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【声グラ限定】斉藤壮馬 Live Tour 2021 “We are in bloom!”の千秋楽で魅せた”そまみ”あふれるステージ

4月17日の福岡公演からスタートした『斉藤壮馬 Live Tour 2021 “We are in bloom!”』。コロナ禍において大阪公演が中止になるという苦難にも負けず、ツアーは5月23日の東京ガーデンシアターでの公演(東京公演2日目)をもって無事に閉幕。今回はその千秋楽となる公演の模様を声優グランプリ独自レポートでお届けしよう。

美しい数多の世界にいざなう“斉藤壮馬だからこそ”のステージ

▲seigura.com レポート独占カット

斉藤さんの楽曲といえば、やはり独創性のあふれた世界観が持ち味だろう。
それを象徴するかのように、ライブのオープニング映像は、草木が芽吹き、緑に彩られた世界が形作られていくという幻想的な内容に。
緑に彩られたステージの中央にふっと降り立った斉藤さんは、まず“自身のアーティスト活動の原点”でもある「フィッシュストーリー」を披露。
歌詞そのままに七色の夜を渡っていくような、さわやかで華やかな船出を飾ってみせた。
斉藤さんの今回のツアーにかける想いは、楽曲冒頭の「今日は千秋楽です! 楽しんでいきましょう!」という叫びにもあふれていて、来場者も気持ちを乗せたペンライトで緑色の海を形作り、それに応えていく。

そして、間髪入れずに「シュレディンガー・ガール」。
激しいドラムの旋律から始まり、情動に訴えかけてくるような歌声が合わさったステージは、まさに熱唱という言葉がピッタリ。
ここで来場者の心に一気に火をつけたかと思いきや、3曲目は「デート」。
微笑みながら歌の端々でセリフも織り交ぜつつ“男女のやりとりを切り取ったワンシーン”を展開していく。
その歌声の魅力は言うに及ばず。天性の表現力がこれでもかというぐらいに詰め込まれた一曲だった。

MCを挟んだ後の4曲目は「夜明けはまだ」。
こちらは聴きながら、ポジティブな気持ちが込み上げてくるようなポップなナンバーだ。
ツアーを通してセットリストに大きな組み換えはなかったのだが、この4曲目だけは会場によって「光は水のよう」と入れ替える形になっていた。

5曲目は「ペトリコール」。
背景に雨の街角が映し出されると、斉藤さんも雨に濡れながらさまようようにふらりふらりと体を揺らしながら、しっとりとした歌声を響かせる。
ただしっとりとしているだけではなく、<大路抜けたら しゃぼん玉>という歌詞のあたりではスクリーンのしゃぼん玉と戯れるかのような楽しさもにじませたり、多彩で美しい歌声でここまで初夏の雨中の景色を再現してみせたのは見事というほかない。

鮮やかな世界観の楽曲はまだまだ続く。フィンガースナップでリズムを取りながらも、艶やかな歌声を響かせたのが6曲目の「Vampire Weekend」。
背後に映し出された吸血鬼の館はときおり情報の集合体であることを示すかのように0と1という数字に置き換わるなど、オカルトとサイバーを融合したような不思議な演出も魅力的だった。
<宛名はもちろん そう>にあわせて照明が消えるというラストシーンもまた心臓を掴まれたかのような素敵な体験をさせてくれた。
艶めかしい世界観は、7曲目の「林檎」でさらに加速。
激しい旋律の中で、ときおり響かせる高音は美しく会場に響き渡っていく(のちのMCで明らかにしていたが、「林檎」は歌っていて息が続かないので本音では斉藤さんもみんなと歌いたかったそう)。
2回目のMCを前に肩にギターをかついだ斉藤さん。ステージをめぐりながら左右の観客に手を振ろうとするも、ギターのコードが引っかかってしまうという一幕も……。
「ギターを背負ってやることではなかったですね~」とはにかむ姿がなんともおちゃめだった。ちなみに肩から提げたギターは自前のものだとか。
それとは別にギターがほしくなり、ライブが終わったあとにご褒美として買う予定だったのだが、“当たりをつけていたものが最後のひと品”ということをバンドメンバーから聞かされ、さきほど買ってしまったそう。
もしかすると次回ライブをやるときは、新しいギターを奏でる斉藤さんの姿が拝めるかもしれない。

咆哮轟く「パレット」に幻想的な「いさな」──残りの楽曲も楽しんで

ライブも中盤戦に差し掛かり、バンド演奏を主軸に押し出した楽曲が続く。
まず「memento」では、終末を旅するという幻想的な世界観を、爽やかさを残しながらも熱く高らかな歌声で表現。
バンドメンバーによる万雷轟くようなギターの独奏も美しい。これぞ斉藤さんの真骨頂というようなステージだった。
そこに続いたのは「エピローグ」。「memento」で表現された終末や最果ての“その先”をしっとりと、まるで語りかけるかのように歌い上げる。
それはただ暗いわけではなく、希望にもあふれたメッセージ。
最初は斉藤さんのみにスポットライトが当たっていたのに、曲のクライマックスではバンドメンバーにも光が当たるというポジティブなフィナーレが用意されていた。
それに応えるように、客席に燦然と輝く緑色のペンライトも旅路を彩るようで美しい。

