サイトアイコン seigura.com

【声グラ限定】シド・明希さん書き下ろしの新曲の秘話も!Machicoアーティストデビュー10周年記念ベストアルバム 『10th Anniversary Album -Trajectory-』

今年、アーティストデビュー10周年を迎えた声優アーティストのMachicoさん。10年間の音楽活動の軌跡を収めたベストアルバム『10th Anniversary Album -Trajectory-』は、2012年5月にリリースしたデビューシングル「Magical Happy Show!」をはじめ、これまでに発表してきた様々な楽曲を、レーベルの垣根を越えて収録した一枚だ。収録新曲についてやデビュー10周年を迎えての思いをうかがった。

10年間の「軌跡」(Trajectory)を収めたベストアルバム

――アーティストデビュー10周年記念ベストアルバム『10th Anniversary Album -Trajectory-』の発売に先立って、5月22日には『Machico 10th Anniversary Live ~Trajectory~』が開催されました。久しぶりのワンマンにして、記念すべき10周年ライブはいかがでしたか?
すごい楽しかったですね。ワンマンライブ自体、前回から2年半ぶりでワクワク感があったんですけど、今回は10周年ということで、曲数もいつもより多く、合計27曲歌いました。その分、ライブの流れをすごく意識して、分かりやすく3つのブロックに分けたんです。1ブロック目はデビュー曲の「Magical Happy Show!」が1曲目で、2ブロック目は初めてアニメのタイアップをいただいた『この素晴らしい世界に祝福を!』のOP「fantastic dreamer」、3ブロック目のトップが初めてプリキュアの主題歌を担当させてもらった『ヒーリングっど♥プリキュア』のEDテーマ「ミラクルっと♥Link Ring!」という形で。

――これまでの活動でターニングポイントになった楽曲を起点として、セットリストを組んでいったんですね。
はい。そこからはリリース順とか関係なく、曲の流れで順番を決めたんですけど、1ブロック目の盛り上がりがデビュー曲だけで終わらないように、初期のカバー曲を「COLORS」メドレーという形で選曲したり、事前に「星屑プリンス」とかの振り付け動画を出したり、ちょっとでもファンの皆さんが楽しめるように考えながらやりました。

──10年分の楽曲を幅広く披露されましたが、ライブを通して当時のことを思い返すことはありましたか?
セットリストを考えるときに曲をあらためて聴き直したんですけど、今とは歌い方が全然違うんですよね。「Magical Happy Show!」はもう、真っすぐもいいとこ!みたいな感じで(笑)。まだ曲に対する抑揚の付け方もわからなかったし、どういう表現で自分の声を乗せたらいいのかもわからない時期だったので。今じゃ絶対にできない歌い方ですし、記録に残っているのはうれしいんですけど、ちょっと恥ずかしい気持ちもあります。

――そんな10周年記念ライブでも歌った楽曲たちが、今回発売されるベストアルバムには、当時の音源のままで収録されています。
そうなんですよ。今は日本コロムビアさんでお世話になっているんですけど、それまでに2つのレーベルでお世話になっているので、その時代の楽曲も入れられるって聞いたときには、「私のアーティスト活動の10年間を大切に思ってくださっているんだ」とうれしかったですし、協力してくださった前のレーベルの方々にも感謝の気持ちでいっぱいですね。だから、当たり前のように18曲並んでいるけど、全然当たり前じゃないんだよっていうことを、ファンの皆さんにはあらためて伝えたいなって。

――ベストアルバムには、『Trajectory』というタイトルが付けられていますが、これにはどういう意味が込められているんでしょうか?
ライブのタイトルにも使った「Trajectory」っていう言葉には、「軌跡」や「足跡」という意味のほかに、宇宙的な要素もあるんですよね。10周年ライブのグッズも宇宙をベースにしたデザインなんですけど、アルバムのジャケットにも天球儀が入っていて。

――なるほど。まさに10年間の「軌跡」が収められている、ということですよね。選曲はいかがでしたか?
デビュー曲とアニメのタイアップ曲はマストで、それ以外は各アルバムから自分の作詞曲を優先的に選びました。「青春オーバードライブ」はオリジナルで初めていただいたロック系の曲で、初期のライブをめちゃめちゃ支えてくれた曲ですし、「紅花火」はファンのみんなが好きでいてくれるから入れたい、みたいな。このベストアルバムをきっかけに、過去の楽曲に興味を持つきっかけになればいいな、っていう気持ちも込めて選曲させてもらいました。どんな歌い方の成長をしているのかも、これで聴き比べて欲しいです。ループして聴いたときに、「Shall we…?」から「Magical Happy Show!」に流れるのは、ちょっとびっくりしちゃうかもですが(笑)。

