声優になりたいけど、どうすればいいのかわからない……。でも大丈夫。夢を叶えた先輩からのメッセージには、そんな悩みを解決してくれるヒントが満載です。
今回は、アミューズメントメディア総合学院（以下、ＡＭＧ）の卒業生で、現在声優として活躍中の日向未南さんが登場。AMG時代のエピソードやAMGの魅力を語っていただきました。
――声優を目指し始めたのはいつ頃でしたか？
声優を具体的に目指し始めたのは高3ぐらいで、それまではアニメが大好きだったので将来はぼんやりとアニメ関係の仕事がしたいなと思っていました。当時はまだ明確に声優になりたいとは思っていなかったのですが、アニメのキャラクターへの憧れがあり、どうしたら自分も彼らのような経験ができるだろうと考えた時に、声優しかないかもしれないと思い一歩踏み出しました。
――声優を目指すことへの不安はなかったのでしょうか？
あまり不安は感じていませんでした。今思えば楽観的だったなと思うのですが、当時は声優を目指すことの大変さをあまり考えられず、ただ憧れの気持ちだけで突き進んでいました。でもあの時の無謀さがなければ今の自分はいなかったので結果的に良かったです。
――周りの友達には伝えていましたか？
私はあまり周囲の人に自分の話をするタイプではなかったので、軽く話す程度でした。家族や友達にも特に反対されず、自分で学校や住む家なども決めて、準備を進めていました。福島出身なのですが、上京することにもあまり恐怖はなかったです。
――AMGに入ろうと思った理由は？
一番有名だったからです。当時は声優事務所が養成所をやっているという知識もなかったので、声優になるためには学校行かなければいけないんじゃないかと思っていて。AMGには著名な先生方や卒業生がいるというのは知っていたので、ここなら安心だなと思って入学することに決めました。ただ、入学したはいいものの、1年生の時は周りの人たちがキラキラしすぎて圧倒されていました。挨拶から意識が違っていて、先生から一人ずつ挨拶するように言われたんですけど、周りの同級生は「はい！」とはっきりと答えていたのを鮮明に覚えています。あまりにも私とはレベルが違い過ぎて場違いなところに来てしまったと思いました。キラキラしていて、可愛くて、かっこよくてっていうのが最初の印象ですね。
――圧倒されたんですね。日向さんはお芝居の経験はあったのでしょうか？
声優のレッスンはもちろん、お芝居とかも全然学んでいなかったので、1年目は人前で大声を出すのがとても恥ずかしかったです。同級生は声優を目指す人たちが集まっているので、当たり前のようについていけるんですよ。私は最初の頃は「もう無理！」と思いながら、声優に向いてないのかもしれないと思った記憶があります。今はだいぶ慣れてきてはいるんですけど、人前に立ってお話するのは苦手です。
――そこで学んだことはありますか？
ぼんやりとしていたらダメなんだなと思いました。最初はお芝居のことを勉強していろいろ数をこなせば慣れるだろという甘い考えだったんですけど、積極的にアピールしていくことが大切なんだと学びました。AMGではインターシップもあるんですけど、学校でも目立っている人がインターシップに呼ばれている印象があって。私は一度もインターシップに参加したことがなくて、あまり目立つことができなかったんです。そこで学校での向き合い方がすでに将来に繋がっていることを身をもって実感しました。
――AMGで印象に残っていることはありますか？
1年生の時の文化祭ですね。私たちはアフレコを披露したんですけど、私の大好きなアニメ作品をやることになって、とても楽しかった記憶があります。あとは普通の舞台を初めてやったんですけど、私はそこで主役の男の子をやらせてもらったんです。そこで声優以外の道もあるんだなと思いました。
――AMGで行われた授業の中で面白かったものは？
やっぱり朗読ですね。朗読の授業はアフレコとは違った面白さがあって1番楽しかったです。
絵が無い状態で、お互いの言葉だけで世界を作っていくのはとても難しいですが、楽しみながら行うことができました。朗読に触れたことで、よりお芝居の魅力に引き込まれていきました。
――今の声優活動に生かされているAMGでの学びはありますか？
先ほども言ったような私がやります精神が現場でも役に立っています。例えば、アフレコ現場でモブのキャラクターを誰がやるかが決まっていなかった時に、監督さんから「誰かやってくれる？」と言われることがよくあるんです。そこですぐに自分から立候補できるようになりました。そういう些細なことですが、機会を逃さずに積極的にチャレンジすることの大切さはAMGを通して学びましたね。
――声優活動を通して大変だなと思ったことはありますか？
たくさんあります。その中でもオーディションが特に大変ですね。この間も大好きな作品のオーディションを受けたんですけど、落ちてしまって……。その作品が漫画で連載している時から好きだったので、私の中ではこの子の声は私なんだと思いながらやっていたんですけど、あっけなく落ちてしまって。改めて厳しい世界だなと実感しつつも、自分に割り当てられたキャラクターを大切に演じようと思いました。
――では、日向さんが声優として心がけていることはありますか？
私が常に思っていることは役を大切に演じることですね。役と向き合う時間を増やせば増やすほど理解度が高まっていくじゃないですか。あまり私と似ていないなと思っていても、考えれば考えるほどその子のことがわかってきて、だんだんとキャラクターに愛着が湧いてくるんです。どれだけ時間が限られていても、キャラクターとしっかり向き合う時間を確保することが大切なんじゃないかなと思います。
――声優として挑戦してみたいことはありますか？
挑戦とはまた違いますが、生涯少年役をやりたいですね。やりたい役はもちろんたくさんあって、こういう役もやってみたいなというのもあるんですけど、
声優を目指したきっかけである少年役は、これからも一番やりたい役どころだと思います。これから先、たくさんの少年と出会うためには、もっと自分にしか出せない個性を見つけていきたいです。
――最後にAMGの魅力を教えてください。
いろいろな先生がいらっしゃるんですけど、先生方それぞれお芝居に対する考え方が違っていて、そこが素敵だなと感じます。在籍していた時に先生から「自分に合う先生を見つけてください」と言われたことがあり、自分が役者としてどういうふうに生きていくかを先生方を見て学べるところはAMGならではだと思いますね。先生方それぞれが違う視点からお芝居を見ているので、いろんなことを吸収できるんじゃないかなと思います。そういう方々が私たちに親身になってくださる環境なので、ぜひ声優を目指したいなと思っている方は一歩踏み出してみてください。
撮影＝武田真由子 取材・文＝川崎龍也
■アミューズメントメディア総合学院
エンタメ業界のプロを育成する
2年間でエンタテインメント業界の第一線で活躍できる“即戦力”の育成を目的に設立したAMG。
最大の特徴は、在学中からプロとしての経験が積めることです。邦画制作、海外映画の吹き替えスタジオ、ゲーム開発、小説・漫画の出版など、一般に流通する商業コンテンツを生み出すAMGグループの現場に参加。
プロとしての実力を身につけながら、就職・デビューを目指します。
＜東京校＞ https://www.amgakuin.co.jp/
＜⼤阪校＞ https://www.amg.ac.jp
■日向未南
ひなたみなみ
1月24日生まれ。アクセルワン所属。
主な出演作は、アニメ『王様ランキング』（ボッジ）、『賢者の弟子を名乗る賢者』（ルミナリア）、ゲーム『トワツガイ』（ツバメ）ほか
オフィシャルサイト：http://www.axl-one.com/talent/hinata.html
Twitter：https://twitter.com/hinata_axl