一転、激しい咆哮から始まったのが「パレット」。
感情を爆発させたかのようなシャウトと、情動のままにかき鳴らしたギターの激しさに魂を持っていかれたという人も多かったのではないだろうか。
とくにラスサビの高まっていく感じは、えもいわれぬ熱さにあふれていた。
本編最後の曲となったのが「いさな」。
曲が始まると、水中から水面を覗いたような幻想的な光景が映し出され、斉藤さんもまるで自然の中にあるような優しい歌声を響かせる。
世間の喧騒を忘れさせてくれる幻想的なひとときが訪れ、やがて背景にはライブ冒頭の映像にもつながるような満開の花が映し出される。
<ゆーあーいんぶるーむ あいしてるってことだよ>という、今回ツアーのタイトル名にも紐づけられたメッセージが詰まった歌詞がリフレインされるたびに、高まっていく想いのボルテージ。
斉藤さんも最後は歌声を発することなく、激しいギターの旋律でへたり込むほどにすべてを昇華し、まばゆい光に照らされながら汗だくでステージを後にする。
演奏時間も長尺(CD音源でも8分あったが、それよりも長い10分ほど)で、まるで一篇の叙事詩を読み解いたかのような感動がそこにはあった。
盛大な手拍子によるアンコールに迎え入れられ斉藤さんがステージに戻ってくると、その手にはタンバリンが!
さっそく披露したのは、そんなタンバリンではしゃぐのにピッタリな「Summerholic!」。
まさに夏を先取りするような一曲だ。詰め込んだ歌詞を早口で軽快に歌いあげて、会場をあおりながらも盛大に乾杯!
来場者も声には出せなかったが、きっと思い思いの飲み物を心に浮かべたことだろう。
バンドメンバーたちと笑顔で戯れながらも、汗が前髪から滴るぐらい激しく夏を満喫する斉藤さんの姿が心に残った。
そして、続く楽曲は爽やかであたたかくも寂しげな空気感を持った「carpool」。
かなり高音で歌い上げているのに、ゆったりとした気分で聴けるナンバーだ。オープンカーで海沿いを走る光景がありありと目に浮かぶよう。
最後のMCでは、「やばいっすね……。もうさみしいぜ!」と漏らした斉藤さん。
「ここではないどこかや、自分ではない自分を追い求めていた10代の斉藤少年が“もっとやりたい! まだこの時間を終わらせたくない!”と思う日が来るなんて……皆さんのおかげです。ありがとうございます!」と、これまでの楽しかったツアーのステージを振り返る。
「ライブならではのものを出そうと思って、全公演でさまざまな表現をやってきました。でも、今日は感情のままに歌いました!」と全身全霊でぶつかったということを吐露する。
MCの最中に何度もこぼした「ありがとう」にも、この苦境の中で精いっぱいエンタメを楽しんでくれるファンに向けた斉藤さんのあふれんばかりの想いがにじんでいた。

そして、今回のツアーを締めくくる楽曲「最後の花火」。
メッセージソングは書かないようにしているという斉藤さんだが、次につながるようにという想いを込めてチョイスしたナンバーだ。
最後の花火を冬の星座・ベテルギウスになぞらえ、終わっていく花火を楽しむような……そんな歌詞を切々と、けれども楽しげに歌い上げた。
<さよならはまだ 次にとっておくよ>という歌詞がこんなにも心に刺さって、輝いて見えることはなかなかないだろう。
今回のツアーを通して、仲間がいることの大切さ、幸せさを心で感じたという斉藤さん。
どうやらツアー中にも1コーラス新曲のデモが完成したということで、もしかすると次の花火が見られる日はそう遠くないのかもしれない。
今はその日を気長に待ち続けたい。

◇セットリスト◇
5月23日・東京ガーデンシアター
M01:フィッシュストーリー
M02:シュレディンガー・ガール
M03:デート
M04:夜明けはまだ
M05:ペトリコール
M06:Vampire Weekend
M07:林檎
M08:memento
M09:エピローグ
M10:パレット
M11:いさな
EN1:Summerholic!
EN2:carpool
EN3:最後の花火

プロフィール
斉藤壮馬
さいとうそうま●4月22日生まれ。81プロデュース所属。主な出演作は、アニメ『憂国のモリアーティ』(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)、『バクテン!!』(竜ヶ森恭一)、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Rhyme Anima』(夢野幻太郎)ほか。

5月30日までアーカイブ配信中!
配信プラットフォーム:
Streaming+、LINE LIVE-VIEWING
視聴券販売期間:
2021年5月30日(日)22:00 まで
アーカイブ配信期間:
2021年5月30日(日)23:59 まで視聴可能
視聴券(チケット価格):
3,900円(税込)別途、システム手数料 220円(税込)
※LINE LIVE-VIEWING では視聴券+手数料の金額、4,120円(税込)で表示されております。

■Streaming+
購入ページ:https://eplus.jp/saitosoma/st/
Streaming+視聴・チケット購入に関するお問合せ
https://eplus.jp/sf/guide/streamingplus-userguide/qa

■LINE LIVE-VIEWING
購入ページ:https://ticket.line.me/sp/saitosoma_llv
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■東京公演 放送情報
番組名:M-ON! LIVE 斉藤壮馬 「斉藤壮馬 Live Tour 2021 “We are in bloom!”」
放送日時:2021年6月30日(水)22:00〜23:00

◇Information◇
2nd Album『in bloom』発売中
音楽作品 試聴:http://bit.do/somamusic
ファンクラブ:http://bit.do/somafanclub
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公式LINE:https://lin.ee/RbODBW4

 

撮影/浜野カズシ 取材・文/原 常樹