ポラポリポスポ

本格始動した『ポラポリポスポ』の制作工程を公開!CV&モーションアクターを担当した川島零士さん、小松昌平さんのコメントも!

ポラポリポスポ
『ポラポリポスポ』の魅力の一つは、キャラクターたちの息吹を感じられるような3Dモーション

バンダイナムコアミューズメントは、クリエイションIPプロジェクト『ポラポリポスポ』の重要な制作工程の一つである“ゼロエディットモーションキャプチャー”による撮影について、オフィシャルレポートを公開! 今回のオフィシャルレポートで公開された撮影内容は、ポラポリポスポ公式YouTubeチャンネルにて、トークバラエティやオリジナル楽曲MVとして、11月15日(水)より順次動画を公開予定となっている。プロフェッショナルの融合によって創作された動画コンテンツが、どのような仕上がりになっているのか、ぜひその目で確かめよう。また、モーションアクターを務めた4名からのコメントについても合わせてお伝えしたい。

ポラポリポスポ

■Day1:トークバラエティパートの撮影

YouTubeで“物語”を、リアルイベントで“体験”を届けるというコンセプトで展開中の『ポラポリポスポ』。個性の異なるふたつのバンドグループ、それぞれに所属する8名のアーティスト(キャラクター)たちの姿を映像コンテンツを通して描いていく。2023年1~3月までパイロット版の映像が配信され、ファンの期待が徐々に高まっている本作が、いよいよ11月から本格始動。

『ポラポリポスポ』を追いかける上でまず注目したいのが、各キャラクターのボイスを豪華声優陣&話題のVTuberグループ“ホロスターズ”が担当していること。さらに今回は、その中の数名が【声】のみならず【モーションアクター】として、キャラクターの動きの表現にもチャレンジしている。

3人組バンド「WAKAZO」(わかぞう)たちのモーションアクションを担当するのは、プロのアクターである村上雅貴さん(KYOSUK役)、CVも担当している川島零士さん(AKARI役)など。そして、5人組バンド「chirp×chirp」(ちゃぷちゃぷ)は、CVも担当している小松昌平さん(ロミオ役)や、声優としても活躍する古田一紀さん(ゲッカ役)、松田将希さん(チアキ役)など。多様な場所で活動している役者たちが集まり、それぞれのキャラクターたちへ、動きによる“リアルな人間性”を生み出している。

■モーションアクターコメント
川島零士さん(AKARI役/CVも担当)
ポラポリポスポ
アカリの動きは既に動画で出ているので、今回アカリのモーキャプのオファーを頂いた際すごくドキドキしました…!だって既に動きも可愛いんだもん!笑 ですがアカリを演じた僕だからこそ、アカリの女性的とさえ感じる個性なども含めて表現出来るよう、演じたアカリの呼吸に合わせて指の一本一本に至るまで意識を巡らせました!お楽しみに!

小松昌平さん(ロミオ役/CVも担当)
ポラポリポスポ
まさか自分がモーションアクターをやることになるとは……! 撮影は色々と新鮮でしたが、自分の舞台経験やスーツアクターの経験が活かせたような気がします。おとなしい役なので、動きすぎないようには気をつけましたね笑 表情管理は他の方が担当してくれているというのもあり、多くの人が関わったチームプレーという感じでした。完成形が楽しみです!

古田一紀さん(ゲッカ役)
ポラポリポスポ
セリフの語尾の残し方にCV担当の方の拘りを感じたので、見ている人にモーションでより伝わるよう心がけました。また、自分が関わっていない話題の時の居方や話の聞き方にゲッカの個性が出ると思ったので、そこも拘りました。手先が袖で隠れているシルエットだからこそ映える体の形など考えることが多く、貴重な経験になりました。

松田将希さん(チアキ役)
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モーション撮影用のスーツを着るところから始まり、そこから沢山のマーカーをつけ、準備体操をし、沢山のエンジニアさんやディレクターさんの前で、身体ひとつで立って動き、その自分の動きがキャラクターに反映されるのをリアルタイムで見ることができる。それらの過程全てが自分にとって新鮮で、且つ自分がそのキャラクターに命を吹き込むことの責任を、改めて大きく感じました。そして、それにとてもやり甲斐を感じたので、これからもっとモーションの世界に携わっていきたいと思いました。

“一発撮り”という形式だからこそにじみ出るライブ感
『ポラポリポスポ』の大きな魅力となっているのが、キャラクターたちの息吹を感じられるような3Dモーション。そんな本作のCG映像制作は、撮影後に人の手によるデータの加工を行わない“ゼロエディットモーションキャプチャー”(※)を採用している。※「ゼロエディットモーションキャプチャー」は、株式会社ユークスが開発した次世代のリアルタイムレンダリングエンジン『ALiS ZERO®』と株式会社gNuuw(ヌー)の『超高精度キャラクターマッチングツール』とで実現した手法。

