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【声グラ限定】近藤孝行さんと小野大輔さんのユニットTRDの1stライブが映像化! 新たな試みとなるリリックモノローグで見えた可能性とは?

TRD

近藤孝行さんと小野大輔さんとのユニットTRD(トラッド)が、2021年10月23日に神奈川県民大ホールにて開催した1stライブの模様を映像化! 発売を記念してライブの振り返りや込めた想いを語っていただいた。

逆風でも不死鳥のようにはばたく! 二人の想いが詰まったライブ

──昨年10月に開催された『TRD Special Live 2021-TRAD-』の映像を収録したBlu-ray&DVDがいよいよリリース。ライブはいかがでしたか?
小野 TRDとして初めてのライブであり、お客さんも声が出せない……困難も多くて入り口としていろいろと考えさせられたライブではありましたが、とにかく“全弾発射”で“完全燃焼”しようと思っていました。そして、それは完遂できたのかなと!
近藤 これまで小野くんと一緒に何度もステージでパフォーマンスをさせていただいてきましたが、世の中的にも大きく様式が変わってしまったなかでのライブだったのでまったく違った緊張感に襲われました。果たして二人きりのライブがどんな雰囲気になるのか。それをライブ前に考えるだけで新人の頃に戻ったような……緊張に次ぐ緊張でした。
小野 僕も近藤くんと同じで、正直とても緊張していました。それこそ積み上げてきたものがあったからこその緊張というか……。
近藤 とはいえ、ステージに立っちゃったらもう“やる”しかないと切り替えて、緊張から解放されて楽しくやらせていただきました。
小野 そこも同じ! 歓声がないので歌はもちろん、MCもスベっていようがスベっていまいがやるしかないなと(笑)。

──お客さんから物理的なレスポンスが返ってこないのは大変ですよね。
小野 ただ、皆さんの表情や空気感って伝わってくるんですよね。配信画面の向こう側でご覧になっている方や、今回ライブのパッケージをご覧になる方の反応はステージからは確認しようがないので、そこはもう笑ってくださっていると信じて突っ走るしかないんですが(笑)。幸い、このライブでは抜群の歌唱力をもつ近藤くんも隣にいてくれますし、歌に対して安心して取り組めたのは間違いありません。
近藤 そう言ってもらえるのはありがたいです。

──ライブは1stミニアルバム『TRAD』と同じく「Vermillion Phoenix」から幕を開けました。
近藤 こちらはアルバムを作る段階で小野くんが“不死鳥”をモチーフに取り込みたいとずっと言っていて生まれた曲です。
小野 今回のライブはコロナ禍からの“復活”であり、僕と近藤くんのユニットとしての“復活”でもあるという二人の“復活”が重なっているので、その幕開けを「Vermillion Phoenix」が飾るというのは意義深いものがあったと思います。だからステージに立っていても感動しちゃって、でもめちゃめちゃ緊張しているという……。
近藤 二人して浮き足立っちゃっていたね(笑)。
小野 完全に浮き足立ってた(笑)。

──浮き足立っている様子はまったく感じなかったというか、お二人の見事なハーモニーに完全に魅了されていた方も多かったと思います。
近藤 ありがとうございます! 二人で歌うときは、やる前からいいものが出せるという確信があるというか……おこがましいですけど(笑)。不安があるとすれば自分なので、個人的にミスをしないようにひたすら気をつけました。
小野 近藤くんは自分に厳しいからなぁ。個人的なミスに気をつけていたとおっしゃっていましたけど、僕のほうはひたすら安心していましたね。あと、ハーモニーの話でいうと“僕が低音で近藤くんが高音”というのが一つのセオリーとしてありますけど、歌っていて「もしかして、僕は低音で歌っているほうが楽しく気持ちよく歌えるんじゃないか!?」って気づいたんです。近藤くんも高音を歌っている方が気持ちいいんじゃない?
近藤 たしかに圧倒的にラクですね。
小野 でしょ? もともと僕は正直、ハーモニーに対して苦手意識があったんですけど、今は自分が気持ちいいところを歌えば自然とハーモニーになるから“あまり考えなくていい”という二人の相性の良さに気づいたんです。
近藤 そうですね……。僕が高音ハモで小野くんが低音の主メロを歌うような、主線が入れ替わる曲もあるんです。それでもバランスよくナチュラルに歌えますし、相性がいいというのは間違いありません。

