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【ライブレポート】『SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024すみぺの大理論』が開催! ベストアルバム『SUMIRE CATALOG』を携えたツアーのファイナル!

10周年のファーストピリオドを終えたその先
これからも続くであろう同志たちとの革命の日々への予感と期待が高まる
素晴らしいステージ


上坂すみれが10月12日、東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて、ライブツアー「SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024 すみぺの大理論」の東京公演を開催した。

アーティスト活動10周年の集大成となる2枚組ベストアルバム『SUMIRE CATALOG』を携えた今回のツアー。9月から大阪・愛知を巡り、ベストオブベストなセットリストで“同志(上坂のファンネーム)”たちを熱狂させてきた。そのファイナルとなる東京公演でも、彼女らしい賑やかで楽しい時間を作ると同時に、この10年を共に歩んでくれた同志たちへの感謝の気持ちを伝えた。

開演前から上坂が自ら影ナレを担当し、同志たちの燃え上がる闘志に薪をくべると、やがて白衣を着たバンドメンバーたちがスタンバイし、彼女のライブではお馴染みの出囃子曲「予感」の演奏と共にライブの幕が開ける。キツネの耳の頭飾りと中華っぽいあしらいのカラフルな衣装を着た上坂が「この私がおめでたい女、上坂すみれです!」と挨拶しながら登場すると、1曲目に歌ったのは彼女のデビュー曲「七つの海よりキミの海」。同志たちがトリッキーな合いの手を入れながら、ツアーグッズのウォッカ瓶の形を模した赤色のペンライトを振って盛り上がる姿は壮観だ。

続けて「来たれ!暁の同志」へ。上坂が愛してやまないユーロビート調のサウンドに合わせてパラパラ風の振り付けを共に踊る同志たち、そして彼女のアーティスト活動におけるスローガン“生産!団結!反抑圧!”の大合唱。この団結力、日々の抑圧を忘れて自らを開放できるひと時こそが、上坂すみれのライブの真骨頂だろう。さらに本ツアーでライブ初演奏となる「ディア・パンタレイ」では、低~中音域を強調したシリアスな声音で情熱的なシンフォニックロックを表現。アーティストとしての新たな境地を見せる。

最初のMCで、今回の会場となる旧・渋谷公会堂は上坂がかつてパーソナリティを務めていたラジオ番組「A&G NEXT GENERATION Lady Go!!」の思い出の地ということで、懐かしく振り返りつつ、ここで東京公演のみ参加の女性ダンサー4人を呼び込む。その恰好はなんと白いバニー衣装!なんでも上坂が「なるべく肌の出る感じのバニーちゃん」という欲望ダダ洩れの衣装リクエストをしたらしい。そんなバニーダンサーズを交えて、ここからは「ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡」「ハッピーエンドプリンセス」とキュート成分多めの楽曲を連続で披露。続く「生活こんきゅーダメディネロ」は、オペラ風の歌唱を含め百変化する歌声が圧巻で、改めて声優・歌手としての技量を見せつけた。

本公演の成功を祈るお水の乾杯タイムを挿み、「恋する図形(cubic futurismo)」、東京公演のみの日替わり曲「テトリアシトリ」とテクノポップな領域を渋谷に展開すると、ここで幕間映像のコーナーへ。スクリーンに大写しにされたのは、デビュー3年目の頃の上坂の映像。当時のライブで彼女が行った「スター」「チャイルドよ」「永遠に!」というコール&レスポンスのシーンと共に、かつて上坂が所属していた音楽レーベル・スターチャイルドのレーベルロゴが表示され、SFチックな寸劇がスタートする。

病院で9年間もの昏睡から目覚めた上坂。セクシーな衣装を着た2人のナース(CV:大塚芳忠)に、自身が眠っている間にスターチャイルドが消滅したこと、その残党が日本各地で抗争を繰り広げていることを聞かされた彼女は、キング・アミューズメント・クリエイティブ公式キャラクターのきんくりんにそっくりな風貌の金 駆麟(CV:黒田崇矢)に「このままじゃ三嶋のおやっさんに合わせる顔がねえだろう!」と説き伏せられ、とある試練にチャレンジしてキングレコードの社屋を正常な時空に戻すことに。

その試練とはクレープ作り。デビュー間もない2013年に東京・原宿アストロホールで開催したイベント「決起集会 vol.1 ~革命の色は苺に似たり〜」以来、約11年ぶりの挑戦となる。苦労しながらも無事に自分でも美味しく食べられるクレープを作ることに成功した上坂は、時空を戻すためのキーアイテム(ボイスレコーダー)を入手。そこに吹き込まれていたのは“三嶋のおやっさん”ことキングレコードの名物プロデューサー・三嶋章夫からのメッセージだった。すみぺが常々「爆破された」と語っているスターチャイルドの真相、そしてこの10年キングレコードを盛り上げ続けてきた上坂への労いと感謝の言葉と共に時空は元に戻り、再びライブへ。おそらく文章だとおもしろさの半分も伝わらない気がするが、上坂らしいシュールなコメディ風の映像で会場を沸かせた。


