2019年に行なわれた「堀江由衣LIVE TOUR 2019 文学少女倶楽部」から約3年の時を経て、2022年春、ライブツアー「堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部II ~放課後リピート~」がついに開催! 5月7・8日には、ツアー最終地の東京・立川ステージガーデンにて、ファイナルを行った。ここでは、1日目の様子をレポートする。
独特のMCも光る!一体感抜群のステージ
前回のライブツアーは、アルバム『文学少女の歌集』の収録曲を中心に披露。さらに、幕間映像では“転校生・堀江由衣”と文学少女倶楽部のメンバーが校内で謎を解いていくストーリー仕立てになっていたが、今回のツアーはその“続編”という位置づけ。最新アルバム『文学少女の歌集II-月とカエルと文学少女-』の楽曲を含む全23曲と、学校で起こったさらなる謎を解き明かす幕間映像で構成された。
映像は、「文化祭で1位になった部活は、部費が倍になる」と知った文学少女倶楽部が、バンドで1位を目指そうと決意するところからスタート。文化祭のステージを意識した演出で、本編のライブが展開された。前回のツアー同様、今回もバンド&ダンサーという編成(映像の出演者も同じ)で、全員が学生服をイメージした衣装。1曲目の『月とカエル』がスタートすると、客席の1階部分が平面になっている会場はたちまち体育館に様変わりし、文化祭のようなみずみずしい空間を作り上げた。さらに、続く『光の海へ』では、劇団ほりえ(観客)のペンライトが一層激しく踊る。堀江さんの歌声が、ステージ上の一体感が、確かな求心力で会場にいる全員の心を掴んでいった。
チェック柄のスカートとグレーのニットベストというプレッピースタイルで再登場すると、『ラブアテンション』を披露。キュートな歌声とアッパーなメロディで場内のテンションを上げた。また、全員での振り練習を経て披露された『Wake Up』は、最新アルバム収録曲ながら見事なシンクロ率。劇団ほりえの底力を証明した。ちなみに、合間のMCでは、1階席が平面のため後方は見づらいのではと堀江さんが心配する場面が。「周りを見ていただいて、『確実に自分のせいで見えない人がいるな』と思ったら、空気椅子!」「見やすい状態を作ってください」と呼びかけた。加えて、ペンライトを持っていない場合は「その色になりきって立っていただければ」と、独特な言い回しで伝え沸かせていた。こういった丁寧な声かけも、劇団ほりえがまとまる一因なのだろう。
MCパートも充実の中盤〜後半戦
ライブ中盤は、ますます躍動! 赤いチェック柄のティアードワンピースでパフォーマンスをしたパートでは『笑顔の連鎖』などを披露。小指をトントンと合わせる手振りで会場全体と呼応したかと思えば、『キラリ☆宝物』では劇団ほりえも交えてフルでダンス。イントロでペンライトを灯し、堀江さん主導で赤色から順にカラーを変えていくと、会場全体がきらめき〈色とりどりの街〉になった。
その後は、幕間映像のなかで落書き被害にあった文学少女倶楽部お手製の看板をバックに歌唱。ランダムにペイントが入ったシアー素材の衣装で、『The♡World’s♡End』など計4曲を歌い上げた。4曲目『虹が架かるまでの話』では、ステージ後方に虹が描き出される演出も。楽曲のイメージを鮮やかに際立たせていた。また、合間のMCでは堀江さんがお気に入りだというアンケートコーナーも。「メガネ男子ー!」「レーシック男子ー!」「腐女子ー!」と高らかに問いかけ、劇団ほりえの該当者から熱いクラップを受け取ったほか、携帯キャリアや好きなコンビニはペンライトの色で回答してもらい、満足げな表情を浮かべていた。
