この一体感こそが有観客ライブの真骨頂!
緒方恵美さんのライブツアーが、2021年11月~12月にかけて大阪と東京で開催された。12月18日(土)に東京・神田明神ホールで開催された東京公演には多くのファンが詰めかけ、その圧巻のパフォーマンスを楽しんだ。
■ライブレポート
バンドメンバーの演奏に乗ってステージに登場した緒方さん。赤い光に照らされる中「Never, ever」を、そして変わって青い光に包まれると、続いて「ラボラトリー・マリオネット」を歌い上げた。
最初のMCで緒方さんは「前回は人数制限があり、客席がとてもまばらでした。声が出せない状況のなか、これだけたくさん集まってくれてうれしいです」と、有観客かつたくさんのファンの前で歌えることの喜びを噛みしめ、続けて「会えなかった時間を埋められるような熱いライブにしましょう!」と叫ぶと、ここからは2021年4月に発売されたアルバム『劇薬 -Dramatic Medicine-』の曲をメインに披露していく。ペンライトが激しく振られるなか「Buster Master」「パンドラ」を続けて歌唱し、最後は「祈り」を切なく歌い上げた。
バンドメンバーの紹介では、2021年11月27日に埼玉・ところざわサクラタウンで開催された『ダンガンロンパ 10周年イベント 超高校級の大同窓会』にて、作品関連の曲を披露した緒方さんとバンドメンバーのエピソードを披露。前日に会場近くのホテルで宿泊した際、久しぶりにみんなで食事ができたことを「かけがえのない時間を過ごすことができ、大変幸せでした」としみじみ語っていた。
上映前から“社会現象”とも呼んで差し支えないほど大きな話題となり、見事2021年度の日本映画興行収入1位(102.8億円)を達成した『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。緒方さん演じる主人公・碇シンジの心情を意識して詞を書いたという「Repeat」では、自然とクラップがわき起こる。そして「ハッピーの誕生」を歌い終えたところで「マスクの下で一緒に歌ってくれているような気がしました。早くみんなで大きな声を出し合いたいね!」と、満面の笑みを見せる緒方さんだった。
アニメ『めだかボックス アブノーマル』最終話OPテーマ「Want to be winner!」のあとは、コミカルな動きとともに「キッチン☆ロワイヤル」、そしてライブで定番のナンバー「Be My LADY」を披露。そして「『女性だから』『男性だから』と言われることが多い今の世の中を歌った」という「Like a human」を歌唱したあとは、「歌い続けることが大事なんじゃないかと思いますし、そういう歌を作ってきたつもりです。ラストブロック、ぶちかましていきましょう!」と叫び、「断鎖-break-」「Survival of the fittest」、さらに拳を振り上げながら「Breakin Dawn」を熱唱した。
大きな拍手で迎えたアンコールではタオルを手に、これなしには終われないとばかりにおなじみの「Freedom」を歌い上げ、さらに客席に向けてまっすぐ手を伸ばし「Precious Shinin’ Star」と続けた。
最後のMCは、2022年3月27日に東京・豊洲PITで開催予定の『Precious Anime&Game Song Festival』について。「疲弊した世の中で、今自分にできることはなんだろう?と考え続け、模索し続けた結果、たどり着いた」というこのライブは「クラッシーでプレシャス、愛と希望に満ちた⾳楽フェスティバルの開催を目指す」プロジェクトとして、現在クラウドファンディングで支援を募っており、様々なお返しが用意されている。また、もし実現した場合は後日、特別編集版が全世界無料配信される予定だ。緒方さんはオーディエンスに向けて「この業界で戦い続けてきたシンガー、声優さんがいます。私たちが作った曲をみんなに届けていきたいんです!」と熱い想いを語った。
ラストは配信されたばかりの「Never, ever(英語ver)」、さらに「Try Out, Go On!」と歌い上げ、熱狂のうちに幕を閉じた「緒方恵美Live Tour『劇薬 -Dramatic Medicine-』」東京公演。次の公演でも緒方さんらしい、エネルギッシュなパフォーマンスを見せてくれるに違いない。そう予感させてくれる熱いライブだった。
取材・文/佐伯敦史
<インフォメーション>
『Precious Anime&Game Song Festival』プロジェクトの詳細は、クラウドファンディングサイト「うぶごえ」をチェック!
▼プロジェクトURL:https://ubgoe.com/projects/97