──今回のセットリストは小野さんを中心にじっくりと話し合って曲順を決められたそうですが。
小野 ああでもない、こうでもないと練りに練った結果、ミニアルバムそのままの曲順になりました(笑)。
近藤 何も考えずに羅列したわけじゃなくて、熟考に熟考を重ねた結果がこのセットリストなんです。
小野 そう、そこは大事! 「まんまじゃん」って思った方もいらっしゃるかもしれませんが、それは違います(笑)。
近藤 ホワイトボードに小野くんが曲のタイトルを書き出して「ここに入れるか……いやここに入れるか……」ってやってましたもんね。
小野 このやりとりだけ切り取ると5分ぐらいの会議に見えそうですが、2~3時間ぐらいは話し合っていたんですよ(笑)。

リリックモノローグと結ばれたらソロ曲の印象が大きく変わった

──ライブでは“リリックモノローグ”という新しい試みも取り入れられていました。セットリストはそこを基点に考えた部分もあったんでしょうか?
近藤 いえ、そこは逆だったかも……。ライブの骨組みは先に決まっていて、歌以外でどういう構成を入れようかと。
小野 ぶっちゃけて言いますと、デビューしたてなのでもち曲が多くありません。それでライブにボリュームを出すにはどうしたらいいのかと考えたときに、声優らしく朗読から楽曲に移っていく“リリックモノローグ”がいいんじゃないかと。僕がやらせていただいていたラジオでも近い試みをしてきましたし、朗読からつなげることで楽曲に新しい魅力が生まれるという“可能性”を肌で感じていたんです。その手法にプロデューサーがリリックモノローグというカッコいい名前をつけてくれました(笑)。
近藤 今後はリリックモノローグで統一していきましょう!
小野 “リリモノ”ね(笑)。これが本当に面白くて、普通だったら楽曲を受け取ったお客さんが自分の基準に合わせていろいろな解釈をするところに対して、僕らの解釈を提示するわけですから。僕の場合は「Just the Two of Us」と遠距離恋愛を結びつけることによってああいった形になりました。
近藤 実は僕も舞台袖で小野くんのリリックモノローグを聴いていて、そこからつながる「Just the Two of Us」のイントロの聴こえ方がそれまでとはまったく違うように感じたんですよ。色が変わったというか、よりエモーショナルな楽曲に聴こえるようになったというか。
小野 どんな物語と組み合わせるかで大きく変わりますよね。完全な裏話なんですが、実は「Just the Two of Us」のリリックモノローグとして、最初は“サッカー少年の爽やかな青春物語”が上がってきまして。話し合いの末遠距離恋愛のテーマにリライトしていただくことになったんですけど、近藤くんは変わる前のテーマも好きみたいで(笑)。
近藤 サッカー少年の物語にひもづいた「Just the Two of Us」も聴きたいです(笑)。

──同じ曲を別のリリックモノローグと組み合わせるというのも面白そうですね。
小野 なるほど! 違う曲でリリックモノローグをやるのもいいけど、「Just the Two of Us」を異なる物語とつなげるのもアリですね。全然違って聴こえるんだろうな。
近藤 リリックモノローグはまだまだ可能性を秘めていると思うんですけど、個人的には歌を歌うときの声の作り方とセリフをしゃべるときの声の作り方が準備の段階から違うんですよ……。なので正直に言うと、困った部分もあります(笑)。
小野 えっ、「Baby,Can’t Let Go」もちゃんと歌えてたじゃん(笑)。
近藤 歌えてました?
小野 歌えてましたよ(笑)。最初楽曲だけを聴いたときは、幻想的な中にふんわりと優しいところを感じて、美しくて気持ちのいい世界にたゆたっているような抽象的な感覚を覚えたんです。ところが、リリックモノローグが合わさるとグッと具体性が増したというか。温かさも増したし、この曲がもっているいい意味での“甘さ”が出てきたようにも感じました。

──近藤さんのリリックモノローグが愛にあふれる内容だったのも大きかった?
小野 ええ。「この曲は“家族愛”を歌っているようにも受け取れるのか!」って自分にはない新鮮な視点をもらえた気がします。
近藤 おそらくあのリリックモノローグは、僕がTwitterで飼っているうさぎの飴ちゃんについてよく報告しているのを作家さんがご覧になって書いてくださったんじゃないかなと。読んでいて気持ちがすごく入っちゃって、いろいろな意味でバッチリハマった気がします。

歌に力を入れればシナジー効果でダンスのクオリティも上がる

──ダンサーを交えてのパフォーマンスも非常に素敵でした。動きの面で心掛けたポイントはありますか?
近藤 2018年にけがをしてから、ダンスだけじゃなくて歌のクオリティを上げることで“シナジー”を狙おうという発想に至りました。

