声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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折笠富美子の声優道

高校時代から劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)で演技を学び、アニメ『GTO』のヒロイン・冬月あずさ役で声優デビュー。その後も、アニメ、ゲーム、外画吹き替えなどで、さまざまなキャラクターを演じてきた折笠富美子さん。これまで折笠さんが歩んできた声優道を、全3回のトークでお届けします。

プロフィール

折笠富美子 おりかさふみこ…1227日、東京都生まれ。アトミックモンキー所属。主な出演作は、映画『チェブラーシカ 動物園へ行く』(チェブラーシカ)、アニメ『新あたしンち』(立花みかん)、アニメ『かみさまみならい ヒミツのここたま』(ミシル)、アニメ『リトルウィッチアカデミア』(ロッテ・ヤンソン)ほか多数。

 

折笠富美子さんサイン入りポラロイドの
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②初めてのアニメ演技は“アウェー感”が強かった

初めてのアニメ演技は“アウェー感”が強かった

 私は『GTO』のヒロイン・冬月あずさ役で声優デビューという形になりました。アニメのアフレコ台本を見たのはこのときが初めてでしたし、カット割りを理解して絵をチェックするのも、アドリブの息だけで感情を表現するのも初めて……。そんなスタートだったので、かなり戸惑いました。

 幸い、最初の収録日までに時間があったので、山寺宏一さん主演アニメの収録現場を見学させていただき、学ばせていただきました。『GTO』では、この道に入るきっかけをくれた関智一さんとの共演もあり心強かったです。周囲のレギュラーの皆さんに、台本チェックの仕方など技術的なことを実践を通して教わり、本当に支えていただきました。

 _DSC0463_1昨今、声優界はタレント的な事務所の数も多くなりましたし、異業種の方が声優をやる機会も増えていますけど、私が声優デビューした頃は私のような存在はまだ“アウェー感”が強かったと思います。それまで舞台や映像の仕事はやっていましたけど、声優としての表現は全くの初心者。制作スタッフの方たちは「折笠さんの持つ芝居の空気感が今までの声優とはちょっと違うことが面白いから」と私を選んでくれたそうです。“違和感”が私の個性につながった幸運なデビューだったと思います。

 ビッグタイトルのヒロインでデビューしたということで、注目をされ、たくさんのチャンスをいただく機会に恵まれたり、役者仲間の励ましもありました。反面、初めてお話しますけど、ライバルからの妬みもそれなりにありました。ですがそのおかげで、仕事に対し、役に対し、まっすぐに誠実でいる在り方をいつも考えていました。心無い周りの目より、自分の“進む先”のほうが重要でしたから。

スクリーンデビューの夢が『千年女優』で実現

 沢山のキャラクターを演じさせていただく中、特に印象に残っている作品やキャラクターを挙げるとしたら…選ぶのは難しいですけど、『ヴァンドレッド』のメイア・ギズボーンはそのひとつです。髪の色が青いキャラクターを演じるのも初めてでしたし(笑)アニメイベントに初めて出演したのがこの作品で、アニメファンの人がどういう雰囲気なのかも分からなかったですから、クールなキャラクターと自分のギャップに驚かれてしまうかもとドキドキでした。イベントではトークや生アフレコをしましたが、共演者の皆さんが盛り上げてくださり、初めてファンの皆さんに直接感謝をお伝えできたことがとてもうれしかったことを今も覚えています。

 劇場版アニメ『千年女優』の藤原千代子は深く印象に残っています。主人公の大女優・藤原千代子の役を、70代を荘司美代子さんが、20~40代を小山茉美さん、少女時代を私、の3人の声優で演じたんです。この作品は、公開されるまでにいろんな海外の映画祭に出されて、その後で日本に戻ってきて公開という形だったので、アフレコしてから随分時間が経ってからの公開だったんです。時が経っても色褪せない素晴らしい作品です。

 アフレコした時期は、声優のお仕事を始めて1年も経っていない頃で、本当に大抜擢でした。周りも大御所の方ばかりで、文字通り必死で演じました。 千代子という役も少女時代は特に、ひたむきに駆け抜けるようなキャラクターなので、演じる自分と役がシンクロしていました。振り返ると必死に走っていたあの頃の自分も愛おしいというか……。それと、少女の千代子は映画のシーンが多かったのですが、映画に出演してみたい夢を持っていたかつての自分が(役の上で)いろんな映画で演じていて。とても個人的なことですが「夢が叶った」という喜びもありました。

「だから私はプリキュアになったんだ」と強い使命感を感じた

 _DSC0527_1もう一つ、印象に残っている作品を挙げるとすると『スイートプリキュア♪』ですね。『プリキュア』シリーズは、初代の頃から何度となくオーディションに呼んでいただいたのですが、どんどん年齢とキャリアを重ねてきて「もう難しいのかもしれない」と心の中では希望と諦めが混ざり合っていました。ですが、そんな壁を打ち砕き、シリーズ8作目にして南野奏役をいただいたときの喜びは大きかったです。

 『スイートプリキュア』は震災の起こった年の番組で、作り手側の、より強い前向きなメッセージが込められていました。アフレコやたくさんのおもちゃ用の音声の録音などに加えて、被災地の方々に向けてのメッセージを送ったりする機会もいただきました。私は作品に関わるときはいつも「この作品を通じて少しでも皆さんに元気を届けられたら」という気持ちを持っていますが、『スイートプリキュア』の始まりは「みんながピンチのときだからこそ、私はプリキュアになったんだ」という重責と強い使命感を感じていました。

 声優のお仕事を始めて、いろんな作品に出させていただいて、18年経ちます。華々しく声優デビューしたから安泰なんてことはなく、良い時期もあれば、なかなか新しい役を掴めない時期などの波はやってきます。オーディションに受からなくて「ああ、この役演じたかったな」と人知れず落ち込むこともたくさんありました。ご縁がなかったことに、「今の私には何が足りなかったんだろう?」と、自分なりに考えています。選考後に「最後の2人まで残っていたんですけど」と言っていただくことがたくさんあるので、その言葉を信じ「次は選ばれるように」と気持ちを切り替えたり。役者道は日々心と向き合い、強く信じて進んで行くことの繰り返しですね。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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