浪川大輔さん×豊口めぐみさんの対談が実現!名作再会プロジェクト「THE PLAY BACK」第二弾は『BLACK LAGOON』

浪川さんと豊口さんが『BLACK LAGOON』の作品愛と収録の思い出をたっぷり語る!

アニメにも力を注ぐ動画配信サービス「U-NEXT」による名作との「再会」プロジェクト「PLAY BACK」は、今だから観たいゼロ年代に人気を博した「その時代のマスターピース」とも呼べるアニメ作品をピックアップしていく特別企画。その第2弾は『BLACK LAGOON』。

BLACK LAGOON

主人公・ロックを演じた浪川大輔さんと、彼のバディ的関係となるというあだ名の女性、レヴィを演じた豊口めぐみさんが出演するCMや対談トーク映像が、現在U-NEXTの公式YouTubeで公開中だ。そのお二人に、今回のCMやトーク撮影の感想、作品やキャラクターについてなど、ざっくばらんにあれこれ語ってもらった。お二人が会うのは久しぶりとのことだが、冗談めかした愉快な言葉も飛び交う、いかにも気の置けない感じの楽しい対談となった。

■トーク映像撮影は、ザ・ドキュメンタリーの意気込み?

──お二人が一緒になったのは、何時ぶりぐらいになるのですか?
豊口 『ブラックラグーン』以降、ほとんどないですね。最近洋画の吹き替えで浪川さんの相手役の女性をやって、すごい久しぶりだなぁって思いました。その作品でも私は強い女で。浪川さんとの組み合わせだと、なぜか私は強い女役の感じに(笑)。
浪川 それだと僕がまるでヘタレ男の役ばかりみたいじゃない(笑)。意外と強い男の役もやってるんですよ。
豊口 私だってしおらしいヒロイン役をやりたいのにっていつも思うのに、まったくもってそうじゃないんですよ。なんでだろう?(笑)
──今回のCMはトークバラエティっぽい感じになっていますね。
豊口 あはは! いや、でもバラエティにしようと思ってたわけでは……(笑)。
浪川 そうそう。ドキュメンタリーですよ! そのつもりで僕は喋りましたから。
豊口 え、あれが?(笑)
浪川 あれこそ、ザ・ドキュメンタリーです(笑)。「プレイバック」というタイトルではありますけど。
豊口 いやぁ、もう完全に愉快なトークパーティみたいになっちゃいましたけど(笑)。なんか、この二人が揃うとそんな風になっちゃうんですよね〜。改めて、よくあんなにシリアスな作品をやれてたと思いますよ。
──いずれにしても、トークしながら作品を振り返るというのは珍しいパターンだと思うのですが。
豊口 そもそも『ブラックラグーン』でのキャストトークみたいなことは、多くなかったですよね。イベントで1回か2回あったかどうか……。だからこれまで、作品を語ること自体があんまりなくて。
浪川 そうだね。
豊口 だから最初はどうしたらいいか、ちょっと分からなかったです。
浪川 収録ではあんなに普通に喋ってたのに?(笑)
豊口 こんなふうに、私が言うことをなんでも拾ってくれるので、安心してできました(笑)。
──すると豊口さんは、この撮影のオファー自体にも結構驚かれたんですか?
豊口 でもちょうど原作も20周年のタイミングの年でもあるので、何かしら企画みたいなことはあるかなと思っていたので、このお仕事のお話自体に驚きはなかったですけど、まさか浪川さんと二人でトークって!?っていうのはビックリしました。
浪川 配信でのトークというのも、こういうご時世ですし皆さんにお届けする形として良いなと思いました。そしてトークに関しては、豊口さんが『ブラックラグーン』にすごく詳しいので。
豊口 そんなことないよ〜。
浪川 トークの台本も結構僕らにお任せみたいな感じになっていたので、本当に我々のトーク主体の映像なんだなと。だからもう豊口さんがほとんど喋るように、仕向けました(一同・笑)。僕が多少うろ覚えの部分があったとしても豊口さんがしっかりフォローしてくれるだろうと思って。そうしたら、ちょっと記憶違いの部分を鋭く指摘してくれて、「思うつぼ」です(笑)。
豊口 きっと浪川さんは、そういう感じだろうなって私も思ってましたから(笑)。だから、お互いのことを分かって撮影に臨んでた気がします。
──見事なバディ感ですね(笑)。
豊口 確かにそうですね!(笑)
BLACK LAGOON

