久保ユリカ

【声グラ限定】久保ユリカさん「君なら君しか」は、ずっと作りたかったものに行き着くことができた楽曲

久保ユリカ

2016年2月17日に1stシングル「Lovely Lovely Strawberry」でアーティストデビューした久保ユリカさんが、その5周年記念日となる2021年2月17日に新曲「君なら君しか」をリリース! 今回は配信と通販サイト「きゃにめ」、そして自身の出身地である奈良県の店舗での限定販売というリリース形態となりますが、この独特な試みはどうやって生まれたのでしょうか?

頭の中でリピートされやすいフレーズになりました

久保ユリカ
――アーティストデビュー5周年の記念日に新曲がリリースされますね。
2年前にミニアルバム『VIVID VIVID』を出させていただいた時点では、「5周年に合わせて次の曲を出す」ということを決めていたわけではなかったです。
ただ、去年なかなか動くことができない時期が続いたのもあって、それであれば「5周年を記念して」というタイミングで出すのがいちばん気持ちいいのでは?ということになりました。
なので、2年ぶりということもありだいぶ温めた感じにはなりましたが、制作が始まってガッツリ動き出してからは意外と時間がたっているわけじゃないので、気持ち的にはまだできたばかりくらいの感覚でいます(笑)。

――今回、店舗販売は奈良県のみということですが、きっかけは何だったのでしょう?
奈良は私の出身地ですし、普通に考えたら私が自ら「奈良限定で出したいんですけど……」と、提案していそうな感じもしますが……実は私からはいっさい何も言ってはいなくて(笑)。
ちゃんとポニーキャニオンのプロデューサーさんとディレクターさん、お二人からご提案をいただきました。
正直、最初は私自身もすごく驚きましたし、地元奈良であんまり売れなかったら恥ずかしいなという思いもありますが(笑)、奈良で販売してくれるショップさんもTwitterでつぶやいてくださったり、とても愛のあるサポートをしてくださっているので、やれて良かったなと思っています。
もしかすると「奈良以外は大事じゃないんかい!」と言われそうな気もするのですが、私と奈良が切っても切り離せないものだというのはファンの方々にも伝わっていると信じていますし、どうかこの形でご納得いただけたらうれしいなと。

――今のご時世だと他県から奈良まで買いに行くというのも難しいでしょうし。
そういう意味では配信というアプローチもありますし、「やっぱりCDとして欲しい」という方には「きゃにめ」という通販サイトで手に取っていただくことも可能です。
今まで「きゃにめ」を使うことがなかったよという方には、ここで一歩踏み出す機会になったら面白いのかなと思っています。

――楽曲のタイトル「君なら君しか」はちょっとダジャレっぽい感じもしますが、これはすぐ決まったのでしょうか?
タイトル先行というわけではないのですが、多分歌詞が決まるか、決まる直前くらいの段階で「これしかないよね?」という話にはなっていたような気がします!
結果として、頭の中でリピートされやすいフレーズになっていると思いますし、このタイトルにしてすごくよかったです!
「なら(奈良)」と「しか(鹿)」もわかりやすく入っていて、その辺もプロデューサーさんの考えどおりになっているんじゃないかなと思いますね。

――歌詞や曲の印象としては、とてもきれいで爽やかですよね。
今回、どういうものを作りたいかとなったときに、ディレクターさんとプロデューサーさんは「ストーリーっぽい歌詞になっている物語のような楽曲がいいな」という提案をしてくださりました。
一方、私自身はまた新しく歌うのであれば、今まで以上に自分が歌いやすい楽曲にしたいという思いもあったりしました。
『VIVID VIVID』はまたちょっとニュアンスが違いますが……これまでの楽曲はどうしても、久保ユリカ名義で歌っていても、何となくキャラソンに近いというか。
歌い方だったり声のトーンだったり、その楽曲の登場人物を想像して素ではない形で歌っていた部分があったんです。
その当時の自分は「私の歌声って何だろう?」と悩んでいる部分があったから、そういうキャラクターソング的な表現の仕方がいちばんしっくりくるものではあったのですが、こうやって5年間アーティスト活動を続けさせてもらえて、ふと「自分として歌うって結局何なんだろう?」って、改めて立ち返る瞬間もあって。

そうやっていろいろ考えているタイミングに、たまたまゲスト出演させてもらった歌のイベントで、とあるアーティストさんの曲を生演奏でカバーさせてもらったんです。
そのときに自分でも不思議でしたが、なぜだかめちゃくちゃ歌いやすくて! 変に曲に寄り添おうとしたり、違うキャラを自分の中で召喚したりせずに歌っている気がするなって思ったんですよ。
今思うと「キー」がすごく合っていたってことですよね……(笑)。
それが何となく頭の片隅に残っていて、ポニーキャニオンさんにも「こういう歌い方をしてみたい」と伝えていまして。
結果として、「君なら君しか」のデモが上がってきて確認できた段階で「最高にめちゃくちゃいいですね!」と感動しました。
曲のテンション感がすごくしっくり来たというか、今までずっと生地をこね続けてきたけど、本当に作りたかったのはお米だったんですよね!というような(笑)。
パンじゃなかったんだ!みたいなところに行き着いた、そんな納得できる楽曲になっていると思います。