「ありがとう」の思いが詰まった10周年記念ライブ
2022年6月でアーティストデビュー10周年を迎えた寺島拓篤さんが、6月18日に神奈川県民ホール 大ホールで行った記念ライブ「10th ANNIVERSARY TAKUMA TERASHIMA LIVE 2022 EX STAGE -LAYERING- side EAST」。5月にリリースした2枚組ベストアルバム『LAYERING』を引っ提げた東西2箇所でのライブツアーは、先んじて5月29日に大阪公演「side WEST」が開催された。続く神奈川公演となる「side EAST」はセットリストも新たに、バラエティに富んだ音楽性を存分に発揮した内容に。ファンへの恩返しのために音楽活動を始めた、寺島さんの「ありがとう」の想いが詰まったライブの模様をお届けしよう。
ライブレポート
10th ANNIVERSARY TAKUMA TERASHIMA LIVE 2022 EX STAGE -LAYERING- side EAST
2022年6月18日（土）神奈川公演
＠神奈川県民ホール
10周年の「秘密基地」がついに開幕！
ステージにバンドメンバーが出揃うと、マニュピレーター・青木繁男さんの「寺島拓篤、10thアニバーサリーライブ、スタート！」という掛け声と共にSEが流れ始める。そして、暗転したステージが光に包まれると、そこにはカラフルなパッチワーク風の衣装に身を包んだ寺島さんの姿が。「会場の『秘密基地』に集まったみんなも、画面の前のみんなも、最後まで楽しみましょう！」と、会場の観客とMUSIC ON! TVでの生中継を見るファンに呼びかけて、ダンサブルなオープニングナンバー「0+1」であっという間にライブエンターテイメントの世界へと誘っていく。
2曲目の「Special Day」でもダンサーたちと息の合ったパフォーマンスを見せつけると、最初のMCで「皆さん、お久しぶりです！」と、久方振りに有観客で「秘密基地」＝ファンとのライブを開催できた喜びをかみしめる。続けて、グッズのマラカスライトを取り出して「みんなの好きな色、推しの色にして」と呼びかけながら披露したのは「JUMBLE TOWN」。「特別なsecret base」という歌詞の通り、ファンと共に作り上げる「秘密基地」が実現したのだと実感させる。会場の観客たちも寺島さんの呼びかけに応えて、思い思いの色で会場を彩るのだった。続く「sunlight avenue」は、TVアニメ『SERVAMP-サーヴァンプ-』のEDテーマにもなった一曲。寺島さん自身も思わず「爽やか～！」と漏らしていたように、これからの季節にふさわしい爽やかなポップチューンだ。
ここで再びMCに入ると「音楽活動をやらせてくれるスタッフの皆さんに、本当に感謝です」「バンドメンバー、いつも僕の音楽を奏でてくれて、本当にありがとうございます」と、ファンだけでなく周囲の人たちにも感謝の言葉が。さらに、音楽活動を通してほぼ未経験だったダンスにも挑戦してきたという寺島さん。上質なエンターテインメントを届けるため、常に進化を続けていることは、開幕から4曲連続で披露したダンスパフォーマンスからもうかがい知ることができる。一方で「この10年で進化を重ねた寺島の音楽、たっぷりお見せするので、最後まで付いてきてください！」と、骨太なロックサウンドが光る「evolve」、前のめりなリズムで会場のハンドクラップをあおる「カクシンボ」、さらには『ウルトラマンタイガ』の主題歌「Buddy, steady, go!」と、疾走感あふれるロックチューンを立て続けに披露して、レパートリーの多彩さも遺憾なく見せつけてくれた。
前半を終え、マニュピレーター・青木さんによるDJタイムなどを挟むと、ベストアルバムのコンセプトカラーに合わせた、真っ白な衣装をまとって再びステージに登場。「UNBREAKABLE」では衣装のロングコートを翻しながら華麗なパフォーマンスで魅せ、「MONSTER」ではラップパートを含めた緩急ある楽曲を存分に表現してみせる。他方、削ぎ落されたサウンドが光る「colors of love」や「深海より」では、抑制された深みのある歌声で楽曲の魅力を届けた。これも10年間積み重ねてきたからこそ見せられる、音楽性の豊かさだ。
ゆったりと椅子に腰掛けながら「この夜がより素敵なものになるように」と歌い出したのは、しっとりとしたバラード曲「good night,good bye」。どこか悲しくも美しい楽曲を歌い上げると、「アナタの声で 心の星に灯が灯る」という歌詞を引きながら、「皆さんの声で、沢山のエネルギーをもらっていたんだと改めて実感しました」とファンの存在の大切さに思いをはせる。続けて『転生したらスライムだった件』からスマホゲーム版の主題歌「ファントムライツ」、TVアニメ第2期のEDテーマ「Reincarnate」を歌唱。すると、おもむろに電飾付きのマイクスタンドを持ち出した寺島さん。「さっきの2曲で使うはずだったんですよ」「ごめんね、マイクスタンドちゃん」とこぼし、意外にうっかりな一面ものぞかせるのだった。
