麻倉もも

【ライブレポート】麻倉ももさんの自身二度目となるフルオーケストラコンサート! アンコールではバースデーサプライズも!【独自取材】

麻倉もも

2024年に奈良・薬師寺の特設会場にて自身初のオーケストラコンサートを開催した麻倉ももさん。大好評のうちに閉幕したコンサートだったが、なんと今年は全国3か所をめぐるツアーとして行われることに! 4月の兵庫県立芸術文化センターに続く2公演目となる、埼玉・大宮ソニックシティ大ホールでの公演の模様をレポートする。

オーケストラアレンジで麻倉ももさんの名曲たちが生まれ変わる

いつものライブとは違う、フルオーケストラを迎えてのコンサート。それだけでも格式高いものに感じられ、会場に集まった大勢のファンからもどこか緊張しているような雰囲気が伝わってきた。コンサートの幕開けも普段のライブのように凝った演出があるわけでもなく、オーケストラの演奏者たちと指揮者が盛大な拍手のなか粛々と入場してくるところからスタートする。

そして指揮者の手が上がり、オーバーチュアとして演奏されたのは「さよなら観覧車」のオーケストラアレンジバージョン。その美しく、迫力のある演奏に圧倒されながらも、耳なじみのあるメロディーが聴こえてきたことで緊張の糸は徐々にほどかれ、誰もがこの心地よい音楽空間に身をゆだねる準備が整った。
麻倉もも

麻倉もも

演奏が一段落したところで、ゆっくりと歩いてステージにやってきたのは本日の主役・麻倉ももさん。薄緑色のドレスを身にまとった麻倉さんは、フルオーケストラの演奏を背負って「ユメシンデレラ」を歌い出す。おそらく麻倉さんの中でもこのコンサートに向けて緊張があったかもしれないが、そんなことはまったく感じさせない落ち着いた雰囲気の歌声と壮大な演奏で生まれ変わった「ユメシンデレラ」に観客たちもますます引き込まれていく。「彩色硝子」ではイントロで客席からクラップも響いて、ともにコンサートを盛り上げる。続く「Agapanthus」までの最初のブロックで、すっかり幸せな空気が出来上がっていた。

ちなみに今回のツアーは3会場とも衣装が変わるとのことで、今回のドレスが緑色になった理由について「なんで緑だと思いますか?」と客席に問いかける麻倉さん。

「夏だから」との答えが返ってきたが、麻倉さんの出した正解は「埼玉だから」。どうやら麻倉さんの中では埼玉県を舞台にした某映画の有名なセリフに影響されて、埼玉=緑のイメージがあるらしい。そのイメージが合っているかどうかは微妙なところだが、埼玉県の名産の一つに深谷ねぎがあることから埼玉=緑で間違っていないだろうという結論に落ち着いた。そんな普段通りの麻倉さんの軽妙なトークが展開された後は、せつないラブソングが続くバラードゾーンとなった。

オーケストラの演奏で聴くバラードはせつなさが何倍にも増しているようで、麻倉さんの甘い歌声に乗せられた感情をより際立たせていく。「恋のプレリュード」「シュークリーム」と来て、オーバーチュアでも演奏された「さよなら観覧車」と「今すぐに」でコンサートの前半は締めくくられた。

麻倉もも  麻倉もも

誕生日を迎えたばかりの麻倉さんがファンに物申したいこととは?

15分の休憩時間をはさんで、後半はチャイコフスキー作曲「くるみ割り人形『行進曲』」の演奏からスタート。誰もが知るクラシックの名曲を麻倉さんのコンサートで聴けるというのも貴重な経験だなと思いつつ、ステージに戻ってきた麻倉さんが歌ったのは「幸せって書いて」。演奏と歌声の相乗効果で生み出す調べは心なしか前半よりもパワーアップしているようで、ホール全体に力強く響き渡っていた。最後に後ろを振り返って自らの手で演奏を締めくくる姿も頼もしく、次の曲「僕だけに見える星」もまた心にスッとしみこんでくるようだった。

