逢田梨香子

【オリジナルロングインタビュー】バースデーイベント直前!逢田梨香子さんが新曲「マイメソッド」について語る!

逢田梨香子

先月アーティストデビュー5周年を迎えたばかりの逢田梨香子さんの新曲「マイメソッド」が配信中。5周年を迎えての⼼境の変化、⾃分なりの前への進み⽅を綴った本作についてたっぷりお話をお聞きしました。

なんとかならないことってないと思っています

──1st EP「Principal」をリリースした2019年6月19日から数えて、今年でアーティストデビュー5周年を迎えました。どんな心境ですか?

時の流れってホントに怖いなって思うぐらい早かった5年でした。あっという間でしたね。でも濃密でした。ちょうどコロナ禍で何もできずにもどかしい思いをした期間も長かったんですけど、それにしてもあっという間でした。

──あっという間ながら、ソロアーティストととしてどんな歩みでしたか?

初めてさせていただく経験が多くて、好みや、価値観、心境の変化が、この5年を通してありました。そういうことはあまり変わらない方なんですけど、すごくいい刺激を受け続けたからだと思います。

──具体的にどういう変化があったのでしょう?

衣装やヘアメイクなど今までの自分ではない雰囲気のものに挑戦する機会がたくさんあったんです。等身大ではあるのですが、わりと大人っぽいものというか。『ラブライブ!サンシャイン!!』という作品でアイドルの役をやらせていただいていて、かわいいヘアメイクや衣装を着たりすることが多かったんです。でも、ソロ活動では自分ではあまり選ばないことをする場面も多く、「こういうのもいいんだな」という好みや価値観の変化が結構ありました。それを私生活にも取り入れるようになったりもしたんです。

──それが好みの変化だとすると、価値観や心境の変化というのは?

なんて言うんでしょう……すごく壁にぶち当たることもたくさんあって、自分の嫌な部分、自分の嫌いな部分に向き合わなければいけない時間が多かったんですよね。

──どんな時にどんな嫌いな自分と向き合わなければいけなかったんですか?

最初、一人で歌う、一人でアーティスト活動をするというビジョンも全くなかったんです。でも、一人で作品をお届けする以上、自分をさらけ出すというか、ありのままをお届けしたほうが良いんだろうなというふうに考えて。そうなると当然、自分と向き合っていかないといけないじゃないですか。レコーディングでもそうですし、作詞もさせていただいているのですが、わりと作詞では、普段あまり見せられない自分を歌詞にしてお届けしているつもりではいるんです。でも、もともとそんなに自分に自信があるわけでもないし、“自分、大好き!”というようなタイプでもなかったので、逢田梨香子単体としてアーティスト活動が成立するのかなという不安、求められているのかな?という不安がすごく強くありましたね。

──5年経って、自分のことを好きにもなれて、自信もつきましたか?

そうですね。自信がついたかはわからないですけど、この5年間やってきたことというのは、自信があろうとなかろうと、やはり確実に存在しているわけで、それが自信につながってきてはいるのかなと思います。

──5年前の自分を振り返ると、どんな自分が見えてきますか?

もう見ていられないですね(笑)。見ていられないくらい不安でいっぱいでした。デビューが決まって、1st EPが出る前に「アニサマ(Animelo Summer Live)」も決まったりしていたので。緊張しがちなタイプではあるのですが、わりと「大丈夫っしょ、最終的には」みたいな、なんとかなる精神で生きているんですけど、そんな私でもけっこう当時はプレッシャーでメンタルがやられていました(笑)。でも当時は、誰にもその不安な気持ちを打ち明けられなくて。それこそ身近なマネージャーさんにも。言ったところでやらなきゃいけないことに変わりはないので、言ってもしょうがないなって思っていたんです。アーティストデビューもアニサマ出演もありがたい機会をいただいているわけで、不安だなんて言いだせる立場じゃないから、そこは自分で飲み込んで向き合おうっていう気持ちでやっていましたね。でも、やっぱりどういうふうに見えているのかなっていう人の目だったり、そういうのが当時はちょっと怖かったですね。

──そんな5年前の自分に、今の逢田さんならなんて言葉を掛けてあげたいですか?

