声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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折笠富美子の声優道

高校時代から劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)で演技を学び、アニメ『GTO』のヒロイン・冬月あずさ役で声優デビュー。その後も、アニメ、ゲーム、外画吹き替えなどで、さまざまなキャラクターを演じてきた折笠富美子さん。これまで折笠さんが歩んできた声優道を、全3回のトークでお届けします。

プロフィール

折笠富美子 おりかさふみこ…1227日、東京都生まれ。アトミックモンキー所属。主な出演作は、映画『チェブラーシカ 動物園へ行く』(チェブラーシカ)、アニメ『新あたしンち』(立花みかん)、アニメ『かみさまみならい ヒミツのここたま』(ミシル)、アニメ『リトルウィッチアカデミア』(ロッテ・ヤンソン)ほか多数。

 

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③「自分はこれを大事にしている」という信念を持っている人が続いていく

「自分はこれを大事にしている」という信念を持っている人が続いていく

 声優になって18年以上経ちますが、最初は何もわからずただ純粋に「セリフがしゃべりたい」という気持ちから始まったので、この世界で長く続ける秘訣があるなら「こっちが聞きたい!」と思います(笑)。そもそも私が声優という仕事をするようになった経緯も、特殊だと思うんです。いろいろなご縁が私を運んでくれて、ここまで来られたと感謝しています。

 3ご縁に恵まれたときに、自分がそのご縁にすべて応えられてきたかどうかは分かりませんが、常にそのときの自分の精一杯を出してやってきました。そのおかげで、一緒にお仕事をした監督やスタッフの方から今でも「また一緒に仕事したいので頑張ります」なんて言っていただけたり、過去の作品を観て「一緒にお仕事したかったんです」と言ってくださる若いスタッフの方に出会えたり、そうやって私の演技を信頼してくださる方々がいてくれて、今の私があると思っています。

 私が声優デビューした頃と比べると、今は流行りの移り変わりのスピードが早いし、芝居以外の部分で声優に求められることがすごく多くなっていると感じます。もし私が今の時代に20代でデビューすることになったら、埋もれてしまうかもしれないくらい、後輩の子達は本当に器用ですごいと思います。そんななかで続く人というのは「これが大事」というものをしっかり持っている人なのではないかと私は思います。上の世代の方とご一緒しても同じく感じるのは、大事にしている信念のある方は確固たる個性を持っているということ。どんなことでも、信念を持っている人は輝き、道を切り拓くのではないでしょうかね。

 私は「役者として表現することが一番大事」です。20代の頃、アイドルやタレント的なことを求められた時期もありましたが、周りのスタッフには「そういう活動をするより、その時間で1本でも多く演じてたいです」としつこいほど訴えていました。逆にタレント的な活動をしていたらもっと知名度が上がっていたかもしれないけど(笑)、不器用ですが、それが私の生き方なんです。

 たとえば若手声優でタレント的な活動もしている中、「合間にアフレコやります」というスタンスをとる人を怒る方もいらっしゃるようですけど、その本人が「一番やりたいこと」をきっちり貫くのであれば、「今の時代、いろんな声優がいていいのでは」と私は思っています。とはいえ、アフレコの仕事をそれなりな感じで無難にやっていたら、それは作品に失礼。寝ないで絵を描いたり、その作品を必死で作っている人たちがたくさんいるわけですから、それを踏まえた上で声優の在り方というのを意識してほしいですね。

インタビューで答えた「やってみたいこと」が次々と実現

 たくさんお仕事をいただいていた若い時期は、うれしい反面、「流行りで終わってしまったらどうしよう」という怖さもありました。「流行りに乗るより、スタンダードでいたい。長く活動できる役者でいたい」という気持ちがずっとあったので、注目されればされるほど「飽きられちゃうんじゃないか」と内心不安でした。

 若い時インタビューなどで「将来やってみたい役」を聞かれましたが、私は自分の言ったことが結構実現しています。「年を重ねてきたら、お母さん役をやってみたいです」と言っていたら、最近はいろんなお母さん役をいただくようになりましたし。

 新人の頃、ポケモンのスタジオで初めて大谷育江さんの“ピカチュウ”の演技を間近で観たとき、その表現力の数々にとても感動したんです。鳴き声だけで怒ったり喜んだりしていることがきちんと伝わるのはすごいなって。それで「いつかあんな役をやってみたい」と言っていたら、昨年、WEB作品の『ポケモンジェネレーションズ』でピカチュウの役をやらせていただくことになりました。大谷さんのピカチュウとは全く違うピカチュウを求められ…「私が別のピカチュウの表現を作るんですか!?」とプレッシャーで胃がキリキリ、前日は眠れませんでした(苦笑)。関係者の皆さんからは好評価をいただきましたが、自分ではまだまだ反省ばかりです。

スタジオでどうこうよりも、生き方や在り方が大事3 (2)

 ピカチュウの件もそうですが、歴史があるタイトルに呼んでいただくと、プレッシャーが大きいですね。ですが「折笠にやらせてみよう」と信頼して託していただくことが新しいチャレンジになって、結果的に引き出しが増えて、いろんな役をやらせてもらえている今につながっている気がします。

 今は「こんな役がやりたい」というよりも、託された役に対してどれだけ高いクオリティで応えられるか、が私のテーマです。「予想以上!」と言われるくらいのレベルに上がっていきたい。それは役者にとっては永遠のテーマで、デビューの時からずっと変わらない課題ですが、そこに「量より質」という思いがさらに強くなっています。

 先輩方を見ていると、頭で作りあげる技術以上の役作りを感じます。スタジオでどうこうするというよりも、歳を重ね、人としての年輪というか、その方の生き方が役の声に乗っているような気がするんです。ですから日々の生活の中で自身の心を育むこともとても大事なのではないかと思います。私が憧れている先輩は、『ヴァンドレッド』や『明日のナージャ』などでもご一緒した京田尚子さん。圧倒的なエネルギーを持って、プロフェッショナルなお仕事をされていて、女性らしくて可愛らしくて。本当に魅力的な方です。あの年齢になってもお仕事を続けていらっしゃるということにも憧れます。

 声優に限らず、社会に出て仕事をする上で重要なのは、「自分がその場所で、どう在るか」ということなのかなと思います。その場その場で自分が今、全力でできることをやって、「魂を燃やす」というか。そういう生き方を本気でしていれば、いつかちゃんと花は咲くのではないかなと。私はそう信じています。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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