――たしかにそうですね(笑)。

憧れのシド・明希さん書き下ろしの新曲「Shall we…?」

――さて、先ほど話題にも上がった新録曲「Shall we…?」は、シドのベース・明希さんが作編曲を担当しています。この曲はどういった経緯で生まれたのでしょうか?
10周年記念曲を作ることになって、スタッフの皆さんも、私が好きな人に曲を書いてもらうのがいいと言ってくださったんです。最近、明希さんがアニソンや声優さんへの楽曲提供をしていることも聞いていたので、「ダメ元で……!」と思いつつお願いしてみたら、ありがたいことに明希さんも快諾してくださって。だから、私にとっては、この10年間頑張ってきたご褒美、制作の皆さんからのプレゼントだと思ってます。

――憧れの明希さんによる楽曲に、みずから詞を書くことになるわけですが、いかがでしたか?
もう、プレッシャーがすごかったです!(笑) 新曲には自分で歌詞を載せることになっていたので、明希さんに曲を書いてもらうことが決まってから、プレッシャーにやられまくってました。でも、結果的には、曲のおかげで自分の中にある大人っぽい言葉を並べることができたと思います。「Shall we…?」は歌詞だけ見たら、女の子が主導権を握っている大人の恋愛のイメージなんですけど、同時に、ライブ会場で私がみんなを引っ張っていくイメージも乗せた歌詞になっています。「みんなで感情の共鳴をしようよ」みたいな。あとは、シドさんの大ファンとして、明希さんのメロディにはこういう歌詞を乗せたくなってしまったというのも正直あります。

――それこそ、シドで作詞を手掛けるマオさんの詞のイメージで……。
ほんとにマオさんとは天と地どころか、地層の奥底みたいな感じではあるんですけど(笑)、日頃マオさんと曲作りをしている明希さんに詞を褒めてもらえたから、すごくうれしかったです。

――曲について、ジャジーで歌謡曲っぽさのある楽曲になったのは、明希さんご本人とやりとりがあったんでしょうか?
この楽曲を作ってもらう前に、リモートの打ち合わせで、私がどういう曲をやりたいのか明希さんにお伝えする機会があったんです。今までにロックに特化した楽曲はやっていたので、まだやっていないジャジーでベースゴリゴリの大人っぽい感じで、縦ノリっていうより曲全体で引っ張っていくような楽曲にしたいんです、っていう話をさせてもらいました。あともう一つ、敢えてアニソンっぽくしないでほしいっていうのはお伝えしました。「明希さん節をゴリゴリに入れてほしい」って。なので、初めてデモを聴いたときは「私の好きな明希さんの楽曲だ!」っていう喜びが大きかったですね。

――そんな「Shall we…?」はMVも公開されています。ビジュアルとしては、ロングヘアで大人っぽいドレッシーな衣装と、ショートヘアで少しラフな衣装の2タイプになっていますね。
今回のMVでは、地毛だとあんまり変化が出せないので、ガラッと雰囲気を変えるためにウィッグを被ってます。デビュー当時は黒髪ロングだったし、しばらくダークなトーンのロング姿でみんなの前に出てなかったので、あえて「ON」のMachicoはロングにしました。デビュー当時と比べるとマジで大人っぽくなってましたね(笑)。ベージュの短い方がどちらかといえば変身前の「OFF」、楽屋裏みたいな感じですね。

――「Shall we…?」自体がこれまでとは毛色の違う楽曲ですし、MV撮影も新鮮なものだったんじゃないでしょうか?
レトロっぽいフィルムを使ってほしいとか、リズムに合わせてシーン替えをたくさんやってほしいっていうことをお願いして、「このフレーズを言うときはアップがいい」という細かいオーダーもさせてもらいました。MVに対してこんなに意見を言ったことがなかったので、そういう意味でも、やりたいことが実現した作品だと思います。

――そんな新境地となる「Shall we…?」ですが、アルバムの最後にこの楽曲を置いた理由をおうかがいしたいです。
「ミライロケット」が、私が初めて作詞をした曲だったからですね。初めて作詞した曲と最新の作詞曲を並べたくて。ここで作詞の成長を見てほしいなって(笑)。

――「ミライロケット」では不安な思いを抱えながらも懸命に走り続けるひたむきさが表現されていましたが、「Shall we…?」からは観客を引っ張っていくような、余裕も兼ね備えた芯の強さを感じられます。
今でもファンの人たちに引っ張ってもらってる部分もあるんですけど、10年間あったら人ってちょっとはしっかりするんだなって思います(笑)。昔からライブを見させてもらってる、事務所の先輩のMay’nさんは、トークはめちゃくちゃチャーミングだけど、歌になるとパフォーマンスでぐいぐい引っ張っていくのがカッコいいなって思ってたんです。私も、ちょっとずつMay’nさんにも近づけているんだったらうれしいな、と。

