから、「宝塚みたいなとこじゃなくて、おまえが行ってるのは?」って電話番号聞いて、夏のワークショップに。
野沢 あ、来たの?
小松 はい。やってみて、すごく面白かった。人を触るにも、こう、ただ触るのと、距離を置いて触るのとではぜんぜん違う、考えながらだったり、不自然に見えるときもある、と。いろんな芝居の動きがどんどん面白くなっていって。体験入学って面白いようにできてるんですよね(笑)。で、入りたくてアルバイトしてお金貯めて。オーディションに落ちたら諦めようと思ってたけど、受かっちゃったんです。でも、誰でも受かるところだった(笑)。
野沢 あはははは。そんなことないよ。
遠藤 だって、私も受かったもん。芝居の経験もなかったのに。
野沢 いいと思ったから合格にしたんだよ。僕は演出をやるから、自分の方法論がある。だから、なんかどっかでそれらしい演技みたいなのを身に付けた人は困るんだ。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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