キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。
今回登場するのは、『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』で藤島慈役を演じる月音こなさん。小さい頃から声優を目指し、憧れの作品で夢を叶えたばかり。デビューに向けて頑張ってきたことや、夢を叶えた先で挑戦したいことなどをお聞きしました。
月音こな オフィシャルサイト:https://apollobay.jp/talent/月音こな/ ★月音さんの手書きプロフィール公開中! |
声優になれば怪獣になれると思ったのかも
――お名前がすごく珍しいと思うのですが、名前の由来は?
芸名なんですけど、「こな」は昔飼ってたワンちゃんの名前です。「こ」は本名でも一緒で、事務所の方からも「こっちゃん」と呼ばれていたので、そのまま使っても混乱しにくいかなと思って。「月音」は、母と一緒に考えていたとき、「月」が好きなのと、声や音を使うお仕事なので「音」を入れて。名前をひらがなで並べると「ねこ」も入ってるんですよ。今、猫も飼っているので、全部入れちゃえ!と思ってこうなりました(笑)。
――声優になったきっかけは?
父の影響でアニメを観るのが好きだったこともあって、小さい頃から声優になりたいと言っていたみたいで。アニメの中だと空を飛べたりするじゃないですか。幼稚園の頃、『トイストーリー』や『マダガスカル』が好きで、怪獣になりたいって言っていたから、声優になれば怪獣になれると思ったのかもしれません。
――声優になる前に、NHK Eテレ『おしりたんてい』主題歌のコーラスバージョンを歌唱したことがあったとか。
小学校の高学年くらいの時に、地元のショッピングモールでアミューズの全国オーディションがあったんです。その場で面接できるっていうのをお母さんから聞いて、軽い気持ちで受けたら、アミューズキッズに入ることになりました。『おしりたんてい』の主題歌はまだ中学生だったこともあり、すごく緊張したのを覚えています。
とにかく頑張るよ!っていう気持ちを伝えたくて
――声優として初めてのお仕事が『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』で、藤島慈役を演じられています。
もともと『ラブライブ!シリーズ』が好きで、絶対に『ラブライブ!シリーズ』に出演したかったんです。だからオーディションを受けられること自体ありがたかったし、夢が叶ってすごくうれしかったです!
――気持ちが通じたんですね。かなり狭き門だったと思いますが、合格するためにしたことはありますか?
歌やお芝居にすごく自信があったわけではないし、特別なことができるわけでもなかったんです。ただ、とにかく頑張ります!って気持ちを伝えることに一生懸命でした。
――『ラブライブ!シリーズ』を観ていたのは、いつ頃から?
最初のシリーズからです。もともと父が好きだったので、ライブのBlu-rayもよく観ていました。星空凛ちゃんが大好きで。「かわいい子はみんな髪が長いけど、凛ちゃんはショートなのにめちゃくちゃかわいい」って思っていました (笑)。その影響で自分もショートにするくらい、ずっと好きな子です。
――ご自身が演じる藤島慈ちゃんのお気に入りポイントを教えてください。
バーチャルスクールアイドルということで、その子として演じきらないといけないし、台本があるわけではなく、その子としてリアルタイムでお話をするので、自分に似ている子か、憧れるような子がいいなと思って。そう考えたとき、いちばん演じたいのがめぐちゃんでした。オーディションの台本に「褒めて褒めて」っていうセリフがあって、そこが私っぽいなと思ったりして。その後に、キャラクターの絵や性格や趣味が書かれた資料を見たら、私に似ているというより、私が憧れる理想の女の子みたいな感じだったんですよ。本当にめぐちゃんで良かったなと思います。
――理想の女の子って思えるのはどんな部分?
見た目がタイプだし、かわいらしくて自己プロデュース力が高いけど、ちょっと生意気な一面があるところです。良いところも悪いところもひっくるめて全部愛せる女の子。あざとい感じもあるけど、自分の魅力を最大限に引き出すのが上手なところが、すごく好きですね。
――実際に演じたり、歌ったりしてみた感想は?