そして、すみれ色のドレス衣装に着替えた上坂がステージに再登場し、愛すべきクソアニメ『ポプテピピック』と共に彼女の音楽活動を新世界へと押し上げたヒット曲「POP TEAM EPIC」をバニーダンサーズと共に披露。その未来的なステージに続いて、レトロな唱歌風の「ネオ東京唱歌」を、手旗を振りながらパフォーマンスする温度差もカオスで彼女らしい。ラストはダンサーとラインダンス風の振り付けをして賑々しく歌い終えた。

本ツアーでライブ初披露となる新曲「KOUTOU TIGER」はユーロビート楽曲ということで、上坂がサビの振り付けをレクチャー。事前に振り付け動画が公開されていたこともあって、同志諸君の予習もバッチリで、ギャルの聖地・渋谷にてパラパラ風ダンスで一致団結する。そこから「すーぱー呂布呂布ぱらだいす!」「ウエサカダイナミック」と問答無用のアッパーチューンを連発。前者では上坂が渋谷の真ん中で呂布愛を叫ぶと、後者では“右坂”サイドと“左坂”サイドでコール合戦を行うなど、この10年で鍛え上げられてきた猛者たちがすみぺにすべてを捧げて最高の景色を作り上げていく。そこから「地獄に堕ちろー!」と叫んでハードコアパンクな「パララックス・ビュー」に雪崩れ込む流れも熱かった。

ここでバンドによる演奏コーナーへ。ライブの出囃子としてお馴染みのインスト曲「予感」シリーズを次々と披露し、これまでの歴史を辿ると同時に同志たちの士気を高めていく。約7分におよぶ長大な演奏で予感メーターがMAXまで上昇するなか、「革命的ブロードウェイ主義者同盟」のMV衣装をリバイバルした赤のショートドレスに着替えた上坂が登場して新曲「見参!革ブロ☆ふぉーえばー」を投入。上坂自身が作詞したこの楽曲には、彼女のこの10年の活動を追ってきた者であればニヤリとなるネタだけでなく、同志への感謝の気持ちが込められていて、ハイテンションなお祭りソングながらも胸が熱くなる。

同志からの「かわいい」コールで瀕死になるも「すみぺ」コールを受けて復活するくだりを2度も繰り返し、同志との交流を楽しむ上坂。みんなにも「うかつに死ぬすみぺごっこ」をオススメすると、ライブは早くもラストブロックに突入。靴下を手にはめたダンサーが登場した「Inner Urge」、「ヤバイ◯◯」のインスト演奏に乗せたバンドメンバー&ダンサー紹介に続いては、「♡をつければかわいかろう」「海風のモノローグ」「よっぱらっぴ☆」をメドレー形式で届ける。ラブリーな上坂、シティポップな上坂、ハイテンションな上坂。曲調も表情もバラバラなのにどの楽曲も彼女らしいのが、上坂すみれというアーティストの奥深さであり、“沼”ポイントだろう。ラストスパートの「げんし、女子は、たいようだった。」では、サビで大合唱が巻き起こり、最後は自身主演のTVアニメ『イジらないで、長瀞さん』のOPテーマとして海外でも人気の高い「EASY LOVE」で、コール&レスポンスの応酬を繰り広げて熱く締めくくった。

大阪・愛知公演の裏側の模様を編集したエンドロール映像が祭りの終わりの余韻を感じさせるなか、まだまだ上坂と遊び足りない同志たちからアンコールの声が。やがてTシャツに着替えた上坂が再登場し、TVアニメ『パパのいうことを聞きなさい!』小鳥遊空役として歌ったキャラクターソングのセルフカバー「ソライロ(Acoustic ver.)」でアンコールをスタートする。『パパ聞き!』は彼女が人生で初めてオーディションに合格した作品、そして「ソライロ」は初めてレコーディングしたキャラソンであり、彼女の初期のライブでも歌われていたナンバー。いわば彼女の声優・アーティストとしての原点の楽曲であり、同志にとっても思い出深い楽曲だ。上坂は優しく慈愛に満ちた歌声を会場いっぱいに響かせ、最後はにこやかにお辞儀をして結んだ。

恒例のグッズ紹介を兼ねたグッズ投げ込みコーナーは、今日は告知ごとが多いということでどんどん投擲。そして告知コーナーでは、浦霞とのコラボによるオリジナル日本酒「同志」やコラボPC「Type:STAR」の発売、DMMオンクレでのオリジナルぬいぐるみの展開、自身がプロデュースするコンセプトカフェ「Twilight Rouge」のオープン、ファンクラブイベント「超すこやか連邦 酒・おかわりしますか」と「上坂すみれファンミーティング in Hiroshima」の開催など盛りだくさんお知らせする。さらに本公演の模様がU-NEXTで独占ライブ配信されることも決定。詳細は上坂すみれの公式サイトを確認してほしい。そして上坂は改めて今回のベストツアーに対する想い、同志への気持ちを言葉にして伝える。

