ただいま修行中

スクールでばりばり修行中の先輩たちから、あなたへの貴重なアドバイス


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小林悠希さん vol.11

北海道の帯広から声優を目指して上京した小林さんは、この10月から「けんぷファー」で声優デビューが決定!クラスの落ちこぼれといいながらも、一歩ずつ確実に成長しています。

松濤アクターズギムナジウム 声優部本科

—最初に声優になりたいとおもったきっかけは?

中学のころ、野川さくらさんの写真集のCMを見て、その声のかわいさにびっくりしたんです。私もあんな声が出せるんだろうかと思って、FAXの録音機能を使って何度も挑戦しました。翌日はテストだったんですが、勉強もそっちのけで声が枯れるまでチャレンジしちゃったんですが、そのくらい衝撃的だったんです。それまでもアニメは見ていたんですが、声優という職業を意識したのはそれが初めてでしたね。それから声優についていろいろと調べたんですが、声がかわいければいいというような浅い世界じゃないということを知るにつれて、自分もやってたみたいという興味がどんどん大きくなっていきました。

それで声優養成所に入ろうと思ったんですか?

養成所写真

私は北海道の帯広出身なんですが、声優の養成所なんて札幌まで行かないとないんですよ。どうせ勉強するなら東京でと思ったんですが、東京に行くにも覚悟がいるじゃないですか。でも諦めたら10年後くらいに絶対後悔するだろうなと思ったので、思い切って上京しました。

そんな状況では、ご両親は反対されたんじゃないんでしょうか。

じつはよく自分の部屋でこっそりマンガを声に出して読んだりしてたんですが、どうも母には気づかれてたみたいなんです。声優になりたいと悩んでいるときに、母から「将来どうしたいの? もしかして声優になりたいんじゃないの?」と先に聞かれてびっくりしました。母も少女マンガなどをよく読んでいたというのもあって、自分の人生なら自分のやりたいことをやりなさいといってくれたので、1年間アルバイトをして学費を貯めてから上京して松濤アクターズギムナジウムに入りました。

どうやって松濤アクターズギムナジウムを選んだんでしょうか。

いろいろな養成所のパンフレットを集めたりしたんですが、そのころ松濤アクターズギムナジウムの番組がGyaoで配信されていて、所長の難波圭一さんのお話をネットで聞く機会があったんです。でも話を聞いているとレッスンがすごく厳しそうだし、別のもっと楽しそうな専門学校で勉強しようか悩んでいたんですよ。私が迷っていることを知った父が松濤ともうひとつの専門学校に電話したところ、松濤の事務局の方の対応がすごく丁寧だったらしくて「いい印象だったよ」と教えてくれたんです。それを聞いて、自分が楽なほうに逃げたがってる、せっかく上京するのにそんな中途半端な気持ちでやっても意味がないと気づいて、あえて厳しいと評判の松濤アクターズギムナジウムにしました。

実際に入所してみて、印象は変わりましたか。

いえもうホントに厳しかったです(笑)。演劇の経験も特になかったし、人前で何かをするのは初体験ということもあって、どうしても自分をさらけだすことができなかったんです。しかもものすごい上がり症で、クラスでも落ちこぼれでしたね。でも聞くことも見ることも何もかもが初体験で、いつも新鮮な気持ちで取り組めました。最初は発声もままならなかったんですが、レッスンのない日も毎日通って自主練したら、先生にも成長を解っていただけたみたいで、みんなの前で「一番がんばったのは小林だ」とほめてもらったんです。ほめられるために頑張ったわけじゃないんですが、やっぱりうれしかったですね。ただ、今でもダンスはかなり苦手なんです。自分では一生懸命踊っているつもりなんですが、先生やクラスメイトからは「人間の動きじゃない」「ロボットみたい」だといわれてます(笑)。

自分でも成長の手応えを感じていらっしゃるんでしょうか。

養成所写真

技術的な部分はもちろんなんですが、精神的な成長が大きいですね。クラスメイトにはいろいろな年代のいろいろな価値観をもった人がいて、そのなかでリッスンをしていくうちに、あたりまえのことがすごくありがたいことだと思えるようになったんです。親に対してもすごく感謝してますし、今までさまざまな形で支えてくれた周囲の人たちにも、心からありがとうという思いでいっぱいです。演技って、生の自分をさらけだすことじゃないですか。レッスンをすれば技術は上達するけど、最終的には人間的な部分が評価されると思うんです。松濤に入って一番感じたのは、この世界にいる方々はそういう人間を見抜く目がすごく優れているんだなっていうことです。難波先生にも「演技中に人に触ろうとするのは、頼りたいという気持ちがあるからだ」と無意識の行動を指摘されて、絶対にうそはつけないなと感じました。

そういう努力が実って、10月からは『けんぷファー』への出演が決まったそうですね。

最初に作品オーディションを受けられる5名を学内オーディションで選ぶんですが、学内オーディションすら通らないと思っていたのでびっくりしました。自分でも信じられません。どういう面が評価されたのかは解りませんが、今の自分にできることを精一杯全部出し切るだけだと思ってます。でもこれで、今まで支えてくれた両親に少しは恩返しができるんじゃないかと思うので、すごくうれしいです。頑張ります。

デビューを決めた今の小林さんが、声優を目指す人に何かアドバイスをするとしたら?

自分にレッテルを貼らないこと、でしょうか。評価をしてくれるのは周囲の人なので、自分で「できない」とか「無理だ」みたいに決めつけないことが大切だと思います。私も自分とクラスメイトをくらべて落ち込んだりもするんですけど、まだ未熟だから自分の可能性を自分で見抜けないだけかもしれないし、もっと広い視野をもってどんなことにもチャレンジしないと成長できないような気がするんです。比較するなら昨日の自分にして、ほんのちょっとでも毎日前に進んでいけるようにしたいですね。

(取材:2009年9月8日)

学校から一言
事務局 花塚直子さん

小林さんはすごく一生懸命なんですけど、基本的に不器用なんでしょうね。ものごとを効率よく上手に吸収することができないんです。それでもめげることなく挑戦して、スタッフにも「どうしたらいいんでしょう」みたいなアドバイスを求めたりして、とにかく回数をこなすことで身につけていくんです。歩みは遅いかもしれませんが確実に成長しているのが伝わってきますし、繰り返しで身につけた技術の確かさがありますね。あと、何度へこんでもくじけない強さと明るさをもっている人だと思います。基本はいいものをもっているので、もっと自分の価値を認めたら、いい意味でのプロ意識が出てきてレベルアップできるんじゃないでしょうか。デビューも決まったことですし、これからに期待したいですね。
とても期待しています!

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