キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。今回は、好評放送中のTVアニメ『公女殿下の家庭教師』のティナ・ハワードなどを演じる澤田姫さんです。
声優になるまでのお話から、今の日々のお仕事について、そして未来の目標までたっぷりと語っていただきました。
![]() 澤田姫 さわだひめ●11月16日生まれ。EARLY WING所属。主な出演作は、アニメ『公女殿下の家庭教師』(ティナ・ハワード)、『白聖女と黒牧師』(セシリア)、『魔法少女育成計画 restart』(のっこちゃん)、ゲーム『アズールレーン』(四万十)、『けものフレンズ3』(イリオモテヤマネコ)、『魔法使いと黒猫のウィズ』(ツィーカ)ほか。 公式HP:https://www.earlywing.co.jp/actordb/catec/talent_sawadahime ★澤田さんの手書きプロフィール&コメント動画は2ページ目に! |
セシリアは自分を引っ張ってくれた存在
──澤田さんはディズニー作品と『スター・ウォーズ』好きとして、ファンの間では知られています。
声優さんの存在を知ったのも、その二つがきっかけでした。お父さんとお母さんがディズニー好きで、物心つく前から家でディズニー映画が流れていることが多くて、皆で観ていたんです。同じ時期に『スター・ウォーズ』もよく観ていて、そこから成長していくなかでディズニー映画や『スター・ウォーズ』の吹き替えで声優さんの存在も知りました。
──そこから声優になりたいと思いはじめたきっかけは?
お父さんとお母さんはアニメやマンガも好きなんですけど、特にお父さんが『週刊少年ジャンプ』好きで、家に毎週最新号があったので、それを私も読んでいたんです。『ジャンプ』の作品はアニメ化されることも多かったので、アニメもよく観ていて、アニメ好きにもなりました。そこで、また声優さんという存在にたどり着いて。「声優さんになったら、吹き替えだけじゃなくアニメのキャラクターを演じることもできるんだ」って、声優さんになりたい気持ちが徐々に大きくなっていったんです。そこから本格的に目指そうという気持ちが固まったのは、高校生の時でした。
──高校生の時に声優を目指そうという気持ちが固まったのはなぜですか?
小学校から中高一貫の私立校に行っていたんですが、周りの友達はそのまま大学に進学するのが当たり前だったし、先生たちも親もそれを望んでいました。でも、私は大学へ行ってこれになりたいとか、ここに就職したいというのがなかったんです。じゃあどうしようか、やりたいことは何かあるかなってあらためて考えた時に、やっぱり好きなアニメのお仕事、それもできるなら声優さんになりたいなって。これまで声優さんの演技に元気をいっぱいもらったし、支えてもらったし、当時は自分のことをあまり好きじゃなかったから自信もなかなか持てなくて、だったら声優さんになったら自分じゃない誰かになれるなって気持ちもあり。そこから声優さんのことをいろいろ調べていくうちに、どんどんなりたいと思うようになりました。
──親御さんは、澤田さんの気持ちをすぐに理解してくれて?
すんなり受け止めてもらえたわけじゃないんですけど、声優さんになりたいという気持ちを話していくうちに、最後は私の気持ちを尊重してくれました。それからは声優さんになるための専門学校も一緒に探してくれて、声優さんになるための勉強を始めた形です。
──声優デビューは、2021年のゲーム『22/7 音楽の時間』の椎名紅葉役。アニメ作品でのデビューは、『白聖女と黒牧師』の主人公・セシリア役でした。記念すべきアニメ初出演にして主演ということで、大きな一歩だったと思います。
アニメの現場が初めてでしたし、『22/7 音楽の時間』の時はコロナ禍だったこともあって、一人で収録した経験しかなかったんです。でも、『白聖女と黒牧師』のアフレコではマイクが4本とか並んで、セリフの掛け合いをしながら収録していきました。そこで、本来のアフレコ現場の緊張感、空気感を初めて味わったなと思います。プレッシャーもすごく大きかったんですが、それ以上に右も左もわからない状況で、メインキャストの石川界人さん、石谷春貴さん、中村カンナさんに支えていただいたことが、本当にありがたかったです。音響監督の土屋雅紀さんにも、優しく丁寧にディレクションしていただきました。プレッシャーで悩んだこともありましたけど、そうやって皆さんが私にやりやすい環境を作っていただいたことで、アフレコ現場の楽しさを感じられたと思っています。なので、すごくポジティブな印象が残っていますね。
──それにしても、アニメ初出演で主演ってなかなかないことですよね。
オーディションに受かった時も、信じられなかったです。でも「必要以上に謙遜しちゃうとそれはそれで失礼だよ」って、事務所の方に教えていただいたりもして。なので、選ばれたからには責任を持って、ちゃんと演じ切らないといけないなと思って臨みました。台本を頂いた時は自分のセリフ量にびっくりしましたけど、とにかくその時の自分の全力でぶつかる、常に100%を出していた期間という感じです。
──アニメ初出演作で演じた主人公・セシリアは、澤田さんにとってどんな存在ですか?
セシリアは本当に純粋で真っすぐで一生懸命で、人のために行動できる子で。そんなセシリアは私にとってまぶしいというか、それこそ恐れ多くて、だからこそ頑張らないとって、自分を引っ張ってくれた存在だと思っています。少しでも彼女に近づきたいと思って、(セシリアが教会に住んでいるので)教会に足を運んだりもしました。セシリアにはずっと手を引いてもらっていた感覚で、そこも含めて本当にまぶしい子だなって思います。