応援してくれるみんなに、これからも恩返しを
ライブも終盤に差しかかり、「初心を思い出して、この曲を」と歌ったのは1stシングル「magic words」。さらに「まだまだ熱くなれますか!?」と呼びかけながら「SCARLET SIGN」が続き、激しいロックサウンドで、真っ赤な照明に照らされた会場を揺らしていく。「光の在処」では、くじけそうな人を励ますように、各々の心の中にある「光」について歌いながら、「『光の在処』はここにありました」と、ファン一人ひとりの存在もまた寺島さんにとっての「光」であることを語ってくれた。
そして、いよいよ本編最後の一曲に。10周年という節目を迎えたことを受けて「これからも僕は、当たり前のように皆さんへの『ありがとう』を返していこうと思います」と音楽活動を続けていくことを約束する寺島さん。ファンに向けて「この言葉を何度言っても、感謝の気持ちが尽きることはありません。皆さん、いつも本当にありがとうございます！」と真っすぐに感謝を伝えるのだった。「『ありがとう』の層を重ねてきた、この一日。最後はこの曲で締めくくりたいと思います」と選んだのは、音楽活動10周年を記念して作られた楽曲「GRATEFUL LAYERS」。これまでのシングル＆アルバム表題曲のタイトルを盛り込みつつ、観客に「Thank You!」と歌いかける、まさにアニバーサリーな一曲でライブ本編を締めくくった。
グッズのTシャツに着替えて迎えたアンコール1曲目は「ビビッドナイトフィーバー！」。きらめくミラーボールが会場を照らし出し、観客もパラパラ風の振り付けで踊って楽しむ。サプライズケーキや観客からの寄せ書きメッセージボードが届けられる一幕を挟みつつ、いよいよラストスパート。「この曲でもっともっと高いところまで行こうぜ！」と、互いにリスペクトし合う存在であるファンに向けて「HERO」を歌い、ポジティブなエネルギーにあふれた「WHAT A WONDERFUL WORLD!」で会場との一体感を最高潮に高めたところで、名残惜しくも最後の一曲。「僕らの旅は、まだまだ、まだまだ続きます！ みんな、本当にありがとう！ これからも一緒に旅を続けてくれますか？」と投げかけて歌ったのは「tiny adventure」。「どこまでも歌いながら行こう」。そんな歌詞の通り、これからも寺島拓篤とファンの旅は続いていく。そんな、確信に包まれたまま10周年記念ライブは完結！ バンド、ダンサー、スタッフ、生中継の視聴者、会場に集まった観客。あらゆる人たちに「ありがとう！」と声を大にして伝えた寺島さんは、「また必ずお会いしましょう！」と明るくステージを去っていった。
「ファンの皆さんに何かお返しをしたくて音楽活動を始めた」と語り、ライブ全体を通して「ありがとう」という言葉を繰り返し伝えていた寺島さん。感謝と思いやり、エンターテインメント性にあふれた記念すべき10周年ライブは、この先も積み重ねていく未来に胸膨らませずにはいられないものだった。寺島拓篤は、これからもファンに素晴らしい景色を見せ続けてくれるに違いない。
photographer 江藤 はんな ( SHERPA+ )
Information
「10th ANNIVERSARY TAKUMA TERASHIMA LIVE 2022 EX STAGE -LAYERING- side EAST」
2022年6月18日（土）神奈川公演
＜セットリスト＞
1. 0+1
2. Special Day
3. JUMBLE TOWN
4. sunlight avenue
5. evolve
6. カクシンボ
7. Buddy, steady, go!
8. UNBREAKABLE
9. MONSTER
10. colors of love
11. 深海より
12. good night,good bye
13. ファントムライツ
14. Reincarnate
15. magic words
16. SCARLET SIGN
17. 光の在処
18. GRATEFUL LAYERS
＜アンコール＞
EN1. ビビッドナイトフィーバー！
EN2. HERO
EN3. WHAT A WONDERFUL WORLD!
EN4. tiny adventure
▼寺島拓篤アーティストページ
https://www.lantis.jp/artist/terashimatakuma/