戸田恵子さん

誰もが知るあの人気作品に出演している超豪華ベテラン声優50名のインタビューを1冊にまとめた『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』
大人気アニメのオーディションやアフレコ秘話、共演者とのエピソードなど、ここでしか聞けない貴重なお話も満載。声優戦国時代を生き抜いてきた名優50人に「選ばれる」仕事術、そして「声で生きていく」道の厳しさを語っていただいたこの1冊は、すべての声優ファン&声優志望者必読のバイブルとなっている。

そんな『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』に掲載されているインタビューを少しだけお見せしちゃいます!

それぞれが“声優”という仕事を始めたキッカケとは……。

 

声優になるのに”いい声”は必要ない!

何もわからず飛び込んだ声優の世界 最初はつらくてひたすら耐え続けた
▼演技力を裏付ける経験の力とイマジネーション
▼演じることは表現すること そして、発信してゆくこと
▼「いい声」かどうかにとらわれてスタートを切れないのはもったいない
▼技術的なものだけでなく人との関わりを大事にしてほしい

【プロフィール】
戸田恵子(とだ けいこ)
9月12日生まれ。ルックアップ所属。主な出演作品は、アニメ『それいけ!アンパンマン』(アンパンマン)、『機動戦士ガンダム』(マチルダ・アジャン)、『キャッツ・アイ』(来生瞳)ほか多数。アニメ作品以外では、ジュリア・ロバーツ、ジョディ・フォスター、ビビアン・リーなどの洋画の吹き替えも担当。その他女優としても、多数のテレビドラマや舞台で活躍している。

何もわからず飛び込んだ声優の世界 最初はつらくてひたすら耐え続けた

声優の世界に入ったのは、劇団の座長でもあった声優の大先輩、野沢那智(※)さんに誘っていただいたのがきっかけでした。当初は声優の仕事に興味があったというわけではなく、生活のために足を踏み入れたという感じです。声優のお仕事がなかったとしても、何かバイトはしていたでしょうね。そのくらいの感じでした。

それまでは子役時代からずっと演じる仕事を続けていたのですが、いかんせん「画面に合わせてしゃべる」というのが初めての経験だったので戸惑いましたね。最初は映画の吹き替え、次にアニメだったのですが、特にアニメのほうが難しかったのを覚えています。当時はまだ芝居にしても研究生という立場で経験不足でしたし、画面に合わせてセリフを言うという最低限のことすらできない自分が情けなくなりました。アニメの中で起こっていることは架空の出来事が多い。その中で、いったいどんな気持ちでセリフを言えばいいのか、イマジネーションが湧かないんです。これは大変でした。二度目のお仕事のあと、すぐ事務所に「向いてないと思う」と伝えたほどです。それに、息づかいなど普段だったら発しない声も出さなくてはいけないというのも大変でしたね。それまでは、当たり前にテレビでアニメを観たりすることはあっても、取り立ててアニメファンだったわけでもないので、慣れるだけでも大変でした。

とにかくつらかったその時期を乗り越えられたのは、慣れようと努力したからというよりも、自分を支えてくれる人たちや、一緒に仕事をしている周囲の人たちのために、とにかく何とかしようと我慢し続けたからだと思います。具体的にどんなトレーニングをしたとか、そういうことはほとんどなかったように思います。習うより慣れろ! ただ、ひたすら耐え続けるだけでしたね(笑)。アニメの難しいところは、キャラクターが生身の人間ではないところです。外国映画に出てくる俳優さんと違い、アニメキャラは声を入れて初めて命が湧くんです。どんな気持ちで、どんなふうにしゃべっているのかも最初はイメージしづらいですし、口の動きにセリフを合わせるのもアニメのほうが難しい。この「相手が生身かそうでないか」というのは、大きな壁だったと思います。

でも、レギュラーをもって演じているうちに、面白さというのもわかるようになっていきました。相手が生身の人間ではないにせよ、毎週一回顔を見ているうちに、だんだんとテンポ感というのができてくるんですね。最初のうちはキャラに合わせてしゃべっているだけでしたが、しだいにセリフに合わせてもっと自分らしい感情がでるようになりました。

※野沢那智(1938-2010)……『スペースコブラ』コブラ役や数多くの吹き替え、ナレーションで知られる声優

 

続きは好評発売中の『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』をチェック!


『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』
定価:本体1,400円+税
ご購入はこちらから