初上陸となる武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナを舞台に、2日間にわたって行われたTrySailのアリーナライブ。「会いに行くyacht! みんなであそboat!」のタイトル通り、3人がトロッコで縦横無尽に駆け巡り、会場のファンと一体となって遊びつくした2公演のうち、ここでは2月5日(日)の模様をお伝えする。
客席のすべてが最前列! トロッコでみんなに会いに行く
2021年の“Re Bon Voyage”ツアー以来となる、TrySailのワンマンライブ。会場となった武蔵野の森……いや、武蔵野の“海”には出航を待つ大勢のファンが詰めかけた。開演時間となり、会場の照明が落ちると、3人はメインステージではなくアリーナ内の3か所に分かれたトロッコに乗って登場! サプライズ感満載のスタートで、ライブのタイトルにある「会いに行くyacht!」の部分を早くも実現させるのだった。そのままメインステージに集合した3人を見ていると、動きからも表情からもすごく楽しそうなことが伝わってくる。「みんなであそboat!」と題したこのライブで、これからみんなと思いきり遊べる予感に胸を躍らせていたのだろう。そんな3人は3曲目の「Baby My Step」で早くもメインステージを飛び出し、再びアリーナの海へ。今度は通路の途中で3体のトロッコを合体させ、簡易型のセンターステージを作り上げる。アリーナにいるお客さんにとっては本当に距離が近い、近すぎるくらいの距離で3人を見ることができ、あまりの展開の目まぐるしさにのっけからテンションが上がりきってしまった人もいたのではないだろうか。
「今日は『会いに行くよ!』という気持ちでライブを楽しみたいと思います。ぜひ恥ずかしがらずに目を合わせてくださるとうれしいなと思います」(麻倉もも)
「これだけの人数がいて、このみんなで遊べるなんて、ヤバくないですか? 私はワクワクが止まらないので、本当に悔いなく遊びたいと思います」(雨宮天)
「みんなが楽しむ気満々で来てくれているのはめちゃめちゃわかりましたので、今日は全力で遊んで、全部出しきって帰りたいと思います」(夏川椎菜)
と、それぞれにライブへの意気込みを語る3人。彼女たちが本気で遊ぶつもりで考えてきたというセットリストは、当日の自分たちの体力などを何も考慮していない、楽しさだけに振りきった「自分たちに優しくないセトリ」になっているとか。また、トロッコをテーマにしている今回のライブは、いわば全部の席が最前列。アリーナ内の至る所に張り巡らされた通路を通ることで、アリーナのお客さんはもちろん、スタンドのお客さんにとっても3人が近くに感じられるはず。会場の一人一人、全員と目を合わせようという3人の本気度が伝わってきたところで、5曲目の「はなれない距離」からライブは再開。ここまでの流れとはまた違った、とびきりかわいらしいTrySailの姿を楽しむことができた。
ライブもウェーブもジェスチャーも、本気でみんなと遊びつくす
ソロコーナーでは雨宮さんが3月22日発売のEP『雨宮天作品集1 -導火線-』から、リード曲「TRIGGER」を初披露。歌謡曲をベースにしたディープな雨宮ワールドで会場を染め上げたあとは、麻倉さんが人気曲「ピンキーフック」を歌ってファンのハートを次々と撃ち抜いていく。最後は夏川さんの「トオボエ」で魂の叫びが迸るが、曲のラストの決めポーズでメインステージのモニターに夏川さんの顔がアップになったとき、なぜか照れくさそうな笑顔を浮かべていた。のちのMCで話していたところによると、このときの夏川さんはかっこいい「トオボエ」から次のかわいい「ホントだよ」へのシフトチェンジを意識するあまり、自分でも思いもよらなかったポーズをとってしまったらしい。そんなちょっとしたハプニングがありつつも、それをまったく感じさせないビシッとしたステージングを見せてくれるのがTrySailのすごいところ。中盤で衣装チェンジしてからの「Etoile」~「うつろい」のブロックではしっとりとした楽曲が続き、特に「azure」「うつろい」ではしなやかで美しい振り付けが目を引いた。このブロックの最後は「High Free Spirits」で一気に攻めに転じ、赤のスパンコールの衣装もよく映えてファンを魅了した。