「同じ曲でもアレンジが違うだけで、全然違う曲に聴こえますよね」と、ここまでの曲を聴いて観客が思っているであろうことを代弁してくれる麻倉さん。それこそがまさにオーケストラコンサートの醍醐味なのだろう。「本当に素敵なアレンジになって、歌っていてとても楽しかったです。皆さんも楽しんでいただけていますか?」とうれしそうな表情を浮かべる麻倉さんに、客席よりは一際大きな拍手が送られた。

麻倉もも麻倉もも

さて、開催当日の6月28日といえば、麻倉さんのお誕生日である6月25日の3日後。つまり、この日が誕生日を迎えた後に初めてファンの前に顔を見せる機会で「先日、誕生日を迎えました!」と報告する麻倉さん。客席の全員が声を合わせての「おめでとう!!」の声を浴びながらも、ちょっとSNSでの書き込みに物申したいことがあるという。「『31歳なのにかわいい』とか『31歳なのに』要るかな?って、なんかデリカシーないなって……」と、もちろん褒められることやお祝いしてくれる気持ちはうれしいとしながらも、もう少し発言には配慮してもらいたいとのこと。そんなエピソードトークで笑いを誘いつつ、コンサートもいよいよ終盤へ。

希望を感じるイントロの「No Distance」と疾走感のある「Run for you」を続けて歌い、「隠れた名曲」と言いそうになったところを「隠れて……ない名曲です!」と言い直す。ほっこりとした気持ちになったところで歌う最後の曲は「みんなと笑顔で終わりたいな」という想いを込めた「Good Job!」。「アップテンポな曲がオーケストラバージョンになったらどういうふうになるんだろう?と気になって入れてみました」と麻倉さんも言っていたが、曲のタイトルコールをしたときには客席からも驚きの声が上がっていた。

麻倉もも
アンコールの拍手が鳴りやまぬなかステージに帰ってきた麻倉さんが最後にもう1曲歌おうとすると、美しいハープの音色からバースデーソングの演奏が始まる。それに合わせて客席のファンも自然と「ハッピーバースデー・トゥー・ユー」と歌い出し、サプライズは大成功! 「予定にないハープが聴こえてきたからびっくりした!」とプチパニックになりながらも大喜びの麻倉さんに会場全体から祝福の声と拍手が送られる。

「今年はTrySailの10周年ツアーがありますので、まずはそこに向けて頑張っていきたいなと思います」と31歳の抱負を述べたところで、今度こそラストの曲「花に赤い糸」を歌い上げる。最後に「また来月あるので一緒に楽しみましょう。今日は素敵な時間をありがとうございました」と言って、ツアー2公演目は大盛況のうちに終演となった。

取材・文/仲上佳克

◇セットリスト◇

麻倉もも PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2025(6⽉28⽇(⼟)埼玉・⼤宮ソニックシティ⼤ホール)

M1. OVERTURE
M2. ユメシンデレラ
M3. 彩色硝子
M4. Agapanthus
M5. 恋のプレリュード
M6. シュークリーム
M7. さよなら観覧車
M8. 今すぐに
M9. くるみ割り人形「行進曲」
M10. 幸せって書いて
M11. 僕だけに見える星
M12. No Distance
M13. Run for you
M14. Good Job!
EN. 花に赤い糸

◇Profile◇
あさくらもも●6月25日生まれ。ミュージックレイン所属。主な出演作はアニメ『傷だらけ聖女より報復をこめて』(アリアン・トレビアーズ)、『卓球少女 -閃光のかなたへ-』(リ・シントン)、『魔王様リトライ!R』(アク)、『アイドルマスター ミリオンライブ!』(箱崎星梨花)ほか。

◇Information◇

麻倉もも Official HP https://www.sonymusic.co.jp/artist/asakuramomo/
麻倉もも Official X   https://x.com/Asakura_Staff
麻倉もも Official YouTube channel https://www.youtube.com/@Momo-Asakura

声優グランプリ9月号では麻倉ももさんを特集!ツアーの振り返りも!

声優グランプリ 2025年9月号

 

声優図鑑