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【インタビュー】来栖りんさんに聞く、大人気アイドルから声優への転身とソロアーティストデビューについて【独自取材】

来栖りん
アイドルから声優に……ソロメジャーデビューを果たす来栖りんさん独占インタビュー!!

5月24日にLantisからソロでのメジャーデビューが決まった来栖りんさん。アイドルから声優を目指すまでの葛藤や、TVアニメ『神無き世界のカミサマ活動』のOPテーマとして話題を集めているデビューシングル「I wish」への思いを聞いた。

――来栖さんはアニメやゲームがお好きだそうですが、興味を持ったきっかけは?
お母さんが週末になるとおうちの近くのTSUTAYAでドラマや映画を借りて観ていて、私はアニメのゾーンから『プリキュア』『ぴちぴちピッチ』とか、深夜アニメの『らき☆すた』『ハヤテのごとく!』を借りていたんです。記憶がないくらいちっちゃい頃なので、内容はよくわかっていなかったんですけど、小学生で『化物語』『神のみぞ知るセカイ』を観たくらいから理解できるようになって、『化物語』は原作小説も読んだりして。中学生の時はおうちに帰ったらアニメとゲームの毎日でしたね。「誰がこの声優さんをやってるんだろう?」と調べたのは、『ご注文はうさぎですか?』でチノちゃんを演じた水瀬いのりさんがきっかけで、そこから水瀬さんが出る作品を観たり、気づいたら水瀬さんが声をあてているキャラクターを推すことが増えて、ライブ映像をあさったり、バラエティーでちょっと毒舌なところを観て、どんどん沼にハマっていきましたね。あのキュルキュルの見た目で、ズバっとお話しするのがかわいくて!(笑) 今は1日1回は好きなライブ映像を観てから仕事に来ていて、今日は「アルペジオ」を観てきました。

――どういった経緯で声優を目指すことを決めたのでしょうか?
以前まではアイドル活動をしていて、いい意味でも悪い意味でも普通に生活していたら言われなかったであろう言葉や感じなかった気持ち、いろんな人の感情に触れることがありました。人前に立つのが本当に苦手で、今までは「このグループにいたいからアイドルをやりたい」という感覚に近くて、グループがなくなったら芸能界に未練があんまりなかったんです。それに好きだからこそアニメやゲームに携わることへの抵抗があって、半端な気持ちでやりたくなかったから口に出す勇気がなくって。でもグループの解散が決まって「今まではグループを大きくするという目標を追いかけてきたけど、何もなくなるからこそ新しい夢を見ていいんだ」と気持ちを抑えなくていいことに気づいて、夢として話すようになりました。口に出した瞬間はプレッシャーもあったんですけど、自分の背中を押す感覚もあったので、やるしかない、頑張るしかないと吹っ切れた感じがしました。

――そこからLantisからソロデビューが決まり、しかもデビュー曲がアニメのOPテーマというのは本当にすごいことですよね。
もう超びっくりしました。先行配信で「I wish」が出て、SpotifyやApple Musicで曲のジャンルがアニメになっているのを見てめっちゃスクショして(笑)、自分のことなんですけど、まだちょっとはしゃいでいますね。憧れの世界に入ったことをようやく実感してきたというか、いちいちうれしくなっちゃいます。

――ソロデビュー曲「I wish」への思いを聞かせてください。
一人で声優、アーティストとしてデビューすることになり、初めていただいた曲という意味でも思い入れはあるんですけど、自分自身に歌っているような感覚になれる歌詞があって、グッとくる部分がすごくたくさんあるんです。特にCメロはやりたいことを秘めていた自分をもう一人の私が連れ出してくれる感覚があって、この先ライブをしたり、声優さんというお仕事でいろんな壁にぶつかるなかで、自分のそばにいてくれる曲になるんだろうなと思うし、もうすでに大切な曲になっています。

――今回リリースされる楽曲には制作段階から関わられていたんですよね?
そうですね。今回はデモの段階から曲を聴いてスタッフさんと話して、自分でおうちにあるパソコンとマイクでデモのレコーディングをしたんです。ハモも初めてやったりして、一つひとつに思い入れがあって、全曲めちゃくちゃ好きなんですよ。私はメロディーもダンスも覚えるのが遅くて、リズム感もなくて、でも音楽プロデューサーのJunxix.さんに「頑張れば頑張るほどできる、努力の子だね」と言っていただけてから、こうやって早くから携われたらいろんな頑張り方があるなと気づけたので、みんなよりもちょっとできないかもしれないけど、何倍も頑張ってどうにかいいものを届けられるようになりたいなと思っています。

――取材時点では「I wish」がOPテーマになっている『神無き世界のカミサマ活動』が放送されたばかりですが、ご覧になりましたか?
第1話をリアルタイムでお父さんとお母さんと観ました。1話ってオープニング曲がエンディングに来たりするじゃないですか。なので「今流れるかな? あー今じゃない!」と話しながら観ていて(笑)。流れた時はうれしかったですし、CMで「I wish」のティザー映像が流れたのは突然だったのでめちゃくちゃびっくりして、パッとカメラを構えました(笑)。

