中川梨花

中川梨花「いつまでもキャラクターに寄り添える声優になりたい」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

中川梨花

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。

今回登場していただくのは、舞台俳優として数々の作品に出演し、『シャインポスト』の伊藤紅葉役や2024年に放送される『菜なれ花なれ』の美空かなた役で声優としても注目を集める中川梨花さん。もともとはアイドルとして活動していた中川さんは、幼少期に見た『きらりん☆レボリューション』への憧れから芸能界へ。転機となった作品や『菜なれ花なれ』でのエピソード、最近ハマっていることなどをお聞きしました。

中川梨花

中川梨花
なかがわりか●4月21日生まれ。北海道出身。サンミュージックプロダクション所属。主な出演作はアニメ『シャインポスト』(伊藤紅葉)、『菜なれ花なれ』(美空かなた)、舞台『アサルトリリィ×私立ルドビコ女学院「シュベスターの祈り」』(岸本・ルチア・来夢)ほか。

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もともとは声がコンプレックスだった

――中川さんは北海道でアイドルをやられていたんですよね。

そうなんです。もともといろんなアニメをよく観ていたのですが、小さい頃に姉の影響でアイドルが主人公の『きらりん☆レボリューション』という作品を好きになって、私もアイドルになりたいとオーディションを受けました。アニメに興味を持ち始めたのは姉の影響が大きかったですね。

――アイドルを続けようとは思わなかったんですか?

アイドル活動をしている時に地元のCMに出させていただいたのですが、そこで演じることの楽しさに気づいて。歌とダンスだけではなく、お芝居だったりラジオだったりバラエティだったりいろんな表現を勉強したいなと思って、タレントとして活動することに決めました。

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――その後には大学にも通われていたんですね。どんなことを学ばれていたんですか?

ひと言で表すと地域活性化です。高校3年生のときに、北海道のとある町を舞台にした映画作品に出演したことがきっかけで、まちづくりについて研究したいなと思い、大学に進学しました。

――その映画撮影が忙しくて、大学入学を半年間遅らせたとか。

特に高校3年生の夏からずっと映画の撮影だったり、生放送の情報番組のレギュラーがあったりして、勉強に集中する時間がとれなかったんです。あとは弁論部に入っていたのですが、同時期に全国大会出場もあって中々時間を割くことができず……。あまり知られていないかもしれないのですが、高校卒業した年の秋に大学に入学しました。

――声優を目指したきっかけは?

アイドルを辞めてからタレントとして活動していたのですが、やっぱりアイドルが好きというのもありましたし、最近の声優さんって役として歌やダンスなどのパフォーマンス活動もするじゃないですか。そのタイミングで事務所のスタッフの方から「『シャインポスト』のオーディション受けてみない?」と言われて、もともと声優さんのお仕事にも挑戦したかったこともあったので、受けたのがきっかけですね。

ただ、役者として活動している時から声がコンプレックスというか、声が特徴的だねと言われることが多くて。普通のドラマではナチュラルな芝居が求められるので、「地声でお願いできますか?」みたいに言われて葛藤していた時期があったんです。でも、とあるドラマに出させていただいた時に監督さんから「声優に向いてるんじゃない?」と言ってもらって、初めて『アフリカのサラリーマン』という作品に呼んでくださって。声にはずっとコンプレックスがあったんですけど、それを活かせる仕事があることに気づけて、声優というお仕事に出会えました。

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――『アフリカのサラリーマン』は初の声優の現場だったんですね。中川さんは声優さんの王道ルートであるスクールを経由せずに声優業界に飛び込んだわけじゃないですか。初めて仕事は苦労したこともあったのでは?

苦労しましたね。『アフリカのサラリーマン』で演じたのはいわゆるモブキャラだったんですけど、何のレッスンもなく、行ってきてくださいとだけ言われてスタジオに向かったので、マイク前の立ち方も知らないですし、台本のめくり方も知らない状態でした。

でも、周りの声優さんに恵まれていたのか、優しい方ばかりで。新人声優さんとかは一番下手側に座って、ドアの開け閉めをやるみたいな暗黙のルールがあるんですけど、当時の私はそれすら知らなかったので、先輩方には感謝しています。

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――もともと人前に出たりするのは得意な方だったんですか?