そうですねぇ……時間はあっという間に経つよって。だからその時しかできないことをしてほしいし、デビュー当時の気持ちってその時にしか味わえないものだと思うので、そういう不安な気持ちも楽しんでほしいなって声を掛けてあげたいです。今振り返ると、すごく本当にいい経験をたくさんさせていただいたなと思うので。

──そういう中で、5周年を記念するデジタルシングルのタイトルが「マイメソッド」というのは、何かすごく意味を感じてしまいます。

タイトルはずっと決まらなくて、どうしようって考えていました。まず歌詞を先に9割ぐらい書いてから、付けたものなんです。“メソッド”というと、メソッド演技法など演劇に関係しているワードでもあると思うのですが、それは1st EP「Principal」の頃から大事にしてきたテーマ、掲げてきたテーマでもあります。5周年ということで、ちょっと初心に帰ると言いますか、もう一度そのテーマを含んだタイトルにしてみようということで、「マイメソッド」というタイトルを付けさせていただきました。

──ちなみに、あらためてなぜ「演劇に関係しているワード」を作品タイトルにしてきたのか、その意図を教えてください。

さっきもお話したんですけど、私が一人のアーティストとして歌を歌っていくっていうことが、最初はビジョンがあまり思い浮かばなかったし、しっくりこなかった部分があったんです。でも、1曲1曲にはいろんなストーリーがあるというふうに思った時に、10代の頃からお芝居を好きでやってきていたので、1曲1曲それぞれのストーリーの主人公を演じているという気持ちで、最初は取り組んでみようかなと思ったんです。1st EPの「Principal」っていう単語は「主人公」という意味なんですけど、これから自分が主人公として頑張っていこうっていう気持ちで付けさせていただきました。それをずっと続けていこうというのは特に決めていなかったのですが、なんかいいなって思って……。1stアルバムのタイトルを幕開けという意味の「Curtain raise」にしたり、2nd EPは「フィクション」にしたり、ミニアルバムは「Act 2」にしたり、そういうテーマのものがいつの間にか増えていたという。

──そして、今回の「マイメソッド」にはどういう思いが込められているのでしょう?

みんなそれぞれ自分の中でルールみたいなものが生きていくうえであると思うんですね。すごく小さいことから大きいことまで。私も譲れないものがありますし。小さなことでもいいから、そういうものを大事にして生きていきたい、自分流とか、自分なりのペースで生きていこうよっていう意味合いで「マイメソッド」と付けました。

──楽曲自体はどういう流れでこの曲に決まっていったんですか?

最初に曲を依頼した時はまだ、歌詞のざっくりとしたテーマぐらいしかなかったのですが、いつも楽曲を制作する時には、これまでの自分の曲とかぶらないように模索しながら探しているんです。それで、ギターが目立ってストレートに失踪感がある感じの曲がなかったので、そういった楽曲をオーダーしました。5周年というタイミングでもあるし、またちょっと新しいものに挑戦してみようかなっていう気持ちで。

──全体的としてどんな1曲に仕上がった印象を持っていますか?

すごくストレートな曲になったのかなと思います。今まで自分が書いてきたものの中でもなかったような、いちばんストレートにつづられている歌詞というか、疾走感のあるメロディーも相まって、ストレートに伝わる曲になったんじゃないかなと思います。

──ご自分ではどの辺りがストレートに書けたと思うフレーズですか?

2番のサビとか2番のDメロの部分とか。「君といる私が一番好きなんだよ」というところがあるんですけど、なかなか普段、「君」とか使わないんですよね。自分自身のことを書くことが多いので。でも今回は、5周年を記念する楽曲を作るにあたって、ファンの方や自分の周りの大事な方に向けて歌詞を書きたいなっていうふうに思ったんです。でも、感謝の気持ちをただ語るだけっていうのも違うなという気がして。もちろん感謝の気持ちを口にすることは大事なんですけど、感謝の気持ちがあるというのは大前提として、そのうえで何を伝えたいかなって思ったときに、私が頑張っている姿を、私が自分なりに前へ進んでいく姿を届けるのが、みんなにとっての活力になるのかなと思い、自分なりの前への進み方を歌詞にしてみました。

──「なりふり構わず自由気ままに/行き先など決めないで/行こうよ、遠くへ」と歌い出されます。もともと、こういう進み方はできていたと思いますか?

