名作が新たな切り口でよみがえる!『モーリス 4K【ムービープラス新録吹替版】』梶裕貴さん、島﨑信長さん、内田雄馬さんインタビュー

モーリスは、誰もが自分を見ているような気持ちになってしまう人物

ジェームズ・アイヴォリー監督が手がけた文芸ロマンの名作映画『モーリス』。20世紀初頭のイギリスを舞台に、青年たちがプラトニックな恋愛関係を育んでいく。
このたびCS映画専門チャンネル『ムービープラス』の開局30周年を記念し、同局の人気企画「吹替王国」に人気声優が登場! モーリスを梶裕貴さん、クライヴを島﨑信長さん、アレックを内田雄馬さんが担当。4K版として修復された本作を彩る。今回はメインキャストの3人に、作品の見どころやアフレコに臨む上で意識したところをお聞きした。

――最初にオファーが来た時の感想をお願いします。

梶:名作を新たな形で視聴者の皆様にお届けできるというのは素晴らしいこと。そこに役者として関われたことがありがたいですし、とても演じ甲斐のある役で、楽しくお芝居させていただきました。

島﨑:『ムービープラス』開局30周年というタイミングで、新しい吹替版に出演させていただき光栄でしたし、いままで一歩一歩積み重ねてきたことがひとつ実ったみたいでうれしかったです。個人的にとても尊敬している梶さんと共演できるのがうれしくて「頑張るぞ!」という気持ちになりました。

内田:名作は何年経っても色あせないということで、約30年の月日を経て、今の時代にこうして届けられるのはすごいことですよね。大変光栄なことだと思いましたし、いち視聴者としても楽しみつつ、本作のテーマや魅力をお届けできればいいな、と胸に誓いました。

―みなさんが演じた人物について、改めてご紹介ください。

梶:モーリスは実に人間らしさのある青年で、誰もが自分を見ているような気持ちになってしまう人物だと思います。だからこそ見ていて感情移入できるのでしょうし、演じていてとても楽しかったです。

島﨑:メインの3人はいい意味でとても人間臭く描かれているので、そこが共感できる部分だと思います。クライヴはいい印象を持たれないこともあると思うのですが、彼が個ではなく自分の背負っているものや立場を考えなければならないのだということもわかります。どの年代の人が誰に共感できるのか、というアンケートを取って、その結果を見てみたいです(笑)。

内田:アレックがモーリスに向けて手紙を書いたり、直接会いに行ったりするシーンを観ると、自分が子どものころにあった「好きな気持ちを抑えきれない」という経験を思い出し、彼のことを応援する気持ちになりました!

―ほかのおふたりと共演する話を最初に聞いたときの感想をお願いします。

梶:普段から現場で一緒になることが多いですし、役者としても尊敬しているふたりなので、安心して収録に臨めました。アニメでも、吹き替えでも共演したことがあるのですが、こういった“大人の話”で共演するのははじめて。とても新鮮な感覚でお芝居させていただきました。

島﨑:梶さんからはモーリスの色々な感情が演技から伝わってくるので、気合いを入れました。
雄馬君とちゃんと共演するようになったのは最近になってからです。彼も人懐こくてすごくいい後輩なんです。ふたりとも現場では素晴らしかったです!

内田:モーリスの気持ちを引っ張り出すような役だったので、普段から僕が先輩に甘えているようなやりとりとあまり変わらなかったです(笑)。おふたりの感情の引き出し方も流石だなと思いましたが、自分も負けじと演じました。

――本作の翻訳は、現代版として手直しされているということですが、演じるうえで意識したところはありますか?

