「アーティストとしての自分の“これから”を見据えた一枚に」
『シスターシティーズ』に続くアーティストデビュー5周年記念ミニアルバム『GARDEN』をリリースする早見沙織さん。自身が作詞・作曲した楽曲を中心に構成される一枚は、早見さんが見据える“これから”を描いた作品になっています。
――前作『シスターシティーズ』に続いてのミニアルバムとなりましたが、制作にあたってはどんなことを意識されましたか?
3月に出した『シスターシティーズ』は、どちらかというと外の景色を見に行くものだったんですけど、今回の『GARDEN』はより内側に近いというか、外の旅を経て自分の庭に帰ってきて、どんなふうにものを作っていくか?というところに着目しました。アーティストデビュー5周年ということもありつつ、作っているうちにアーティストとしての自分の“これから”を見据えた一枚になっていったと思います。
――アルバムタイトルの『GARDEN』、そしてリードトラックの「garden」と、大文字・小文字の違いはあれど同じタイトルですが、どちらが先に決まったのでしょうか?
アルバムタイトルのほうが先に決まっていました。リード曲のタイトルはいろいろ候補があって。ただ、歌詞を書いていたときに、この楽曲自体がミニアルバム全体の軸であり、ひいては先々の自分の活動の軸を表してくれる曲でもあるなと思って、同じタイトルにしようかなと。それでアルバムのほうは大文字にして、楽曲のほうは小文字にしました。
――「活動の軸」というのは?
今回、外出自粛期間だとか、激動のタイミングでミニアルバムを制作していて、だからこそ生まれた楽曲たちという面も強くて。みんなそれぞれ、いろんな状況に置かれたと思うんですよね。そのなかで自分の生きる道を変える選択をした人もいれば、そのままの道を歩み続けようと決める人もいて、こういう未曽有の事態に直面したなかでも私を含め、みんな自分なりの選択をしていく。それがどんな結果になったって、どんな未来が待っていたって、自分で選んだ道なんだから、絶対に幸せになるぞという決意をもって進んでいる自分を肯定していくというか、そういう意味を込めています。聴いてくださる人たちにとって前に進むための力になったり、癒しになったり、真っ暗な道を照らす光になったりと、本当にささやかでいいんですけど、みんなに寄り添ってお手伝いができる音楽活動ができたらいいなというところに音楽活動5年間でたどり着いたところもあって、『GARDEN』はその意思表明の一枚になっています。
――「garden」は数々の有名アーティストに楽曲提供をしてきた冨田恵一(富田ラボ)さんがサウンドプロデュースを手掛けられています。
自分が小さいときから、冨田さんの楽曲には知らず知らずのうちに触れてきていました。「garden」は楽曲のデモもすごくシンプルでしたし、メロディーライン自体も複雑性はないんですけど、冨田さんの洗練されたアレンジを経てサウンドとして今っぽさもあるし、レトロっぽさもあるような、時代を行き来できるような音楽になりました。雰囲気としても解放感があるというか、自分の心を自由にしてくれるような、そんなアレンジにしていただけたかなと思います。
――「garden」を含めた新曲4曲は、すべて早見さんご自身が作詞・作曲されていますが、2曲目の「瀬戸際」はちょっと懐かしい感じのテイストがありますね。
これはピアノのデモから松本(良喜)さんにアレンジいただいて、すごくグルーヴィーな、かっこいいサウンドに変身した楽曲です。テーマ的には切羽詰まっているというか、気持ちが定まりきらないけど、何か心の内からあふれ出るものに揺り動かされるみたいな。タイトル通りの瀬戸際な感じをテーマとしてもっている曲です。
――「Akasaka5」は歌詞の中にも「赤坂5丁目」と出てきますが、早見さんにとってゆかりのある場所なんですか?
生まれが……とかではないですけど、あの辺りは昔からよく歩く場所でもありますし、2年くらい前に自分が何となく見ている光景とか気づいた思いをさっとメモしていたことがあって。だから「メモ先(めもせん)」っていうんですかね? 「詞先(しせん)」みたいな感じでいうとしたら(笑)。フィクションとノンフィクションを織り交ぜているような曲です。
――「glimmer」の歌詞にもメッセージ性を強く感じました。
この曲は、内面的な話で言うなら心の奥深くの部分を切り取るという形にはなるんですけど、根本的なテーマとしては暗闇の中で光に手を伸ばすとか、ささやかな希望を夢に見て歩いていくとか、そういうことを軸にして歌詞を書きました。だから「garden」みたいな開放感にあふれている強さはないけれども、この曲の真ん中にいる人もいつかは光を掴むんじゃないかって、そう思えるような曲にしたかったというのはありました。
――「やさしい希望(Bossa Nova)」「ワンスモア」の2曲は、これまでライブでのみ披露されていた楽曲の初レコーディング音源化となりました。
「やさしい希望」に関しては、5年前の8月12日が1stシングルの発売日だったということで、2020年の8月12日にも何かしたいなというのがあって先行配信という形をとりました。今回はライブでいっぱい歌ってきたボサノバアレンジで、改めて歌い直してレコーディングしようかなと。「ワンスモア」に関してはボーナストラックという立ち位置なので、ライブでいうところのアンコールですね。本編とはまた違う形で楽しんで聴いていただける、おまけの楽曲として収録しました。
――ライブといえば、今年の5月から予定されていたツアーが残念ながら中止になってしまいましたが、ライブをやりたいという思いは強くなっていますか?
