【ライブレポート】4度目の2ndライブ完遂!リベンジを経て近づけたなりたい自分「夏川椎菜 Revenge Live “reMAKEOVER”」【独自取材】

コロナ禍による制限のもとで行われたライブを、声を出せるようになった今だからこそ再演する――そんな思いのもとに昨年“リベンジライブ”を行った夏川椎菜さん。その第2弾として、今年は2022年の2ndツアー『MAKEOVER』のリベンジに挑戦! 当時と同じセットでよみがえる『reMAKEOVER』ツアー初日の模様をレポートする。

髪を切ったNEW夏川さんが3年越しのリベンジライブに挑む!

2020年~21年にかけて行われたツアー『Pre-2nd』をリベンジした昨年の『re-2nd』に引き続き、2回目のリベンジライブとなる今回のツアーはZepp Haneda(TOKYO)からスタート! 当時と同じセットリスト、演出、衣装、ステージセットをそのまま再現するのがコンセプトだが、今回は過去の『MAKEOVER』とは大きく違う点が一つあった。それは会場の規模で、前回はホールの会場を回っていたのが今回はZeppツアーとなる。会場には大勢のヒヨコ群(夏川さんのファン)が詰めかけ、1階スタンディングのエリアはびっしりと埋まっていた。そのうえで前回は出せなかった声が出せるようになったとあれば、これは熱く盛り上がること間違いなし。そんな期待が高まるなか、ステージの幕がバッと開いて大きな黄色の旗をかついだ夏川さんが颯爽と登場! 頼もしきサポートバンド・ヒヨコ労働組合のかき鳴らす演奏をバックに「烏合讃歌」を堂々と歌い上げた。


1曲目を歌い終えたところで、どこからか拡声器を取り出した夏川さんがヒヨコ群に向けて宣誓をする。もちろんここまでの流れは『MAKEOVER』とまったく同じだが、後半の文言が異なっていた。
「宣誓! 我々天下一ヤワな羽毛のヒヨコ群は、『MAKEOVER』で感じた楽しかったことも悔しかったことも全部ひっくるめてリベンジすることを誓います!!」
そして『MAKEOVER』のときと同様、最後の「誓います!!」から食い気味にイントロが走り出し、2曲目「ハレノバテイクオーバー」に突入。夏川さんはステージの左右に設置されたお立ち台に上ったりしながら、思い思いに楽しんでいるヒヨコ群たちの様子をながめて満足そうな表情をしていた。そのまま「羽根を上げろ、ヒヨコ群! そして、声を上げろ、ヒヨコ群!!」と客席を全力であおって「RUNNY NOSE」~「ステテクレバー」と、かなりスパルタな楽曲が続くブロックへとなだれ込んでいく。
一息つくタイミングのMCで、ハンディファンを使って熱くなった体をクールダウンさせる夏川さん。客席のヒヨコ群も夏川さんと同じくらい、もしくはそれ以上に熱くなっているはずで、そんな客席に向けてハンディファンを向けるという一幕も。実際に風が届くことはないとしても、夏川さんとの楽しいやりとりのおかげで体力はだいぶ回復できたのではないだろうか。ここで夏川さんが、ヒヨコ群にある重要な報告をする。
「昨日と今日の朝、いろいろなところで私の近影をご覧になった方は『夏川さん、どうなっちゃったんだろう? なんか、岩の被り物とかしているし……』と思った人が何人かいたと思うんですけど……髪の毛を切りました!!」
そう、この日の開演直前までSNS等の写真で被り物をして頭を見せなかったのは、髪をショートにした姿をヒヨコ群にここで初めて見せるためだったのだ。これは最近暑くなったのと、少しでも『MAKEOVER』とは違うリメイク感を出すためとのこと。「というわけで、NEW夏川さんでございます」と言って、ライブはこの後も続いていく。

長い夜が明けた先にたどり着いた場所で勝ち取ったヒヨコ群の大勝利!!