──相乗効果という意味のシナジーですか?
近藤 はい。「歌のクオリティが上がっているなぁ。でも、ダンスも踊りながらだし」みたいな感じで以前よりもお客さんに評価していただけるんじゃないかなと。なので、ダンスに意識を向けるだけじゃなくて歌のクオリティを落とさないようにということにも同時に意識を割くようにしていました。言葉にすると難しそうに聞こえるかもしれませんが、今や声優業界ではそれができて当たり前になってしまったので……。
小野 この前、ちょうど僕も(畠中)祐や(内田)雄馬とそういう話をしていました。「お前ら、なんで踊りながら歌えるんだよ」って言ったら「普通に練習して~」って。もう「普通じゃないからな、それ!」って言うしかなかったです(笑)。
近藤 それが20代、30代の声優にとっての普通になっちゃってるんですよね。みんなが歌って踊るコンテンツに関わっているからすごい。
小野 じゃあ、僕らはどうすればいいかと言ったらそれはもう“効果的に見せる”ことだと思います。そのためには近藤くんが言ってくれていたとおり、歌とダンスでシナジーを生まなければいけない。まずはちゃんと歌わないといけませんし、しっかり歌いながら踊れるようにリハーサルで反復していく感じでした。だから、リハーサルはとにかく念入りにやりましたし、その中でも力が入ったのはやっぱり「Vermillion Phoenix」で階段を下りてくる場面。拍に合わせて厳密に動きが決まっていたので「ここのタイミングで動き出して、ここでポーズを決めるとダンサーさんたちがリンクして動き出す……」みたいに細かく振りが決まっていたんです。逆に言うと一拍でもズレたらその時点でアウトなんですよ。しかも曲のテンポも速いのでかなり大変でした(笑)。
近藤 すごく難しかったですね……。
小野 ただ、ダンサーさんたちがキレキレに踊ってくださるので、僕らが間違えずに動ければとてもきれいに見えるんです。

──細部まで計算されたパフォーマンスだったと。
近藤 一方で振りがついていない箇所もあったんです。そこは各々の感性に任せて動いていたんですが、僕と小野くんの動きが面白いぐらい別方向でかぶらないことにも気づきました。そこもぜひ皆さんにチェックしてほしい部分です。

──衣裳の雰囲気も真逆ですし、“180度違うからこそ”の魅力がTRDにはある気がします。
近藤 衣裳面では僕がワイルドな感じで、小野くんがノーブルな感じですね。
小野 真逆の見せ方をしよう、みたいな意識をしているわけじゃないんだよね。何も考えなくても自然とコントラストが生まれるんです(笑)。

──今後二人でパフォーマンスをする上でチャレンジしてみたいことはありますか?
近藤 よく「ダンサーさんたちに交じっていっさい歌わずに踊りたい」って言っていますけど……。あっ、僕じゃなくて小野くんが、ですよ!(笑) 僕はそれを袖で見ていたいなって思ってます。
小野 いやいや、ステージにいてよ(笑)。歌ってくれないとさ!
近藤 歌うだけならいいですけど。数年前から言っていますよね。
小野 実をいうと、今回のライブでもリハーサルの最初の段階ではそういうパフォーマンスも取り入れようかなと思っていたんです。でも、全体のバランスをみたときにその部分だけバキバキに踊るのはおかしかったので「やっぱりやめましょう」と(笑)。
近藤 そんなことがあったんですね!
小野 なので、何かのタイミングで実現できれば。体力的にも早めにやらないと(笑)。
近藤 でもダンサーさんの中にも僕らよりお兄さんな方もいらっしゃいますし! 実現できたら絶対に盛り上がると思いますけど。
小野 近藤くんがいいなら頑張ります。なので、そのときは高らかに歌い上げてほしい。
近藤 そのときはもちろん全力で歌いますよ!

──MCではドームで歌いたいともおっしゃっていましたが(笑)。
近藤 毎回言うヤツですね(笑)。東京ドームという響き自体が好きなので、コールしたいんです。
小野 東京ドームならプリズムホールでもいいわけでしょ?
近藤 やってみますか。盛り上がってるかー、東京ドーム!
小野 (合わせるようにすかさず)プリズムホール!
近藤 それも素敵だね(笑)。
小野 まぁ、言霊ってありますから。言い続けていればいつか叶うんじゃないかと思いますよ。

