TVアニメ『くまクマ熊ベアーぱーんち！』オープニングテーマ「キミトノミライ」をリリースする和氣あず未さん。１期に続いてのオープニング担当＆キャストとしても出演ということで、ご本人もアフレコやレコーディングが待ち遠しかったそうです。そんなうれしい気持ちでいっぱいの楽曲は、成長を感じられるものにもなりました。
１期よりもさらに明るくなって、みんなの成長や変化を感じました
――TVアニメ１期の『くまクマ熊ベアー』から引き続きオープニングを担当することになってのお気持ちはいかがでしたか？
アニメ２期が始まるということ自体もうれしかったですし、今回もオープニングを担当させていただけるというので倍のうれしさがあって。何よりも主人公のユナと私が演じているフィナちゃんたちの、あの幸せな空間をまた見られるのがうれしかったので、早くアフレコしたいし、早くレコーディングしたいなという気持ちでいっぱいでした。
――「キミトノミライ」の作詞・作曲・編曲は、１期のオープニング「イツカノキオク」と同じ顔ぶれで作られていますね。
全体的なメロディーラインが１期を思い出させてくれる感じになっていますし、「キミトノミライ」も「イツカノキオク」と同じようにサビ始まりで、それがより印象深く感じるような楽曲になっています。でも、「キミトノミライ」は１期よりもさらに明るくなって、みんなの成長とか心の変化とかを感じる楽曲だなって思いますね。
――キャラクターの成長もありつつ、和氣さん自身も成長した感じはありますか？
気持ちのせいかもしれないんですけど、全体的な歌のトーンも明るくなったなと思っていて。今の時間が幸せだったり、君と出会えて自分の世界が180度変わって毎日楽しいという思いだったりが、より乗せられたんじゃないかなと思います。
――２期で急にシリアスになるとかじゃなくて、明るくなるというのがいいですよね。
アニメも２期になって、より笑える部分も増えたし、よりほっこりする部分も増えたので、しっかり観ていただきたいですね。
――（和氣さん演じる）フィナも元気にしていますか？
すごく元気です！ 最初の頃のフィナちゃんは、自分は庶民だから、あまり貴族のお姫様たちと絡めないという感じだったんですけど、２期でも若干お姫様たちに振り回されている部分はありつつ、よりいじられキャラみたいな感じになって、みんなとなじんでいっているんだなって感じる部分が増えました。
――「キミトノミライ」の中で気に入っているフレーズはありますか？
いちばん最後の「触れたら壊れそうなくらい」というところは「イツカノキオク」から持ってきている歌詞なので、１期を観ていた人からすると、このフレーズを聴いたらジンと来るものがあるんじゃないかなと思いますね。最後まで聴いてもらえたら、「ひょー！」ってなるんじゃないかな（笑）。
――和氣さんも「ひょー！」ってなったんですか？
なりました！ 全体的に「イツカノキオク」を感じさせてくれる曲なんですけど、こんな最後にド直球を持ってくるなんてズルい！と思って。
――「キミトノミライ」の歌い出しは「出会えたことが始まり」ですが、今の和氣さんにとって何と出会えたことが始まりでしたか？
このお仕事をするきっかけはアニメとゲームで、アニメやゲームに出会っていなかったら、私は……何していたんでしょうね？ 本当に勉強が嫌いで、中学生くらいのときから大学には絶対に行かないと思っていて、だから、勉強しなくてもいい職に就きたいと思っていたんじゃないかなと思うんですよ。声優を目指そうと思ってからはより学校の勉強をしなくなっちゃったので、本当に声優になれてよかったです（笑）。
聴いていて前向きになれる楽曲は私に似ていると思います
――MVはどんな内容になっていますか？
MVも歌詞の内容に沿っていて、歌詞の中で最初はひとりぼっちで部屋に閉じこもっているような主人公が、君と出会ってから世界がまぶしくなっていくように、MVでも最初は額縁しか飾られていないんですけど、歌っていくうちに華やかな絵がどんどん増えていって、自分のなかで世界が色づいていくという感じになっています。撮影中も色が増えていくにつれて私の気分も明るくなっていったので、私の心ともリンクしているようなMVになっていますね。映像もすごくおしゃれで、私も絵を描いているふりをしていて。
――あれは本当に描いているわけではなく、ふりだったんですね。