大好きでした。学習発表会とかでもオーディション受けて主役を狙ったりしていましたし(笑)。あとは幼稚園の時に、よく行く病院との受付のお姉さんの前で踊ったり歌ったり、アイドルごっこをしているような子でした。うるさい子どもというわけではないんですけど、歌と踊りが好きな子どもでした。

――タレントや舞台やドラマでの活動が声優に活かされた部分ってありましたか?

すごく活かされています。それこそ『シャインポスト』ではライブやMV撮影、ラジオなどマルチに活動することが多かったんですけど、タレントやアイドルの時に勉強していた表情の見せ方やトークをダイレクトに活かすことができメディアミックス作品でのやりがいを強く実感しました。

――そこから『シャインポスト』では伊藤紅葉役を演じましたが、これが声優として初の名前のあるキャラクターなんですよね。

そうですね。『シャインポスト』で行ったライブイベントで、キャストの声優さんが揃って、キャラクターの衣装着て歌とダンスを披露したんですけど、それが私にとって大きな転機になりました。キャラクターの格好をしてパフォーマンスをすると、お客さんがすごく幸せな表情をしているのがステージから見えるんですよ。キャラクターとしてステージに立つことで「これだけ多くの人を感動させられるんだ!」と私自身も感動したのを覚えています。

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――これまで出会ってきた中で影響を受けた方はいらっしゃいますか?

高校1年生の時に初めて出た舞台が『アリスインデッドリースクール オルタナティブ・SAPPORO』だったんです。今でも仲良くさせていただいている声優の小山百代ちゃんが主役の舞台だったのですが、彼女のお芝居が本当に素晴らしくて。座長としても周りに気配りができる方で、今でもずっと憧れの人です。2年前に舞台『メイドランカー! 詰り蹴落とし跪け乙女』で再び共演できた時にはとてもうれしかったです。

ファンの方とのコミュニケーションが癒やしの時間

――2024年放送『菜なれ花なれ』では主演の美空かなた役を務めますね。

かなたは全国中学校体育大会の優勝経験者で、高校はチアの強豪校の鷹ノ咲高校に入学するんですけど、大会中のとあるミスがきっかけで思うようなパフォーマンスができなくなってしまった女の子なんです。性格としてはすごく前向きで、明るいムードメーカー的な一面もある一方で、挫折も経験していて。オーディションの時には明るい台詞が多かったので明るい子なのかなと思っていたのですが、落ち込むシーンが意外と多くあったりとか、傷つきやすい一面もあったりして、意外と繊細な子なのかなと思います。

――かなたと似ている部分や共感できる部分はありますか?

私もお友達といる時は、辛いことがあっても、割と明るく振る舞っちゃいがちかも。周りからは悩みなさそうみたいに言われることが多いので、かなたとは性格的には近いのかなと思います。いつも明るく見られるのはいいことだと思うんですけど、気づいてもらえない辛さもあるので共感できますね。

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――中川さんも自分の中に溜め込んじゃったりしてしまう?

結構そういうタイプかもしれないです。最近は芸能のお友達も増えてきたりして、悩みを打ち明けられるようにはなってきたんですけど、もともとはすごく溜め込むタイプ。悩みがどんどん溜まっていっても自分では気づかないフリをしちゃうんです。でも、実は自分が思っていた以上に傷ついていたりして。

――その時のストレス発散方法はありますか?

