雨宮天

【ライブレポート】雨宮天さんが全国4都市を巡るライブツアー『”Ten to Bluer Sky”』東京公演1日目の模様をお届け! 熱い想いがたくさん詰まったライブに”青き民”も大熱狂!

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アーティストデビュー10周年を迎える今年、シングル「衝天」、アルバム『Ten to Bluer』とメモリアルな作品を続けてリリースしてきた雨宮天さんが約2年ぶりとなるライブツアー『“Ten to Bluer Sky”』を開催。10年の時を超え、より青き空へ――。4都市6公演が行われたツアーから、凱旋公演ともいうべき東京1日目の模様をレポートする。

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節目の曲、大事な曲を詰め込んだ、10周年記念のライブツアー

全国4都市を巡る今回のツアーで、ゴール地点となったのは立川ステージガーデン。雨宮さんの出身地であり、普段の活動拠点でもある東京都にある会場だけに、客席に集まった雨宮さんのファン=青き民たちの間にも“おかえりなさい”の空気が漂っているように感じられた。そんな青き民たちにライブの開演を告げるように、ゴーン、ゴーン……と厳かな鐘の音が鳴り響く。流れ出すオープニングSEと共に”青き民”たちの声援も大きさを増していくなか、ステージの中央、高く組まれたセットの上に雨宮さんが登場。堂々と立つその姿も勇ましく、バンドの演奏を背負いながら「Skyreach」を歌い出す。言うまでもなく「Skyreach」は2014年にリリースされた雨宮さんのデビュー曲。そこから10年の時を経て、一回りも二回りも大きく成長した現在の雨宮さんが“始まりの曲”を歌ってライブの幕が上がるという最高にエモい選曲で“Ten to Bluer Sky”はスタートした。

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2曲目「JACKPOT JOKER」は一気に楽曲の年代が飛んで、こちらは最新アルバム『Ten to Bluer』のリードトラック。ダンサーと共に繰り広げられるパフォーマンスには大人の余裕や妖艶さが感じられ、楽曲の世界観を見事に演じきった表情豊かな歌声に思わずドキッとさせられた。最初の2曲を歌い終わったところで「みんなで一緒に最高の時間を作りましょう!」と、元気で明るい声を響かせる雨宮さん。「――というわけで、次の曲はみんなに『最高!』と叫んでほしいんですが、準備はいいですか?」とコールの練習をして、青き民たちによるクラップの音に包まれながら3曲目「BLUE BLUES」へ。直前の練習の成果がしっかり発揮されて、サビの「最高!」コールもバッチリ決まっていた。

アルバム『Ten to Bluer』を引っさげたライブであり、10周年記念の側面もある今回のツアー。「節目節目で挑戦してきた曲とか、私の中で大事な曲とか詰め込んできました」ということで、セットリストを決める会議は本当に大変だったらしい。そんな話を導入として始まった次のブロック最初の曲はTVアニメ『理系が恋に落ちたので証明してみた。』のオープニングテーマとしても人気の高い「PARADOX」。キュートさ全開のこの曲から同じく2期のオープニング「Love-Evidence」を続けて歌うという“リケ恋”メドレーで会場を沸かせた。「Love-Evidence」といえば、常々「ダンスは苦手」と語っていた雨宮さんが改めてダンスと向き合うきっかけとなった1曲として知られている。その「Love-Evidence」から『Ten to Bluer』収録のダンスナンバー「the Game of Life」へとつながる流れには、この10年での成長の跡を青き民に見てほしいという思いもあったのかもしれない。このブロックを締めくくるのは雨宮さん自身が作詞・作曲をした「マリアに乾杯」。自分で作詞・作曲を手掛けるようになったというのもアーティスト・雨宮天を語るうえでは外せない出来事だ。