いやぁ、違いますね、違います。「なりふり構わず」な部分はありましたけど、今思うと、自分で考えとかいろいろ縛っちゃっていた部分がたくさんありました。昔から、これをやるならこうでなきゃダメだとか、けっこう堅い考えをしていて、ほかの可能性を潰していた気がします。なんか0か100かだったんですよね。だけど、ソロ活動はもちろん、いろいろな活動を経て、たぶん視野が広がって、もっと自由でいいんだなって思えるようになってきたんです。あと、人と比べちゃったりもしていましたね。でも、人それぞれに役割というか、個性があるから、自分にないものに憧れたり、人と比べたりしてもしょうがないなって、自分には自分の良さがあるのかなって思えるようにもなってきたんです。そういうふうに考えられるようになったのは、ソロ活動を始めてからだし、わりと最近のことかもしれないです。

──そういう考えになれた大きなきっかけみたいなことはあるんですか?

やはりファンの方がライブに来てくれる、私に会いに来てくれるっていうことがすごく大きいです。昔では考えられないくらい、たくさんの方が応援してくれていることが、どんどん自信につながっていって。ファンのみんなから自信をもらえたから、そんなふうに変われたんだと思います。

──だからこそ、1番のサビでは「恐れないで駆け出して/どこでも行けるはずなんだ/地図なんて当てにならない」という強い気持ちを持てたと?

そうですね。この1番のサビの歌詞とかは、(声優デビューから数えて)この10年間で感じたことでもあって。最初はやはりこの世界に飛び込むのに勇気がだいぶ必要だったんですけど、勇気を持って飛び込んでみたら、なんとかなるんだ、どうにかなるんだっていうことを、この10年で自ら証明できたかな?と思っているんです。だから、あの時、飛び込んで良かったなっていう気持ちがすごくあって。

──「なんとかなるんだ、どうにかなるんだ」と逢田さんが言うからこそ勇気づけられる人は多いと思います。

ホントになんとかなります(笑)。なんとかならなかったことがないです! 別にこの仕事に限ったことではなく、なんとかならないことって無いと思っていて。ホントにもうダメだ、みたいな時もありましたが(苦笑)、なんとかなってきました。

──そんなキツい時もあったんですね。

はい、ありましたねぇ(笑)。

──歌詞は作業的にはすんなりと書けたんですか?

いや、けっこう悩みましたね。書いては消して、書いては消してって。次の日に見ると「あ、なんかめっちゃつまらないことを書いている〜」とか思って。

──どこで書いていたんですか? スタジオ? 自宅?

いや、カフェで。歌詞は基本、カフェで書いているんです。最近そういう作業も楽しくて。歌詞を書きはじめてから、ここなら書けそうだなという良さげなカフェを探したりしていたら、なんかカフェ巡りが好きになって(笑)。あまりカフェなどは興味がなかったんですが、歌詞を書く作業をしているうちに、そんな趣味もできたこの5年間です(笑)。

──完全に一人になれる自宅よりもカフェとかのほうがいい?

そうですね。わりと周りに人がいたほうがいいかもしれないです。完全に一人になると、全然関係ないことをしだしちゃうので(笑)。

─ファンに向けたこの「マイメソッド」を、ライブではどう歌っていきたいですか?

実際にファンの方を目の前にして歌ったら、ちょっと泣きそうになっちゃうかもしれないですね。

──その涙の意味は?

基本はうれしい時にしか泣かないって決めているんですけど……。「君といる自分が1番好きなんだよ」っていう歌詞がある通り、ファンのみんなと一緒に過ごしている自分がいちばん好きだなって、ライブを通して感じることが多くて。そんなみんなと過ごす時間を書いた歌詞でもあるので、それを実際にライブで歌うと、けっこうずっしり来そうだなっていうふうに思います。

──誕生日の8月8日には恒例のバースデーイベントが東京・Zepp DiverCityで開催されますが、新しい年を迎える心境は?