通常、モーションキャプチャーしたデータは、撮影の過程でCGモデルの衣装や髪の毛が身体の中にめり込んでしまったり、腕や脚が不自然に伸びたり曲がったりしてしまい、アニメーターがそういった不都合を一つひとつ手作業で修正・補正しなくてはならない。しかし、ゼロエディットモーションキャプチャーを採用することによって、撮影したモーションキャプチャーデータをそのままCG映像素材として、このコンテンツでは活用している。制作リードタイムを大幅に短縮できるため、ハイクオリティなCG映像を低コストかつスピーディーに提供できるのがこの技術の大きな利点だ。

一方で、モーションの撮影が“一発撮り”になるため、モーションアクターやエンジニア、アニメーターには相応の技術力が求められる。ハードルは高いが、この形式だからこそ生まれる“アクションのライブ感”も持ち味といえそう。

ゼロエディットモーションキャプチャーを運用する上で大事なのが、ユークスが持つ次世代のリアルタイムレンダリング技術“ALiS ZERO(R)”。撮影したモーションキャプチャーデータが3DCGのキャラクターにリアルタイムで反映されるため、現場では完成した映像をタイムラグなくすぐに確認できる。自分の表現する動きが、映像としてどのような形にアウトプットされているのか、アクター側も逐一確認できるので、一つのガイドラインになるような大事な存在だ。

撮影スタジオでは、各モーションアクターのスーツに約69点のマーカーをつけて、専用カメラで動きを立体的に捕捉。腕を組んでしまうとマーカー同士が干渉してしまうこともあるため、休憩中であっても動きには制限がかかる。筆者はアクターさんにスーツの着心地を直撃してみたのだが、身体にしっかりフィットして着心地は悪くないとのこと。一方で、最初にスーツを着たときに“羞恥心を感じる”アクターさんもいるそうだ。たしかにボディラインや姿勢のよさがストレートに出てしまうため、いろいろな意味で己が試される現場といえるのかもしれない……。

モーションアクターとアニメーターの神業のような“二人羽織”
WAKAZOは、にぎやかで熱血なKYOSUKと中性的でノリのいいAKARI、そして寡黙で論理的思考を持ちながらもときおり破壊力のあるボケを放つSOという、動と静のバランスがいい3人組バンド。モーションアクターさんたちはマーカーを付けた段階からそれぞれのキャラクターが宿っているようで、機材の動作チェックのための「手を前に出してください」というディレクションにギャルピースで応じたり、無駄のない動きで前に手を出したり、個性がハッキリにじんでいた。

今回、モーションアクターに初めて挑戦したのがAKARI役の川島さん。普段は声優として多くの役に命を吹き込んでいる川島さんだが、モーションアクターとして声を使わずにAKARIの個性を巧みに表現。つねに内股でかわいらしく、愛くるしい所作で語りかけてくるその魅力は中性的かつこわく的で撮影スタジオの視線をグッと引き寄せていく。現場のスタッフたちからは「(川島さんのモーションアクターとしての)初めての演技とは思えない!」と絶賛の声が飛び交っていた。

SOはロジカルな思考の持ち主で、ラジオの収録中も極めて動きの少ないキャラクターだが、だからこそ要所要所で見せる大きな動きにカッコよさやかわいらしさが集約される。ミニマムながらも印象に強く焼きつくような表現が、SOの魅力をたっぷりと引き出していた。

そして、KYOSUKのモーションアクターを担当したのは村上雅貴さん。お茶目ながらも力強いその一挙手一投足についつい目が釘づけになる。個性がバラバラな3人の中でもKYOSUKは屋台骨としてその役割を果たしているイメージだ。これもモーションアクターとして多くの作品に携わってきた村上さんだからこそ生み出せるパフォーマンスといえる。

モーションアクターなくして『ポラポリポスポ』は成り立たないが、同様にエンジニアやアニメーターの力も必要不可欠。モーションアクションの撮影には多くの機材を使用するため、エンジニアチームの担う役割は大きい。また、アニメーターチームは、モーションアクターの動きに合わせるように、リアルタイムで各キャラクターの表情を制御するという重要な役割を担う。動きと表情がズレると違和感につながってしまうため、モーションアクターと“二人羽織”をするように息を合わせていく作業はシビアかつアーティスティック。

表情を変える頻度なども担当するアーティストによって異なるため、ほかのアニメーターやディレクターとすり合わせつつバランスを取り、表情を創りこんでいく。まさに“プロフェッショナル”の仕事だ。現場の強い熱量をもって生命を吹き込まれたキャラクターたちの放つナチュラルな魅力は、きっと多くのファンに支持されるのではないだろうか。

