「声優図鑑」平塚紗依

平塚紗依「応援してくださる皆さんに、声のお仕事で恩返しをしていきたい」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

「声優図鑑」平塚紗依

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。

今回はTVアニメ『僕とロボコ』のメイコ役や、『ひみつのアイプリ』の星川みつき役、『ざつ旅-That’s Journey-』の鵜木ゆい役などを演じる平塚紗依さんです。高校生で声優デビューしてから約3年。日々のお仕事で心掛けていることや、これから目指したい理想の声優像などを語ってくれました。

「声優図鑑」平塚紗依

平塚紗依

ひらつかさえ●10月12日生まれ。大沢事務所所属。主な出演作はアニメ『ざつ旅-That’s Journey-』(鵜木ゆい)、『ひみつのアイプリ』(星川みつき)、『結婚するって、本当ですか』(野々山紀子)、『僕とロボコ』(メイコ)ほか。

公式HP:https://osawa-inc.co.jp/women/hiratsukasae/
X:@h_sae_

★平塚さんの手書きプロフィール&コメント動画は2ページ目に!

「高校生だとは思わなかった」と言われて自信がつきました

――2022年に『僕とロボコ』のメイコ役でデビューしたのが、まだ高校生の頃ですね。まったくの新人でベテラン陣の中に入っていくのは緊張もあったと思います。

緊張もありましたし、“本当に私が行っていいのかな”みたいな思いがあって。制服で現場に行ったら、「声で声優を決めたから高校生だとは思わなかった」とスタッフの皆さんが驚かれていて。声で私を選んでくださったことがうれしくて、それが自信につながったし、すごく頑張れました。

――2024年にスタートしたアニメ『ひみつのアイプリ』では、ダブル主人公の一人である星川みつき役を担当。今も続いている作品です。

1年以上続いている作品で、今はもうみつきちゃん=自分だと思えるくらい一体化している気がします。みつきちゃんはしっかりした女の子なので学ぶことが多いですし、夢に向かって努力しているところに共感するし、みつきちゃんの成長に“負けないぞ”という気持ちです。一緒に成長しているような気がしています。

――そう思えるようになるまで、どんなふうに役に寄り添ってきたんですか?

みつきちゃんは何でもできてしまう優等生で、いつも落ち着いている印象がありますけど、私はどちらかというと、もう一人の主人公のひまりちゃんみたいに、朝起きるのが苦手だし、周りのお友達に助けてもらっているようなタイプ。なので、最初は全然違うタイプだと思っていたんです。でもアフレコが進むうちに、みつきちゃんにも、嫉妬したり落ち込んだり、人間らしいところがあることを知って、すごくかわいいなと感じ、どんどん好きになることで距離が縮まったような気がします。

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――ミニアルバムをリリースするなど、キャラクターソングもたくさん歌唱していますね。もともと歌うのは好きなほうでしたか?

幼少期から家族の前でふざけて歌の発表会をしていたくらい、歌はずっと大好きでした。でも、人前に出るのは苦手で。歌の習い事でも、発表会でガチガチに緊張して、全然歌えないことがありました……。

――じゃあ、お仕事をしながら慣れていったところもあるんでしょうか?

そうですね。お仕事をしながら人前に出ることにも慣れてきて、成長できているかなと、少しずつ思えるようになってきました。

――2025年3月に放送された『ツインズひなひま』は一話完結のお話。高校生が登場する日常系かと思ったら、予想外の展開がある作品ですね。

ED曲のモーションキャプチャーを初めて担当させていただいたりもして、新鮮な経験をいろいろとさせていただいた作品です。私自身が、ホラーやオカルトといったジャンルが好きなので、個人的にも好きなタイプのストーリーでもありました。

――ホラー好きとはちょっと意外ですね。普段もホラー作品をよく観るんですか?

映画だと、貞子の『リング』シリーズとか、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』とか、気になったものを順に観ているんですけど、いちばん好きなのは、ちょっと前にはやっていた2ちゃんねるの「洒落怖」っていうシリーズです。誰かが実際に体験した怖いお話が「今ここにいるんだけど……」みたいな現在進行形で書き込まれていて、それをひたすら読むのがすごく好きです。

――現在進行形っていうのがすごく怖そうですね。

そうなんですよ。怖くて怖くて……でも皆さんの文章力がものすごく高いこともあって、どんどん読んじゃうというか。真実かどうかはわかりませんけど、本当に今この時に起きていることなんだと信じて読んでいました。

「声優図鑑」平塚紗依

――ホラー好きなことが伝わってきました。最近のお仕事でもう一つ、今年4月から放送されているアニメ『ざつ旅-That’s Journey-』では、歴史好きの鵜木ゆい役を演じています。

いつもはオーディションでガチガチに緊張するんですけど、本作の掛け合いのオーディションの際、完璧にゆいちゃんになりきれたような気がしたんです。もちろん緊張もありましたけど、合格できた時は、私の思い描いていたゆいちゃんで良かったんだと思えてうれしかったですね。

――平塚さんと似ているところがあるんですかね?

ゆいちゃんは歴史の解説ですごく早口になるんですけど、私もホラーの話をするときとか、つい早口になってしまうことがあって。AnimeJapanで『ざつ旅』のステージに立たせていただいた時、早口になっていたことをファンの方が教えてくださって、「あ、似ているんだな」って思いました。ゆいちゃんが歴史の年代や場所の名称をたくさん伝えたいっていう気持ちと、テンションが上がって早口になってしまうのを両立するのは難しかったけど、その理由はすごくわかるような気がしました。

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