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【web限定スペシャル版】佐々木李子さん「Windshifter」インタビュー

5月22日にランティスよりデビューを果たした佐々木李子さん。デビューを記念して、声優グランプリ6月号に掲載された特集をWebにて特別公開! 本誌未掲載カット&インタビュー内容を加えたスペシャル版でお届けします!

お気に入りのタイトルをどんどん広めていきたい

――まずはランティスからのデビューが決まったときのお気持ちを振り返っていただけますか?
とにかくうれしい気持ちでした。今までの枠にはまらず、新たな自分の可能性を見つけて、よりいろんなことにチャレンジしたいと思っていたので、ワクワクした気持ちが止まらなかったです。

――デビューシングルの表題曲「Windshifter」はTVアニメ『リンカイ!』の主題歌として、オープニングを飾っています。
オープニング曲を歌うのが久しぶりなんですよね。これまでエンディング曲が多かったのは、もともと自分の中にひねくれた感じとか闇の部分があるから、楽曲もそういう雰囲気の曲が多かったからかなと思っていて(笑)。今回は久しぶりのオープニングなので、今までにないくらい気持ちも明るく「始まるぞ!」という勢いがより伝わるように歌いたいなという気持ちでした。

――女子競輪を題材にしたアニメとのタイアップということで、楽曲制作はどのように進めていきましたか?
制作はスピーディーに進んでいって、歌詞も最初にいただいた時点で、選手の熱い気持ちが盛り込まれているなというのは感じました。最初から最強の選手なんてなかなかいないし、みんな努力をして、いろんな経験を積んで、ときには負けちゃったり、失敗もあったりしながら、それでも、もがきながらも進んでいくという。『リンカイ!』のアニメにぴったりでしたし、今の私にもぴったりだなと思いました。

――実際の競輪を見たことがないとしても、レースの情景が目に浮かんでくるような1曲になっていると思います。
私は実際に競輪場に行って、何回もレースを見させていただいたので、選手の皆さんがレース前に集中している真剣な様子とか、最後の最後まで自分のハンドルを握って進んでいく前向きな気持ちとか、そういうものをイメージしながら歌うことができました。

――「Windshifter」というタイトルについては、どんな印象がありましたか?
この言葉は造語で、「風を操る(=シフトする)者」ということで「Windshifter」という意味。最初にこの言葉を聞いた時にぴったりだなと思いましたし、まさに風を感じるような、一歩を踏み出す曲にふさわしいなと。この曲を作ってくださった5u5h1さんともお会いして、こだわりのタイトルというのを聞いていたので、お気に入りですね。皆さんにどんどん広めていきたいですし、なじませていきたい言葉です!

――今回の撮影でも見事に風を操っていましたね。
風って目に見えないものだけど、いろんな形で表現できるんですよね。今回みたいに写真だったら布を使って表現したり、機械を使って風を吹かせてくださるスタッフさんもいて。MV撮影の時も感じましたけど、みんなで協力しないと風って巻き起こらないんです。この曲にはそういう部分も込められているので、この曲を聴くだけで、歌うだけで、自分も背中を押されています。

3曲のバランスがいいので絶対どれかは刺さるはず

――カップリングの2曲についても、楽曲の印象やレコーディングのエピソードなど、それぞれ教えてください。
まず、2曲目の「フタリノセカイ」はしっとりした、心にしみるような、温かいバラードなんですけど、こういう恋愛の気持ちを歌った曲はなかなか歌ったことがなくて、新鮮な気持ちでレコーディングしました。ただ温かいだけじゃなくて、1番から2番、最後のサビまで物語があって。1番は一つひとつの思い出を振り返りながら歌うような優しい気持ちで歌って、2番はすれ違うようなシーンがあるので、ちょっと不安が残るようなニュアンスを細かく入れてみたりして。ラストのサビはそれでも寄り添い、歩み寄って、二人で希望を見つけて未来に進んでいくという気持ちを歌っています。

――最初のシングルでこういった恋愛のバラードが収録されるというのも、なかなか珍しいような気がします。
これも一つの挑戦というか、カップリング曲をどういう楽曲にするのかもいろいろ話し合ったんですけど、結果的に3曲完成してからのバランスはすごくよかったですね。「Windshifter」は前向きで明るい、「フタリノセカイ」はバラードで優しく、3曲目はロックのかっこいい楽曲になっていて、絶対どの曲かは刺さる曲があると思うので。

――3曲目は「PROVE」です。
タイトルは「証明」という意味なんですけど、自分自身を証明していく曲で、無我夢中に楽しく歌っていたら、あっという間にレコーディングも終わっちゃいました。ロック曲って体力も使いますし、いろいろやりようがあるからレコーディングは長引いてしまうことが多いんですけど、「PROVE」はイメージが最初からできていたので、ライブで歌っている景色が見えました。みんなでシンガロングするところもあったりするので、最初から気持ちが真っすぐ入れられた曲だなと思います。間奏でコーラスがあるんですけど、そこは今回初めて事務所のスタッフさんがスタジオに来て歌ってくださったんですよ。みんなで一生懸命練習しながら録った様子も見ていたので、早くライブでファンのみんなと歌いたいですね。