■Day2:オリジナル楽曲MVの撮影

ミュージシャンをアクターに起用することで“ホンモノの楽器演奏”を実現
『ポラポリポスポ』というコンテンツの魅力として欠かせないのが、2つのバンドグループに所属する8人のアーティスト(キャラクター)が織り成すハイクオリティな“音楽”だ。そして、アーティストの華である“パフォーマンス姿”も精緻なモーションキャプチャーによってカタチ作られている。

WAKAZOのパフォーマンスシーンの撮影には、楽器の扱いに熟達したミュージシャン3名(大内慶さん、田中匠郎さん、アベノブユキさん)がモーションアクターとして参加。実際にスタジオで音を出しているわけではないが、アクターが撮影用の楽器に直接触れて行うことで、リアルな“楽器演奏シーン”を創り出すという手法を取っていた。

まずはリハーサル。モーションアクターは撮影用の楽器に触れながら演奏の感覚を確かめていく。楽器を左右に振ったときにどれだけの速さでCGに反映されるかなど、細かい部分のチェックも大事な工程だ。そして、エンジニアチームはアクターの動作に合わせて、3DCGがどう見えるかを細かく確認する。実際の撮影で使用する楽器は3DCGには反映されず、代わりに3DCGの中だけで存在する楽器が組み合わさるため、両者の位置がずれないようにミリ単位での調整作業が続く。もちろん、マイクの位置や高さなども違和感がないように細かく調整。なんとも大変な作業だ……。

また、こういった絵作りの工程において、筆者は本コンテンツの3Dモデルに対する強いこだわりも感じた。たとえば、KYOSUKは演奏中も上着がはだけているのが特徴だが、肌の露出が多いからこそ、肩の関節部分などもダイレクトに見えてしまう。これらの3Dモデルが違和感なくナチュラルに見えるというのは、そのクオリティの高さゆえだ。さらにアクセサリーなど細かいパーツへの熱量もすごい。KYOSUKでいえば、左耳のピアスなどが動きときれいに連動するように配置されているため、パフォーマンスにさりげなく美しい色を添えている。これはまさに制作に関わるプロの熱意の賜物というか、3DCGに精通したプロフェッショナルが揃うプロジェクトだからこそのセールスポイントといえるだろう。

エンジニアチームによる細やかな作業が続く中、モーションアクターはコミカルな動きで現場の雰囲気を和ませたりもしてくれた。実際の3DCGには反映されないが、こういった遊びで現場に笑いをもたらし、温かな空気感を醸成するというのもアクターの大事な資質なのかもしれない。リハーサル映像のプレビューを念入りに確認し、パフォーマンスの方向性をすり合わせたらいよいよ本番の撮影。手の空いているスタッフは“お客さん役”として加わり、実際のライブさながらの光景がスタジオに広がる。実はアクターの視点からすると、お客さんが加わることで広い会場でのパフォーマンスを想定する基準が視覚化されるため、これらの工程は無意味ではない。スタッフが拳を振り上げて声援を送るのもまた大切な仕事というわけだ。

WAKAZOの楽曲は、突き抜けるような爽快感と疾走感を併せ持つ青春ロックナンバー。各分野のプロが熱量を込めてカタチ作った、躍動感のあるビジュアルと合わさることで、高い完成度に仕上がっている印象だ。彼らが生み出すどこか懐かしく甘酸っぱいメロディーは老若男女問わずに心に響くのではないだろうか。KYOSUKのワイルドでパワフルなボーカル&ギター、SOの重心高くスマートなベース演奏、そしてAKARIのかわいらしくも余裕のあるスティック捌きと、3人の“人間性”がしっかり反映されたパフォーマンスを眺めているだけで、筆者も自然と笑顔になってしまった。

こうして創られるWAKAZOの生き生きとしたライブシーンを活かして、次のステップでは映像制作・編集のプロにより、オリジナル楽曲MVが仕上げられる。各バンドのMVは、ポラポリポスポ公式YouTubeチャンネルにて、今後公開される予定とのこと。『ポラポリポスポ』では、こういった最新技術を味方につけて、これからもっともっと開花していくであろうキャラクターたちの個性や魅力に、ぜひとも期待していただきたい。

※写真注:コントローラーで表情をリアルタイムで設定するため、綿密な事前打ち合わせをする

▼「ポラポリポスポ」公式サイト:https://polaporipsp.bn-am.net/
▼「ポラポリポスポ」公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCFhNwE1BW2GoLnvDFrZYEww
▼「ポラポリポスポ」公式X(旧Twitter):https://twitter.com/P0laPoriPosuPo

オフィシャルレポートライター:原常樹
オフィシャル写真カメラマン:中村ユタカ

©Bandai Namco Amusement Inc.