毎年、皆さんと誕生日当日に楽しい時間を過ごさせていただくようになって、年を取るのって悪くないなって思えるようになりました。以前は特に誕生日に対していいも悪いも別になかったんですけど、今は「誕生日ってめっちゃいいじゃん!」って思えるようになって(笑)。生まれてきて良かったなって思うようになりました。

──プライベートでも誕生日パーティーをしたりするんですか?

しないです。祝ってくれる友達がいないわけではないし(笑)、絶対にやらないというわけではないんですけど、毎年はやらないですね。誕生日当日にあれだけ盛大にお祝いしていただくので満足しちゃいます(笑)。

──誕生日プレゼントの代わりに、願い事が一つ叶うとしたら、どんなことをお願いしたいですか?

えー、なんだろう。なんか、年々欲がなくなっていくんですよ(笑)。毎日何気ないことに幸せを感じられるようになってきて。天気が良くて、散歩しているだけで幸せなんです。だから、これっていう叶えてほしいことはないかもしれないです。

──なるほど。散歩はよくしているんですか?

よくしています。けっこう歩くんですよ。散歩目的だけで1時間以上歩いて1万2000歩とかいく日もありますし。最近は歩くのも含めけっこう一人でいる時間が好きです。自由でいいなぁと思って。

──それはどういう心境の変化があったんでしょう?

なんでなんでしょう。一人の時間を楽しめるようになったっていうふうに感じてはいて。苦じゃなくなったというか。前までは、仕事が終わったら基本、真っ先に家へ帰りたいという感じだったんですけど、カフェへ寄ってちょっとお茶して帰ろうかなとか思うようになって。最近はそういう楽しみ方を見つけました。なんか自分じゃないみたいな感覚がありますね(笑)。

──気持ちに余裕ができた?

もしかしたら、そうなのかもしれないです。

──マイメソッドですね!

たしかに! 新たなマイメソッドですね(笑)。ホントにわりと自分の中ではけっこう大きな変化かもしれないです。

──それとは別に日常生活の中で何かマイメソッドって言えるようなことってありますか?

お水をいっぱい飲むこと。いつもこの700mlのペットボトルを2本くらい持ち歩いていて(と実物を見せてくれる)。

──それ、中身が茶色じゃないですか?

ハーブティーを自分で混ぜてお茶にしていて。水を普通に飲むよりも3倍デトックス効果があるんです!

──いつからそれを飲むようにしているんですか?

半年くらい前から。でも、正直、効果があるのかどうかはわからないです(笑)。ほかにもいろいろ飲んでいるので(笑)。酵素とかビタミンCの液体とか。だから、どれが効いているのかわからないんですよね〜。そういう美容とか健康にいいって言われることをするのが好きなんです。

──でも、作詞をしている時はコーヒーを飲むんですよね。

飲むんですけど、実はコーヒーは苦手で、好きではないんですよ。おいしいと思ったことは一度もないです!

──そうなんですか(笑)。

なのになぜ飲んでいるかというと、やっぱりデトックス効果がコーヒーにもあるから(笑)。友達がコーヒーを飲んで、4キロ痩せたって言っていて、それに影響されて私も飲みはじめたんです。でも、これもまた効果はわからないです。結局、何をやってもわからないんですよね、私自身が鈍感で。お守り代わりにいろいろなものを飲んでいるみたいなところがあります。

──それはそれでマイメソッドですね。

そうですね(笑)。何をするのも結果や効果より、気持ちが大事だと思っています!

 

取材・文 小畠良一

リリース情報

タイトル:『マイメソッド』
<配信リリース>
配信中
https://rikako-aida.lnk.to/MyMethod

<シングルCD>

販売⽅法:8月8日(木)開催のバースデーイベント会場(東京・Zepp DiverCity)で販売
内容:CD (1曲)
パッケージ仕様:通常ジュエルケース、ブックレット8P、帯
価格:1,500円(税込)

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■「マイメソッド」リリックビデオURL

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リリース詳細:https://rikakoaida.com/discography/1329/

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