序盤はひたすら激しい楽曲が続いたが、中盤以降はクセが強めな曲やせつなさを感じさせる曲など、夏川さんの音楽のさまざまな魅力を楽しめるような構成となっていく。ちなみに今回のライブタイトルに“2nd”の文字は含まれていないが、『Pre-2nd』と『re-2nd』、そして2ndツアーと銘打った『MAKEOVER』と通算すれば4回目の2ndライブとなる。
「『僕の推し、2ndライブ4回やってるんで』――これはみんな、存分にネタにしてほしい。某青い人にも『ナンちゃん、いつまで2ndやってるの?』って言われたし、停滞しているように感じる人もいるかもしれないんですけど、やって後悔はないというか、自分の中で今一歩けじめをつけられていない感がありまして、こうやって改めて皆さんの前で2ndライブをやれることがありがたいことだなと思います」
そして、「パレイド」の歌詞にある「背伸びで届いた夢の世界」というフレーズを受けて、こんなことも語っていた。
「自分の中で背伸び感をずっと抱いていましたが、ようやくここ数年で自分がなりたいと思っていた自分に近づけて、地に足がついてきた感じがあります。だからこそ歌っていけるものもあるのかなと思いまして、もうちょっと歌っていたいなと。みんなに何かを伝える人でありたいなと思って、あと10年は頑張ろうと思った次第です」


気持ちを新たにしたところで、ライブはラストスパートへ。「すーぱーだーりー」「That’s All Right!」「チアミーチアユー」「キタイダイ」と、ヒヨコ群と一緒に楽しく、熱く盛り上がり、最後は「クラクトリトルプライド」をすべての気持ちを出しきるようにして歌い、ライブ本編はフィニッシュとなった。
アンコールの1曲目で歌ったのは「ナイトフライトライト」。この曲には『MAKEOVER』で歌った当時とは、また別の思いが込められていた。
「『ナイトフライトライト』は特にコロナ禍のときに書かれた歌詞だなと感じました。『夜』という言葉がサビに何回か出てくるんですけど、『夜』とはつまりコロナ禍で何となく沈んでいる世間のことだと思うんです。それを乗り越えて先まで行こうぜという歌だと思っているんですけど……皆様、夜の先へようこそ!!」
リアルタイムで「夜」の心境を歌っていた当時から、ようやくたどり着いた夜の先にある世界。これこそまさにリベンジで、これが言えたことにもリベンジライブを開催した意義があったといえるだろう。この新しい夜の感動は、みんなの力で勝ち取ったもの。ラストの1曲はこの日2度目の「ハレノバテイクオーバー」で、最後に「我々ヒヨコ群の大勝利!!」と高らかに宣言して幕を下ろした。
勝利を手にした夏川さんは、再び旗をかついでステージを後にする。その姿をヒヨコ群は誇らしく見守っていた。

取材・文/仲上佳克

◇セットリスト◇
LAWSON presents 夏川椎菜 Revenge Live “reMAKEOVER”
M1.烏合讃歌
M2.ハレノバテイクオーバー
M3.RUNNY NOSE
M4.トオボエ
M5.アンチテーゼ
M6.ステテクレバー
M7.サメルマデ
M8.シマエバイイ
M9.奔放ストラテジー
M10.ボクはゾンビ
M11.ワルモノウィル
M12.パレイド
M13.ミザントロープ
M14.すーぱーだーりー
M15.That’s All Right!
M16.チアミーチアユー
M17.キタイダイ
M18.クラクトリトルプライド
<ENCORE>
M19.ナイトフライトライト
M20.ラブリルブラ
M21.ササクレ
M22.ハレノバテイクオーバー

LIVE情報
LAWSON presents 夏川椎菜 4th Live Tour 2025-2026(仮)
4th ライブツアー開催決定!

【公演情報】
2025年12月21日(日) 千葉・市原市市民会館 大ホール
2025年12月27日(土) 大阪・NHK大阪ホール
2026年1月12日(月・祝) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2026年1月17日(土) 愛知・COMTEC PORTBASE
2026年1月24日(土) 東京・立川ステージガーデン
2026年1月25日(日) 東京・立川ステージガーデン

◇Profile◇
夏川椎菜
ミュージックレイン所属。千葉県生まれ。声優として『アイドルマスター ミリオンライブ!』シリーズ、 『響け!ユーフォニアム3』 、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』、『えんどろ~!』など多数出演。小説・コラムなどの執筆活動や舞台出演など、声優だけにとどまらない幅広い活動を展開。2017年からはソロシンガーとして活動を開始し、2021年にはバンドを背負ったZeppツアー、2022年以降は年1回のペースでホールツアーを実施。バンドセットでのパワフルなライブを持ち味としている。2015年からは同じく声優の麻倉もも雨宮天とともにユニット「TrySail」(トライセイル)としても活動。これまで横浜アリーナ公演や日本武道館2DAYS公演を成功させている。

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