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【インタビュー】「あ、変わったな」と思ってもらえるはず――Liyuuの2ndアルバム『Soaring Heart』はデビュー4周年を迎えた「挑戦の一枚」【seigura.com限定】

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Liyuuさんの2ndフルアルバム『Soaring Heart』が、2月7日にリリース。既発の2曲を含む全10曲を収録していて、タイトルチューンのMVもファンを中心に大きな話題を呼んでいます。そこで、本人にインタビュー。既発曲以外の8曲をレビューしてもらいながら、自身の成長などを語っていただきました。

2年ぶりのフルアルバムは“変化”を見せる1枚に

――今回はフルアルバムということで、長い期間をかけて制作したと思います。率直に、どんな1枚になりましたか?

1stアルバムをリリースしたのは2年前で結構期間が空いたので、今回は“変化”を見せられる1枚になったと思います。2年前は言われたことをそのままやるだけでもいっぱいいっぱいだったんですけど、今回は自分の考えややりたいことも入れることができたので、新しい一面を表現できたかなと。たとえば、コンペで収録曲を決める場合は自分でも選ばせてもらったり、MVの衣装や髪型のアイデアも出したりしましたね。

――さまざまな場面でアイデアを出したようですね。では、リード曲『Soaring Heart』から順に楽曲について聞かせてください。この曲はコンペでしたか?

そうです。10曲以上ある候補のなかから選びました。

――決め手は何だったのでしょうか?

選ぶときにはまだ歌詞がなくてメロディだけだったんですけど、すごく透明感のある曲だなと思ったんです。軽くて浮いているような雰囲気で、そこがすごく好きだなって。

――まさに“Soaring(=舞い上がる)”ですね。歌詞からも、開放的な印象を受けました。変な言い方ですが、コロナ禍が明けたなと。

そういう意味も込められていますね。自分もみんなもそうですけど、もう何年も遠くに行きづらかったじゃないですか。だけどようやく2023年の後半くらいから海外にも行けるようになって、自由をあらためて感じました。だから、より遠いところに行くことへの勇気をもらえる曲にもなっていると思います。あとは、内面的なところも。やっぱり、生きていると迷うことってあるじゃないですか? 小さいことから大きなことまで。私も皆さんもきっとそうだと思うんですけど、この曲では1番で迷いを、2番で少しずつ羽ばたいていく様子が歌詞になっています。

――迷いが吹っ切れていくんですね。

なので、「迷っても進めるんだ」という気持ちをこの曲で伝えたいなと思っています。

――MVも、歌詞とリンクした世界観ですよね。

はい。物語になっていて、最初は外の世界を見たいけれど部屋の中から出ようとしない状態なんです。でも、そこから勇気を出して階段を上って、外の世界に出ていく。で、最後は風を浴びながらキャリーバッグを持った私が、もっといろんなところに飛んでいきたいという気持ちになる流れです。この案を監督から聞いて、私の中でイメージを膨らませて……衣装のアイデアを出しました。もともとは白のロングスカートを着る予定だったんですけど、背景も白だとわかっていたから「白のロングスカートなら透明感は表現できそうだけど、背景と一体になっちゃいそうだし、重たくなりそうだな」と思って。ショートパンツを選んだんです。

――そんな裏話が。たしかにボトムがスッキリしたから軽やかで、透明感も増している気がします。きれいなロケーションも相まって、素敵な映像に仕上がりましたね。

そう、実はあの日って、朝まで雨が降っていたんですよ。空も真っ暗で、太陽が出ているはずなのに夜みたいでした。「本当に撮影できるの?」とみんなでソワソワしていたんですけど、現場に着いて15分くらいしたら、ものすごく晴れたんです。だから普通に撮れちゃいました(笑)。

――奇跡ですね。Liyuuさんは晴れ女なのかも。
たしかに! 台風予報だった日も小雨くらいで済んで、午後になったら晴れるみたいなことがありました。あと、東京から地方に移動してすぐ、東京で雨が降り出すこともあったな……(笑)。