伝えきれない大きな“ありがとう”を、最後の曲に込めて――

ライブも中盤に差し掛かると、今回のツアーでの大きな挑戦ともいえるパートが始まった。真っ暗ななかで静かなピアノの音が流れ出し、スポットライトがステージ上に置かれたコート掛けに掛けられた男性もののジャケットと帽子を浮かび上がらせる。そこに白いドレスを身にまとった雨宮さんがゆっくりと歩きながら登場し、追憶の想いをはせるような目線をコートと帽子に向かって送る。そして歌い出したのは「月灯り」。続く「羽根輪舞」ではダンサーもステージに姿を見せ、雨宮さんの歌に合わせて踊りで楽曲の世界観を表現する。すると例のジャケットと帽子がいつの間にか人の姿になって動き出し、二人のダンサーが表現する物語は楽曲の世界観により深みを与えていた。

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「火花」ではダンサーの姿は消え、ジャケットと帽子も再び元の位置に戻って動かなくなる。雨宮さんはそっとジャケットのそばに歩み寄り、想いを込めて「火花」を歌い上げた。まるでミュージカルのようなこのパートのフィナーレを飾る「irodori」と「風燭のイデア」では情熱的な歌声を響かせて、スカートからショートパンツへのチェンジ、そしてマントのようなジャケットを装着するという早替えも披露。言葉で多くは語らないものの、心に物語が直接伝わってくるようなパフォーマンスに青き民たちはすっかり魅了され、ステージ上に作られた世界に引き込まれていった。

ここでMCをはさんで、ライブはいよいよ終盤戦へと向かっていく。「まだまだロック要素が少ないと、皆さん思っているんじゃないでしょうか?」と、青き民たちに語りかける雨宮さん。「命、燃やしていこう!」と客席をあおって、怒涛のロックパートに突入する。アルバム収録曲の「Fireheart」から始まり「永遠のAria」まで5曲を一気に駆け抜けて、間髪を置かず「これからもみんなと、さらに青く突き進んでいく。その決意を込めて歌います」と宣言して最後の曲「衝天」へ。まさに魂を込めた熱唱でライブ本編を締めくくった。

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アンコールを受けて登場した雨宮さんは「チョ・イ・ス」で晴れやかな笑顔を見せ、すべての青き民に届くように大きく手を振っていた。そこから「mellow moment」を経て、ラストの曲は青き民への感謝を込めて、自身が作詞・作曲した「Dear Blue」。「いつも伝えきれない思い、すごく大きい“ありがとう”があるんですけど、言葉で伝えきれない分まで次の曲に込めて皆さんに届けたいと思います」という雨宮さんの思いは、きっと歌声を通して青き民たちに伝わったに違いない。この10年、いつも雨宮さんを支えてきた温かな青い光は、これからも永遠に輝き続けることだろう。

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【SET LIST】
M1. Skyreach
M2. JACKPOT JOKER
M3. BLUE BLUES
M4. PARADOX
M5. Love-Evidence
M6. the Game of Life
M7. マリアに乾杯
M8. 月灯り
M9. 羽根輪舞
M10. 火花
M11. irodori
M12. 風燭のイデア
M13. Fireheart
M14. VIPER
M15. VESTIGE
M16. Eternal
M17. 永遠のAria
M18. 衝天
EN1. チョ・イ・ス
EN2. mellow moment
EN3. Dear Blue

Profile
雨宮 天(あまみやそら)●8月28日生まれ。ミュージックレイン所属。主な出演作はアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!3』(アクア)、『響け!ユーフォニアム3』(久石奏)、『ようこそ実力至上主義の教室へ 3rd Season』(朝比奈なずな)ほか。

Information
雨宮天 公式X  https://twitter.com/Amamiyastaff
雨宮天 公式サイト https://www.amamiyasora.jp/
雨宮天 公式YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/@Sora-Amamiya/featured
雨宮天 オフィシャルブログ「天模様」 https://ameblo.jp/amamiyasorablog/

▼Staff
取材・文/仲上佳克