フレッシュな声優の過去、現在、未来を年表形式で紹介していく『声優未来予想図』。 今回はアニメ『遊☆戯☆王 ZWXALⅡ』『ゴールデンタイム』『宇宙戦艦ヤマト2202』などで知られる比上孝浩さんが登場。これまでの道のりと今後の展望などを語ってもらいました。
Profile
ひかみ たかひろ2月22日生まれ、東京都出身。エスエスピー所属。アニメ『遊☆戯☆王 ZEXALⅡ』(アリト)、『ゴールデンタイム』(二次元くん=佐藤隆哉)、『日常』(桜井誠)、劇場アニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 ~愛の戦士たち~』(ノル)のほか、外画、ドラマCD、ゲームなど幅広く活躍している。
比上孝浩’s LOOK INTO THE FUTURE
“楽しい”という気持ちが力になる。
Takahiro’s PAST
幼少時代
「お茶じいさん」と呼ばれていた!?
子どもの頃からお茶が好きでした。通っていた幼稚園では、ポットと茶筒が置いてあって、お茶を自分で淹れられるようになっていたんです。自分の分はもちろん、他の園児の分のお茶も淹れてあげていて、「お茶じいさん」って呼ばれていました(笑)。今でもほうじ茶とか好きでよく飲みます。
小・中学校時代
アウトドアもインドアも
小2くらいまではアウトドア派ではなかったのですが、小3から野球を始めて、中学3年間は野球部に入ってボールを追いかける日々を送っていました。サッカーやバスケットボールも好きで、球技全般をやっていましたね。家に帰ったらゲームをして、アウトドアもインドアも両方楽しんでいました。
高校時代
声優という職業を知り、志す
大学に進学したいと思っていたので、高校では進学コースに入って、ひたすら勉強していました。その時代にアニメ好きの友達と知り合って、初めて声優という職業があることを知りました。あるとき、友達とテレビを見ていたときに「CMのナレーターは一回の仕事で百万単位でもらっている」という噂を聞いて、目が点になっちゃって。それで声優を目指してみようと。割とよこしまなんですよね(笑)。
19歳
専門学校で勉強を
AMG(アミューズメントメディア総合学院)の「声優適性オーディション」をネットで見つけて受けてみました。その面談のとき、教務の先生に「滑舌が悪いけど、こういう人間でも声優になれますか?」と相談したら、後日電話をもらって「君なら多分大丈夫だから、おいでよ」と言っていただきました。この先生のいるところなら、と思って、高校卒業後に大阪のAMGに入りました。そこで2年間勉強して、在学中にはゲームやラジオCMのお仕事をやらせていただきました。AMGに入った頃、アニメ『蒼穹のファフナー』を観たらすごく面白くて、そのとき「アニメーションをやりたい」と。また映画『ジャッカル』(’97年製作)で野沢那智さんが主演のブルース・ウィリスの吹替えをやられていて、「この人と一緒にマイク前に立ちたい」と思いました。
21歳
上京して事務所の預かりに
AMGを卒業後、AMGの先生に勧められてケンユウオフィスのワークショップを大阪で受けました。僕が行った日に、たまたま堀内賢雄さんご本人がいらっしゃって。アフレコをちょっとやらせてもらいました。後日、ケンユウオフィスさんから電話があって、「来年、東京に出てくる気はある?」と言われて、その翌年、東京に出て事務所に入りました。
20代半ば
アニメ『日常』『遊☆戯☆王 ZEXALⅡ』に出演
ケンユウオフィスに1年間いたのですが、そこを離れてからプロダクションエースのオーディションに受かって、アニメ『日常』に出演しました。その後、ご縁があってサンミュージックに入り、アニメ『遊☆戯☆王 ZEXALⅡ』に出演しました。『遊☆戯☆王~』のオーディションは、最初、別役を受ける予定だったんです。でも資料を見て「自分はその役ではなくアリトを受けたい!」と瞬間的に思って、お願いしてアリト役で受けて合格しました。これが自分にとっての転機だったと思います。
20代後半
「ずっと声優を続けたい」と決意
アニメ『ゴールデンタイム』に出演しました。スタジオの研ぎ澄まされた緊張感の中で、堀江由衣さん、古川慎さんらのお芝居が心に刺さって、「ずっと声優を続けていきたい」と思いました。
現在
カベにぶつかりながら奮闘中!!
今でもカベはたくさんあります。でもそれらのカベを乗り越えた瞬間が楽しいんです。だから、いつもカベにぶつかって、苦しんでいたいですね。
Takahiro’s FUTURE
2年後
今までにやっていない役を
今までにやったことのない役、たとえば「冷徹な敵」役とかをぜひやってみたいですね。またAMGの頃、講師の松井菜桜子さんに「比上くんが合う役は、影のある青年だね」と言われたことがあるので、その「影のある青年」役もぜひやってみたい。そのときは松井さんにも報告したいです。
37~38歳
“秘境の温泉”を制覇!!