「私は人見知りで、自分のことにも自信がないし。ロリータやアニメが好きなのは、自分じゃないものになりたいなって。私は自分を振り返ると〈私が嫌だな〉という気持ちが強かったんです」「でも私のことを好きって言ってくれる人がいて、私はめちゃくちゃ助けられている。だから今日は、いっぱいいっぱいありがとう!」

そして彼女は、同志たちに「毎日ドキドキして生きてるんだけど、これからもそういう私の背中を押してもらってもいいですか?」と聞くと、会場からは大歓声が上がる。そんなみんなの反応に、やや間をおいて照れ臭そうに「ありがとう」と応える上坂。そして彼女は「上手い言葉では言い表せないけど、素敵な曲がありますので、いつも毎日毎日ありがとう、毎秒毎秒ありがとうの気持ちを込めて、この曲を歌います」と告げて、憧れの人である桃井はるこが書き下ろした新曲「ファーストピリオド.」を歌い始める。同志たちと歩んできたここまでの軌跡を胸に、“ファーストピリオドから次の一歩を”踏み出す歌。上坂は間奏で「みんなのこと、大好きだから!」と、今の自分の中にある気持ちを素直にぶつけ、同志たちもひと際大きな声援で応える。最後はみんなで“Oh oh”とコール&レスポンスを繰り返し、多幸感溢れる空間を作り上げた。

歌い終えて「本当にいつもいつもありがとう、これからもよろしく!好きだ―!」と思いの丈を思い切りぶつけた彼女は、この日のラストナンバー、同志たちとの決起集会には欠かせない団結の歌「革命的ブロードウェイ主義者同盟」を熱唱する。煌めくレーザーライトを浴びながら堂々たる佇まいで歌う上坂と、その声に呼応して力強く声を上げる同志たち。革ブロの絆は永遠だ。上坂は曲中で拡声器を手にして演説を一席ぶち、改めて「すみぺの大理論」を同志諸君に叩き込んで決起を促すと、最後はみんなでコブシを掲げ、渾身の「ウラー!」というシャウトで会場の気持ちをひとつにしてベストツアーを完走した。

いつも通り楽しいステージを作り上げつつ、初のベスト盤を引っ提げた公演ならではのエモーショナルな瞬間も多々見られた今回のツアー。10周年のファーストピリオドを終えたその先、これからも続くであろう同志たちとの革命の日々への予感と期待が高まる、素晴らしいステージだった。

TEXT BY 北野 創
PHOTO BY 鈴木健太(KENTA Inc)、ウチダアキヤ

<公演概要>
『SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024すみぺの大理論』
日程:2024年10月12日(土)OPEN16:00 START17:00
場所:東京都 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

<セットリスト>
M0:予感
M1:七つの海よりキミの海
M2:来たれ!暁の同志
M3:ディア・パンタレイ
M4:ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡
M5:ハッピーエンドプリンセス
M6:生活こんきゅーダメディネロ
M7:恋する図形(cubic futurismo)
M8:テトリアシトリ
M9:POP TEAM EPIC
M10:ネオ東京唱歌
M11:KOUTOU TIGER
M12:すーぱー呂布呂布ぱらだいす!
M13:ウエサカダイナミック
M14:パララックス・ビュー
バンド演奏(予感02〜予感2.5〜予感3〜予感(Extra stage))
M15:見参!革ブロ☆ふぉーえばー
M16:Inner Urge
M17:ヤバイ〇〇(BAND inst)
M18:メドレー
(♡をつければかわいかろう〜海風のモノローグ〜よっぱらっぴ☆)
M19:げんし、女子は、たいようだった。
M20:EASY LOVE

アンコール
EN1: ソライロ(Acoustic ver.)
EN2: ファーストピリオド.
EN3: 革命的ブロードウェイ主義者同盟

■NEWS
①すみぺ大理論東京公演の模様がU-NEXTにて独占ライブ配信決定!
『SUMIRE UESAKA BEST TOUR 2024 すみぺの大理論』東京公演の模様をU-NEXTにて独占配信!
日時:11月9日(土)19時〜

②上坂すみれ×浦霞のオリジナル日本酒「同志」が発売決定!
詳細は追って発表。

③ファンクラブイベント『超すこやか連邦 酒・おかわりしますか』が開催決定!
上坂すみれのFCイベントが開催決定!
10月12日(土)21時よりファンクラブ先行開始!
『超すこやか連邦 酒・おかわりしますか』
日時:2025年2月11日(火・祝)昼・夜2回公演
会場:東京・ニッショーホール

▼詳細はこちら
https://king-cr.jp/artist/uesakasumire/live/besttour2024/

INFOMATION
ベストアルバム『SUMIRE CATALOG』は好評発売中!
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