2026年5月3日、『東山奈央プロジェクト2026キックオフイベント〜いくぜぶどうかん!!〜』が開催された。開演前、会場であるカルッツかわさきに各地から集った観客たちは、GWの真っ只中らしい賑わいを見せていた。

東山にとって川崎は、思い出の地。2017年2月1日に歌手デビューした彼女が、2017年2月12日に「ソロデビューシングル発売記念イベント 東山奈央“虹のはじまり”」を開催したのが、ラゾーナ川崎プラザだった。その後、2018年2月3日に1st LIVE“Rainbow”at 日本武道館を開催。今回は来たる2027年3月11日という自身の誕生日当日、あのステージに再び降り立つ『東山奈央 10th Anniv. Final Live「OVER THE RAINBOW」at日本武道館』へ向けてのイベントである。「虹のはじまり」から、歩みを重ねての「キックオフ」へ──。チケットも全席ソールドアウトと、日本武道館への期待感まで伝わってくるようだ。
イベントのメインはトークショーだと予告されていたように、東山自身の部屋をコンセプトにしたというステージにはソファーとローテーブルが。「ようこそおいでくださいましたー!」と笑顔で登場した東山は、イベントグッズである「TEAM 70ユニフォーム」姿。70(=奈央)が背番号となっているスポーティーな格好で、早速「いくぜ!」「武道館!」、「キック!」「オフ!」と客席とのあいだでコール&レスポンスを繰り広げていく。
そこに「お邪魔しまーす!」とやってきたのは、東山のライブではお馴染みのバンド・レインボードッグスのバンドマスターにしてキーボード、伊賀拓郎。歌手デビュー直後から現在まで、ほぼ全期間にわたってライブパフォーマンスを支えてきた、チーム東山に欠かせない存在だ。
伊賀は「東山プロ」と敬意をこめた呼称をつかうひとり。10年のあいだに、「特に歌の面はめちゃめちゃお上手になられていると思います」と、賛辞を惜しまない。「常に成長していて、そのためにたゆまぬ努力をされているのが、思わずプロと呼びたくなる所以ですね」
そんな伊賀とのトークは、おのずと歌手・東山のヒストリー、特にその成長ぶりに大きな影響を与えてきた歴代ディレクター陣との歩みをひもとくものに。デビューからシングル『歩いていこう!』(2020年)までを担当した初代の西辺ディレクターは、1st LIVEを日本武道館で開催するという驚くべき決断をした人物。東山いわく「大きい舞台を与えてくれた」恩人だ。
最近東山と食事をした際に西辺は、当時あまりのプレッシャーに東山が最初は難色を示し、2日ほど打ち合わせを重ねてようやくOKしてくれるまでのあいだ、「ヒヤヒヤしたんだよ」と笑っていたという。今回の「OVER THE RAINBOW」も含めて、日本武道館という会場を押さえるには、予め会場に支払うための予算などさまざまなハードルがある。この日のトークは、そんなリアルな肌感覚も包み隠さず伝える場だった。
さて、東山によればそんな西辺が真っ直ぐな「ロックの人」なら、キャラクターソングベストアルバム「Special Thanks!」(2020年)から『Welcome to MY WONDERLAND』(2020年)までを担当した二代目・内田ディレクターは、「流行に敏感な」「ボカロの人」というようなイメージだという。そのフレキシブルさは、通常ならディレクター交代に伴って入れ替わるライブバンドのミュージシャン陣に対しても発揮され、東山の希望に沿って最終的にはレインボードッグスの継続が決まったそう。
もちろん歌手とディレクターの関係というのは、一筋縄ではいかない。歌手活動を進めるにつれ「だんだんと私の発言量が増えてしまったんですけど……(笑)」と東山が語り、伊賀がディレクター陣と東山の率直なやりとりを目撃したように、意見がぶつかることも当然あった。しかしそのやりとりがチーム東山を一歩ずつ先へ進ませてきたわけであり、彼女が現・櫻井ディレクターに対して、女性同士「肩を組んで『頑張ろうね!』っていいあえる」「マブ」だと語るような関係も、10年の歴史のなかに息づいているのだろう。
ここで、さらなるトークゲストが。2020年12月、2日間にわたって開催された10thアニバーサリーライブ「Special Thanks! フェスティバル」から参加しているという、ライブ制作・細谷さんだ。
「本当にアレは大変でした……」と、いきなりのぶっちゃけ話をはじめた細谷さんは「はじめての東山さんとの仕事なのに、いきなり33曲で、そのうち日替わり曲が11曲あったんです(笑)」と話す一方、NAO TOYAMA Billboard Live 2024 “p.rhythm”では伊賀による「『さよならモラトリアム』のアレンジにすごく感動したんです」と、心震わされた瞬間についても語っていった。