語尾にハートがついていることが多いので、よりかわいさが出るように意識しています。普段、語尾にハートを付けてしゃべることってないじゃないですか(笑)。だから、それが難しかったですね。いちばんやらなきゃいけないことなのに、いちばん大変でした。
――菅叶和さん演じる大沢瑠璃乃ちゃんとのユニット「みらくらぱーく!」のリリックビデオ『ド!ド!ド!』が公開されています。この曲の推しポイントを教えてください。
3ユニットの中でいちばんゆっくりなのが、「みらくらぱーく!」っぽいし、思い描いていた瑠璃乃ちゃんとめぐちゃんの曲って感じでうれしかったですね。おしゃべりしてる感じの部分が多くて、そのニュアンスを自由に歌ったりして、楽しかったです。同じユニットの菅ちゃんは、初めて会った時からすごく元気なムードメーカーで、相方が菅ちゃんで良かったなっていつも思います。
――そしてついに今年3月、デビューミニアルバム『Dream Believers』がリリースされました。全員曲もようやくお披露目になりましたね。
「みらくらぱーく!」は幼なじみのコンビだから友達感が強いんですけど、全員曲になると、瑠璃ちゃんは後輩らしく、慈ちゃんは先輩らしく感じられて、新鮮でした。ほかのみんなも、1年生らしさ、2年生らしさが出ているなって感じます。
――デビューに向けて頑張ってきたことは?
私は歌もダンスも飛び抜けているわけではないけど、めぐちゃんがやりたいことを全部実現させたいという想いは人一倍あると思っていて、めぐちゃんの想いを全部叶えてあげたいなという気持ちで取り組んできました。
――ライブやイベントも楽しみですね。
楽しみな気持ちでいっぱいです! ただ、調子に乗りすぎた時に失敗をするタイプなので、もう少し不安があってもいいと思うんですけど……。今は、不安を感じていないことが不安です(笑)。
お腹がすいたり眠くなったりするのに弱いです
――プライベートではギターが趣味で、独学とのことですが、始めたきっかけは?
親戚にアーティストの子がいて、弾き語りに憧れたのが理由の一つです。もう一つは、カラオケが好きなんですけど、出かけるのが面倒なので、ギターが弾けたらカラオケ代わりになるかなと思って。飽き性な私としては、頑張っていると思います(笑)。
――音楽も好きということで、推しのアーティストはいますか?
「このアーティストさんのこの曲は好き」みたいなのが多いですね。サブスクのおすすめ曲を延々聴くのが好きなんです。好きかもって思った曲はギターで練習して、TikTokにアップしてみたり。ほかにもいろいろ聴いていて、その季節らしい曲が好きです。冬だったらちょっと雪っぽい曲とか。
――2023年2月からTwitterも開設しました。
「この人TikTokも見に来てくれたな」とかフォロワーさんを見るのが好きで、いつもニヤニヤしながら、みんなを監視しています(笑)。
――お話ししていると、こちらまでハッピーな気持ちになれる月音さんですが、落ち込むことはありますか?
落ち込むことはあまりないですけど、お腹がすいたり眠くなったりすると気分がダウンするので、コントロールしています。現場ではずっと何か食べてるねって言われるし、ダンスや振り入れで本番前に寝ちゃったりとか。本当に、欲求に弱くて。
――バッグの中に食べ物がたくさん入っていそうですね。
入ってます! いつも「甘い」と「しょっぱい」をセットで買うんですよ。じゃがりことポッキー、ポテロングとたけのこの里、とか。自分の中で謎のバランスがあります。お菓子は大好きで、一日のうち1食はお菓子。量が少ないって思われるかもしれませんが、足りるくらいお菓子をたくさん食べるんですよ。体の半分くらいはお菓子でできていると思います(笑)。
私が演じる子たちのために一生懸命頑張りたい
――これから声優としてどんな活動をしていきたいですか?
『ラブライブ!シリーズ』に出るといういちばん大きな夢が叶ったので、今はそれに一生懸命頑張りたいです。また、新しい役をいただいた時には、その子の願いを全部叶えられるような声優になれたらなと思います。
――キャラクター愛が伝わってきますね。ちなみに、挑戦してみたい役柄は?
『映画 聲の形』や『たまこまーけっと』、『Free!』など、京都アニメーションさんの作品も好きなので、どんなジャンルでもいいから、いつか京アニさんの作品に携われたら嬉しいなって思います。
――ファンの方に伝えたいメッセージをお願いします。
応援してくださる皆さんの理想や想像を形にできたらなって思っていますので、いろいろな声を聞かせていただけたらなと。私が演じる子たちのために一生懸命頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします!
【声優図鑑】月音こなさんのコメント動画
次回の「声優図鑑」をお楽しみに!
撮影=石田潤、取材・文=吉田あき、制作・キャスティング協力=吉村尚紀「オブジェクト」