梶:『モーリス』というタイトル通り、モーリスの視点で物語が進んでいきます。喜怒哀楽がとても豊かに描かれていて、「愛」というテーマに沿って、その愛を貫くうえでの怒りや悲しみが強く演出されているなと感じました。楽しく、幸せなシーンもありましたが、涙や激昂したシーンがとても印象的で、演じている役者さんのエネルギーがものすごく伝わってきました。なので、僕も日本語という形でモーリスの魅力を視聴者のみなさんにお届けできるように頑張りました。

島﨑:『モーリス』は人間の細かい機微(表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情)がすごくリアルに描かれているんです。「人間ってこういうときにこういうことをしているよね」、「やっちゃいけないけどやっちゃうことってあるよね」といった、人間を分析する力がすごい作品なんです。
モーリスが喜怒哀楽をストレートに見せてくれる人物だとしたら、クライヴはそれが若干わかりづらいかな、と思いまして。わかりやすくしすぎるのは作品の主旨とズレるかもしれませんし、細かい機微が押し付けがましくないように伝わるように、また、彼の立場に関しても考えながら演じました。

内田:自分が声をあてるうえでは、アレックの気持ちをストレートにとらえられればいいかな、と思いました。『モーリス』に出てくる人物は、みな耽美に見えるのですが、そこに「美しいものとは何ぞや?」というテーマがあるような気がしまして。アレックのまっすぐな心が、モーリスにとってまばゆいものになればいいな、と思いながらアフレコしました。

―吹替ならではの難しさはありますか?

梶:『モーリス』は20世紀初頭が舞台の作品なので、僕らの演じる人物にはそれぞれに「階級」があるんです。そんな彼らの立ち位置を考えたうえで、その人間関係のバランスが大事だなと考えながら収録に臨みました。

島﨑:アニメではキャラクターの根っこの部分から作らせていただくのですが、吹き替えでは役者の演技をリスペクトして、根本があるものに対して自分がどうアプローチして肉付けしていくのか? という思いを持って臨んでいます。『モーリス』という作品に臨むうえで特別何かあるわけではなく、作品自体をリスペクトしながら演じました。

内田:アレックに関しては、演じていて感情の流れがわかったので、特別悩むということはなかったです。ただ、外国が舞台の物語ということもありますし、時代感や空気をフィルムからどれくらい感じられるか? というのは大事だと思いますので、そこを自分でも感じつつ、それがお芝居にも反映できていれば幸いです。

ムービープラス開局30周年記念/吹替王国スペシャル2019

<放送情報>
『モーリス 4K【ムービープラス新録吹替版】』
2019年7月21日(日)21:00~23:45、ほか
監督:ジェームズ・アイヴォリー
出演:ジェームズ・ウィルビー/ヒュー・グラント/ルパート・グレイヴス
声の出演:梶裕貴/島﨑信長/内田雄馬
時代に翻弄される2人の青年の愛と苦悩を、J・アイヴォリー監督が映像美を通して鮮烈に描写した文芸ドラマ。【4Kをマスターとした2Kダウンコンバート放送】

「特番『モーリス 4K』新録吹替 ~人気声優に密着!~ vol.1」
2019年7月21日(日)20:30~21:00、ほか
『モーリス 4K【ムービープラス新録吹替版】』の吹き替え収録現場や声優インタビューなど、ここでしか見ることのできない貴重映像満載の特別番組。

「特番『モーリス 4K』新録吹替 ~人気声優に密着!~ vol.2」
2019年8月放送
6月16日(日)に開催される完成披露イベントの様子などをお届け予定。

ムービープラス 吹替王国 presents 『モーリス』新録吹替 完成披露イベント

日時:2019年6月16日(日)
① 13:00~(上映後、舞台挨拶あり)/② 16:55~(上映前、舞台挨拶あり)
場所:ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場
出演:梶裕貴、島﨑信長、内田雄馬(予定)
イベント内容:吹き替えキャスト3名のトーク&『モーリス 4K【ムービープラス新録吹替版】』の上映
チケット:3,900円(税込)

【プレリクエスト先行(抽選)】※事前にローソンチケット無料会員登録が必要となります。
・エントリー期間:5月25日(土)12:00~5月31日(金)23:59
・当落発表・入金期間:6月5日(水)15:00~6月7日(金)23:00
・受付方法:WEB/モバイルにて (PC/モバイル/スマホ) https://l-tike.com/maurice-pr

放送情報などは、こちらをご覧ください。
開局30周年記念特別ページ⇒ https://www.movieplus.jp/special/30/fukikae/