声優の梅原裕一郎 と中島ヨシキ 、作曲家・桑原聖、クリエイティブディレクター・渡辺大聖によるバンドプロジェクトSir Vanityが、3月7日(土)・8日(日)の2日間、東京のTACHIKAWA STAGE GARDENにて、お互いにとって初の対バンライブ『Sir Vanity presents “Mixtape#1” feat. Soma Saito』を開催した。Sir Vanityにとっては昨年8月以来のライブ、しかも、その際にサプライズ発表された盟友・斉藤壮馬 の対バンライブということで、この日を待ち望んでいたファンも多かったことだろう。ここでは貴重なコラボが実現し、両ファン熱狂させた同公演の中から、DAY2の模様を中心にオフィシャルライブレポートとしてお届けする。
DAY1ではSir Vanity、斉藤壮馬の順でライブを行い、アンコールでは斉藤壮馬のバンドに梅原と中島が加わって斉藤の人気曲「デート」をサプライズ披露。コラボに期待していたファンも多かったと思うが、約2時間30分に及ぶライブを締め括る最後の1曲として披露されたこともあり、歓喜の渦に包まれながらDAY1は終了。DAY2への期待値も一気に高まったことだろう。
DAY2は逆に、斉藤壮馬のライブからスタート。会場に映画のオープニングのような冒険心を感じさせるSEが流れて幕が左右に開くと、ステージ中央には巨大なカセットテープが。その周辺にはパソコンのキーボードやファン、オーディオ機器とそれらを繋ぐ配線が張り巡らされている。今回もライブの総合演出を手がけたのは渡辺大聖。ライブタイトルの“Mixtape”の世界観をSir Vanityらしい遊び心でステージ上に再現した形だ。そして、まるで心臓の鼓動が鳴り響くような緊張感のあるオープニングSEに乗って、ステージ中央の高台にギターを持った斉藤が登場。「mirrors」でライブはスタートした。眩い照明に照らされる中、ギターのアルペジオの音色と斉藤のハイトーンが会場中に響き渡る荘厳な雰囲気の幕開けにファンが息を飲んで見守っていると、スクラッチ音が流れ、「斉藤壮馬です。盛り上がっていきましょう!」と高らかに宣言して「共犯者」へ。冒頭の緊張感から解放されたファンは、言葉数が多く畳みかけるようなAメロとカラフルな照明にも煽られて、拳を掲げて思いをぶつけていく。今回、アリーナはオールスタンディングということもあり、さながらライブハウスのような盛り上がりをみせると、続いて、イントロのベースとギターのカッティングが印象的な「エニグマ・ゲーム」へ。スウィングするような曲調に合わせ、ファンも自然と体を揺らしながらクラップ。「エ、エ、エニグマ!」と一緒に歌いたくなるようなファンキーなナンバーだ。
ここで最初のMCパートへ。斉藤は言いたいことがあると告げ、「今日は何の日ですか?その答えはSir VanityのMCで…」と予告。後半のSir Vanityのライブに向けた伏線を張ると、斉藤を支えるバンドメンバーを紹介していく。今回もギター、ベース、ドラム、キーボード、そして、ボーカル&ギターの斉藤という5人編成に。今回の対バンライブを企画したSir Vanityへの感謝の思いを伝えると、「最後まで声出してくれますか?」と煽りながら次のブロックへ。
続いてのブロックは「林檎」からスタート。曲名を言うと会場からは大きな歓声が上がる。斉藤の文学的な歌詞の世界観が堪能できるナンバーだ。赤や紫色の照明演出も相まって、妖しさや艶やかさを醸し出すと、そこから会場の空気は一変。緑色のバキバキのレーザービームが会場を照らす中、昨年リリースのEP『Nuance』から「マヨヒガ」へ。重低音が響く骨太なバンドサウンドに乗せて、斉藤もギターをかき鳴らしながらシャウトしていく。続いて、ピアノのイントロからバラード曲「レミニセンス」へ。ステージが青く照らされる中、「雨だって 醒めたって 誰だって はれるや」と歌う斉藤の姿とそれをじっと見つめるファンの熱い視線がとても印象的だった。大きな拍手と歓声を受けながら、「一緒に歌ってください!」とクラップを促してキャッチーなナンバー「デート」を披露。DAY1では中島と梅原とのトリプルボーカルで披露したチャーミングな歌詞が魅力の1曲。最後に「ありがとう」と告げて王子のようにお辞儀をすると、会場はさらに大きな拍手に包まれた。
ここで再びMCパートに。Sir Vanityと対バンをしたことで、「ライブで楽しめる曲をもっと作りたくなった」と創作への意欲を口にし、最近作ったデモ楽曲の長さが8分19秒だったと語りファンを驚かせた。そして、「ライブの可能性は無限大。これからもっと楽しいことが待っていると確信した。残り3曲このあとも全力で楽しんでください!」と続けると、再びギターを手にして最後のブロックへ。