あの先輩にも知られていた!? TRDの快進撃はまだまだ続く

──最後にTRDとしての今後の活動の展望をお聞かせください。
近藤 「最近、また小野くんと音楽ユニットやっているんだってね」と先輩声優さんたちから声をかけていただける機会が増えました。それ自体もうれしいですし、今後も知ってもらえるように頑張っていきたいなと。
小野 僕も最近よく声かけていただくんですよ。先日、三木眞一郎さんにお会いしたときに「TRDっていうユニットをやってるんでしょ? あれ、Toyota Racing Development(自動車メーカー・トヨタ社のレース&モータースポーツ部門でもあるブランド)とかぶってるじゃん!」とイジってくれたんです。まさかあの三木さんがTRDを知ってくださるばかりか、車のブランドと重ねてくださるとは思わなかったのでビックリしました(笑)。
近藤 それはビックリしますよね(笑)。
小野 正直あまりのうれしさに胸がトゥンクしました(笑)。この時代に新しくデビューさせていただいたことで、皆さんに知っていただく機会も増えたんだなぁ……とうれしくもなりましたし、いろいろな人に見てもらえるようにこれからも頑張っていきたいです。
近藤 僕もやりたいことや目標はいっぱいあります。たとえば、僕らのライブの演出を担当してくださっている野村裕紀さんは有名女性アイドルグループの演出もよくされていて。そんな野村さんに僕らのほうからインスパイアできるような活動をしていきたいです。そして、あらためて振り返ってみると『TRD Special Live 2021-TRAD-』はおそろしく緊張したライブでしたが、僕も小野くんも“歌唱”にフォーカスしながら強い想いで臨んだライブでした。ぜひとも映像でも楽しんでいただけるとうれしいです。
小野 皆さんのおかげでTRDは一周年を迎えることができました。この節目のタイミングにBlu-ray&DVDを発売できたことに運命的なものを感じます。この先一年と言わずに二年、三年と止まることなく進化し続けていきたいですし、もっともっといいパフォーマンスを目指して、いい音楽を届けていきたいと気持ちを新たにしました。どうか今後とも応援よろしくお願いいたします。

【インフォメーション】

『TRD Special Live 2021 -TRAD-』
ポニーキャニオンより発売中

【Blu-ray】
¥8,250(税込)

【DVD】
¥8,250(税込)

仕様:特製三方背ケース、特製リーフレット
映像特典:「TRD Special Live 2021-TRAD-」メイキングムービー他

<きゃにめスペシャル限定版>
【Blu-ray】
¥10,450(税込)

【DVD】
¥10,450(税込)

仕様:特製三方背ケース、TRDスペシャルブックレット
映像特典:10/23「TRD Special Live 2021-TRAD-」メイキングムービー、2/6開催「TRD Valentine Party 2022 -Strangers-」アコースティックライブ映像&幕間映像

 

【収録内容】
-Opening-
M1.Vermillion Phoenix
M2.Take You Higher
-MC-
小野大輔・リリックモノローグ「Just the Two of Us」
M3. Just the Two of Us(小野大輔)
近藤孝行・リリックモノローグ「Baby,Can’t Let Go」
M4. Baby,Can’t Let Go(近藤孝行)
M5.Game Changer
-バラエティートーク-
M5.Clock Hands
M6.Strangers
-Ending-
En. Take You Higher
※実際の公演とは一部内容が変更になっています。予めご了承いただけますと幸いです。

『TRD Visual Live Event2022』開催!

TRD結成&1stミニアルバムでのデビューから1年たち、その1周年記念のタイミングで昨年10/23に開催されたSpecial LiveのBlu-ray&DVDのリリースとなりました。
その発売記念として、前回とはまた違った装いでのライブイベントを開催いたします。
こちらは「TRD SpecialLive2021-TRAD-」Blu-ray&DVDに特典として封入されているイベントチケット優先販売申込券よりご応募いただけます。ぜひ奮ってご応募ください。

【日程】
2022年11月6日(日)
〔昼の部〕〔夜の部〕開催予定
【出演】
TRD(近藤孝行・小野大輔)
【会場】
赤羽ReNY alpha(東京都北区赤羽1-7-9 赤羽第一葉山ビルB2)
【料金】
8,250円(税込)
【申込受付期間】
2022/06/15(水) ~ 2022/09/27(火) 23:59
【抽選結果発表】
2022/09/30(金) 19:00以降
【支払手続期間】
2022/09/30(金) 19:00 ~ 2022/10/03(月) 23:59
【枚数制限】
1シリアルナンバーにつき いずれか1公演 2枚
【支払方法】
クレジットカード・コンビニ決済
【発券方法】
電子チケット「ポニキャン」
本受付の発券はポニーキャニオンの電子チケットアプリ「ポニキャン」のみとなります。
お申し込みには「ポニキャン」アプリ(無料)のインストールが必要です。
開場・開演時間および出演者は変更となる場合がございます。
申込多数の場合は抽選となります。
未就学児童入場不可
別途ドリンク代600円必要

TRD公式サイト:https://trd-music.com/index.html
TRD公式Twitter:@TRD_music

 

【スタッフクレジット】
取材・文/原 常樹