初音ミク×鏡音リン・レンのトークセッション




――「初音ミク」の音声を収録されたときは、どの程度までキャラクターを意識されて歌ったのでしょうか?


藤田  もともとクリプトンさんでは音楽業界向けに「MEIKO」さんや「KAITO」君といったソフトを発信していて、それは歌手の方が歌っていらっしゃったそうなんです。それとは別に、もっとキャラクター的なものを作りたかったので声優さんにお願いしたというお話をうかがったので、私はキャラクター重視で歌った覚えがあります。

――具体的には、どのようなキャラクターですか?

藤田  提示していただいたものが、ラフ画的なイラストと「清楚でかわいい女の子なんです」ということしかなく、あとは「藤田さんの声を聞いて選ばせていただいた」みたいなことを聞いたので、私が持っている声の「清楚でかわいい」部分を出しながら初音というキャラクターを作っていこうと思いました。

――キャラクターを意識ながら、正確な音程で歌うのは難しいのでは?

藤田  収録のときには「音程は気にしなくていいです。キャラクターの声をもっと気にしてください」と言われました。

――「鏡音リン・レン」については?

下田  リンはミクちゃんと同じくらいの時期に収録したのですが、ミクちゃんとキャラクターに変化をつけたいというのがあって、元気に、フレッシュに、パワフルに歌ってほしいということを言われました。歌える曲のテンポも少し上げるということで、ミクちゃんよりも早いメロディーのものを録りましたね。

藤田  それからすると、私のほうが結構のびのび歌っていたかもしれないです。曲のテンポも歌いやすいものばかりでした。あのカタカナの羅列を、早いテンポで歌うのは大変じゃなかった?

下田  早口が大変というよりも、書いてある文字を声に出しながら、次の文字を見ておかないと、対応が出来なくなっちゃうんですよ。

藤田  そうだね。

下田  だんだん、どこを読んでいるのかわからなくなる(笑)。

藤田  わかる、わかる(笑)。

下田  レン君のほうは、リンの3、4か月後くらいに収録しました。台本の読み方を勉強してから臨めたので、あまり噛んだりしなかったです(笑)。

――おふたりは、このソフトを使っての作曲はされていますか?

藤田  インタビューがあるごとに「やります! やりたいです!」と言っているんですけど、現実は厳しくて……(笑)。

下田  詞はこそこそと書いてはいるんですけど、作曲は難しそうで……。

藤田  確かに作曲はちゃんと勉強していないといけない気がする。

下田  でも、2人とも詞を書くのは好きなので、それは作品にしたいですね。

藤田  楽しそう!

下田  声を吹き込んだ私たちだからこそ書けるというか、全国のユーザーさんには絶対に書けないような詞が、私たちにはあると思うんですよ!!

藤田  言っちゃった! 大きく出てしまった(笑)。

下田  威張っちゃいました。すみません(笑)。

――おふたりの詞を発表して、それに合わせた曲を募集するというのは?

下田  いいですね、それ!

藤田  自分たちの詞に知らない人が曲をつけるというのも、不思議な感じがするね。

下田  でもやっぱり、ボーカロイドというソフトとインターネットの融合が、このヒットを生んだといっても過言ではないと思うんです。今まで自分が作った曲を人に聴いてもらえなかった人にも、聴いてもらえるチャンスがあるというのはいいことだし、音楽って人に力を与えたりするじゃないですか。そういうエネルギーの源に、このソフトやインターネット、そしてユーザーさんたちがなっているというのは、いいことですよね。

藤田  話が大きくなったね!

下田  今日は威張ってばっかりです(笑)。


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撮影/廣瀬武弘 取材・文/仲上佳克







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