フレッシュな声優の現在・過去・未来を年表形式で紹介する『声優未来予想図』。 今回は、ゲーム『SA7 -SILENT ABILITY SEVEN-』アーサー役などで注目の工藤雅久さん。デビューするまでに得た経験が、今の仕事にも大いに活かされているようです。
Profile
くどう がく11月14日生まれ。アクセルワン所属。 主な出演作はゲーム『SA7 -SILENT ABILITY SEVEN-』(アーサー)、『DYNAMIC CHORD シリーズ』(加賀真実)、『LOVE QUIZ』(ナナシ)、アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』(本牧牧人)ほか。
工藤雅久’s LOOK INTO THE FUTURE
夢を叶えるために進路を変更!
Gaku’s PAST
幼稚園
ひとり遊びが大好き!
親の仕事の関係で引越しをしたこともあり、仲のいい友達が中々できず、家でひとり怪獣やヒーローの人形を手に遊ぶことが多かったです。自分の中で物語を作るのが好きで、「今日は昨日の続きから」みたいに、かなり壮大なお話を考えて、人形を使って表現していましたね(笑)。
小学5年生
運動部を通して友人ができる
この頃から学校の運動部に参加することになり、一緒に遊ぶ友人が増えました。ちなみにバットやラケットなど、道具を使って行う競技には自信がありましたが、ランニングや体操などの、自らの身体だけを使う運動はあまり得意ではなかったです。
中学時代
ゲームに没頭!
中学生の時は、友人を自宅に呼んで一緒にゲームをすることが多かったです。いろんなジャンルのもので遊んでいましたが、野球ゲームには特にハマりました。幼少時代からの流れかもしれませんが、オリジナルの選手を育成できるモードでは、その選手一人ひとりに「この選手は高校時代から野球を始めたばかりだが、持ち前のセンスでメキメキと頭角を現わした」などといった細かい設定をし、感情移入をして楽しんでいました(笑)。
高校2年生
「声優」という職業に出会う
深夜、家で勉強をしている時に聴いていたラジオが、たまたま声優の番組で。そこで声優という職業に初めて興味を持ちました。現在『SA7 -SILENT ABILITY SEVEN-』でWEBラジオのアシスタントとして出演させていただいているのですが、声優を目指すきっかけとなったラジオに出てしゃべることができているのは本当に感無量です。 その後、アニメに詳しい友人から「こんな面白い作品があるよ」と色々勧めてもらい、ひたすらアニメを見る日々が始まりました(笑)。
大学1年生
夢を追いかけるために
元々理系の学部を目指していたのですが、「声優になりたい」という夢を叶えるには理系だと授業のボリュームをみても少し厳しいかな、と思いまして、思い切って文系の学部に進路を変えることにしました。 親には何も言われなかった……というわけではないですが、正面から反対されるようなことはなかったです。自分はそれまで将来の夢を語ることがなかったので、もしかしたら「雅久も将来のことを考えるようになったか」と思ってくれたのかもしれません。 大学の1年目は、養成所に通うためにひたすらアルバイトをしていました。接客から警備員、「建築資材の耐久検査」なんてものまで、ジャンルを問わず、色々な仕事をしましたね(笑)。声優を目指す仲間の中には、バイトをしているうちにその仕事に興味を持ち、別の道へ進んでしまう人もいましたが、自分はずっと「声優になりたい」という気持ちを強く持ち続け、わき目もふらずに必死になってお金を貯めました。
上京前
右も左も分からない中で奮闘!
大学2年になり、地元・大阪の養成所に通うことになりました。その養成所を選ぶ決め手となったのは「通いやすさ」でした。通うだけで一杯一杯にならず、それ以外の時間で周りのライバル達と差をつけたい。そういった思いがあったので、レッスンスタジオの場所やレッスン費用は特に気にしていました。 その後、違う養成所に移ることになるのですが、最初の養成所での経験は今でも大切にしています。
上京後
2016年 『SA7 -SILENT ABILITY SEVEN-』でアーサー役に!
『SA7 -SILENT ABILITY SEVEN-』で初のメインの役をやらせていただくことになったのですが、今までに頂いたことのないタイプのキャラクターで戸惑いもありました。でも、「選んでいただいたことには何か理由があるはず。まずは精一杯演じよう!」と気合いが入りましたね。 先ほども少しお話しましたが、作品に関連したラジオ番組『SA7 エージェントRADIO』にも出演させていただくことになりましたし、夢がひとつもふたつも叶った気がします。この経験を活かして、今後飛躍していきたいです!
