声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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水島裕の声優道

中学生でデビューしてから声優の道に入り、アニメだけでなく舞台やTV出演、歌など多岐にわたって活躍されている水島裕さん。表現者として面白いと思ったことをやっていきたいという水島さんの声優道には、後に続く人達の参考になるようなエピソードがたくさん隠されていました。

プロフィール

水島裕 みずしまゆう……1月18日生まれ。ノット・コミュニケーションズ所属。主な出演作は『超人戦隊バラタック』(橘マキト)、『一球さん』(真田一球)、『花の子ルンルン』(セルジュ・フローラ)、『タイムパトロール隊オタスケマン』(星野ヒカル/オタスケマン1号)、『六神合体ゴッドマーズ』(明神タケル/マーズ)、『愛の戦士レインボーマン』(ヤマトタケシ/レインボーマン)、『魔法の天使クリィミーマミ』(大伴俊夫)、サモ・ハン・キンポーの吹き替えほか。

ノット・コミュニケーションズ

①僕にとって演技の世界は、もうひとつの放課後だった

 仕事を通して大人の世界をのぞき見る新鮮さ

 

水島裕

 僕は中学生のときに、演技の世界に入りました。そもそも僕の妹が小学2年くらいからNHK放送劇団に所属していまして、劇団の遠足などがあると僕が両親の代わりに保護者として付き添っていたんです。僕から見ると、学校以外にそういう遊び場があるっていうのがすごく面白そうに感じて、自分も劇団に入りたいと思うようになりました。

でもNHK放送劇団は年令制限があって、すでに中学生だった僕は入れなかったんです。それで、自宅から近いところにあった劇団若草の入団試験を受けました。受かったときは「やった!」と思ったけど、入ってみたら受けた人はほとんど受かってた(笑)。
劇団は、僕にとってすごく楽しい場所で、高校時代まで通うことになりました。学校以外の友達もいっぱいできたし、仕事で、今までまったく知らなかった大人の世界を垣間見られるというのも新鮮だったんです。劇団から「こんなオーディションがありますから受けてください」といわれ、それに受かるとお仕事をもらえるんですが、僕としては仕事をしているという感覚はほとんど、いや、全くありませんでした(笑)。なにしろ劇団に入った理由が「芝居がしたい」ではなくて、「劇団で遊びたい」でしたから。ちゃんとした理由で志したわけでもないのに、いまだにこの世界で仕事をしているのが不思議といえば不思議ですよね。 
初めて声の仕事をしたのは、中2の頃だったかな。『くまのプーさん』のクリストファー・ロビン役です。劇団若草は舞台だろうがテレビだろうが映画だろうが歌だろうが、すべてウェルカム状態の劇団だったので、レッスンは基礎や演技のほかに日舞やバレエ、声楽などがありました。ただ、アテレコに特化したレッスンはなかったので、マイクの使いかたなどは現場で先輩方から教えてもらいました。こういうと、現場で困ったことも多いのではと思われるかもしれませんが、当時の僕はちっとも困らなかったんです。なんたって怖さを知らなかったし、大変さも分かっていなかったんですよ。だからどんな仕事でも、ただ楽しい! という感覚でできたのだと思います(笑)。

 

古谷徹さんや小山茉美さんとの交流から声優業界へ

 

水島裕

 高校生のときには特撮番組『愛の戦士レインボーマン』の主題歌を歌わせてもらいました。これもオーディションだったと思いますが、なんで僕が選ばれたか分からないし、収録がどうだったかもよく覚えていないんです。多分、放課後の遊び場みたいな気持ちでのびのびとやっていたからでしょうね。自分が歌った主題歌のCDを今聴き返すと、かなりダラッとした感じで歌っていて恥ずかしいですね(笑)。
芝居を一生の仕事にしようと初めて考えたのは、大学を卒業する直前でした。大学では今までやったことのないことを勉強してみようと思って、僕は日本大学芸術学部の写真学科に入学したんです。でも、入ってみたら、同級生のほとんどが高校時代に写真部の部長をやっていたような経験者ばかりで、自分のカメラを持っていなかったのは僕くらいだったんですね。そういうこともあって、成績はあまりよくありませんでした(笑)。だから、いざ卒業という時期になったとき「これは就職は無理だろう」と思ったんです。

でもその当時、古谷徹さんや小山茉美さんたちと遊んでいたので、それとなく古谷さんに相談したら、「声優として青二プロダクションに入ったら?」と薦めてくれました。調べてみたら、青二プロダクションには僕が中学生の頃から洋画の吹き替えの現場でずっとお世話になっていた矢田耕司さんや柴田秀勝さんなど、錚々たるメンバーがいらっしゃるじゃないですか! それで、小山茉美さんの紹介で青二プロダクションにお世話になることになりました。紹介といっても、なにか優遇してもらったわけではなく、勝手に青二に押しかけていって「こういう者ですが入れてください」って頼んだんですけどね(笑)。青二に入って一番うれしかったのは、『鉄腕アトム』の声優さんである清水マリさんにお会いしたことです。僕の小学生時代、クラスメイトは『鉄腕アトム』派か『鉄人28号』派に分かれていて、僕はアトムの大ファンだったんです。今でもアトムの絵が描けるくらいですからね。だから『鉄腕アトム』が再度アニメ化されて、ゲストキャラを演じさせてもらったときは、夢のようでした。あと、ラジオの『パック・イン・ミュージック』も中学生の頃、よく聴いてましたから、野沢那智さんや白石冬美さんにお会いできたときもうれしかったな。
今は長期にわたって放映しているアニメ作品が少なくなってしまったので、自分が好きで見ていた作品に、声優として出演できる機会なんてそうそう無いかもしれませんね。でも、アニメが大好きで声優になったという人なら、この想いは分かってくれるんじゃないでしょうか。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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