声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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堀絢子の声優道

『忍者ハットリくん』や『新オバケのQ太郎』など、アニメ史に残る作品で主役を演じ、現在も第一線で活躍されている堀絢子さん。声優として活動するかたわら、ライフワークとして20年以上も『ひとり芝居「朝ちゃん」』を上演し続けている。その情熱の源は、これまでに歩んできた人生にあった。そんな堀さんから声優を目指す人に向けられたメッセージは必見!

プロフィール

堀絢子 ほりじゅんこ……2月2日生まれ。ぷろだくしょんバオバブ所属。主な出演作は、アニメ『忍者ハットリくん』(ハットリカンゾウ)、『新オバケのQ太郎』(Q太郎)、『ムーミン』(ミイ)、『マッハGoGoGo』(三船くりお)、『チンプイ』(チンプイ)、『ウッドペッカー』(ウッドペッカー)、海外ドラマ『アニーよ銃をとれ』(アニー)、『アーノルド坊やは人気者』(アーノルド)、『ザ・シンプソンズ』(バート)、舞台『一人芝居「朝ちゃん」』ほか。

①大先輩に憧れて、声優になりたいと思った

 アルバイトで貯めたお金で、母には内緒で児童劇団へ

 road_045_article1-01私が子供のころだったと思います。NHKラジオで、学者や作家といったいろいろなジャンルの先生方が、リスナーから寄せられた質問に答えるという番組がありました。その番組にリスナー役として出演していらしたのが、声優としては大先輩にあたる高橋和枝さん。質問を寄せるリスナーはそれこそ子供からお婆ちゃんまでさまざまな年令なんですが、回答者の先生方が「○○ちゃん」「○○さん」といって呼びかけると、そのすべてに高橋さんが声を使い分けて返事をするんです。なんてすごい人なんだろうと思いました。高橋さんに憧れて、私も高橋さんのようになりたいと思ったのを覚えています。 
    ところが「役者になりたい」と母にいったところ、「何を考えてるの!」とすごく怒られました。目の前に正座させられたあげく、往復ビンタですよ(笑)。そのあげく「あんた、鏡見たことがないの? 女優っていうのは美しい人がなるものなの。しかも体も足も小さくて、そんな纏足みたいな足でよく立ってられるわね」とけなされましたが、私としては心の中で「そういうけど、一体誰が作ったんだっけ?」なんて思っていました。

 それでも諦めきれずに児童劇団に入ったんですが、もちろん母には内緒で隠れ隠れやってました。お月謝も自分でアルバイトをして貯めたお金を使って、劇団のほかにも個人的にセリフの先生について勉強したり、歌や踊りを習ったりしました。
私の父は医者だったのですが、まだ私が小さいころに亡くなっていました。母は私に父の跡を継がせたかったのか、大学も医学部か薬学部でなければ認めないといっていたんです。でも私には父からの遺伝がまったく来てなかったのか、理系学科がものすごく苦手だったので、医学部や薬学部なんて考えられませんでした。ですから自分で貯めたお金を使って、青山大学の文学部に進学したんです。母からしてみれば、もう勘当ものですよ。でも、演技の勉強にしろ大学にしろ、自分のお金で自分のやりたいことをしているだけなのです。

 

やらせてもらえる仕事はすべて二つ返事で受けた

 お芝居については、自分でも初めから役者だけで食べていけるとは思っていなかったんですが、そのうちにTVのガヤみたいなお仕事をさせていただけるようになりました。初めての声のお仕事は、当時ラジオ関東で放送していた『マチネ劇場』という番組だったと思います。さまざまな作品をひとり語りで朗読するというような内容で、物語の登場人物を全部ひとりで演じなければならない大変さはありましたが、次第にいろいろな役を演じるのが非常に楽しくなってきたんです。そのうちに「外画のアテレコをやってみないか」というお声がかかって、吹き替えもさせていただくようになりました。ほかの出演者の方と一緒に録音するというのは初めての経験だったので、とまどいもあったんだろうとは思いますが、あまり過去のことで覚えてないんですよ(笑)。当時はもう無我夢中でしたからね。

 

 ほかにもCMソングのお仕事など、やらせていただけるものはなんでもやりました。CMは、まず最初にスポンサーの企業に「こんな感じのCMになります」と見せるためのパイロット版を作るんです。CMソングはそういうパイロット版のお仕事が多かったんですが、本番はスターの方を起用する予定だったのに、交渉しているうちに予算が折り合わなくなり、結局本番でも私が歌わせていただくことになったこともありました。作品によって曲も演歌調であったり洋楽ポップス風であったりして、大変なことは大変だったんですが「所詮はパイロット版だ」と思うと気負わずに楽しくお仕事できたんです。それが良かったのか、どんなお仕事も「はい、はい」とこなしていく私は、よく「おまえは本当に便利な役者だな」と言われてかわいがって頂きました。

 

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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