――3曲とも歌詞の一人称が「僕」になっていますが、これはなにかこだわりがあるのでしょうか?
自然と「僕」になったので、私もなんでだろう?と考えてみたら、自分の声色にも合っているし、「僕」にするからこそ気持ちを真っすぐに入れやすいですね。「私」だと恥ずかしさもあるのかな……? 自分がお芝居好きで、ミュージカルもやっていたので、憑依するというところでいうと「僕」のほうが気持ちを作りやすいからなのかなと思います。そのほうが力強さも出るし、主人公感がありますね。

――たしかに主人公感はありますね。
ただ、「フタリノセカイ」で「僕」はちょっとだけ難しかったですね。なので、プリプロ(プリプロダクション)というレコーディングの本番の前に試しで歌うというのを何回かやって、特に2曲目は時間をかけました。

――ジャケット写真の撮影について、何か裏話などはありますか?
撮影のときは初めて会う方も多かったですし、めちゃくちゃ緊張しちゃいましたね。でも、たとえば私がちょっと緊張していたらコーヒーを持ってきてくださるスタッフさんがいらっしゃったり、私からも仲よくなりたいからお菓子を配ったりとかして、徐々に心も打ち解けて、気持ちも晴れやかになっていきました。撮影は特に緊張しちゃう性格なんですけど、さわやかに、いい表情で撮れたなと思います。

――MVもまたリスタートにふさわしいさわやかな内容で、特にドローンのカメラが空中を駆け抜けるようにして始まるイントロの部分は壮観でした。
あんなに小回りの利く、小さいドローンは初めて見ました。小さいとより素早く動き回れるし、最初に建物の中に入っていくというので「ここから始まるぞ!」というのを表現していただけました。それでも人生、思いどおりにいかないことがあるというか、この日もちょっとだけ雨が降っちゃったんですけど、そこであきらめずにみんなで協力して、一つの作品を作っていって。建物の中でも風を一生懸命みんなで表現して、光も調整してくださって、まるで晴れわたる中撮影しているかのようなMVを撮れたので、より「Windshifter」の歌詞が心にしみましたね。

――うまくいかないことがあっても、それをプラスに変えていくという。
どんな風もいい風に変えていけるんだというので、私も常に“Windshifter”でありたいなと思いました。



――ランティスデビューが決まった際のコメントで「気持ちも髪色も明るく」とありましたが、髪色を変えようと思ったきっかけや周りの反応などもお聞かせください。
ランティスデビューだから新たな佐々木李子、より進化した自分になりたいと思って、人生で初めてブリーチをして、ハイトーンカラーにしました。今までは勇気が出ず、ずっと黒髪か茶のボブ、ショートだったので、実際はドキドキしていましたね。「ファンの人はどう思うんだろう?」というのはあったんですけど、意外と「いいね」という声が多くて安心しましたしうれしかったです。気持ちも自然と明るく、ポジティブ思考になった気がするので、しばらくはこの明るいカラーを楽しみたいなと思います。

――明るい髪色の自分を、最初は見慣れなかったのでは?
朝起きて、鏡を見たときに「え? 誰!?」みたいなことはあったんですけど、もうなじみました(笑)。今まで挑戦しなかった服とかも、髪が派手だと意外と似合ったりするので、ファッションやヘアアレンジも最近はいろいろチャレンジするようになりました。

――気持ちだけでなく、生活スタイルもポジティブになってきたんですね。
でも、いいことですよね。今までは自分の中に闇があるからこそ歌えた曲もあったんですけど、今は自分と同じような気持ちの人が元気になったり、自信がついてくれたりしたらいいなと思うので、とにかく自分から前に行って「みんなついてきてよ!」くらいの強い気持ちでいます。

――『リンカイ!』で演じられている久留米美虹も競輪界最強の女王という、佐々木さんがあまり演じてこられなかったタイプのキャラクターかなと思います。今までは自分に自信がないタイプの役を演じてこられたイメージがあるので。
そうですね、初めて挑戦しました。だから、どこか自信なさげに聞こえる要素があったりして苦戦はしたんですけど、徐々に「そんなに深く考えなくてもいいんだ」みたいな、今の自分の気持ちとリンクして、だんだんなじんできたなと思います。

――今後はファンの皆さんにどんな歌を届けていきたいですか?
新たにランティスからデビューさせていただけるということで、新たな佐々木李子に存分に期待していただきたいですね。加速しながら進んでいくので、一緒についてきてほしいなと思います。ライブも今まで以上に盛り上げて、進化したものにしたいので、そこも楽しみにしていてほしいですし、より心に響く歌を届けられる、世界にも通用するようなアーティストになりたいと思っています。なので、この楽曲も含めて、ぜひ生歌を聴きに来ていただけたらなと思います。

撮影/コザイリサ ヘアメイク/安海督曜 スタイリング/石川 淳 取材・文/仲上佳克

プロフィール
ささきりこ●11月10日生まれ。テレビ朝日ミュージック、ハニカムエンタテインメント所属。主な出演作は『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』(三角初華)、アニメ『ワールドダイスター』(流石知冴)、『かげきしょうじょ!!』(山田彩子)ほか。

 

■info
TVアニメ『リンカイ!』オープニング主題歌「Windshifter」は好評発売中。アーティスト盤は表題曲のMVとメイキング、オリジナルムービーを収録したBlu-ray付き。発売当日の5月22日には東京・池袋サンシャインシティ噴水広場にてリリースイベントを開催予定。そのほか最新情報は公式サイト(https://sasakirico.com/)をチェック!

【アーティスト盤(CD+BD)】

3,300円(税込)

【アニメ盤(CDのみ)】

1,650円(税込)