――作品にはシアン役で声優としても参加されていますが、アフレコはいかがでしたか?
声優をやりたいと思った時から、フリー台本を使って練習してきたし、演技指導もしていただいたんですが、実践経験を積んだわけじゃないんですよ。でもシアンという名前のある役をいただいたので、私なりに今できる最善を尽くすために、何度も家で練習をしました。初めてのアフレコの前日は眠れなくてバックバクでしたし(笑)、その期間はお休みの日も「私はソファで座っていていいのだろうか」とずっとそわそわしていましたね。現場はすごく温かくて、音響監督から「ちゃんと練習してきたんだね」「めっちゃ良かったよ」と褒めていただいたり、指導していただくたびに努力の楽しさを感じたというか、1から頑張っている感覚が新鮮で。自分はまだまだだなという悔しさと同時にすごくキラキラした感覚があって、それが原動力になりました。

――楽しさを感じたのはどんなところですか?
まったく違う自分になれる瞬間って、普通に生活していたら味わうことがないじゃないですか。それが声優の魅力の一つだと思っていたので、気持ちがシアンに近づくにつれてシリアスなシーンだと本当に苦しくなって、「ああ、こういうこともあるんだ」とワクワクしました。

――逆に難しさを感じたのは?
映像のお芝居だとセリフを覚えて自分の体を動かすんですけど、アニメのアフレコは台本を見て、ボールドが出たときにしゃべって、タイムや滑舌を気にして、そこに感情を乗せて、すごくマルチタスクなお仕事じゃないですか。それが本当に大変でしたし、当たり前にできるようにならなくちゃいけないことに大きな課題も感じました。そしてレッスンだと感情が入りやすくて、ボロボロ涙が止まらなかったり、立てなくなることがあったんですけど、先生に「すごくいいんだけど、鼻が詰まったり、嗚咽が出ちゃうから泣くシーンで本当に涙は流しちゃいけないんだよ」と教えていただいて。声だけで感情を伝えて、かつ聞き取りやすくなくちゃいけないから、感情を乗せたからいいというわけじゃないんだなと、いろんなことを知れましたね。

――努力をし続ける来栖さんがリラックスできるのはどんなときですか?
ゲームがすごく好きで、おうちにパソコンとマイクがあるというのも、もとはゲームをするためで。なので、一日中おうちにこもってひたすらゲームをするのが至福の時ですね。特に『Skyrim』『ELDEN RING』『DARK SOULSシリーズ』などのゲームが好きで、経験を積んでレベルアップしたら勝てるんですけど、「初手で挑むことに意味がある」みたいな変なプライドで初期装備で挑んでみたり(笑)、1体の敵に5時間くらいかけたり、長い時間やればやるほどクリアできたときに気持ち良くて、それを味わうためにゲームをしている感じがありますね。最近だと、お友達と『VALORANT』をやっていて、銃片手に「今日こんな仕事したんだよ」と一日の仕事の振り返りをしています(笑)。

――お話とゲームの内容にギャップがありますね(笑)。今後はどんな活動をしていきたいですか?
キャラソンが大好きで、キャラクターとして歌うことにすごく憧れがあるんです。好きな声優さんがアーティストとして出している曲とキャラソンとして出している曲を聴き比べて、発声の仕方も息遣いも変えているのに気づいて興奮するので、私も歌ってみたいですね。あとアニメを観ていて、「え!このキャラクター、◯◯さんだったの?」とゾクっとすることが今までたくさんあって、自分もいろんなタイプの声が出せたら素敵だなと思っています。

――いつかは憧れの水瀬さんと共演したいですか?
したいんですけど、好きだってことを言えるかな……いざ会ったら内緒にしちゃうかも……(笑)。きっとカチカチになっちゃうんだろうなと思うんですけど、いつか共演できる機会までにたくさんスキルを磨いておきます。

――「I wish」では「お願い!カミサマ 叶えて」というフレーズが印象的ですが、今後叶えたいことは?
プラネタリウムが好きで、ナレーションをやりたいんです。おうちの近くに小さなプラネタリウムがあって、ちっちゃい頃、そこでマイクを持って説明しているお姉さんがすごくカッコよく見えたんですよね。声のお仕事をすると決めてからリアルな夢になって、実際にやられている声優さんもいらっしゃるので、いつか有名になって「りんちゃんがナレーションをやってるから行こうかな」と、私きっかけでプラネタリウムに行ってくれる子がいたらいいなという密かな野望があります。天体観測イベントもやってみたいです(笑)。

 

取材・文/東海林その子

 

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声優グランプリ 2023年7月号

■Profile
くるすりん●11月8日生まれ。2023年春、アニメやゲーム関連の⾳楽を中⼼に展開しているレコードレーベル『Lantis』より、メジャーデビュー。6年間アイドルグループのセンターを務め、アイドル、モデル、⼥優として様々な幅を広げてきた彼女が「声優」という新たなステージに挑戦中。最新情報は公式HPをチェック!!

■information
デビューシングル「I wish」
5月24日リリース
Lantis

初回限定盤【CD+Blu-ray】
価格:3,300円(税込)

 

通常盤A【CD】
価格:1,650円(税込)

 

通常盤B【CD】
価格:1,650円

©2023 朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会

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