二度目のMCはアリーナ後方のサブステージで行われ、お客さんとの距離がさらに近くなる。さすがに恥ずかしそうな表情を見せる3人だったが、「見てよ、私の右脚!」(雨宮さん)、「私の前掛け!」(麻倉さん)、「サンドイッチでいう具の部分?」(夏川さん)と、それぞれの衣装に輝く銀色の部分をファンに向けてアピール。また、MCの途中からトロッコで移動を始めて、ファンと一緒にウェーブを作ったり、ジェスチャーゲームをしたり、本格的に遊びを楽しむ時間となっていく。ウェーブも普通の前列→後列の移動だけではなくて、スタンドの構造を生かして360度をぐるっと回る形に挑戦したり、モニターに出されたお題を体で表現するジェスチャーゲームでも「犬」「キリン」といったわかりやすいものから「ニューギニアヒメテングフルーツコウモリ」といったマニアックなもの、さらには「アンコールで手を振る雨宮天」「デレデレする夏川椎菜」「デレデレする夏川椎菜から距離を置く麻倉もも」と、TrySailのライブでよく見かける(?)光景が出題されたり、さまざまな工夫を凝らしてファンを楽しませていた。
ライブ後半戦の幕開けとなる「BraveSail」ではなんとサブステージが半分に割れて、その半分に乗ったまま3人が移動する。もちろんトロッコで一人ずつの姿が見られるだけでも大満足なのだが、3人が一緒に歌って踊れる姿を間近で見られるというのはこの上ない喜びだ。そして会場のテンションが最高潮のまま、ライブは本編ラストのブロックへ。新曲「華麗ワンターン」から始まり、「Sunset カンフー」「マイハートリバイバル」「adrenaline!!!」と、会場がひときわ盛り上がる熱い楽曲が続き(3人はここを“フルボッコゾーン”と呼んでいるらしい)、みんなでいい汗をかいたまま本編終了となった。
アンコール1曲目の「TAILWIND」は、2017年リリースの2ndアルバム『TAILWIND』の表題曲。ライブで披露されるのは約5年ぶりらしく、生で聴けるのを待ち望んでいた人も多かったことだろう。ここまで約2時間半にわたったライブを締めくくるのは「バン!バン!!バンザイ!!!」。最後までトロッコに乗り続け、ファンの近くで歌を届け続けたTrySailの3人。彼女たちに次また会えるのは、この日発表された夏の全国ツアーだ。
取材・文/仲上佳克
◇SET LIST◇
M1. Chip log
M2. WANTED GIRL
M3. Baby My Step
M4. Good Luck Darling
M5. はなれない距離
M6. TRIGGER(雨宮天)
M7. ピンキーフック(麻倉もも)
M8. トオボエ(夏川椎菜)
M9. ホントだよ
M10. whiz
M11. Etoile
M12. オルゴール
M13. azure
M14. うつろい
M15. High Free Spirits
M16. BraveSail
M17. Favorite Days
M18. primary
M19. 華麗ワンターン
M20. Sunsetカンフー
M21. マイハートリバイバル
M22. adrenaline!!!
ENCORE
M23. TAILWIND
M24. flower
M25. バン!バン!!バンザイ!!!
◇Profile◇
TrySail●とらいせいる
麻倉もも(あさくら・もも)、雨宮天(あまみや・そら)、夏川椎菜(なつかわ・しいな)による女性声優ユニットのトップランナー。2015年のアーティストデビュー後、積極的にライブ活動も展開し、横浜アリーナ、代々木第一体育館単独公演等を成功させる。2021年9月リリースの最新アルバム「Re Bon Voyage」はオリコン週間ランキング5位を記録。各メンバーはソロアーティストとしても精力的に活動中。
TrySail 15th Single「華麗ワンターン/Follow You!」
2023年5月31日(水)発売
・初回生産限定盤 CD+DVD+フォトブック (VVCL-2223〜2225) ¥2,640(税込)
・初回仕様限定盤 CD only (VVCL-2226) ¥1,320(税込)
・期間生産限定盤 CD+DVD (VVCL-2227~2228) ¥1,760(税込)
LAWSON presents TrySail 2023ライブツアー(仮)
8/5(土) 埼玉・戸田市文化会館
8/12(土), 8/13(日) 神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
8/19(土), 8/20(日) 大阪・オリックス劇場
9/2(土), 9/3(日) 福岡・北九州ソレイユホール
9/10(日) 愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
9/16(土) 宮城・トークネットホール仙台(仙台市民会館)
◇<Information>
TrySail公式サイト「TrySail Portal Square」:https://trysail.jp/
TrySail公式ツイッター:https://twitter.com/trysail_staff
TrySail official YouTube channel:https://www.youtube.com/channel/UCuI2in6tTAjsaqzdeOeWZkQ