ライブ制作は、チケット収入を中心にした全体の予算から逆算してステージの細部を設計していくなど、現実と理想のあいだで解決策を見つけるポジションでもある。2026年2月8日に開催された東山奈央ワンマンライブ2026「祭 – Matsuri -」では、通常「深夜仕込み」といわれる夜間からのセットの仕込みが会場都合でできず、朝7時に開始するしかないギリギリの状況のなか、東山の希望である昼夜の2回まわし公演さえも実現させた。
東山は、自身が理想に対して頑固であるがゆえに、いつも「ここ何とかならないですか? 何か抜け道ないですか?」とスタッフにかけあってしまうと照れ笑いするのに対し、「それを叶えてくれるのが“ほそえもん”というわけですよ!」と伊賀。同公演で東山が和太鼓を演奏した「(前略)全人類へのファンファーレ!」も、和太鼓がなくても和テイストの舞台は成立するという判断もできるなか、東山が考えるセットリストの流れを踏まえ、2025年の大晦日間近というタイミングで、ライブに和太鼓を組み込むことをチームで決断した。
東山は年明けから1カ月弱の稽古で本番を迎えるという強行スケジュール。そんななか迎えた本番で、“太鼓を叩く本人は歌わないサビを観客が歌う”というシーンの異様な盛り上がりを体験した細谷は、「当初からこのビジョンがあったかと思うと、この人はおそろしいなと思いました」と笑顔を見せ、トークショーは終了した。
つづくバラエティコーナー「関係者は見た!「東山事件簿」2026」では、さまざまな関係者からのユニークなタレコミが。ヘアセット後にウトウトして顔に袖の痕をつける、小食ゆえにお弁当の白いご飯をフタに載せて食後の桑原マネージャーに分けてくるetc……。ユニット・ぽかぽかイオンの相方である安野希世乃は、『リミー』MV撮影時に泊まった山奥で、コテージに居つく虫に東山がパニック状態だったことを暴露。「今日一日で、みんなから思われていたしっかり者のイメージが、ガラガラと崩れていった気が……」とは東山の弁。
ちなみにキックオフイベントに合わせてストラックアウトというゲーム形式のなかでタレコミは開示されていったが、当初東山はまったく上手くボールが蹴れず、伊賀が「ヤケクソですね……」というほどジタバタ&闇雲にシュートする状態。やっと的に当てたときには、自分の靴も脱げながら蹴り飛ばしていた始末だった。だがすぐに、遠距離からサッカー用語でいうところの「浮き球」を放つコツをつかむ様子には、歌もダンスもこうした天性の勘に努力を重ねているのかもしれないと思わせられるものがあった。
そして待望のミニライブ──いや、ミニライブとはいえないほどのボリュームのミニライブへ。東山が今回用意したのは、自身が作詞・作曲した7曲。「絶対予想できないと思う……(笑)」と事前にXでポストしていた1曲目が、クリスマスソング「Winter Melody」(2018年12月24日におこなわれたオフィシャルクラブ会員限定ライブ“にじかいっ!! vol.1”にて特別発売された)だったように、ライブでの歌唱はレアな楽曲も。「大切のつくりかた」、「あした会えたら」、「はじまりの空」とつづいた楽曲の世界観は、まるで日本武道館へ向けた思いを象徴しているようにも感じさせる。
再び呼び込まれた伊賀によるアグレッシブなキーボードとともに、ライブ定番曲「群青インフィニティ」「OVER!!」で東山とオーディエンスは拳を振り上げ、盛り上がっていった。
はじめて作詞・作曲を手がけたバラード「Rainbow」を東山が歌っているあいだは、その場にいた誰もがじっくりと耳を傾けているよう。かつて東山が、弱い自分も隠さずに、真っ直ぐに届けようとしたナンバーだ。「こんな気持ちで歌える日が来るなんて思わなかったよー……」と、涙ぐみながら東山は語った。「当時の私に、『あなたはこんなに自信がなかったかもしれないけど、たくさんの人と夢をかなえていくんだよ』っていってあげたいです」
そんな思いを会場全体で共有したところで、なんと新曲披露というサプライズ! 東山作詞・伊賀作曲による、その名も「僕らのキセキ」。色とりどりの表情を見せる軽快な一曲は、虹色の日々を一緒に過ごしてきたふたりならではの楽曲だ。数日前にレインボードッグスのメンバーでレコーディングしたばかり、ミックスもこれからでこの場でしか聴けないという演奏をバックに、伊賀のピアノ演奏と東山の歌声に皆で心地よく揺れながらミニライブは終了した。
4thフルアルバム『OVER THE RAINBOW』が10月7日(水)に発売されるというリリース情報や、全国10ヶ所リリイベツアーが決定という告知に沸いてから、日本武道館へ向けたキックオフイベントは最後のグータッチ会へ。「ありがとう、楽しかったー!」「またね、頑張るねー!」という東山の明るい声に見送られながら、ニコニコと笑顔で会場を後にする観客たち。そんなグータッチの列のなかからは、こんな言葉も聞こえてきたのだった──「いくぜぶどうかん!!」と。
Text by 宮田文久 Photo by 高田梓