終盤に入ると、ネイビーのチェック柄ワンピースで『ALL MY LOVE』『Adieu』『心晴れて 夜も明けて』『YAHHO!!』を披露。すべてタイアップ曲という構成で、会場全体を奮い立たせた。『心晴れて 夜も明けて』は、金銀2色の紙吹雪舞う中で歌唱。夜の闇の中、キラキラと光る星のような紙吹雪に堀江さんの優しくも儚い歌声が重なり、続く『YAHHO!!』ではタオルを振り回し、明るくエール。様々な色を持つ堀江さんの歌声が、全身で楽曲を楽しみ続ける劇団ほりえの身体に染み込んでいった。また、このパートの合間にあったMCでは、文学少女帯(バンドメンバー)がそれぞれに「難しい」と感じる楽曲について語るコーナー『堀ジャム』が。「『Adieu』が難しい」との声が多く上がり、特に苦労している一節について詳しい解説を受けると、堀江さんも劇団ほりえも興味深そうに耳を傾け、楽曲への理解をさらに深めた。そして、再びオープニングと同じセーラー服風の衣装で登場すると、『CHILDISH♡LOVE♡WORLD』を披露。クライマックスもボルテージをグイグイ引き上げ、『スタートライン』は一転してしっとりと聞かせ、本編を厳かに締めくくった。
最後の幕間映像(エンドロール含む)受け、Tシャツ姿で登場した堀江さん。「ツアーも後1日しかないから」と、直々に幕間映像のストーリーの答え合わせをする場面があった。今回のストーリーは、「文学少女倶楽部が文化祭で1位に輝く世界線」を目指す劇中の堀江さんが、4回のタイムリープを繰り返していると言い、3曲目から18曲目までは衣装が変わるごとに別の世界線で文化祭のライブをしていた事が明かされた。また、各ライブの楽曲はミス・モノクロームのラジオ占い(劇中)に影響されているとも伝えられ、思わず膝を打つ劇団ほりえ一同。これを見た堀江さんは「わからなかった人は、もうちょっとリアクションを大きめにとってもらっていいですか!?」と思わずツッコミを入れていた。
ともあれ、これだけ見ごたえのある映像になったのは、「ご時世的にどんなライブができるかわからなかったから」。前回のツアーはコロナ禍前だったため自由にコールができたが、続編となる今回はそれが叶わない。それでも、前回のように楽しい時間が過ごせたらという堀江さんのはからいでこの形になったという。「劇団ほりえの皆さんの実力がいかんなく発揮されたと思います。ありがとうございました!」と告げると、会場中に大きな拍手が響き渡った。
同公演のアンコールパートは、『翼』からスタート。堀江さんが持つペンライトに合わせ、緑、ピンク、オレンジなど順番に客席の色も変わっていく幻想的な空間を作り上げた。また、続く楽曲は『Merry Merrily』(やまとなでしこ)のセルフカバー。未来を感じる可愛らしい楽曲を、ボンボン片手に届けた。そして、最後は恒例の『Happy happy*rice shower』。ブーケを持った堀江さんがステージいっぱいに移動し、華やかなフィナーレを演出した。3時間半のライブはこうして終演。会場内は、堀江さんが去ったあとも温かく優しい空気が包んでいた。
photo:草刈雅之
text:松本まゆげ
堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部II ~放課後リピート~
東京・立川ステージガーデン
<5/7(土)公演セットリスト>
01.月とカエル
02.光の海へ
03.ラブアテンション
04.恋する天気図
05.Wake Up
06.半永久的に愛してよ♡
07.Days
08.笑顔の連鎖
09.キラリ☆宝物
10.try again
11.The♡World’s♡End
12.ヒカリ
13.チャイム
14.虹が架かるまでの話
15.ALL MY LOVE
16.Adieu
17.心晴れて 夜も明けて
18.YAHHO!!
19.CHILDISH♡LOVE♡WORLD
20.スタートライン
21.翼(Album Mix)
22.Merry Merrily
23.Happy happy*rice shower
★各音楽配信サイトにて、セットリストのプレイリストを公開中!
堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部Ⅱ〜放課後リピート〜 SET LIST
https://yui-horie.lnk.to/bookgirlclub2_setlist
※一部未配信楽曲は含まれません
<堀江由衣公式>
黒ネコ同盟Twitter(堀江由衣&スタッフ)