まずは重低音が響き渡るベースから始まり、ツインギターのイントロが魅力的な「蝿の王」、そして、最新EP『Nuance』からの「afterschool」とロックナンバーを重ねていく。残り3曲だと聞いて、拳を掲げるファンの手にもさらに力が込められていくのが感じられると、ラストは「ヒラエス」。ウェールズ語で「かつてあったが今はない場所」を意味する言葉だ。ライブの儚さや切なさをも表現するかのように優しく歌い上げ、「ありがとう。楽しかったです。必ずまた会いましょう」と告げると、斉藤壮馬のライブは幕を閉じた。斉藤にとっても初のツーマンライブとなった今回のライブでは、音源とは異なるオリジナルアレンジで挑んだ楽曲も多く見られた。それだけ今回のSir Vanityとの対バンに向けて気合いが入っていたということだろう。
バンドセットの転換時間にはDJのTaishiが登場。両アーティスト楽曲のリミックスバージョンを立て続けにプレイし、転換中の会場を飽きさせることなく、Sir Vanityの登場を待つファンの気持ちをさらに高めていく。ライブ同様に照明やレーザービームの演出も加わり、会場のファンはリラックスしながらもクラップしたり、体を揺らしたりして思い思いに楽しんでいる様子が見られた。単なるツーマンライブではなく、「Mixtape」の名の通りに両アーティストのパフォーマンスをDJがシームレスに繋いだ形だ。
そして、いよいよDAY2も後半戦、Sir Vanityのターンに。サポートメンバーを含む7人がステージ上に登場すると1曲目は「cinéma」でスタート。中島と梅原が交互に歌い繋いでいき、サビで2人の声が重なる、まさにSir Vanity節全開の楽曲で幕を開けると、ステージ中央の高台で歌うツインボーカルのさらに一段上、巨大なカセットテープの前に構える演出兼マニピュレーターの渡辺が「立川こんなもんじゃねえだろ?声出せ!」と煽りながら「Vanity」へ。Sir Vanityのテーマとも言えるような2020年6月リリースの1stシングル、ライブには欠かせない大切な1曲だ。派手なレーザービームに煽られながら、サビのツインボーカルで高揚感が高まると、拳を掲げたファンの間にも一体感が生まれていく。そして、中島が「全力で盛り上がってください。素敵な御縁に感謝!」と語ると「らしくないかもな」を披露。この曲もやはりSir Vanityのライブには欠かせない1曲。軽快なバンドサウンドに乗って歌われた「君と出会えたこの日に ありがとう、なんてさ」という歌詞からは、この日にTACHIKAWA STAGE GARDENに集まれたことの奇跡やライブの尊さも感じられたのではないだろうか。続いて、人気曲「マイペース・メイカー」では、手を左右に振りながら一緒に口ずさむファンの姿がとても印象的だった。曲の後半ではシンガロングも沸き起こり、さらなる一体感を創出し、最初のブロック4曲で会場を一気にSir Vanity色へと塗り替えていく。
ここで最初のMCパートへ。渡辺が「立川、最高!」と最初のブロックのファンの盛り上がりを称えると、中島は斉藤壮馬のライブが1曲目の「mirrors」から神々しく圧巻だったと振り返り、斉藤への感謝の思いを伝えていく。そして、中島が「今日は何の日?」と観客に投げかけると、会場中から「梅ちゃんの誕生日!」との答えが。ライブ当日は梅原裕一郎の35回目の誕生日ということもあり、会場全体でHAPPY BIRTHDAYを歌い、梅原をお祝いしてほっこりするシーンも見られた。前半の斉藤のMCの伏線をここで回収した形だ。その後のMCでは、中島と梅原から前半のライブ中にモニターが切れるトラブルがあったことが告げられる。会場から驚きの声が上がる中、中島は「トラブルさえも楽しめるくらいリハを積んできた」と語り、梅原も「逆に研ぎ澄まされてライブに集中できた」と重ねる。2人のこの日のライブにかける思いやライブをとことん楽しんでやるという気迫が感じられたのではないだろうか。DAY1ではこのMCパートで、渡辺から今回の衣装のポイントが語られた。コンセプトはずばり「ショーアップ」。劇場で撮影された最新のアーティスト写真ともリンクし、今回のステージを劇場に見立てた形だ。
続いて、中盤戦は新旧の楽曲を織り交ぜたブロックに。まず、曲名を告げると歓声が上がったのは「finder」。中島の歌い出しから始まるミディアムナンバー。幻想的な照明に包まれて、2人がかけ合いのように歌い繋いでいくと、続いては「home」。楽曲の世界観への没入感が溢れるスローなナンバーが続く。そして、照明が赤に切り替わると、激しいベースラインからツインボーカルで始まる「虚飾」。さらに、紫色の照明に照らされて中島がメインで歌う「酔狂」まで4曲続けてパフォーマンス。このブロックでは、「finder」や「虚飾」などライブで聴きたいと待ち望んでいた楽曲が多かったようで、ひと際大きな拍手が沸き起こっていた。
