声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニットi☆Risのメンバーとして活動し、現在は声優や俳優としても活躍している茜屋日海夏さんが『Stereo Sunset (Prod. AmPm)』でソロデビューを果たした。表題曲「Stereo Sunset (Prod. AmPm)」は『頭文字D』の後継作でもあるテレビアニメ『MFゴースト』のエンディングテーマにも起用。これまでi☆Risとして披露してきた楽曲とは異なるサウンドアプローチで、シティポップ風の曲調に仕上がっている。また、カップリング曲「SARANG」は茜屋本人が作詞を担当。これまでhimi名義で作詞をしてきた彼女が今回テーマに据えたのは“愛”だ。世の中ある様々な愛のカタチを表現してくれた。ソロデビューという新たなスタートを切った茜屋さんに、ソロデビューの手応え、お気に入りのフレーズ、今後見据えるビジョンについて聞いた。
念願だったソロアーティストとしての第一歩 「私のことを知ってもらえる1枚に」
――まずはソロデビューおめでとうございます！ 今のお気持ちを聞かせていただけますか？
ありがとうございます！ i☆Risがデビューした当時からずっとソロ活動にも挑戦してみたいと思っていたんですけど、なかなかタイミングが合わなくてできなくて。今回はご縁があって夢だったソロデビューをすることができてすごく嬉しいです。しかも、表題曲の「Stereo Sunset (Prod. AmPm)」はアニメ『MFゴースト』のエンディングテーマにもなっていて、デビューでいきなりタイアップをいただけるとは思っていなかったので緊張しましたし、気が引き締まりました。
――今回ソロデビューを発表してから、ファンの皆さんからの反響はいかがでしたか？
私を推してくださっている方は「ずっと待ってたよ」という反応をいただくことが多かったですね。他のメンバーのファンの方にも私の歌が好きと言ってくださる方が多くて、皆さんがたくさん心待ちにしてくれているんだなと感じて嬉しかったです。
――今回の作品は茜屋さんにとってどんな作品になりましたか？
まだ1枚目なので何か新しいことに挑戦するというよりは、まず茜屋日海夏としての地盤を固めることを意識で制作したので、自己紹介の1枚というか、私のことを知ってもらえる1枚になっていると思います。私もこれから皆さんに曲が届くのが楽しみですし、皆さんにも楽しみに待っていてほしいです。
――表題曲の「Stereo Sunset (Prod. AmPm)」を初めて聴いた時はどのような印象でしたか？
AmPmさんは初めてご一緒したんですけど、、海外でもご活躍されていることもあって、すごくおしゃれな楽曲をたくさん作られているなという印象でした。どんな楽曲になっているんだろうと楽しみにしていたら、すごく海外っぽい曲調ではあるんですけど、どこか日本的な懐かしさを思わせる楽曲でもあって、すごく絶妙なラインをついてくださっているなって。作詞のARAKIさんはずっとi☆Risに曲を書いてくださっていて、いつも通りの安心感がありましたね。お二人にデビュー曲を手掛けていただけて本当に光栄です。
――お二人からはレコーディングの時に何かリクエストみたいなものはあったんですか？
特にそういったものがなかったので、自分の中でどうやって作っていこうかなっていうのを、頭の中で組み立てて、自由に好きなようにやらせてもらいました。
――MVは懐かしさも感じさせつつ爽やかな映像になっていますね。
私が参加したのはリップシーンのみだったんですけど、コンテで車のシーンがあることは伺っていたので、どうなるかなとちょっとワクワクしながら撮影していました。アニメの舞台と同じ江ノ島で撮影されていて、さわやかな景色とドライブシーンを曲調に合わせて作っていただきました。
――表題曲で好きなフレーズはありますか？
〈ステレオと恋なら止まらないで〉と〈シナリオの最後は明かさないで〉です。ステレオとかはまさにドライブして曲を流している情景が浮かんできますし、ステレオと恋を並べるところとかすごくおしゃれですよね。シナリオの最後は明かさないでは気持ちが前に出ちゃっている感じとかが可愛いなと思います。好きなフレーズではないのですが、自分が歌う時にこだわったのが〈La La La〉なんです。どういうニュアンスで言おうかなとかをかなり考えて歌いました。
――何気なく聴いてしまいそうな箇所ですけど、茜屋さんのこだわりが詰まっていると。
そうですね。じっくり考えましたね。どういうシチュエーションでこの〈La La La〉を口ずさんでいるのだろうかと何度もイメージして膨らませていきました。
――このお話を聴いてじっくり耳を傾ける方も多そうですね。
ぜひ！ こだわりが詰まっているのでじっくり聴いていただけたら嬉しいです。
――カップリング曲「SARANG」は茜屋さんが作詞を担当しています。これまでも作詞を書き溜めていたということですが、今回はどのようなテーマで書かれたのでしょうか？
私は夜中にじんわりと浸れる曲というか、元々失恋ソングが大好きで。でもそれってもう世の中に当たり前に溢れているなと思ったので、少し違う視点でこじらせた恋愛をテーマに書きました。それこそ今回はBLACKPINKさんの「Hard to Love」が大好きでよく聴いていて、何気なく聴ける楽曲っていいなと思ってこういう曲をやりたいですとARAKIさんに提案させていただきました。