曲ごとにアプローチを考えてレコーディングしました

――では、リード曲以降の新曲についてもうかがっていきたいです。「CuteBit」は、ボカロっぽいメロディがかわいいラブソングですね。

キューピッド視点の恋愛物語です。恋する2人を見て、自分自身も恋愛に憧れるようになるという、明るくてノリノリな曲調ですね。

――歌声もかわいらしい印象でした。レコーディングで意識したことを教えてください。

かわいい感じですけど、キャピキャピにはならないように気をつけました。少し年齢を上げて、落ち着いた大人な感じ。だけど、落ち着きすぎずテンション高く歌うようにしましたね。そういう歌い方にしたのも、今までとは違うという“変化”を見せたかったから。できるだけ自分で考えて、これまでにないアプローチにしたいなと思っていました。ちなみに、男の子・女の子をあんまり強調していないのもこのアルバムのポイントです。そうしたほうが、男性も女性も自分の視点に置き換えて聴きやすいと思うので。次の「Warp to You」もそういう曲。推し活に夢中になっている主人公の思いは、男性でも女性でも共感しやすい内容になっています。

――なるほど。それに、この曲からも開放的な心境が感じ取れます。どこにでもワープできるぞ!と。
そうですね! そういうところはあるかも。

――また、サビには音程が一気に高くなる部分がありますよね。難しそうですが、歌ってみていかがでしたか?

いやぁ……? 難しいというより、ここはこの曲のポイントだと思っていました。一瞬で移動しちゃうワープを音で表現すると、こうなるのかな?みたいな。

――そういうことなんですね。面白い発想。聴くのがますます楽しくなります。では、「カナエルカナタ」はいかがですか?

コールがいっぱいの曲ですね。なんでこの曲を入れたかったかというと、声出しOKのライブを楽しみたかったからなんです。今までの私のライブは、声出しできないことが多かったし、ミニアルバム『koii』は、5曲中3曲が落ち着いた感じの曲で、声出しできる曲がそんなになかったんですよ。

――だから、このタイミングで思い切りコールできる曲を作ろうと。

はい。レコーディングではコールも私が録りましたけど、ライブではここでみんなの声を聞きたいなと思っています。……覚えることが多くて大変ですけどね(笑)。私も、レコーディングする直前は、コールの複雑さとか早口な部分とかを思い出して、少しだけ「なんでこの曲を選んじゃったんだろう!」「ノリで選びすぎた!」って思ったんですけど(笑)、歌ってみると本当に楽しくて。「ライブでやったら、絶対大盛りあがりするな!」とあらためて思いました。Liyuuとしては、あんまりイメージになかった曲だと思うので、挑戦できたのもうれしかったです。

――では、「ワンダーランド」についても。

これは、宇宙をイメージした曲ですね。レコーディングも宇宙で歌っているような感じを意識しました。あと、クラブのDJさんがやりそうな、リズムに乗りやすい曲でもあるじゃないですか。間奏も長めだし。こういう曲はもともと好きで、自分でもやってみたいなと思っていたんです。なので実現したうれしさもありながら……リズムに合わせて元気に歌おうと思っていましたね。

――そうして、「Loving Loving」から少しずつ落ち着いた曲調になっていきます。

こちらも、やってみたかったことが詰まっている曲です。最近よくK-POPを聴くんですけど、K-POPってオケが薄めなんですよ。そういう感じの曲を自分でやってみたらどうなるだろうと興味が湧いて、この曲を作ってもらいました。オケが薄いぶん自分の声がバーンと出るのは不思議な感覚ですけど、面白かったです。

――K-POPのようなアプローチをしてみたいとは、Liyuuさんから提案したんですか? それとも、スタッフさんからの提案でしょうか?

お互いにやってみたいなと思っていた感じですね。スタッフさんから「どうですか?」と聞かれたとき、「私もまさにやってみたいと思っていました」って。

――本当に挑戦だらけの1枚ですね。

そうですね。初めてのことってうまくできるか不安だし緊張もしますけど、やらないと先に進めないので。今回のアルバムでたくさん機会をもらえてうれしかったです。

――続いて収録されている楽曲『六等星』は、歌い方に特徴的な部分がありますね。

そうですか?