そうなんですよ。美術さんが描いてくださいました。私も描きたい気持ちはあったんですけど、衣装を汚しちゃうとダメだからという理由で描けなかったんです。
――決して絵を描けないわけではないんだぞと。
でも、ああいう美術的な絵は描けないですね（笑）。
――シングルに収録されるもう１曲が「Invisible stars」。タイトルは「見えない星」という意味ですが……。
その「見えない星」という意味を最初に聞いたときは暗い曲が来るのかなと思ったんですけど、とんでもなく明るい曲が来ました！（笑） 音源を聴いたときは「うわ、歌うの大変そう！」と思って。サビも高いし、パワフルな曲だったので、レコーディングもサビのところで特におなかに力を入れて歌ったという、とにかく体力の要る楽曲だったなと思います。でも、すごく優しい曲だし、アウトロの部分とかも星が瞬いているみたいにキラキラ音が鳴っていて、とてもきれいな楽曲だなと思って。
――きれいでもあり、パワフルでもあるという。
この曲は聴く人によっていろんな捉え方があると思うんですけど、私は「いつも応援してくれてありがとう」という感謝の気持ちを直球で伝えたいなと思ったので、パワーを込めて歌いました。なので、私の全力の思いを乗せて歌うことができたなと思います。
――歌詞の言葉としては直球で書かれている感じですよね。
本当にこの曲は聴いているだけで元気になれるので、今も元気だよという人にとってはさらにブーストがかかりそうな曲ではあるし、元気のない人たちに聴いてもらえると自分のことを信じたくなるような楽曲にもなっていますので、「失敗してもいいんだよ」「前を向いていこう！」という、直球なメッセージのある楽曲になっています。
――そういうメッセージを和氣さんの歌声で聴くと、素直に頑張ろうと思えますね。
うれしいです（笑）。曲自体のマインドがすごく私に似ているんですよね。私は自分のことをネガティブだとずっと思っていたんですけど、意外とポジティブだなということが最近わかって。たとえつまずくことがあったとしても将来幸せになるからいいやという考えなので、「後悔はしたけど、未来は絶対明るいよ」って言ってくれているこの曲は、私に似ていると思います。みんなも失敗とか恐れることがあると思うんですけど、失敗はしたほうがいいと私は思っているんです。つまずいても、それをいい方向に持っていける力はみんな絶対あると思っているので、「何回だって躓いたこと」という歌詞のところは特にお気に入りですね。
――2月11日に行われた2ndライブではマスク着用での声出しが解禁になりましたね。
声出し解禁のライブはアーティストデビュー当日（2020年1月29日）のミニライブ以来だったので、不思議な感じがしました。
――この３年間で作ってきた楽曲たちに声援がつくようになったわけですからね。
みんながどこでどんな合いの手を入れてくれるんだろう？という楽しみもありましたし、この大勢の人たちが一斉に私に向けて「頑張れ！」と言ってくれるというのが「何なんだ、この感覚は？」となって、すごく楽しかったです。
――これからのアーティスト活動に向けて気持ちが変わる部分もありそうですか？
いつもライブのときは「ミスしないようにしよう」とか「この曲の入りは失敗しやすいから、ここ頑張ろう」とか、頭で考えちゃったりするんですけど、次のライブがもしあれば、一人一人に「ありがとうございます」って言って回りたいくらい、そんな余裕のあるライブにしていきたいなと思います。
■クレジット
取材・文／仲上佳克
Profile
わきあずみ●９月８日生まれ、俳協所属。主な出演作はアニメ『東京リベンジャーズ』（橘日向）、『女神のカフェテラス』（小野白菊）、『異世界ワンターンキル姉さん』（ソフィ）、『最強陰陽師の異世界転生記』（イーファ）ほか。
■information
5th Single「キミトノミライ／Invisible stars」
4月12日リリース
日本コロムビア
CD
1.キミトノミライ
作詞・作曲：宮崎まゆ 編曲：高橋修平
TVアニメ「くまクマ熊ベアーぱーんち！」オープニングテーマ
2.Invisible stars
作詞：東乃カノ 作曲・編曲：持田裕輔
3.キミトノミライ(Instrumental)
4.Invisible stars(Instrumental)
DVD
「キミトノミライ」ミュージックビデオ+メイキング
【初回限定盤】CD＋DVD 2,090円（税込）
【通常盤】CD only 1,430円（税込）