――そういった意味では、今回の「Shall we…?」を経て、次回以降どういった作品が生まれてくるのか楽しみになりますね。
逆に、めちゃめちゃかわいい系のタイアップ曲を歌ってみたいっていう気持ちはありますね。30歳にして、みんなをキュンキュンさせたい(笑)。

デビューからの10年間を振り返って

――Machicoさんは、2011年の「第36回ホリプロタレントスカウトキャラバン」をきっかけに、その翌年「Magical Happy Show!」でアーティストデビューされています。この10年間の活動はいかがでしたか?
私が今みたいにいろんな方に認知していただけるようになったのは、本当にここ数年なんですよね。最初の頃は曲もカバーが中心だったので、歩みはすごく遅かったと思います。やっと応援してくれるみんなに少しずつ恩返しできるようになったんだっていう喜びは大きいですね。でもやっぱり、振り返ると、ほんとに人に恵まれているなって思います。私がまだ何もできないときからMay’nさんはプライベートでもご飯に連れていってくれて、お仕事が決まるたびに「よかったね~!」っていつもお祝いしてくれて。ラジオの現場では、声優としても大先輩の岩田光央さんと一緒に番組をやらせてもらっていたんですけど、当時ラジオで全然自分らしくしゃべれなかったド新人の私に「楽屋でしゃべってるときの感じが面白くて素敵なのに、どうしてそれをラジオの収録で出さないの? それを出せば、みんなMachicoちゃんのことをもっと好きになるよ」って、同じ目線に立ってアドバイスをしてくださって……。技術面はもちろんだけど、「先輩たちみたいに人間としてキラキラしたい」と思える背中をいっぱい見せていただいたおかげで、この10年間を歩んでこられたなって思います。

――尊敬すべき先輩たちの存在が、今のMachicoさんにも影響を与えているんですね。そして、来年2023年にはMachicoさんの地元、広島県呉市でのライブが決定しています。
楽しみですね~。数年前に呉の観光特使に任命していただいたんですけど、コロナの影響もあって「みんな呉に行ってね!」とは言えなかったので、自分のワンマンライブをきっかけに地元に来てもらうチャンスができたのがうれしくて。広島、呉に来たことがない人にはもちろん、地元で応援してくれる人にもいっぱい来てほしいなぁって思います。

――地元での開催ということで、ご家族やご友人もライブを観にくるかもしれませんね。
お母さんは絶対来るって言ってました。「まっちゃんの成果になるようにちゃんとチケット買うからね」って(笑)。

――お母さま、しっかりされてますね(笑)。広島ライブも含めて、今後の活動も楽しみですが、新たに挑戦してみたいことなどはありますか?
私はもともとロック系が好きなんですけど、どんなジャンルを歌っても「Machico、アーティストとしてちゃんと歌えてるよね」って思ってもらえるように、苦手意識を持たずにどんどん色んな挑戦をしていきたいなって思います。かわいい楽曲も歌いたいし、MVで踊ったりとかもしてみたい。30歳になったからこそ、セーブするんじゃなくて、より初心を忘れずに取り組んでいけたらいいなって思ってます。

 

取材・文/北野史浩(TRAP)

 

10th Anniversary Album
-Trajectory

<CD収録内容>
1.Magical Happy Show!
2.青春オーバードライブ
3.禁断の運命
4.星屑プリンス
5.花音
6.fantastic dreamer
7.勇気のつばさ
8.TOMORROW
9.ココロメロディー
10.紅花火
11.コレカラ
12.1ミリSymphony
13.ピンクトルマリン
14.Everlasting Glory
15.ENISHI
16.Happy Magic
17.ミライロケット
18.Shall we…?

Blu-ray収録内容
01. fantastic dreamer Music Video
02.勇気のつばさ
03. TOMORROW Music Video
04. OVER HEAT Music Video
05.コレカラ
06.1ミリSymphony Music Video
07. Everlasting Glory Music Video
08. ENISHI Lyric Video
09. Shall we…? Music Video
10. Shall we…?メイキング映像

 


【初回限定盤CD+Blu-ray】
COZX-1930~1
4,400円(税込)


【通常版 CD Only】
COCX-41809
3,300円(税込)

2023年5月、10周年イヤーのラストとして、広島県呉市にて凱旋ライブ開催決定!

■プロフィール
まちこ●3月25日生まれ。ホリプロインターナショナル所属。主な出演作は、アニメ『ウマ娘 プリティーダービー』トウカイテイオー、『ライフル・イズ・ビューティフル』小倉ひかり、『いわかける!-Sport Climbing Girls-』大場久怜亜、『りゅうおうのおしごと!』月夜見坂燎ほか。

MachicoオフィシャルHP http://machi.co/
Machicoオフィシャルブログhttp://ameblo.jp/miumachi10/
公式ツイッター@MachicoOfficial
公式Instagram @machico_3s25
公式Youtubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCtUN5j4KH6DNkaZSATpSgcQ