■当時のアフレコは、とにかく全力投球だった

──作品の話に移らせていただきます。まず当時、それぞれ役が決まったときの感想は?
浪川 オーディションだったんですけど、ロックは年代としては青年役で、10代の雰囲気でもないし20歳そこそこでもない。どの辺りの年齢感で演じたらいいのかな?という部分は悩んだところでした。当時は、悩んでも仕方がないので体当たりでやってみようという感じだったんです。作品的にも、思いっきりぶつかって行かないと負けちゃうなという感じだったので、演技のテクニックでどうこうというよりは、とにかく全力でぶつかっていこう。そういう気持ちで臨んでいた記憶があります。
──当時はまだ会社員と二足のわらじだったとのことですが、サラリーマン出身のロックにはかなりシンパシーは感じていらしたのですか?
浪川 はい。だからこそ、サラリーマンの「普通感」を出さなきゃなと思っていたんですけど、全然彼の周りの環境は「普通じゃない」状況なので。そういう意味では周りに呑み込まれていくキャラクターではあるんですよね。そして『ブラックラグーン』自体、原作も出てくるキャラクターも、アニメのキャストもみんな力強いものばっかりだったので、僕も「呑み込まれる」というか、周囲に身を委ねる感じだったので、演じるというよりは信じるという感じでした。
豊口 私もオーディションで選んでいただいたんですけど、役が決まったと聞いたときは「これは大変だ!」という気持ちでしたね(笑)。その後にその他のレギュラーキャストのお名前を知って、「ああ、これは本当に大変かもしれない!」って腰が引けました(笑)。しかもレヴィはロックを巻き込んでいく側なわけですから、最初からその世界に完全になじんでいなければならない役なので。私は逆に常に「上からいく」といいますか、話の展開とともに「作り上げて」いっていいわけじゃないので。だからもうキャラクター作りとかの初動が大変で! 当時、そこをどう苦労して乗り切ったのかも覚えていないくらい、大変だったなって……(苦笑)。
浪川 そりゃ、苦労しますよ。あのレギュラー陣……礒部勉さん、平田広明さん、小山茉美さんといった大先輩がズラリと並ぶ中、同列のしかもセンターに20代のまだ若手の子がいるって、すごいプレッシャーだったんじゃないかなって。しかも(当時の豊口さんとしては)そんなに使っていない低い声でお芝居しなきゃならないし。
豊口 ただ1期の1話はかなり映像が完成状態に近かったんですよ。その点ではやりやすかったとは思うんです。ちゃんとアクションも分かるし。その分、この画に負けないように!っていうのは、すごくありました。
──豊口さんの中で、レヴィを「掴めた」と実感できたのはいつ頃だったんですか?
豊口 たぶん5話ですね。沈没した潜水艦の中にロックと二人で潜入する話。そこでロックに自分の事をとつとつと語るんですけど、あの話くらいからかなぁ。「モノにできた」というのはナンですけど、近づけてきたかな?って感じたように覚えてます。

