楠木ともり

楠木ともりさん2年ぶりのツアー『TOMORI KUSUNOKI Zepp TOUR 2025 “Whose fault is it?”』ライブレポート!最後にはファンへのサプライズも

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メジャーデビューから5年という節目に、愛知・大阪・東京の全国3カ所で開催された今回のZeppツアー。圧倒的な歌唱力で観客を熱狂させた本ライブからZepp Hanedaで開催された東京公演の模様をレポートする。

単独初となるメドレーも! 5年間の“歩み”を実感

開演時間になると、自然の中を歩く楠木さんの映像やツアータイトルが映し出され、ライブの始まりをあらためて実感する。1曲目を飾るのは「山荷葉」で、彼女の透き通った歌声や生バンドによる演奏は会場全体に伝わり、現地ならではの迫力に序盤から圧倒された。

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続く「presence」では雰囲気が一転、観客がいっせいに立ち上がり、手拍子やコールでライブに彩りを添えていく。楠木さんが客席に「歌って!」と声をかけたのは「アカトキ」で、サビ部分の歌唱では彼女とファンの一体感もうかがえた。

ツアーは約2年ぶり、満席の会場を前に喜びの表情を浮かべる楠木さん。虹色の照明が輝く中での披露となった「もうひとくち」や「タルヒ」のほんのり温かさを感じる楽曲では、彼女が紡ぐ曲の世界によりいっそう引き込まれていく。

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今年の8月にはアーティスト活動5年目を迎えるということで、会場内は客席からの「おめでとう!」という声に包まれる。これまで幾度の単独ライブを重ねてきた彼女だが、初となるZepp Hanedaでの公演には「初めての場所に来られてうれしい」と感想を寄せていた。また今年は初の対バンライブ『TOMORI FES.』を主催したりと、楠木さんにとって挑戦の年になっている。「『TOMORI FES.』で(私のライブが)はじめての人〜!」と客席に問いかけると、ほとんどの人が手を挙げなかったことから「東京は常連だな(笑)」と笑いに包まれる場面もあった。

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MCのあとはかわいさとミステリアスさがマッチした「StrangeX」、夏の暑さを吹き飛ばすようなパワフルさが印象的な「青天の霹靂」、そして「Forced Shutdown」とタイプの違う楽曲が続いていく。スローテンポで始まりライブならではのアレンジを見せた「それを僕は強さと呼びたい」では、より歌詞が心に染み渡り、感銘を受けた方も多いのではないだろうか。

ライブも終盤へと近づき、ここからはフレッシュかつ勢いある曲でステージを盛り上げていく。ツアー名“Whose fault is it?(誰のせい?)”の元となった「眺めの空」は、まさにこの夏ピッタリのナンバーで、青春の中に切なさがうかがえる歌詞を高らかに歌い上げる。ライブグッズのタオルを持ち歌ったのは「僕の見る世界、君の見る世界」。会場が一体となってタオルを回す様子に圧倒された。

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その勢いのままライブは幕を閉じたが、客席からのアンコールに応え再びステージへ! ゆったりとしたメロディーや夜を思わせるSEが印象的な「alive」を、アコースティックギターの演奏にのせて披露した。

その後のMCでは、今回のツアーへの想いがファンに向けて語られる。本ツアーは先ほど歌唱した「眺めの空」のストーリーをなぞらえるとともに、この5年間を振り返るライブとして企画されたそう。また「皆の“せい”でここまで活動してこれた」「『あなたの“せい”だ』と笑顔で言ってもらえるような人でいられたらなと思っています」と、ツアー名に重ねながらもマイナスのイメージが強い“〜のせい”という言葉をプラスの意味へと変化させたメッセージはファンの心に深く響いていた。

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アーティストとして、インディーズ時代からファンとともに走り続けてきた楠木さん。「これまでの感謝をこめて歌います」と披露したのは、お世話になった方への感謝や自らの決意がつづられた「バニラ」。彼女の気持ちがギュッと詰まった楽曲に、客席からは大きな拍手が送られた。

ここからは単独ライブでは初となるメドレーで観客を魅了。「遣らずの雨」「熾火」「風前の灯火」とアップテンポな楽曲が続き、会場の熱気もグンと上がっていく。特にキーボードの演奏からはじまる「熾火」では、客席からも「おぉっ!」という声が上がっていた。

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「私からの感謝の気持ちはまだ終わりません」と伝えられ始まったのは「TOMORI COLLECTION 2025 SUMMER」と題したグッズ紹介コーナー。「MAYBLUES」「narrow」を夏っぽくアレンジしたBGMをバックにバンドメンバーも紹介に参加し、「今日Tシャツ着てくれた人〜!」といった客席とのやりとりで楽しませていた。

そんな和気あいあいとした雰囲気のまま行われた告知コーナーでは、『Tomori Kusunoki ALL VIDEO SONGS 2020-2025』のジャケット写真の初公開や「僕の見る世界、君の見る世界」MVのプレミア公開の決定、さらにはバースデーライブの12月開催が発表され、今後の楽しみを増やしてくれた楠木さん。彼女がラストの楽曲に選んだのは「back to back」で、最後まで楠木さんらしい“力強さ”を感じられた瞬間だった。

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「『あのライブのせいで楽しかったな』と思ってもらえたらうれしい」「また12月、祝いにきてください」という言葉で締めくくられたツアーファイナル。楠木さんやバンドメンバーの降壇後には2nd Album「LANDERBLUE」発売決定の告知が映し出され、思いがけないサプライズに歓声が巻き起こっていた。

アーティストとしての一歩を新たに踏み出した彼女は、この先どんな景色を私たちに見せてくれるのだろう。映像には残らずとも、誰にも奪えないこの夏の思い出になったに違いない。

取材・文/渡辺美咲 photo by 髙田 梓

◇セットリスト◇
M1.山荷葉
M2.presence
M3.アカトキ
M4.もうひとくち
M5.タルヒ
M6.StrangeX
M7.青天の霹靂
M8.Forced Shutdown
M9.それを僕は強さと呼びたい
M10.眺めの空
M11.僕の見る世界、君の見る世界
EN1.alive
EN2.バニラ
EN3.スペシャルメドレー(遣らずの雨~熾火~風前の灯火)
EN4.back to back

◇Profile◇
くすのきともり●12月 22日生まれ。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。主な出演作はアニメ『ウィッチウォッチ』(宮尾音夢)、『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』(レン)、『チェンソーマン』(マキマ)、ゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』(宵崎奏)ほか。

Information
■『Tomori Kusunoki ALL VIDEO SONGS 2020-2025』
2025年8月20日(水)発売

・完全生産限定盤 [2BD+photo card+photo frame]
品番VVXL-253~255 12,000円(税込)

・通常盤初回仕様 [BD]
品番VVXL-256 7,700円(税込)
※初回仕様の在庫がなくなり次第、通常仕様に切り替わります。

■2nd Album『LANDERBLUE』 2025年11月発売

■TOMORI KUSUNOKI BIRTHDAY LIVE 2025
・公演日程
EX THEATER ROPPONGI
2025年12月22日(月)
open 18:00 / start 19:00
お問い合わせ:H.I.P. 03-3475-9999

・チケット料金
アリーナ立見 8,800円(税込・整理番号付き)
スタンド指定 8,800円(税込)

※未就学児童入場不可
※入場時別途ドリンク代が必要になります

・枚数制限
お一人様1公演につき4枚まで
詳しくは公式サイトをチェック。

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