その後のMCパートで、渡辺が「Sir Vanityの時代や歴史を感じられるような4曲。久しぶりにライブで披露した曲もあり、新鮮な気持ちで臨むことができた」と中盤戦を振り返ると、ライブもいよいよ終盤戦へ。中島は「残り4曲、ぶっ通しでぶち上げていく!」と宣言。さらに、ファンの声をダイレクトに聞きたくて1曲目からイヤモニを片方外していたことを伝えると、「みんなの声をもっと聞かせてほしい。最高のフィナーレを迎えたい」と煽って最後のブロックへ。
まずは、イントロからクラップが沸き起こる中、「透明なわたし」でスタート。中島の高音、梅原の低音が交互に絡み合っていくSir Vanityの魅力が存分に味わえる1曲だ。続く「明日ハレるかな」ではスタンド席のファンも立ち上がり、サビで手を左右に大きく振る光景も見られた。曲中に出てくる「明日晴れたらイイな」、「ハレルヤ」というフレーズと共に、会場は多幸感溢れる空間に。そして、渡辺が「俺達と一緒に最後まで燃え尽きようぜ!」と煽りながら人気曲「御免あそばせ」を披露。ヘヴィーなバンドサウンド、カラフルな照明とレーザービーム、繰り返される「猪口才な 生言ってんじゃねえ」というフレーズが聴く者の気持ちをさらに高めると、中島が「最後はみんなで歌いたい!」と高らかに宣言して「MUSIC」へ。昨年8月のワンマンライブの最後にサプライズ披露された1曲。梅原と中島それぞれのパート、メロディアスなサビ、ツインボーカルのCメロを経て、後半の「WOW WOW…」のシンガロングで生まれる一体感。まさにライブでしか味わえない多幸感に包まれながら、Sir Vanityのライブもフィナーレを迎えた。
会場中が余韻に包まれる中、すぐさま中島が「もう1曲やります」と告げて斉藤を呼び込むと会場からは大きな歓声が。ステージ中央には梅原、斉藤、中島という3人のボーカリストが並ぶ。斉藤が「2日間、気持ちよく泳がせてもらいました」とライブを振り返りつつ、DAY2のラストは自分が大好きなSir Vanityの「マイペース・メイカー」を一緒に歌いたいと語って会場を沸かせると、斉藤のカウント始まりで「マイペース・メイカー」をコラボレーション。Bメロや落ちサビを歌う斉藤、サビを順番に歌い繋ぐ3人の姿がとても印象的だった。特に、ラストの歌詞「僕のペースで」を斉藤が「僕らのペースで」とアレンジして歌ったところにグッときたファンも多かったことだろう。3人の歌声が重なり合うことで生み出された特別な瞬間にファンも大歓喜。2日間のライブを締め括るに相応しい最高のパフォーマンスとなった。
Sir Vanityにとって初めての対バンライブであり、初めての楽曲コラボレーション。生で目撃したファンにとっては本当に忘れられないライブになったことだろう。今回は盟友・斉藤壮馬との対バンということで、MCやパフォーマンスから両者がリスペクトし合い、刺激し合う様子が何度も見られた。お互いが好きだと語る楽曲がセットリストに組み込まれていたこともとても印象的だった。同時に、会場にも両ファンがお互いを尊重し合うような温かい空間も広がっていた。そして、今回も渡辺が拘り抜いたセットや演出が観る者の気持ちを奮い立たせる大事な要素に。ステージ上の巨大なカセットテープがライブの進行に合わせて進んでいたことで、非日常なライブという特別な時間をその場にいるみんなで一緒に刻んでいるような感覚も味わえたのではないだろうか。さらに、この日は梅原の誕生日、そして、サバの日とも重なったことでよりメモリアルなライブになったことだろう。2組が最高の化学反応を見せてくれた今回のライブタイトルは“Mixtape#1”。これはもう“#2”に期待せずにはいられない。是非、次はその目撃者になってほしい。
WRITING:ATSUSHI OINUMA
PHOTO:福岡諒祠(GEKKO)
■Sir Vanity presents “Mixtape#1” feat.Soma Saito
https://sir-vanity.com/live/
日時:2026年3月7日(土)開場 17:30/開演 18:30 ※21:00頃 終演予定
2026年3月8日(日)開場 15:00/開演 16:00 ※18:30頃 終演予定
会場:TACHIKAWA STAGE GARDEN https://www.t-sg.jp/access/
出演:Sir Vanity、斉藤壮馬
■Sir Vanity INFORMATION■
Official Site https://sir-vanity.com/
公式X https://x.com/SirVanity
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■斉藤壮馬 INFORMATION■
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