■真逆の世界で生きてきたからこそ、レヴィはロックに揺さぶられる

──それぞれ演じるうえで意識していたことを伺いたいのですが、レヴィは荒っぽい口調ですよね。
豊口 そうなんですよ。その「荒っぽい流暢さ」が最初はなかなか難しくて。そこが1期の1話のときに結構注意を受けた気がします。それからレヴィは「ハッピー♪」っていう気分ではできない役で(笑)。特に1期の最初の頃のロックとぶつかって改めて和解し合ってとか……いや、2期後半の日本編でもそうだったなぁ。だから1期2期通してですかね。「毎日、しあわせ♪」みたいな感じだと、あのシビアなテンションに持っていけなくて。「ちょっと私、日々大変……」みたいじゃないとできないというか。だから当時の私が感じていたプレッシャーや大変さは、思えば演じるうえではプラスだったんじゃないかなって。
──ロックは、普段は優しさやモラルをあの世界で生きる上での矜持としているところがありますね。
浪川 あの世界でモラルを持って生きているロックは、僕から見ても「なりたい男」です。でも後半は全然持ってないですけど(笑)。
豊口 本当ですよ! 怖いよもう!(笑)
──そんな3期での浪川さん曰くの「悪ロック」(冷酷な雰囲気のロック)って、結構豹変するような印象があるんですけど。
浪川 そこは3期のOVAシリーズからなので。それまではやっぱり基本は「ヤバいよ、まずいよ、やめようよ」みたいなところがあるなかで、でも最終的には「やっぱりやらないといけないのか! じゃあ、やるよ!」って踏ん切り着ける感じで。本当に周りのみんなに支えられて生きていくのがほとんどななかで残酷な思いや辛い思いをして追い込まれて、どうしても変わらなきゃいけない。「じゃあ、変わってやるよ!」という開き直りがついに来たというか。そういうきっかけは、3期以前にもいっぱいあったと思うんですけど、ロックがもっている優しさや弱さをずっと引きずっていて、変わりきれなかった。そこにレヴィが「お前、いい加減にしろよ!」みたいにキレて。そういう積み重ねがあってのあの変化だと思います。
──当時は、悪ロックへの変化というのは浪川さんとしてはグラデーションを着けて変わっていく感じで演じてたんですか?
浪川 いや、結構「よいしょっ」(変えるぞ!)って切り替えた気がします。2期と少し間が開いてからかもしれないですけど。
豊口 4年くらいですかね。
浪川 でしたよね。だから、アフレコ現場で「ここでこんなに突然変わるんですか?」って、言った覚えがあります。実際、ロックはメッチャ睨んでる画になってて、しかもすごく冷たい目をしている。「それくらいでやっちゃって下さい」ってディレクションを受けて演じた感じでした。だから「よいしょっ」って変えてやった気がします。でも、そこはロック自身は背伸びしている感じがあって、自分の中ではそんなに違和感はなくて。「やるしかねぇだろ」みたいなところでやってました。
──お二人から見ての、ロックやレヴィの生き様はどう感じられますか?
浪川 ロックほど、あそこまで人に決められた生き様って、あります?(一同・笑) 自分が何かしたとかじゃなくて、偶然的に関わった他人に、あそこまで人生を変えられたわけですよ。1期1話の船の上から人生リスタートですから。
豊口 たしかに、なかなかないよね。
浪川 それで日本に帰ってきたと思ったら、バラライカさんの「ビジネス」のお供だから、怖い人たちが常に周りにいっぱいいるし。だからもう、生き様は「皆さん次第」ですよ。
豊口 「皆さん次第」って(笑)。レヴィは彼女なりに生きるうえで貫いているものはあると思うんですよ。だから真逆なところのあるロックの言動にカチンときて掴みかかってみたりとか。でも同時に迷いも絶対にあって……レヴィ自身では「正解」と信じている部分はあるんですけど、それがロックと出会ったことで、揺らぐというか。「正解」のために棄てたはずのものが思い返されるみたいになっちゃった……。そういうことだと思うんです。
浪川 なるほど。
豊口 ずっと「自分はこうだ」と思って生きてこようとして、実際にそうして生きてきた……生き抜くのにギリギリの世界ではモラルは役に立たないとか。でも普通のヤツが入って来ちゃったから、ちょっと子供の頃の感情を思い出しちゃったみたいな。そういうのがあって、ロックと衝突したんだと思うんですよ。
浪川 ロック=普通のヤツって(笑)。
豊口 「一般の感覚のヤツ」入って来ちゃったから(笑)。ほら、『ブラックラグーン』の世界は一般の感覚のヤツは生きていけないから。
浪川 そうですよね。
豊口 それでもレヴィが生きてこれたのは、ちゃんと貫いているものがあって、心もコントロールしてやってきたからだと思うんですよ。ただ、私自身としてはまた揺さぶられたいっていう感覚はあります。そうなったときにレヴィはどうなるのか?っていうのは、見てみたいですね。
浪川 じゃあ、もう一人くらい日本のサラリーマンを……。
豊口 (レヴィの口調で)揺さぶってくるのは、おめぇ(ロック)じゃねーのかよ? ああ、お前はこっちの世界にすっかり染まっちゃったもんなぁ!(笑)
浪川 そうそう、ロックは染まっちゃってるから(笑)。
BLACK LAGOON