Gaku’s FUTURE
1~2年後
アニメの主役、レギュラーをコンスタントに取れるような声優になる
自分はまだまだこれからですが、主役を任せてもらえるような技術、人間性を身につけて、アニメやゲーム、吹き替えなど、様々な現場の第一線で活躍できるような声優になりたいです。軸がぶれないように、自分をしっかりと持って演じていきたいですね。
5年後
舞台やイベントに出演し、生の自分を届けたい
お客さんの目の前で自分を表現したいという願望が強いです。舞台・歌・イベントなどやり直しのきかない環境に自分を置いてみたい気持ちはすごくありますね。
10年後
日本を1周したい!
子供の頃にあまり外に出ることがなかったので、日本中を旅して見聞を広めたいです。「日本の最北端、最南端」みたいなところにも行ってみたいですね。写真で見ることはできますが、実際に行ってみて、初めて分かることもたくさんあると思いますので。
晩年
最期は家族に看取られて……
声優に引退年齢はない、と言いますが、自分もできる限り長く仕事をして生を全うしたいです。特別なことはいらないので、最期はベッドや布団の中で家族に見守られながら天国へ旅立つことができたら幸せですね(笑)。
工藤雅久を知る10の質問
趣味は?
読書です。特に好きなジャンルがあるわけではないのですが、気になる本があればそれを手にとって読んでいます。移動中はあまり考えないでいいようなライトな本、家で時間があるときは、じっくりと読めるような難しい本、みたいな読み分けはしています。
好きな食べ物は?
オムライスです。昔からどちらかと言うと洋食が好きで、中でもオムライスが好物でした。
嫌いな食べ物は?
特にない……のですが、軽度のエビアレルギーを持っていまして……。エビ自体は大好きで、仕事に影響が出ないように食べています。ちなみに、食べるとすごくかゆくなります(苦笑)。
好きなアニメ作品は?
『ガンダム』などのロボット物が好きでした。それと、『SA7 -SILENT ABILITY SEVEN-』のような、登場キャラクターが能力を持っている作品もすごく好きでした。今クールの作品では『暗殺教室』が特にお気に入りです。皆さん本当に楽しそうに演じているのがこちらにも伝わってきて、それが勉強にもなりますね。
目標にしている声優は?
森川智之さんです。技術的な部分だけでなく、どういう姿勢で演技に臨んでいるのかも教えていただきました。現在は、森川さんからアドバイスいただいた「言葉」を一つひとつ咀嚼している最中です。
この仕事をしていて印象的だったことは?
ある仕事現場で、緊張をほぐすために肩をグルグル回していたら、急に肩が動かなくなってしまったんです! その上、痛みも襲ってきまして……。必死で腕を動かしていたら何とか治り、無事に演じ切ることができました。みなさんもお気をつけください(苦笑)。
今後演じてみたい役どころは?
自分の中では持っているのですが、ここではあえて言わないようにします(笑)。『SA7 -SILENT ABILITY SEVEN-』のアーサー役のように、自分の中では想像していなかったタイプの役をいただけることもあると思いますので……。
マイブームは?
最近、バッグや靴などの革製品をいただくことがあって「これは大事にしなきゃ!」と思い、空いた時間に磨いています。あとひとりでお酒を飲むことも多いですね。読書といい、ひとりの時間はゆったりとした中で過ごしたいんです。
好きな教科は?
数学です。自慢じゃないですが、模試でトップを取ったこともあります! 今思えば、もしかしたら「建築資材の耐久検査」のアルバイトは、この特技が活かせていたのかもしれません(笑)。
苦手な教科は?
体育です。部活を始めてからは好きになったのですが、小学生のころは本当に苦手でしたね(苦笑)。
From 工藤雅久
工藤雅久
実は養成所に所属している時に、とあることがきっかけで劇団に所属することになりまして……。そのおかげで養成所に顔を出す時間が削られてしまったのですが(苦笑)。今思うとすごくいい経験でしたし、今後の役者人生にも活かせそうな技術が身についたと思います。 一見遠回りに見えるようなことでも、興味を持ったら思い切りやってみることが大事だと思います!