美味しいものを食べて寝る!が基本なんですけど、最近は『シャインポスト』をきっかけに応援してくださる方が増えてきて…!私はファンの方ともSNSやイベントを通じて積極的にコミュニケーションを取るようにしているんですけど、いつも温かい言葉をかけてくれるので、それが癒やしの時間になっています。

特に、SNSでのコミュニュケーションについては「本当にマメだよね!」と言われることが多いです。そうするようになったのは親の影響があって。小さい頃から口酸っぱく「自分がされてうれしいことを人にもしなさい」と言われて育ててもらったんです。たとえば、自分が応援している方から返信が返ってきたり、いいねが来たりしたら素直にうれしいじゃないですか。私も私を応援してくださっているファンの方には喜んでもらいたいですし、何より私自身もファンの方の存在が全ての活動の原動力になっているので、その言葉はずっと大切にしています。

――すでにアフレコは終わっているとのことですが、この作品を通して得られたことはありますか?

今思い返しても刺激だらけの収録でした。私は舞台を経験していたからなのか、かなたの声を出す時に思った以上に声を張り上げてしまうことが多くて、音響監督さんからも「普通の話し方でいいんだよ」と言われることが多かったんです。周りの声優さんの演技を見てみると、絶妙な距離感で演じられていてすごいなと思いました。すごく勉強になりました。

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みなさんの中で作品が愛されていくように少しでもお手伝いをしたい

――声優さんの中で仲いい方はいますか?

『菜なれ花なれ』で共演した杏那・アヴェイロ役の武田羅梨沙多胡ちゃんとは作品の企画で聖地を巡礼するという動画を2日間のお泊りロケで撮影したんです。途中から谷崎詩音役の佳原萌枝ちゃんも合流して3人で撮影したんですけど、みんなでご飯を食べてたりしていくうちに「意外とたくさん食べるんだな」とか、「イラストが得意なんだ」とかいろんな面を知ることができて、仲良くなれたかなと思っています。もっと会える機会がほしい(笑)。あとは『シャインポスト』で共演した声優さんとはプライベートでもご飯行くくらい仲良くさせていただいています。

――ここからはプライベートのお話も聞かせてください。好きなものやハマっていることはありますか?

ハマっているものは入浴剤。つい最近Xでポストしたんですけど、レモングラスの香りの入浴剤を使ったらとてもいい匂いで。レモングラスのお湯に浸かりながらレモングラスを飲むとリラックスできます(笑)。入浴剤にハマってから毎日お湯に浸かるようになりました。あとは最近になってようやく『ハリー・ポッター』シリーズを観始めました。豊島園に『ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター』ができたじゃないですか。SNSで頻繁に流れてきて、行ってみたくなってしまって。それで映画も観るようになりました。

――中川さんはどんな声優を目指していますか?

自分がキャラクターを演じることで、その作品やキャラクターの魅力をたくさんの人に伝えることを大切にしつつ、いつまでもキャラクターに寄り添える声優になりたいです。アニメ作品やキャラクターって、放送が終わってもずっと愛されていくものじゃないですか。だから、私も声優として原作者の方やスタッフさんなど、いろんな方の愛が乗っているキャラクターが、そして作品が、みなさんの中で生き続け愛されていくように少しでもお手伝いをしたいと思っています。

中川梨花

撮影=石田潤、取材・文=川崎龍也

声グラ+にて近日ブロマイド販売開始予定!

中川梨花さんの撮り下ろし写真が「声グラ+」にて販売予定。「声優図鑑」掲載写真に加えて「声グラ+」限定カットを加えた12種のブロマイドがラインナップ。お気に入り写真を手に入れよう! 詳しくは「声グラ+」をチェック!

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生放送番組『すすめ!りかりんPRODUCE道』

中川梨花さんのソロ冠番組『すすめ!りかりんPRODUCE道』が月1回OPENREC.tv「声優グランプリチャンネル」にて生配信中。この番組は中川梨花さんによるセルフプロデュース型番組です。発信するのが好きな中川梨花さんこと、りかりんが自身の興味のあるものをプロデュース!初回放送のテーマは〈衣装制作〉で視聴者の皆さんを巻き込みながら、学んでいきます。

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〈番組情報〉
番組名:『すすめ!りかりんPRODUCE道』
パーソナリティ:中川梨花
番組公式ページ:https://www.openrec.tv/user/rikarin_produce/

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