日本最北端と最南端の温泉に行ってみたい。最北端は北海道にある、流氷を見ながら入れるような温泉。最南端は西表島の方面で、蛇が出るようなところらしいです(笑)。そういう“秘境の温泉”を制覇して、写真をインスタに載せたいです。
40歳
全国レベルの作品のメインに
以前は「35歳までに誰もが知っているアニメのタイトルに出たい」と思っていましたが、ありがたいことに『宇宙戦艦ヤマト2202』に出させていただいて、ひとつ目標をクリアできました。次は、40歳までに、全国レベルで公開される作品にメインの一人で名前を出してみたいです。
老後
死ぬ直前まで仕事をする!!
声優の仕事は一生ものだと思うので、死ぬ直前まで仕事をしていたいです。もし自分の声帯がなくなったとしても、「どうにかなるでしょ?」って何か別の方法で声を出して芝居をしたいと思っています。
比上孝浩を知る10の質問
好きな食べ物、苦手な食べ物は?
好きなのはステーキ。お肉、大好きです!! ランチでもステーキ定食とか、ガッツリ食べます。苦手なのはピーマンと玉ねぎ。出されたら食べるけど、自分からすすんでは食べないですね。
あなたの性格を一言で言うと?
「熱しやすい」かな。でも「冷めやすい」はないんです。芝居も、スポーツもずっとハマっていますし。興味のあるものを見つけて、それが増えていく一方なんですよね。だから、もう時間がなくて・・(苦笑)。
今のマイブームは?
プロ野球中継を観ること。子供の頃から広島カープが好きで、CSに加入して観ています。今年、クライマックスシリーズで負けちゃった日は、お酒を飲んで荒れましたね(笑)。試合以外にも、ドラフト会議や授賞式などもチェックしています。だから、野球関係のお仕事もやりたいんです。戦力外通告を受けた選手のドキュメンタリー番組のナレーションとかね、「頑張れ」って気持ちを込めてやりたいです。
座右の銘は?
「自分に正直であれ」です。自分で感じた言葉なんですけど、自分の生き方がブレるとお芝居もブレるので嫌なんです。自分の直感を信じて、まっすぐに生きていきたいなって。
ニックネームは?
「ヒカミン」と呼ばれますね。ラジオに出たときも、共演した方から「ヒカミン」と呼ばれてましたけど、割と気に入ってます(笑)。
好きなゲームは?
「スプラトゥーン」(インクを撃ちあうアクションシューティングゲーム)です。1か月くらい前にハマって、寝る時間を削ってやっています。気づいたら総プレイ時間が140時間を超えていました(笑)。
休日の過ごしかたは?
寝ているか、釣りに出掛けます。釣りは結構好きで、竿も持ってます。たまにブラックバスやニジマスを釣って、ニジマスはその場でさばいて塩焼きにしたり。渓流釣りは怖いけど、うなぎ釣りはしてみたいですね。
好きな教科は?
運動部だった頃は体育が得意でした。それと歴史ですね。高校時代は世界史をとっていて、割と古代が好きでした。西暦300年とか。
尊敬する声優さんは?
たくさんいますが、特にお世話になっているのが松井菜桜子さん、喜多川拓郎さん、黒田崇矢さん。松井さんはAMG時代にキャラクターについて教わり、それが自分の礎になっています。喜多川さんはナレーションがすごい方で、基本的な体の使い方を教わりました。黒田さんは、この業界に入ってから、個人的に相談に乗っていただいたりとよくしていただいています。
声優をやっていて、特に印象に残った出来事は?
『ゴールデンタイム』の最終回で、長いセリフを喋って酸欠寸前になったことがありました。頭もぼんやりしちゃって、目を開けていてもよく見えない状態。でも倒れたら迷惑がかかるので必死で耐えて・・。あのときは、かなり力が入っていましたね(苦笑)。
From 比上孝浩
比上孝浩
僕の場合ですが、自分のお芝居を聞いた人が100人いるとしたら、そのうち1人が「良い」と思ってくれたらいいし、そこから少しずつ「良い」と思ってくれる人数を増やしていければと思って続けています。最初から完璧な方は凄いです。尊敬します! 今、中学生、高校生の人はいろんな作品を観ておくこと。アニメ、映画以外にも能とか、芸能の原点のものに接しておくといいです。今、専門学校で学んでいる人は、体の作り方、発声の仕方など、ひたすら基礎をしっかりと固めてください。あとは楽しむことですね。現場に出ると辛いこともあるけど、その辛いことを楽しむ心を育てると良いです。「楽しい」という気持ちが力になりますよ!