声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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山寺宏一の声優道

人気、実力ともにナンバーワン! かの有名な呼び名である「七色の声を持つ男」そのままに、アニメでは『かいけつゾロリ』のゾロリ役や大ヒット作『新世紀エヴァンゲリオン』の加持リョウジ、吹き替えでは、エディ・マーフィやウィル・スミス、トム・ハンクスと第一線で大活躍。加えて、TV番組の司会や、三谷幸喜作品などの映画出演とマルチに活動中。なりたい人なら誰もが聞きたい、山寺さんの“声優道”を3回に分けてお送りします。

プロフィール

山寺宏一 やまでらこういち……6月17日生まれ、宮城県出身。アクロスエンタテインメント所属。東北学院大学卒業後、俳協の養成所で学び、卒業後俳協へ。1985年声優としてデビュー。以後、声優としてはもちろん、ラジオのDJ、舞台、映画、ドラマ、バラエティ番組などさまざまなジャンルで活躍。子ども向け情報番組「おはスタ」では司会を担当し、大ブレイク。「七色の声をもつ男」としても有名である。
アクロスエンタテインメント

①すべての経験を活かすことができる声優という仕事に出会えて本当に幸せだと思っています

実は広告代理店への就職が決まってたようなもんなんですよ

今、中学生や高校生で声優を目指している人が多いでしょう? すごいよねえ(笑)。本当に声優ブームなんだなあって、ひしひしと感じますよね(笑)。 僕なんて、声優になろうと思ったのは、大学を卒業する直前でしたから。それまで声優なんて意識したことさえなくて、普通に就職しようと思ってた。 目指していたのは営業マン。広告代理店や旅行代理店とかだと楽しそうだし、口が立つ方だったから(笑)、まあ、いいかなあと。だから就職活動も、一応はやったんですよ。でもねえ、なんだか途中でイヤになっちゃった(笑)。

山寺宏一そんな時、たまたま、地元の広告代理店にいる知り合いの人から連絡があって、「山寺くん、就職は? まだなら、うち来ない?」って言われたんですね。知り合ったきっかけは、大学時代に入ってた落語研究会へのCM出演の依頼。いわゆる地方CMなんだけど、僕が出演したんです。その縁で、声がかかったから、こりゃいいやって。だから、就職先も決まっていたようなもんなんです。
ただ、その頃、俳優や声優を目指す人向けのガイドブックが、ちょうど出始めた時期だったんですよ。書店に行くと、今はいっぱいあるでしょう。当時はハシリだよね。 物珍しかったし、その世界に興味がないわけじゃない。そう思って読んでみると、「う~ん、やっぱり、こっちなのかなあ・・・・・・」ってなっちゃって(笑)。で、結局は「よし、やりたいことは、やった方がいいよな!」って踏ん切りをつけて、俳協の養成所に応募したんです。

もちろん将来、声優として食っていけるかどうかなんて、ほとんど考えてないですよ。親には一応、「30歳までに、食える声優にならないときはやめる」とは言いました。けれどそれは、声優という仕事がどうこうというよりも、東京での生活の厳しさを考えただけなんです。僕は宮城県の出身で、大学も地元。しかも、22歳まで実家に暮らしてたんですよ。だから、食えないままで、ずーっと東京で暮らすのは、すっげえ大変だろうなあと、思っただけ(笑)。
俳協の養成所を知ったのは、『声優になるためには』という本でしたね。俳優編もひと通り目を通しましたけど、劇団の紹介には、シェイクスピアがどうのこうのとか書いてある。なんだこりゃ、わかんねえやと(笑)。
その点、俳協の養成所では、芝居も舞台も習うこともができるし、それに羽佐間道夫さんや中村正さんという名前と仕事が書いてあって、「あの洋画のあの声は、この人だったのか」と思ったんですね。将来、声優の仕事への道筋もある気がして、「ココだよな」と決めて。その時たぶん「俺にもできそうだな」とどこかで思ってたんですよ。

小さい頃から色んな声をマネして人を笑わせてた

声優になろうと思ったことはなかったけど、向いてるかもしれないと考えるところは、確かにありました。
僕は小さな頃からものまねが好きで、それも、いろんな声をマネして人を笑わせるのが得意だった。友達とか先生とか、テレビのアニメキャラもやってたし、動物の鳴き声までマネしてましたから(笑)。
とにかく自分はどんな声が出るのか試してみるのが大好きだった。どこまで高い声が出せるだろう、低い声はどこまで低くなるんだろうなんて、考えてみると、大学生までそんなことばっかりやってたかなあ(笑)。
自分の声に興味があったことも、それから、大学時代、落研に入ってたことも、声優・山寺宏一のなかで、生かすことができてる。その意味でも、声優という仕事に出会ったことは、本当に幸せだと思っています。
ただ、だからこそ、いつも考えているのは、ひとつひとつの仕事に、ちゃんと答えを出していくしかないということ。答えというのは漠然としているけど、いろんな答えがあると思う。でも、どんな答えであってもちゃんと出さなくてはいけないって。

じつは声優ってね、すごく差が出にくい仕事なんですよ。誤解を恐れずに言うと、それはつまり、声優の声には、それほど大きな違いはないということです。うん、これから声優になりたいという人にとっては、意外かもしれない。好きな声の声優もいるだろうし、いろんな声優の声を聞き分けられる人も少なくないでしょうから。
でもね、例えば俳優さんの場合、二枚目と言われたら、いろんなタイプがいるでしょう。ところが、映画の吹き替えでもアニメのアフレコでも、二枚目の声に、それほどの違いはないんですよ。もし、僕がアフレコをしている二枚目のキャラを別の声優がやったとしても、驚くほどの違いは出にくいんです。誰かと入れ替わったとしても、たいていの人は気づかないかもしれない。そういう仕事でもあるんですね。
 

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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