声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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矢尾一樹の声優道

二枚目のヒーロー役から冷徹な悪役、そしてコミカルなキャラクターまで、幅広い役を演じてきた矢尾一樹さん。舞台にも数多く出演、さらに音楽活動もするなど、その活動は多岐にわたっている。そんな矢尾さんの演技の秘訣とは、「つねにテンションを高く保つ」ことだとか。 矢尾さんの声優道には「やってやるぜ!」の精神があふれている!

プロフィール

矢尾一樹 やおかずき……6月17日生まれ。マックミック所属。おもな出演作は、『ONE PIECE』(フランキー/ボン・クレー/ジャンゴ)、『ケロロ軍曹』(ゾルル兵長)、『逆境無頼カイジ』(北見)、『頭文字D』(池谷浩一郎)、『超獣機神ダンクーガ』(藤原忍)、『機動戦士ガンダムZZ』(ジュドー・アーシタ)、『燃える!お兄さん』(国宝憲一)ほか。

①舞台役者になりたいと思った中学生のころ

 千秋楽の舞台挨拶に感動して役者になる決心を固めた

 小さいころは元気というか、とにかくじっとしていない子供でした。友達と秘密基地を作ってみたり、外で遊んでいることが多かったですね。じつはあまりテレビを見ていた記憶がないんです。すごく幼かったときには『スーパージェッター』とか『巨人の星』とか実写版の『鉄人28号』なんかを見てましたけどね。小さい頃、父が国家公務員をしていたため3年ごとに転勤があったんですが、転勤先によって官舎の広さが違うんです。たしか僕が中学2年のときだったかな。父が東京に転勤になったんですが、入居することになった官舎が狭くてね。いつの間にか家族会議で「家が狭いからテレビを置くのはやめよう」ということに決まってしまい、それからしばらくはテレビのない生活を送っていました。

そんな僕がどうして役者になりたいと思ったかというと、4つ上の姉と母が芝居とかミュージカルとかが好きで、僕も2人にくっついてよく見に行っていたんです。当時、歌舞伎俳優がシェイクスピアを演じるのが流行っていて、三代目河原崎権十郎さんが主演をされていたシェイクスピア作品の千秋楽の舞台を見る機会がありました。もう題名も物語の内容も忘れてしまったんですが、はっきりと記憶に残っているのはカーテンコールの挨拶です。本来この舞台は別の方が主演だったそうなんですが体調を崩されて、代役に選ばれたのが権十郎さんでした。「急な代役に入って、それでも無事に千秋楽を迎えられたのは、自分の力ではなくてここにいるキャストのみなさん、舞台を支えてくれたスタッフのみなさんのお陰です」と権十郎さんが涙ながらに語っているのを見たとき、僕の心の中で「舞台俳優になりたい」という思いが固まったんです。

 

先輩の技を真似することで演技を学んでいった

 それで父に「児童劇団に入りたい」といったところ「バカなことをいうな。たかが公務員の息子が役者なんてできるわけないんだから」と一蹴されました。でも、頭ごなしにただ反対しただけじゃないんです。「もしどうしても役者の勉強がしたければ、大学に入ってからにしろ。大学の4年間というのは、後々の自分の人生を決めるための時間だ。大学の学費だけは出してやるから、好きなことをやればいい」といってくれたんです。当時、僕は中学生でしたから、あと4年くらい我慢すればいいんだと思って、それから中学・高校と部活三昧で過ごしてました。
 
 高校卒業と同時に、劇団摩天楼という小劇場を中心に活動していた劇団に惚れ込んで、稽古場に通うようになりました。最初は手伝いみたいな感じだったんですが、劇団員として入れてくださったんです。座長が「やりたいんだったらやってみろ」といってくれて、スタッフとして2、3作品に関わったと思ったら、すぐ役者として舞台に立つことになりました。

といっても、それまで役者としての稽古もなにもしたことがない状態でしたから、演技の方法論も技術もすべて実地で、怒鳴られたり恥を掻いたりしながら覚えていったんです。だから、今では声優養成所や演劇学校から講師やトークなどのお誘いもあるんですけど、僕にはなにも教えられない。僕自身も先輩の技を盗んで真似して、それがいつの間にか自分なりの演技になっていた、というだけの話なので、教えようとしても教えられないんです。声優の仕事を始めたときも、右も左も解らない状態でした。

 

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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