■色々なものを抱えたキャラが紡ぎ出すドラマが、『ブラックラグーン』の奥深さ

──仲間であるダッチやベニー、絡みが多いホテル・モスクワのバラライカの印象を伺いたいのですが?
豊口 ダッチとベニーは二人とも飄々としてますよね。ただダッチはまだ原作でも謎多き人なのでね〜。
浪川 一番、謎ですよね。でも表面的には、一番分かりやすいと思うんです。ベニーは飄々としてるけど、ちょっと軽く誤魔化したり嘘をつこうとしたりとかすることもあるから。どこまでが本心か分からない部分があって。本気を出されたときに騙されそうな気がする。ダッチはずっとそこは我慢してそうだから。
豊口 うん、そうね。あの癖のある3人を束ねてるわけだからね。相当な人なのはたしかですよ。
浪川 とにかく、ロックの周りにいる人達との厚い関係には憧れます。ただバラライカさんには、反抗しちゃいけないなって。
豊口 絶対ダメだよ! 『ブラックラグーン』おっかない人トップ3の一人だもん(笑)。
浪川 それそれ(笑)。言葉とかじゃなくて、全身で畏怖を感じますからね。
豊口 「跪け」って言われますよ。
浪川 そう言って、相手の膝をいきなり銃撃ですから(笑)。
豊口 そりゃ、絶対跪く(笑)。だから言われる前に跪かなきゃいけないんだよね、あれは。
浪川 そうそう! 言われた瞬間には膝は逝ってるから。
豊口 撃ち抜かれてますからね(笑)。危ない危ない!私(レヴィ)は全然優しい方じゃん!(笑)
浪川 一応待ってくれるからね。なので、常に緊張感MAX状態でいないといけない人ですよね。
──日本編はずっとバラライカと一緒でしたけど、いつもとは違う緊迫した空気が常に張り詰めてました。
豊口 本当にヤバかったですよね。ロックは叱責されて、片手でぶん投げられてましたからね。
浪川 しかも片手でいったん上まで持ってかれてますから!
──キャラクターに関してですとその日本編のゲストの雪緒が、それまで堅気ではない父親と距離を置いていた分、ある意味でロックに似た立場や価値観をもって生きてきて、でもそこに身を投じなくてはいけない展開がすごく印象深いのですが。
豊口 雪緒は、桑島法子さんのお芝居が儚さと強さをすごく兼ね備えていて。もうピッタリだなって思ってました。
浪川 雪緒ちゃんの置かれた立場は、たしかにちょっとロックに通じるものがあって。実際の環境や状況はロックとは全然違うんですけど、内心の部分では一緒のところがあるじゃないですか。でもロックは自分は前に出て「闘わなきゃ」いけないって思うけど、雪緒ちゃんはそういうタイプではなくて。それでも彼女なりに「守らなくてはならないもの」というのもある。家の伝統とかの「枷」もあるなかで、すごく悩んで苦しんだんだろうなぁって。そんな切なさが、最後は悲しみに変わる。あの結末は、救われないように見えますけど本当にそうだったんだろうか?とか。そこの判断もまた難しいんですけど。
豊口 『ブラックラグーン』ってそういう結末が多いですよね。
浪川 話によっては、悲惨な結末だけど救われてるようにも見える話もありますよね。
豊口 2期前半に出てきた幼い双子のヘンゼルとグレーテルも、結果だけ見ると残酷なのかもしれないですけど、あのまま殺し屋を続ける人生が続くよりは、あぁいう形ででも止めてあげた方が……っていう捉え方もできますし。雪緒ちゃんに関しても、全てを背負わせてしまうよりは、あの結末は「正しい」ものだったかもしれないですし。本当に「正義と悪」というのではなく、みんなが正義だから、結局描かれる結末が「正しい」ものなのかはなんとも言えない。でもその結末が「良かった」と思いたい。そういう感じかなぁ。
浪川 そうだね。そこをどう捉えるかは、観た人の判断に委ねる形で良いと思うんです。たしかに、100か0かみたいな終わり方じゃない話が多いので。死んでしまったらおしまいといえば、そうかもしれないですけど。でもそれだけの結果じゃない(周囲に波紋を残す結末)というのが、『ブラックラグーン』の奥深さですよね。
──100か0かではないというのは、OVAシリーズだった3期のロベルタ編もかなりそういう感じですね。
豊口 ロベルタ編は、みんな大変だった感じがあります。ロックも「悪ロック」になったし、レヴィもだいぶぶっ壊れてた感じがするし(笑)。
浪川 ロベルタも、ラストは原作と違って満身創痍ですからね。
豊口 あのラストはさすが、片渕須直さんっていう感じですよね。もう本当にプロフェッショナルな人達が揃っちゃってたんですよね。
BLACK LAGOON

