椎名へきる

止まっていた時間が動き出す――椎名へきるアコースティックライブレポート【声グラ限定】

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本日、3月16日に発売の『声優グランプリplatinum(プラチナム)』で表紙を飾り、今も声優・歌手として精力的に活動を続ける椎名へきるさんが3月11日に東京・池袋のClub Mixaにてアコースティックライブ『椎名へきる Birthday Eve アコースティックLIVE 2023』を開催。コロナ禍以来、初めて声出しが可能となった会場は幸福な気持ちにあふれていた。

声出し解禁! 会場全体を包み込むラララ……の合唱

93年の声優デビュー、そして94年の歌手デビュー以降、通算450本を超えるライブを開催してきた椎名へきるさん。

いつも応援してくれるファンと一緒に歩き続けてきた椎名さんも、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出されてからはライブ活動の自粛を余儀なくされていた。どうにか安全にライブが開催できるような状況になってきたと判断して、昨年4月17日(椎名の日)にはワンマンライブ「椎名へきる LIVE〜STARTING LEGEND 2022 “R”〜」を開催して、いよいよライブ活動を再開。同年12月24日には配信ライブ「椎名へきる X’mas Special LIVE」を行うなど、節目に開催されるライブで元気な姿をファンに見せてきた。

そしてついに、今年の誕生日前日にあたる3月11日に開催した「椎名へきる Birthday Eve アコースティックLIVE 2023」ではファンによるライブ中の声出しを解禁! 椎名さん本人も、バンドメンバーも、会場のファンも一体となって熱く盛り上がる、あの椎名へきるのライブが帰ってくるのだ。とはいえ、今回はあくまで“アコースティックLIVE”。前半は椎名さんもファンも着席のまま、ゆったりとリズムに合わせて体を揺らしながら、気心の知れたバンドメンバーと共に奏でる上質な音楽に身をゆだねる心地よい時間を過ごしていた。

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今回の会場となったClub Mixaがある池袋は、たくさんの思い出が詰まっている場所だと話す椎名さん。「小学生の頃、サンシャインの目の前にアニメイトがあったときに、初代『うる星やつら』のグッズを買いに行っていました」というエピソードを聞いて、同世代のファンは当時のまだ小さかったアニメイトの売り場を思い出して懐かしさを覚えたのではないだろうか。また、椎名さんが20代の頃に衣装などをいちばん多く買っていたのも池袋だったという。

そんな懐かしい話に続けて、「色褪せない瞬間」「それっていいね」「大切なページ」と披露されていく楽曲たち。それぞれの曲、それぞれの瞬間に、聴いている人にとっての大切な思い出がよみがえってくることだろう。「大切なページ」のアウトロ、「ラララ……」と歌うところで客席に向かって「みんなで!」と呼びかける椎名さん。それに応えて、客席から聴こえる「ラララ……」の声が徐々に大きくなっていく。

本当に久しぶりの声出しありのライブで、最初はやや戸惑っていたファンも、だんだんと声を出すことに慣れていったようだった。やがて会場全体を包み込んだ優しくてあたたかい「ラララ……」の声は、椎名さんの胸にもたしかに響いていた。

「3年ぶりにみんなの歌声を聴かせていただいて、『やっぱりみんなが参加しないとライブが成立しないのね』と、3年間の重みみたいなものを実感しましたね。この3年、いろんなことがありすぎて、久々にライブに来れましたという方も中にはいらっしゃると思うんですけど、ずっとこの日を私も待ちわびていました」

みんなとの歴史や思い出が詰まった楽曲たちを、これからも届けていきたいと語る椎名さん。6曲目の「セ・ツ・ナ」では手拍子でファンに参加してもらって、共に楽しんだ。

全力のライブパフォーマンス! 止まらぬ勢いの後半戦

前半が終わったところで、アコースティックLIVE限定という、バンドメンバーを巻き込んでの寸劇コーナーが上演される。

その内容は会場に来てくれた人だけのお楽しみということでここには詳しく記載しないが、パロディ満載のお話でバンドメンバーの自由すぎるアドリブも炸裂し、なかなか台本通り進まないことで椎名さんがメンバーをたしなめたり、頭を抱えたりする場面も。

そんなカオスななかでもサプライズでバースデーケーキが登場し、翌日に誕生日を迎える椎名さんをみんなで盛大にお祝い。笑いあり、涙(?)ありの楽しいひと時を過ごしたのだった。

 

ライブも後半に突入し、衣装チェンジして登場した椎名さん。「次の曲に行く前に、皆さんにお知らせがあります!」と言って、2023年夏のライブ開催決定を発表する。ワーッと一気に盛り上がる会場。この歓声を聴くのも久しぶりの感覚だ。

さらにここからは椎名さんも客席のファンも立ち上がり、ラストの曲まで怒涛の勢いで駆け抜けていく。前半で少し遠慮がちに声を出していた人がいたとしても、この最終ブロックはみんなが悔いの残らないように、全力で。「空想メトロ」など、楽曲がリリースされた90年代当時から変わらぬコールが聴けたことで、ライブが開催されない期間に止まっていた時間がようやく動き出したようにも感じられた。

そんなファンの熱い思いに応えるかのように、振付けありで歌う椎名さんのライブパフォーマンスにも目が釘付けになる。止まらぬ勢いはどんどん加速し、新曲「青空Highway」を含む6曲ノンストップで「スタンバイ!」まで歌いきってフィニッシュ! 夏のライブでの再会を願って、最後はライブ定番の合言葉「ウォンチュー!」を全員で叫んで幕となった。

SET LIST

1.攻撃は最大の防御

2.This Moment

3.色褪せない瞬間

4.それっていいね

5.大切なページ

6.セ・ツ・ナ

7.fly away

8.BRAND NEW AME

9.スーパーガールズ Funky NO.1

10.青空Highway

11.空想メトロ

12.ガンバレ

13.抱きしめて

14.風が吹く丘

15.スタンバイ!

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Information

「椎名へきる Birthday Eve アコースティックLIVE 2023」グッズのオンライン販売が決定。受注期間は3月13日(月)12:00~3月30日(木)23:59、受注販売サイトはキンクリ堂(https://kinkurido.jp/shop/artist/artist.aspx?artist=46305)にて。また、Digital Single「青空Highway」が好評配信中。2023年夏に開催が決定したワンマンLIVEの情報など、最新情報は椎名へきる公式サイト&公式ファンクラブ「4179*LOVE」(https://www.hekiru-shiina.jp/)にて。

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取材・文/仲上佳克

声優グランプリplatinum(プラチナム)