声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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師弟対談編 師:よこざわけい子 / 弟子:新井里美&山端零

『ドラえもん』をはじめとする藤子・F・不二雄作品、『天空の城ラピュタ』、『にこにこぷん』などでおなじみのよこざわけい子さん。よこざわさんが代表を務めるゆーりんプロに、縁あって所属することになった新井さんと山端さん。今回の声優道は、その3人が繰り広げる“師弟対談編”を3回にわけてお送りします。お互いの間に流れる深い愛情と信頼が感じ取れるような師弟トークをどうぞ。

プロフィール

よこざわけい子 よこざわけいこ……9月2日生まれ。ゆーりんプロ代表。代表作はアニメ『天空の城ラピュタ』(シータ)、『ドラえもん』(ドラミ)、『若草のシャルロット』(シャルロット)、『はいからさんが通る』(花村紅緒)、『The・かぼちゃワイン』(朝丘夏美)、『エスパー魔美』(佐倉魔美)、TV『にこにこぷん』(ぴっころ)ほか。

新井里美 あらいさとみ……7月4日生まれ。主な出演作はアニメ『とある科学の超電磁砲』(白井黒子)、『オオカミさんと七人の仲間たち』(天の声)、『生徒会役員共』(畑ランコ)、『大正野球娘。』(アンナ・カートランド)、『ネットゴーストPIPOPA』(ポット)ほか。

山端零 やまはたれい……12月17日生まれ。主な出演作はアニメ『レベルE』(金光)、『BIGLOBE「金融戦隊ファイナンズ」』(キャラクターボイス)、洋画『サブウェイNY』(ジョー)、『2048』(トーマス)、『幸せはシャンソニア劇場から』(モンダン)ほか。

①新井さんの気遣いや山端さんのもつ意欲は、役者にとって大切なもの

――新井さんと山端さんは、なにがきっかけで声優を目指し、どういう経緯でゆーりんプロに入ったんでしょうか。

新井 私は声優を目指したきっかけがちょっと不純なんです。高校を卒業したら大学に進学する予定だったんですが、諸事情により大学に行かないことになりまして、どうしようかと改めて進路を考えたんです。私は小さいころからずっと「声が変だ」といわれ続けてきたので、だったらこの声を活かして、ここらでひとつ大きなことをやってみようかと思いまして、某専門学校に入学したんです。でも、声優という仕事に対する知識もありませんでしたし、「演じるのが楽しい」「声優になりたい」と思うようになったのは入学してからですね。
当時、その専門学校に講師としていらしていたディレクターさんが『私はケイトリン』という海外ドラマを担当することになりまして、そのオーディションを受けてみないかと声をかけてくださったんです。そうしたらなんとケイトリン役で合格をいただきまして、1年間フリーという立場で主役の吹き替えをさせていただきました。その演技を見ていただけたようで、ゆーりんプロのマネージャーさんから「よかったらうちの所属になりませんか」と声をかけていただいたんです。劇団に入ることも検討したんですが、私がやりたいのは舞台芝居ではないだろうと思ったのと、ゆーりんプロの代表であるよこざわさんに惹かれたという理由ですね。
山端 僕は「これがきっかけです」というような劇的な転機ではないんですけど、小さいころから変身願望みたいなものがあったんです。自分があまり好きではなかったので、自分以外のなにかになりたかったんですね。それで、演技を通して自分ではないものになれる役者、その中でも人間という枠を飛び越えてロボットにでも宇宙人にでもなれる声優という仕事に魅力を感じるようになりました。それが中学卒業か、高校生くらいのときの話ですね。それで、僕は兵庫県の出身なので、大阪にある声優専門学校に入学したんです。
よこざわ 山端くんと初めて出会ったのは、私が大阪の専門学校でオーディションを行ったときですね。オーディションに集まった人の中に、ひとりだけ光っている男の子がいたんです。それが山端くんでした。最初に顔を見たわけではなくて、なにか光るオーラのようなものを感じて見てみたら、すごくイケメンだったので目が離せなくなりましたね。オーディションでの演技もとても上手だったので、うちに来ませんかとお誘いしたんです。それですぐ所属ということになりましたが、同時に併設の「よこざわけい子 声優・ナレータースクール」で1年間無料で勉強してもらったんです。
山端 僕が先生と初めてお会いしたときに思ったことは、「ふだんしゃべっている声からシータなんだ」でした。
新井 それは私も思いました!
山端 小さいころよく見ていたアニメで、おなじみの声の方が目の前にいるっていうことに感動しましたね。
新井 でも私は声よりも、見た目のかわいらしさというか、すごくお若くてキュートで物腰が柔らかくて、そういうところにびっくりしました。
よこざわ 私は、新井さんが大変美しい方だったのでびっくりしましたね。声優だけではもったいない、顔出しでも活躍できるくらい美しい人だなと思いました。本来ならうちみたいな小さな事務所にはもったいない人なんですけれど、できればぜひ所属になっていただいて、みんなを引っ張っていってくれる存在になってほしいと思ったんです。今、現実としてそうなってくれているのがうれしいですね。

 ――そういう縁があって同じゆーりんプロに顔を揃えたわけですが、なにか思い出に残っているエピソードはありますか。

新井里美

よこざわ 新井さんの誕生日にバラの花束を贈ったんです。ふつうは花ビンに飾って、枯れたら捨てますよね。でも新井さんは接ぎ木をして育ててくれて、1年後にまた花をつけたバラを写真に撮って送ってくれたんです。こういう気遣いができる方って、なかなかいませんよね。
新井 せっかくいただいたのにもったいないなと思っただけなんです。
よこざわ でも、そういう気遣いは役者を続けていく上でも大切なことだと思います。山端くんはゆーりんプロの20周年記念公演で主役を演じてもらったんですが、すばらしい演技をみせてくださいましたね。20周年記念ということで全社上げてあの公演に賭けていたんですが、その大役を立派に果たしてくれたことに感謝しています。
山端 いやいや、僕としてはかなり緊張したんですよ。

よこざわ それと、公演を行うということになると、舞台に上がる役者以外に、美術であったり、音響であったり、演出助手であったり、制作であったりと、いろいろな係のチームを作ることになるんです。チームのリーダーはほとんどが経験の長い大先輩が担当することになるんですけど、山端くんはまだ若いのに音響のチームリーダーとして、みんなを引っ張ってくれたんです。
新井 さっきもスクールでレッスンに使うマイクをいろいろと調整していましたよね。機械に詳しいんですか?
山端 にわか知識なんですけどね。自分のもっているもの、使えるものならなんでも使おうと思っているだけです。
よこざわ そういう意欲も、役者には大切だと思います。

 

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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