――Bメロの<Ahキラキラした いたずらみたいな今〜>といったあたりは、聴いていてインパクトがありました。

自分的には、疾走感があるオケだったので「それにあわせて歌おう」というくらいでした。この曲は、そういう雰囲気がはまるのかなって。

――そうなんですね。今回のアルバムには、曲によってラップや早口で歌うパートなどもありましたが、ここまで話を聞いている感じ、行き詰まることなくサラッと歌いこなせている印象ですね。

おおっ、ありがとうございます。

――それも成長なのかも?

たしかに。それに今回は「この曲はどんなふうに歌うのがいいんだろう」と、自分なりにじっくり考えて一曲ずつレコーディングをしていったんです。仮歌さんの音源は聴くんですけど、レコーディングするときに仮歌さんとは真逆の歌い方にすることもありました。だから、曲の印象が最初とはガラッと変わることもありましたね。それもやっぱり、「変化を見せたい」、「新しい一面を表現したい」と、こだわっていたからだと思います。

――しかも、曲の世界観もきれいですね。終盤になるにつれ、星や月が空に輝いていることを示す歌詞になっていって、日が暮れたことを示しています。

このアルバムの最期の曲「purple and cycle」はちゃんと締めてくれる曲にしたくて、“おやすみ感”がある曲にしたいとオーダーをしました。「Loving Loving」とはまた違った意味でオケを薄くして、静かな曲にしましたね。J-POPらしい曲でもあるのかなと感じたので、メロディに逆らわないように優しく静かに歌っています。こういう歌い方は、自分に合っているなとレコーディングしてみて感じましたね。

――端々から変化や成長を感じるレビューになりました。そんなLiyuuさん、今年でソロアーティストデビュー4周年です。Liyuuさんにとって、ここまではどんな4年間でしたか?

デビューしてすぐにコロナ禍に入ってしまって、思うように活動できなかったので……4周年だというんですけど、自分自身は4年も活動している感じがしません。なので、これまでできなかったことは、ここからどんどんやっていきたい。ライブもその一つです。

――4月には、『Liyuu Concert TOUR 2024「My Soaring Heart」』を開催予定です。意気込みを教えてください。

前回のツアーからちょうど1年ぶり。1年でどのくらい変化できたのか、このツアーでいっぱい感じて欲しいなと思っています。今回のアルバムでたくさん挑戦できたので、見てもらえるいろんな場面で「あ、変わったな」と思ってもらえるはず。そうして、少しでも成長感じてもらえたらいいなってます。

取材・文/松本まゆげ

プロフィール
Liyuu●りーゆう
1月9日生まれ。ホリプロインターナショナル所属。主出演作は、TV『ラブライブ!スーパースター!!』唐可可、『100万の命の上に俺は立っている』。

information

Liyuu 2nd Album『Soaring Heart』
好評発売中

【初回限定盤】 LACA-35072(CD+BD)
4,620円(10%税込)
4,200円(税抜)
7inch紙ジャケット仕様
Lyrics and photo book同梱

【通常盤】 LACA-25072(CD)
3,300円(10%税込)
3,000円(税抜)

01. Soaring Heart
作詞:真崎エリカ 作曲・編曲:Aira(Dream Monster)
02. bloomin’
作詞:しらゆき美優 作曲・編曲:白戸佑輔(Dream Monster)
03. TRUE FOOL LOVE
作詞・作曲:TAKUYA 編曲:本間昭光
04. CuteBit
作詞・作曲・編曲:5u5h1
05. Warp to You
作詞・作曲・編曲:PandaBoY
06. カナエルカナタ
作詞・作曲・編曲:金山秀士(Dream Monster)
07. ワンダーランド
作詞・作曲・編曲:picco
08. Loving Loving
作詞・作曲:MOMO 編曲:MOMO , Carlos K.
09. 六等星
作詞:児玉雨子 作曲・編曲:JUVENILE
10. purple and cycle
作詞:かわいあこ, 星 銀乃丈 作曲・編曲:星 銀乃丈
Info
[BD]※初回限定盤のみ
01. Soaring Heart Music Clip
02. Making of Soaring Heart Music Clip

初回生産分封入特典:フォトカード(全3種のうちランダムで1種)※初回限定盤のみ

Liyuu Concert TOUR2024「My Soaring Heart」開催決定!
4月13日(土)千葉 森のホール21
4月21日(日)大阪 松下IMPホール
4月29日(月・祝)愛知 ダイアモンドホール
詳しくは公式HPをチェック!

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