■咥えタバコのシーンでは、ペンを咥えて収録していた

──この作品は、酒やタバコを呑むシーンが頻繁にあるのも特徴で、アニメでは珍しいと思うのですが。
豊口 印象とは違うんですけど、咥えタバコでの台詞では実際にペンを咥えてやってましたよね。咥えタバコの感じを結構リアルに出したくて。二人ともペン咥えてたのを覚えてますけど。
浪川 そうそう、やってた! 殴られたときも頬を押さえながら、わざと不明瞭になるように喋ったりとか。カッコつけてタバコやお酒のシーンを入れてる感じじゃないのが、カッコ良いですよね。普通に単なるクセのようにタバコを吸ったり、お酒も水のような感覚で呑んでるところが良いなって。
豊口 そうだね。
浪川 感情描写としてのタバコの使い方も良いんですよ。それはお酒も同じで、使い方にとてもセンスがあります。
豊口 この作品の世界観としては、皆さん普通にお酒もタバコも呑んだり吸ったりする者なので。日常の中にあるものとしては、現実の現代日本よりもより多いだけで。ヘンに特別なものじゃなく、あの世界観の中では本当にあの量がごく普通みたいな(笑)。そういう感じなのかなって。でも浪川さんも言われたように、使い方が上手くておしゃれだなって思います。
──咥えタバコのシーンでのペンを加えて喋るというのは、お二人自発的に考えたものだったんですか?
豊口 特にディレクションとかがあってのことだったわけじゃなかった気がしますけど。タバコ咥えてるから、こっちも何か咥えようかな?くらいのことだったと思います。
浪川 あまりにもタバコを咥えてるシーンが多いから、咥えてやった方がリアリティ出ますからね。
豊口 私はそんなにタバコを吸う役をやったことがなかったので、そこも勉強になりました。
──そういうリアリティは片渕須直さんがこだわりそうな感じがあったので。
豊口 ああ、そうですよね!
浪川 自然と僕らがそれをやってたということは、アフレコ現場にはどこかそんな空気感があったのかもしれないですね。

■原作が続いていく限り、アニメも続いて欲しい!

──『ブラックラグーン』はいわゆる分割2クールの後、4年ほど間があってOVAが作られてと、ロングスパンの作品になりました。
豊口 2期が終わったときに3期のロベルタ編の話を原作でまだやっていて。3期のときは、原作はロベルタ編の次の話を連載中だったんですよね。そんな感じで、原作でのエピソードが一つ区切りがつくと、新しくアニメができそうだなっていう感じでずっときてるんです。
浪川 だから、僕らもずっとやり続けたい気持ちがあるんですよ。
豊口 そうだね。それで原作は一つエピソードが終わったところなので、今はその話をちょうどアニメにできるわけですよ。
浪川 ああ、OVAとかそれこそ配信でとか。
豊口 それだ! じゃあU-NEXTさんオリジナル作品として、一つお願いします!(笑)
浪川 いいですね!……それが実現できるかはさておいて、今後も続けたいという夢と希望はずっとあります。
豊口 本当に!
──この作品に出会えて良かったことは?
浪川 原作自体ももちろん面白いですが、アニメは原作をリスペクトしつつさらに補完もしたうえで面白いものができることを教えてもらえたことかなって思います。『ブラックラグーン』の絵の強さ、言葉選びのセンスの良さは圧倒的なんですけど、それをちゃんと踏襲しながら映像として立体的に見せていく……音楽を加えて臨場感を出していく。そういう協力プレイみたいな。アニメ側としても挑戦的で、たとえば、ロベルタ編では原作とはまた違う表現を試みたりとか、みんなが全力を注いだ作品なんです。そういうものに出合えるって、なかなかないことだと思うんです。それは自分にとっても貴重ですごくキャリアアップになった作品だったと感じていますし、ポイントに必ずいる作品になっているかなとも思います。そういう機会に恵まれたことに、本当に感謝しています。
豊口 「レヴィみたいな感じで」と言われることが多い時期がありました。ですから間違いなく私の代表作の一つです。そういう作品に出会えたことはとても嬉しいです。それに何より、スタッフさんもみんな『ブラックラグーン』が大好きなんだな!って。そうじゃなければ、こんなに一生懸命になれないというか。それと自分達が楽しんで作らなければ、視聴者の方たちにも伝わらないので、それが出来ていた作品なんだと思います。だからこれだけ時間が経っても色褪せている感じはなく、未だに「『ブラックラグーン』観ました!」と言ってもらえるというのは、そういうことなのかなって。そんな素敵な作品に関われたのはすごく嬉しいです。

インタビュー・構成/ぽろり春草

【THE PLAYBACK×BLACK LAGOON】スペシャルトーク 前編

【THE PLAYBACK×BLACK LAGOON】CM 30秒

スペシャルトークの後編は1月21日(金)、メイキング映像は1月28日(金)に特設ページならびにYouTubeにて無料公開予定。

▼U-NEXT「PLAY BACK」
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