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「この曲を11人で歌えることが本当にうれしい」22/7 Anniversary Live 2020 夜公演をレポート!

2017年9月20日「僕は存在していなかった」でデビューした22/7の3周年を記念したライブ『22/7 Anniversary Live 2020』が、9月20日に観客を入れて行われた。

『ナナオン』で誕生したユニット曲も初披露!

すでに昼公演を一度経験して適度に緊張がほぐれているのか、1曲目の「Rain of lies」から、メンバー全員の笑顔が本当に自然だ。もともと、歌詞のシリアスさに比べると、ライブでの笑顔が印象的な曲ではあるのだが、それにしてもリラックスしている。

メンバーが全員が客席へ背中を向けて曲が終わると、次の曲へ。一人ずつクルッと前を向く振り付けから始まる「不確かな青春」だ。この曲は、最後にもう一度後ろ向きになり、隣の人にギュッと抱きついて終わる。一人も余ることなく抱き合う姿に、11人揃っていることをより実感し、感慨深くなるファンもいたに違いない。

メンバーソロカット(クリックで拡大画像表示)

 

自己紹介後、「メンバー11人でステージに立って、配信の皆さん、来てくださった皆さんと一緒に、ハッピーバースデーを祝うことができて、本当に本当に幸せです!」と天城サリーさんが挨拶。いろいろな事情もあって、なかなかフルメンバーがそろうことのなかった22/7が、お客さんの前、久々のライブで11人そろったことは、ファンにとってもメンバーにとっても、大きな意味があるだろう。休養期間を経て復帰した高辻麗さん、倉岡水巴さん、お客さんの前では初ライブとなる河瀬詩さんが同じステージにいるというのは、ファンにとっても、かなりうれしいことだ。

「22/7単独のライブはとっても久しぶりで、お客さんを入れてライブをしたのは去年の12月以来になるんです。今日を迎えることができたのは、ずっと待って応援してくださっていた皆様のおかげです」と帆風千春さんが感謝を伝えると、TVアニメのEDテーマで8人曲の「空のエメラルド」へ。そこから2ndシングル「シャンプーの匂いがした」、キリッとした表情を見せる「人格崩壊」と、昼公演とはガラッと変わったセットリストで、22/7のいろいろな魅力を伝えてくれる。

再び11人になっての「願いの眼差し」では、笑顔を絶やさず、スカートの裾を持ってひるがえしながらくるくる回るダンスがかわいらしい。そして「循環バス」でほっこりとした気持ちになり、新曲披露のコーナーへ。

晴れた日のベンチ(写真左から高辻麗武田愛奈海乃るり倉岡水巴

 ファン投票によって生まれたグループ内ユニットの新曲を初披露するというスペシャルな企画。トップバッターは、晴れた日のベンチ(海乃るりさん、倉岡水巴さん、高辻麗さん、武田愛奈さん)だ。新曲のタイトルは「半チャーハン」。ユニット名同様、インパクトがある曲名だが、曲自体もハッピータイプの4人らしく元気でコミカル! 〈伝家の宝刀 半チャーハン〉という謎の名フレーズも飛び出し、小腹を満たす半チャーハンの素晴らしさを笑顔で歌いあげた。

 

蛍光灯再生計画(写真左から帆風千春河瀬詩白沢かなえ宮瀬玲奈

 続く、蛍光灯再生計画(河瀬詩さん、白沢かなえさん、帆風千春さん、宮瀬玲奈さん)は「タトゥー・ラブ」。セクシータイプのユニットというだけあって、表情も大人っぽく作り上げていた。歌謡曲っぽさ、そして台詞パートもあってクールな印象の曲だ。

 

気の抜けたサイダー(写真左から天城サリー涼花萌西條和

 最後は、気の抜けたサイダー(天城サリーさん、西條和さん、涼花萌さん)の「ソフトクリーム落としちゃった」。この曲はゆるふわポップスで、とにかくかわいいラブソング。ゆるふわのイメージがある涼花さんの台詞パートを聴くと、ふにゃふにゃになってしまうような感覚に陥り、結果、語彙がかわいいしかなくなる、そんなゆるふわタイプの3人らしい平和なステージだった。

 

 再び22/7のステージへ。9月30日リリースの「風は吹いてるか?」のカップリング曲「ポニーテールは振り向かせない」は、甘酸っぱい夏の恋を歌った片思いソング。サビ前の宮瀬さんによる力強い台詞〈君が好きだ〉には、これまでの曲にない新しい風を感じた。胸がギュッと締め付けられたところで、「未来があるから」でライブは再び熱く盛り上がっていく。「ロマンスの積み木」ではソロパートをつないでいったあと、サビの11人のユニゾンの迫力が素晴らしく、さらにライブに見入っていく。曲中、笑顔を見せるところもあるのだが、特に倉岡さんは久々のライブを心から楽しんでいるように見えた。

「今までの表題曲は内に秘めた心情を歌っていたんですけど、この曲は、自分の殻を突き破って進んでいくぞという強いメッセージソングになっています」と伝えて最後に歌ったのは、新曲「風は吹いてるか?」。メンバーも残る力を振り絞り、髪が乱れることもお構いなしで全力のダンスを見せつける。この曲が持つメッセージを全身全霊で伝えようとパフォーマンスをする姿が、とても感動的だった。

 大きな拍手を受けて、「何もしてあげられない」から始まったアンコール。改めてファンへの感謝を口にすると、最後にリーダーの帆風さんが「この曲を11人で歌えることを本当にうれしく思います」と伝え、「11人が集まった理由」を歌う。この11人でのパフォーマンスはこの日が初めてとなる。最初から応援し続けている人、彼女たちの歩みを知っている人ならば、涙なしでは聴けないような楽曲だ。デビュー3周年を記念する日に、この11人がそろったことには必ず理由がある。これから4年目に向けて、〈どこへでも行ける気がした11人〉という歌詞の通り、この11人ならどこへでも行けるはずだ。最後、11人そろっての笑顔は本当に美しかった。

 

『22/7 Anniversary Live 2020』(夜公演)

2020年9月20日(日)
東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

<セットリスト>
01.Rainoflies
02.不確かな青春
03.空のエメラルド
04.シャンプーの匂いがした
05.人格崩壊
06.願いの眼差し
07.循環バス
08.半チャーハン <晴れた日のベンチ(海乃るり・倉岡水巴・高辻麗・武田愛奈)>
09.タトゥー・ラブ <蛍光灯再生計画(河瀬詩・白沢かなえ・帆風千春・宮瀬玲奈)>
10.ソフトクリーム落としちゃった <気の抜けたサイダー(天城サリー・西條和・涼花萌)>
11.ポニーテールは振り向かせない
12.未来があるから
13.ロマンスの積み木
14.風は吹いてるか?

EN1.何もしてあげられない
EN2.11人が集まった理由

 

・22/7 アーティスト公式サイト
https://www.nanabunnonijyuuni.com/
・22/7 公式Twitter
@227_staff

 

撮影/中原幸 取材・文/塚越淳一