■東山奈央日本武道館特設サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/toyamanao/10th
公演概要・チケット情報
公演名:10th Anniv. Final Live 『OVER THE RAINBOW at 日本武道館』
出演:東山奈央
開催:2027年3月11日(木) 17:00開場・18:00開演
会場:東京・日本武道館
座席:全席指定 ※未就学児童入場不可
チケット券種:①グッズ付チケット 15000円(税込)
②通常チケット 9900円(税込)
▼オフィシャルクラブ一次先行予約抽選(アップグレード対応)
【受付期間】4月17日(金) 10:00 ~ 5月15日(金) 23:59
【当落・入金期間】5月21日(木) 13:00 ~ 5月24日(日) 21:00
【受付URL】https://fc.toyamanao.com/feature/bb813e44ca580c27aa774bc6a0d749bc
▼一般一次先行予約抽選(アップグレード対応不可)
【受付期間】4月17日(金) 10:00 ~ 5月15日(金) 23:59
【当落・入金期間】5月21日(木) 13:00 ~ 5月24日(日) 21:00
【受付URL】https://eplus.jp/toyamanao/
▼[オプション]宿泊プラン
初めての遠征にもおすすめ!
ご要望にお応えして、宿泊プランの実施が決定いたしました!
【注意】※ライブチケットは含まれておりません。
【受付期間】4月17日(金) 10:00 ~ 5月15日(金) 23:59
【当落・入金期間】5月21日(木) 13:00 ~ 5月24日(日) 21:00
【受付URL】https://l-travelent.com/10th-anniv-final-live_hotel_202703/
■東山奈央4thフルアルバム『OVER THE RAINBOW』特設サイト
https://www.jvcmusic.co.jp/flyingdog/toyamanao/10th/OVER_THE_RAINBOW
<リリース情報>
10月7日(水)発売4thフルアルバム『OVER THE RAINBOW』
・初回限定盤A(CD+BD):VTZL-271 \7,700(税込)
・初回限定盤B(2CD):VTZL-272 \4,500(税込)
・通常盤(CD):VTCL-60702 \3,500(税込)
・完全生産アニメイト限定セット(2CD+BD+グッズ):FLDZM-7 \15,000(税込)
■PROFILE
東山奈央 プロフィール
誕生日:3月11日/血液型:A型/出身地:東京/趣味・特技:ダンス、コーヒー、ペンギングッズ集め
2010年に声優としてデビューを果たす。その年のTVアニメ『神のみぞ知るセカイ』中川かのん役で注目を集める。その後、『きんいろモザイク』九条カレン役、『ニセコイ』桐崎千棘役、『マクロスΔ』レイナ・プラウラー役、『ゆるキャン△』志摩リン役、『名探偵プリキュア!』キュアアルカナ・シャドウ役を始めとした数々の人気作品に出演。更に作品から誕生したユニット、Rhodanthe*、ワルキューレなどの大人気グループにも所属し、その透き通る歌声や完璧なパフォーマンスでたくさんのファンを魅了。2017年2月1日、アニメ『チェインクロニクル〜ヘクセイタスの閃〜』のタイアップ曲「True Destiny/Chain the world」で歌手としてのデビューを果たし、2018年2月3日には初のワンマンライブを日本武道館で開催した。2019年には自身初となるワンマンツアーを開催し、追加公演として台北・上海を回るアジアツアーも完遂。声優活動10周年を迎えた2020年にはこれまでの軌跡を詰め込んだキャラクターソングベストアルバム「Special Thanks!」をリリースし、同年の12月に10thアニバーサリーライブ「Special Thanks!フェスティバル」を東京ガーデンシアターで開催した。2022年に歌手活動5周年を迎えたあとも、ワンマンライブやBillboard Liveでのアコースティックツアー、大型アニソンフェスへの出演など精力的に活動。来年2027年3月11日 (木)に10th Anniv. Final Live 『OVER THE RAINBOW at 日本武道館』を開催する。
・東山奈央 オフィシャルX(旧Twitter): @naobou_official
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・東山奈央 アーティストHP: http://toyamanao.com/
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