ライブをやりたいという気持ちは、この期間を経て私も今まで以上に強くなりましたし、今もみんなにライブで会いたいと思っています。いつかまた、絶対に、いろんな楽曲を持って、早く皆様のもとにライブをお届けしたいと思っている次第です。
――ジャケットも素敵な仕上がりになっていますが、何かこだわりはありますか?
めちゃめちゃこだわりました! CD+Blu-ray盤はスリーブ仕様で、箱は横顔のシルエットのくり抜きになっています。そのくり抜きの中にジャケットの表紙である、ガーデンの一部分だけ見えるという。このガーデンが心の内側を表現しているとするならば、箱でそれを覆うことによって、その人の一部分だけが見えているようになるという仕掛けで、もしかしたら自分でも気づかない内面とか、心の奥深さが見えない部分にも広がっているんじゃないかなというのを表したくて、このジャケットにしました。ぜひ実物を手に取って、その気持ちを感じていただけるとうれしいです。
<プロフィール>
はやみさおり●5月29日生まれ。アイムエンタープライズ所属。主な出演作はアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』(雪ノ下雪乃)、『宇崎ちゃんは遊びたい!』(宇崎月)、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』(マリア・キャンベル)ほか。
楽曲情報
早見沙織さんのミニアルバム『GARDEN』は、ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントより発売中。早見沙織自身が作詞・作曲をした4曲の新曲と、これまでライブでのみ披露されていた楽曲の初レコーディング音源2曲を含む全6曲を収録。CD+Blu-ray盤の特典Blu-rayにはすべて初Blu-ray化となる「やさしい希望」から「Statice」までの8曲分のMVを収録。そのほか最新情報は早見沙織オフィシャルサイトをチェック!
■ミニアルバム『GARDEN』
<CD+Blu-ray盤>
【品番】1000770968 /POS:4548967441147
【価格】3,900円(税込)
【仕様】CD+Blu-ray(2枚組)
【発売日】2020年9月2日(水)
★CD+Blu-ray盤には「やさしい希望」から「Statice」までのMV(8曲)を初BD化した特典Disc付。
【収録楽曲(全6曲)】
1. 「garden」
作詞・作曲:早見沙織/編曲:冨田恵一(冨田ラボ)
▼試聴動画
2. 「瀬戸際」
作詞・作曲:早見沙織/編曲:松本良喜
▼試聴動画
3. 「やさしい希望(Bossa Nova)」※初レコーディング音源化
作詞・早見沙織/作曲:矢吹香那/編曲:増田武史
▼試聴動画
4. 「Akasaka5」
作詞・作曲:早見沙織/編曲:清水哲平
5. 「glimmer」
作詞・作曲:早見沙織/編曲:岡部啓一(MONACA)
BONUS TRACK .「ワンスモア」※初レコーディング音源化
作詞:早見沙織・矢吹香那/作曲:矢吹香那/編曲:前口渉
<CD+Blu-ray盤 特典BD収録内容>※すべて初BD化
1.やさしい希望(MV)
2.Installation(MV)
3.NOTE(MV)
4.夢の果てまで(MV)
5.Jewelry(MV)
6.新しい朝(MV)
7.Let me hear(MV)
8.Statice(MV)
<通常盤>
【品番】1000770969 /POS:4548967441154
【価格】2,500 CD(1枚)
【発売日】2020年9月2日(水)
【収録楽曲】 全6曲 ※収録楽曲はBONUS TRACK 含めCD+Blu-ray盤と同じになります。
Information
■「GARDEN」配信リンク
https://hayami.lnk.to/garden
■早見沙織オフィシャルサイト
https://whv-amusic.com/hayamisaori/
■早見沙織 Official YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCtUcK6HrhD024CkPDsURBwg
■早見沙織official Twitter
@hayami_official