立石凛

立石凛「2ndライブで大失敗。でも今は“なんとかなる”と思えるようになりました」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

立石凛

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。

今回登場するのは、『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』の千早愛音役などを演じる立石凛さんです。

現在所属する事務所に憧れ、3度目のオーディションで合格して声優の道へ。「プライベートでは静かなほう」「割と心臓に毛が生えてるタイプ」と自身で語る立石さんですが、その素顔とは…?

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立石凛

たていしりん●7月10日生まれ。大阪府出身。響所属。主な出演作品は、アニメ『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』(千早愛音)、『フェ~レンザイ -神さまの日常-』、ゲーム『アサルトリリィLast Bullet』ほか。

公式HP:https://hibiki-cast.jp/hibiki_f/tateishi_rin/
Instagram:https://www.instagram.com/rin_.t710/

ラジオを聴いたり、劇場に通うほどお笑いが好き

——今日はかっこいいイメージの衣装ですね。

イベントだとかわいい系のワンピースが多いんですけど、普段はかっこいいパンツスタイルが好きで。今日は普段寄りというか、自分が本当に好きな服を選んで着てきました。アシンメトリーのデザインも好きで。なかなか出す機会はないですが、普段はジーンズもよく履きます。

——服の傾向を聞いていると、クールな一面もお持ちなのかな……と想像していますが、周りからそう言われることはありますか?

普段はポンコツしちゃうから、妹っぽいねって言われることが多いんですけど、どちらかというと落ち着いているほうかなって思います。ゲーム配信とかだと好きだから無邪気に楽しんじゃいますけど、プライベートではけっこう静かなほうで。

——なるほど。ポンコツというのが気になりましたが….。

けっこう「まあいっか」みたいな楽観的なところがあって。そういうところが妹っぽいって言われるのかも……。

——自分が思う性格と、周りから見た性格が違うことってありますよね。では、声優の仕事はどんなところに憧れていましたか?

声優って、お芝居もダンスも歌も、いろんなことができますよね。イベントではお喋りもできるし、ラジオも好きだったし。2歳からお姉ちゃんの影響でストリートダンスを始めたんですけど、その頃からダンスの発表会や芸能活動っぽいことをしていて人前に出ることも身近な生活だったし、将来は小さい頃からしていたことを活かせる職業につけるといいな、と思っていました。

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——たしかにいろいろなことができるお仕事ですよね。それにしても、2歳からダンスとは、デビューが早いような…。

まだ小さかったから自分の意思でもないし、記憶もあまりないんですけど、お姉ちゃんの送迎についていくうちに、中で踊っているのを真似したりして。ダンスに限らず、お姉ちゃんの真似をすることは多かった気がします。お姉ちゃんがアコースティックギターを触っている時に、私も一緒にギターを始めたりとか。

——ラジオはどんなものを聴いていたんですか?

学生の頃は、声優さんのラジオを深夜まで聴いたりとか。内田真礼さんとか、あと『ユニゾン!』っていう曜日でパーソナリティが変わる声優さんの番組とか。次の日に学校があるのに、勉強をしたりしながら深夜まで毎日聴いてましたね。

今は芸人さんのラジオをよく聴いてます。オールナイトニッポン系も聴きますし、あとは金魚番長さんとか、9番街レトロさんのラジオが好きで。

——お笑いがお好きなんですね!

劇場にも通ったりしていて、寄席に行くと、いろんな芸人さんが10組とか出てくるので、最初はお目当てじゃなくても、見ているうちにすぐファンになって応援することは多いですね。昔から、かっこいいアイドルさんというより、面白い人を好きになることが多かったので。だから、お休みの日は劇場に行って面白い人を見つけるのが好きになりました。

——逆に、自分が誰かを笑わせる、ということは?

それはあんまり考えたことがないですね。笑いたい!という気持ちが大きいです。お話が面白い方って教養があることも多くて、ぎゃはは!って笑えるお笑いも好きだけど、なるほど…って学びがある面白さもすごく好き。自分じゃわからないことを知っている30代、40代の大人の方の考えをラジオで聴くのも好きでした。

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中高時代は勉強ばかりで、プレッシャーも…

——10代の頃にはまっていたことはありますか?