――デビュー作で作詞をすることになったのは茜屋さん本人からの提案だったんですか？
作詞は茜屋さんで行きたいですと言ってくださって。元々作詞をしたこともありましたし、ソロでも書いてみたいと思ったので「ぜひやらせてください！」とお返事しました。
――タイトルにはどんな思いが込められているのでしょうか？
「SARANG」は韓国語で愛という意味なんですけど、一見するとポジティブな曲に見えんですけど、実はめちゃくちゃこじらせているみたいな。愛の中にもいろんな愛があるんだよっていうのを込めてこのタイトルにしました。
――茜屋さんは常にメモに書いているとのことですが、今回はそのメモから生まれたものだったりするんですか？
今回に関してはメモだけで考えたわけではなくて混ぜて書き上げました。メモにあった一部をそのまま使っているものもありますし、そこから派生して広げて考えたものもあります。
――ちなみにメモってどのような感じで書かれているんですか？
結構ダークなことも書いています（笑）。道を歩いている時にふと思い浮かんだりするので、そういう瞬間に携帯のメモを取り出して書いたりとか。
――いつでもメモを取れる体制を取っているんですね。
そうですね。ジャンルごとにフォルダを分けていて、すぐに見られるようにしていたりするんですけど、いかんせんダークなので、あまり人には見せられなくて……。歌詞にするときはでは少しマイルドにして落とし込んでいます（笑）。
――そう言われると内容が気になりますね（笑）。
そうですよね（笑）。でも、そういう人間の暗い部分も大好きなんですよ。人間性が出るといいますか。
――今回作詞するにあたって大変だったことはありましたか？
意外とすんなり書けたんですけど、ARAKIさんと打ち合わせをした際にせっかく韓国のルーツがあるなら、韓国語を入れた方が面白そうだよねみたいな話をしていただいたんです。でも外国語が多くなりすぎてしまうと、今まで聴いてくれていたファンの方を戸惑わせてしまうので、そこのバランスは難しかったです。
――日本語の中に英語を当てはめる作業も難しそうですよね。
私はそんなに苦労しなかった方だと思うんですけど、今振り返ると日本語と英語の語感を曲に当てはめるのは少し大変だったかもしれないです。
――実際聴いてみると違和感なく聴けるというかむしろ気持ちよさもあって。
そうなんですよ！ そこは意識しましたね。それこそ韻を踏むとか、この音の時はこの口が1番しっくりくるなとか、自分の中でこれだと思ったものを全部当てはめているので、ハマり具合はいいんじゃないかなと思います。
――歌詞の中で好きなフレーズやお気に入りのポイントはありますか？
〈終われないの愛が 一人になりたいくせにI LOVE〉が気に入っています。愛が終われないというフレーズが我ながらおしゃれだなと思いますし、1人になりたいのにI LOVEという矛盾した感情もうまく詰め込むことができたのでぜひ聴いてほしいです。
――茜屋さんは過去にも作詞を担当したこともありますが、ソロとなると気持ちの面では違いますか？
POLKA DOTSというユニットをやっていて、その時も作詞をしていたんですけど、当時はアニメのタイアップでもあってので作品をもとに作詞をしていたので、今回のように本当に1人で最初から作り上げたのは始めてだったので緊張はありましたけど、楽しかったです。
――今後ご自身の中でこういう表現をしたいみたいなものはありますか？
例えば細かく言うと人間関係とかですね。どういう人に刺さってほしいかというと、日々頑張っている人に刺さるような曲。励ますというよりは寄り添ってあげる方の歌詞を書きたいなと思います。
――今後ソロアーティストとして挑戦してみたいことはありますか？
私はダンスが得意なので、ダンスで見せる曲をやってみたいですね。後ろにバックダンサーさんちょっと携えてステージに立つのが憧れです。
――今回はしっとりと歌う楽曲でしたもんね。
そうなんです。今回は振りもついてないので、機会があれば振り付けがちゃんとある激しい曲もやってみたいと思います。
――ダンス曲の歌詞はイメージできていますか？
難しいですよね……。ダンスナンバーとなると歌詞もおしゃれなものも多いですし。でも、最近は海外の曲ばかり聴いているので、今後は海外の音楽の要素を混ぜつつかっこいい曲を作りたいです！
取材・文 川崎龍也
リリース情報
タイトル：『Stereo Sunset (Prod. AmPm) 』
発売日： 2023年11月22日（水）
【CD+Blu-ray】4,400円(税込)
CD
M-01. Stereo Sunset (Prod. AmPm)
M-02. SARANG
M-03. Stereo Sunset (Prod. AmPm) -Instrumental-
M-04. SARANG -Instrumental-
Blu-ray
・Stereo Sunset (Prod. AmPm) -Music Video-
・Stereo Sunset (Prod. AmPm) -Off Shot Movie-
【CD】1,980円（税込）
CD
M-01. Stereo Sunset (Prod. AmPm)
M-02. SARANG
M-03. Stereo Sunset (Prod. AmPm) -Instrumental-
M-04. SARANG -Instrumental-
リリース詳細：https://iris.dive2ent.com/discography/detail.php?id=1019861
