声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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古川登志夫の声優道

数え切れないほどの出演作をもつ古川登志夫さんは、演じる役も二枚目から、コミカルな三枚目や悪役などさまざま。その幅広い演技力で、長い間第一線で活躍されています。そして声の仕事以外に、ラジオや舞台、バンドといった活動もされてきたエネルギッシュな古川さん。声の仕事を始めたきっかけから現在までの「声優道」をたっぷりと語っていただきました。

プロフィール

古川登志夫  ふるかわとしお…7月16日生まれ。青二プロダクション所属。主な出演作は、『ドラゴンボール』シリーズ(ピッコロ)、『ONE PAECE』(ポートガス・D・エース)、『機動警察パトレイバー(篠原遊馬)、『うる星やつら』(諸星あたる)、『機動戦士ガンダム』(カイ・シデン)、洋TV『白バイ野郎ジョン&パンチ』エリック・エストラーダ(パンチ)、洋画『バッドマン フォーエバー』ジム・キャリー(リドラー/エドワード)など多数。

①気が付いたらいつの間にか声優になっていた

ほぼ初めてのアニメ出演なのに主人公という大役
ひとつひとつのテクニックは現場で覚えていった

 声優になったといえるのは30歳過ぎ

僕は中学1年の時から児童劇団に所属していまして、ずっと普通のテレビドラマなどに出演していたんです。
まだ声優という職業がポピュラーじゃなかったころの話ですね。テレビドラマの仕事のかたわら、声の仕事もするようになって、そのうちに声の仕事のパーセンテージが次第に増えてきて、今では声優と呼ばれるようになりました。自分で「声優養成所に通って、声優になろう」と思ったわけじゃないので、一体いつから声優になったのかと聞かれると困るんですよ(笑)。

 声優という仕事をはっきりと意識したのは、30歳くらいですね。初めてアニメの主人公の声を演じることになってのことなんですが、それまでのアニメ出演作といえば兵士1とか男2などセリフが一言しかない役を2回ばかり演じただけだったりので、アニメ出演自体が初めてのようなものですね。しかも当時はやっていた巨大ロボットアニメということで、「今までに演じたことがないような役だし、僕にできるのかな」と思ったのを覚えています。30歳になってそんな感じですから、今の若い人と比べると随分遅いスタートです。その初主演作というのが『マグネロボ ガ・キーン』というアニメなんですが、なにしろ経験がないということで、収録が始まる前にほかの作品の現場を見学させてくれたんです。古谷徹くんが主役を演じていた『鋼鉄ジーグ』だったんですが、出演者がとにかく巧みな人達ばかりで「こんな器用なこと、僕にはできないな」と思いました。それでも決まっちゃったからには演じなきゃいけない。役者としてはそれなりに演技の勉強もしましたが、声優ってマイクの使いかただったり、ペーパーノイズが入らないための工夫だったり、演技以外に必要なことが多いじゃないですか。そのひとつひとつのノウハウを、柴田秀勝さん、内海賢二さんといったベテランの方々に教わりながら演じていました。

アニメの仕事のきっかけは、入った劇団の座長さん

古川登志夫

どうしてそんな未経験の僕がアニメの主役を演じることになったのかというと、海外ドラマの吹き替えで僕の演技を聞いた関係者の方が、「今度こういう作品のオーディションがあるから受けてみないか」と誘ってくださったんです。その海外ドラマの仕事も、当時所属していた劇団「櫂(KAI)」の代表・中田浩二さんが、ご自身が出演されている海外ドラマの現場に呼んでくださった縁でいただいたものでした。もし僕があの劇団に所属してなかったら、中田さんが声の仕事をされていなかったら、きっと僕は今でもテレビドラマや舞台に端役として出ていたかもしれません。本当に人の縁とは不思議なものですね。感謝しています。

そんな状態で受けたアニメ作品のオーディションですが、僕自身は未経験だし絶対に無理だろうと思っていたんです。ところが、どういうわけか主役に決まってしまいました。そしてその『マグネロボ ガ・キーン』をきっかけに、ものすごい勢いでアニメの仕事が増えていったんです。ひとつの仕事が終わるとすぐ次の仕事が入ってきて、そのうちに週に12本くらいレギュラー作品があるという状態になってしまいました。当時はまだ劇団「櫂」に所属していたんですが、お芝居の稽古にも出られないし、舞台にも立てないくらいに忙しくなってきて、結局劇団を辞め、声優専門の青二プロダクションに移籍したんです。

でも、僕はやっぱり芝居を捨てられなくて、今度は自分で劇団を立ち上げたりもしたので、余計に忙しくなっちゃったんですけどね(笑)。僕は児童劇団上がりなので、高校生くらいのときに「これからはもう子役ではやっていけないな」と将来を不安に思ったりしたこともありましたが、それでも芝居をやめたい、もう演技はしたくないと思ったことは一度もないんですよ。それだけ、演じるということが好きなんでしょうね。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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