部活には入っていたけど、それほど必死だったわけではなくて。それで言うと、勉強かもしれません。中高の定期テストとか、命を懸けるくらいの気持ちでやってました。

——テスト、大事ですよね。勉強が好きなんですか?

たぶん嫌いではないでしょうけど、昔から頭がいいねと言われて育って、いざ中学校に入ってから、テストで学年の上位をとったときに、成績を落とせなくなったっていうのが一番大きな理由です。

——それはプレッシャーもあったでしょうね。

その頃は、私は将来声優になりたいから、勉強する意味あるのかなって思うことがあって。今はそうは思わないんですけど。でも中高一貫校だから勉強をやめられないし、急に順位が落ちたら親や先生も心配するだろうし。勉強しかできない自分にモヤモヤする時期はありました。

——勉強ができるのはすばらしいことだと思いますけど、一方でつらさも抱えているんですね…。その後、大学に入られて、無事に卒業したことをSNSでも報告していて。

そうですね。一貫校の大学に進むのではなく、東京に出るっていう選択をしたんですけど、ここまで勉強を頑張ってきたことを無駄にしたくはなかったので、大学に進むっていう選択肢は間違ってなかったな、と思います。大学では、現代心理学部の映像身体学科で、映画やダンスなどの芸術と心理を結びつけて学ぶような勉強をしていました。

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事務所の先輩2人とお笑いのLINEグループが…

——「S・響・エースクルー合同オーディション2020」に合格し、翌年には事務所に所属しています。これが、大学で上京したのと同じ年なんですね。

東京に来たのに何もできないみたいなもどかしさがある中、オーディションがあったのは自分の中では救いで。響のオーディションを受けるのは、3回目だったんです。1回目は最終審査と高校の修学旅行がかぶって、人生に一回しかない修学旅行だったから泣く泣くあきらめて。2回目は書類で落ちて、今度こそは…と思っていたので。念願の事務所に入れて嬉しかったですね。

——響に入りたい気持ちが大きかったんですね。実際に入ってから、念願だったマルチな活動をされて、どうでしたか?

毎度新しいことばかりで、いまだに慣れないことは多いですが、ほんとにどのお仕事も楽しくて。先輩との距離も近いので、「自分もいつかはこうなりたい」みたいな気持ちを持つようになりましたね。

——憧れの先輩もいますか?

そうですね。どの先輩にも憧れますけど、愛美さんは本当に幅広い活動をしていて、お話すると面白くて、優しくて。すごいなっていつも思います。しかも兵庫出身で、私は大阪出身なので、愛美さんが関西弁で話しかけてくれると落ち着きます(笑)。

——今は完璧な標準語ですよね!?

ほんとですか? スイッチが入ると標準語になりますが、家に一歩入ると関西弁に戻るし、一人でインスタライブやゲーム配信をするときはずっと関西弁でしゃべっちゃいます。関西弁だとリアクションが取りやすいし、やっぱり素を出せるのは関西弁なので。

——ほかにも、よくお話をする先輩はいますか?

それこそ、愛美さんの妹の千春さん。カードゲームのパーソナリティを一緒にしているんですけど、お誕生日にメッセージをくれたりとか、ほんとに優しい方で。お互いにゲーム配信が好きなので、突然LINEで「このシーン見て!」って送ってくれたりして。私も「うわ、これ最高ですね」って(笑)。

私が最近お笑いにはまっていることを話したら「私も行きたい」と言ってくださって。同じ響の佐々木未来さんもお笑いが好きな方で、佐々木さんにいろいろ聞きたいな、と千春さんに話したら、その日の夜に千春さんがLINEグループを作ってくださったんです! 3人でお笑いを観に行く約束をしているので、実現させたいです。

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バンドメンバーは、無言でも成り立つような子たち

——『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』の千早愛音役では、お芝居、バンド、ラジオなど幅広く活動していますが、バンドリの一員になってみて、どうですか?

いやもう、ただただ楽しくて。お姉ちゃんが軽音学部でバンドも組んでいたので、バンドに対する憧れがあったし、私自身も学生の頃にバンドを組んでいましたけど、それは一時期だったので。毎週同じメンバーで練習をして……というバンド活動がすごく楽しいです。

——今はプロとして活動されていますからね。

学生の頃とは練習量が違います。アコギは弾いてましたけどエレキギターは初心者だったし、ギターを弾きながらパフォーマンスすることがまずできなくて。ライブを重ねるたびに慣れて、今は演奏しながらお立ち台に乗ったり、リードギターと入れ替わったりするパフォーマンスも、楽しめるようになりました。来週はライブだ! 楽しみだな…って、ファンの方と同じ気持ちなんです。

——緊張もあるのかなと思いつつ、楽しさのほうが上回っているんですね。

ギターに関しては緊張しないです。1stライブではもちろん緊張しましたけど、それ以降は…。たぶんメンバー5人の中でも一番緊張していないと思います。

——ギターに限らず、人前で緊張しないほうなんですか?

そうですね。特にギターはそれだけ練習して臨んでいるのもありますし。割と心臓に毛が生えてるタイプ(笑)。出ちゃえばなんとかなるって思っちゃうので。

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——もちろん、楽しみの裏には相当の努力があると思いますが。本番で失敗したような経験は…?

失敗はいっぱいあって。2ndライブの時はけっこう演奏を間違えちゃって。アンコール前に一度楽屋に戻ったとき、泣いちゃったりして。普段は人前で泣くことはあんまりないんですけど、間違えたことを自分の中で引きずってしまいました。

でも後で録画を観てみたら、そこまで気にならないような間違いだったんですよ。自分は正解を知っているから気になるけど、会場の反響でそんなに聴こえないし、もちろん間違えないのが一番だけど、間違えるのも生のライブだからこそ。そのせいでテンションが上がりきらないライブをするくらいなら、気にしないほうがいいなって考えるようになりました。

——そういう経緯もあって「なんとかなる」って思えるようになったんですね。バンドの結成から約2年。メンバーの関係性は変わってきましたか?

家族っぽくなりました。無言でも成り立つような空気感がある子たちで。私は人に心を開くのに時間がかかるタイプだから、最初の頃と一番印象が違うのは私なのかな…。もともと、みんなで遊びに行くようなタイプのメンバーではないと思うんですけど、「今度映画行かない?」って気楽に誘えるような関係性になっていて、嬉しいです。

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これからの活動の可能性にワクワクしています

——プライベートではまっていることはありますか?

ゲームは基本的に好きだし、お笑いもはまっているし、あとはテレビでドキュメンタリーを見るのが大好きです。犯罪心理に興味があって、いわゆる仰天ニュースみたいなものをよく観ます。海外の事件みたいなのをNetflixで観たりとか。

——大学でも心理学を学んでいましたよね。

大学でも、いろんな授業の中で一番関心を持っていたのが、犯罪心理のお話。そこで、自分はこういう分野に関心があるんだって気づきました。自分は恵まれた環境で育ててもらえたけど、そうじゃない人たちもたくさんいて…。そういう番組を観るか、お笑いで爆笑しているか、どちらかが多いです。

——どちらもお芝居と結びつきそうな趣味ですね。では、これから声優として叶えていきたいことを教えてほしいです。

もっとたくさんの作品に出たいし、歌も歌ってみたいし、特技のダンスを活かせる仕事もしたいし、ゲーム配信も…。やりたいことがどんどん増えているので、スキルをもっと身につけて幅広いお仕事をしていきたい。これから、まだ経験していないけど、やりたいことが見つかるかもしれないし、すごくワクワクしています。

マイペースなのでスピード感はわかりませんが、1歩ずつ着実に進むことが成長につながると考えているので、全力で、できることから頑張っていきたいです。

立石凛

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

撮影=石田潤、取材・文=吉田あき、制作・キャスティング協力=吉村尚紀「オブジェクト」

立石凛さんコメント動画

 

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