「声優図鑑」遠藤璃菜

遠藤璃菜「子役の時から見てくださっていた皆さんに、また私を見つけてもらった」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

「声優図鑑」遠藤璃菜

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。今回はTVアニメ『ばらかもん』の久保田陽菜役、『甘々と稲妻』の犬塚つむぎ役など子役時代から声優として活躍し、最近では『ラブライブ!』シリーズの新プロジェクト『イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRD』の麻布麻衣役に抜擢されたことが話題となった遠藤璃菜さんが登場! 声優のお仕事に懸ける思いからプライベートの過ごし方、そして将来の目標まで、いろいろなお話が聞けました。

「声優図鑑」遠藤璃菜

遠藤璃菜

えんどうりな●10月4日生まれ。アットプロダクション所属。主な出演作は、アニメ『ばらかもん』(久保田陽菜)、『甘々と稲妻』(犬塚つむぎ)、『おとなりに銀河』(久我まち)、『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』(アイリス・マッケンジー)ほか。

公式HP:https://www.at-production.jp/talent/endo-rina/
X:@e_rina_ta

★遠藤さんの手書きプロフィール&コメント動画は2ページ目に!

今まで私が経験してきたものが全部活かせる機会かもしれないと思いました

――遠藤さんは小学生の頃から声優のお仕事をされていますが、その当時のことは覚えていますか?

事務所に入ったのが2歳の時で、その頃のことはさすがに覚えていないんですけど、初めて声優さんのお仕事をした6歳の時に、収録の後でご飯に行ったのは覚えています。新海誠監督のショートムービーに出たのが最初の現場で、新海さんと、キャストさんと、終わった後のご飯会に連れていっていただいて、そのときに楽しくお話ししたのを覚えていて。それから『ばらかもん』とか『甘々と稲妻』とかを小学校低学年くらいの時にやらせていただいて、その当時の記憶はもうはっきりありますね。

――その当時は子役として映画やドラマにも出られていたと思いますが、アニメの現場を経験してみてどんなことを思いましたか?

『ばらかもん』は同年代の子が多かったですし、主役の小野(大輔)さんが優しくしてくださったのもあって、声優さんのお仕事も楽しいなと思いました。現場の雰囲気が最高だったのもあるんですけど、マイクの前に立ってキャラクターの声をあてると、その子に命が宿る。それってすごく楽しいことだなと小学生ながらに思って、声優としても活動していきたいなと思いました。

――『甘々と稲妻』の現場はどんな雰囲気でしたか?

このエピソードはどこかで話したことがあるんですけど、私がワチャワチャするシーンがあって、「動きながらやってみよう」という監督の指示があった時に中村(悠一)さんが私の台本を持ってくれて、それを見ながら私が動くというあまり見ない光景がスタジオで広がったのを覚えています。中村さんにマイク前で台本を持ってもらうなんて、私が最初で最後だと思います(笑)。

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――その後も声優のお仕事を続けられていますが、中学・高校と学業と両立しながらの活動で大変なところはありましたか?

高校は芸能の学校に通っていたので、その点は全然大丈夫でしたね。もちろん学校も楽しいし、好きなんですけど、私は2歳から続けてきたお仕事大好き人間なので。

――卒業後の進路に悩むとかもなかった?

そうですね。ずっと楽しくやらせていただいています(笑)。

――では、今までやってきたなかで印象的なお仕事はありましたか?

印象的かあ……。私は記憶力のいいタイプなので、ありえないくらい小さい頃じゃなければ大体のことは覚えているから全部の現場が思い出だし、楽しかったなと思うんですけど、『ばらかもん』は声優のお仕事を始めて最初の頃だったというのもあったし、同年代の子たちで集まっていたので、第二の学校みたいな感じになっていましたね。みんなで手遊びとかして、大盛り上がりしたのを覚えています。10人くらいで集まって、輪になって遊んで、時間が来たら「やるよー!」って監督に言われて「はーい!」って言って収録が始まる感じで。1回、なるがお菓子を出すという回があったんですけど、なる役の原涼子ちゃんが本当に駄菓子を買ってきて、駄菓子屋さんみたい並べてくれたのは思い出深いですね。本当に楽しい現場でした。

――その現場で一緒だった方々とは今でも交流はあるんですか?

実は今、原涼子ちゃんと同じ作品に出ていまして、週一ペースで会っています。『ばらかもん』以降もたまにご飯とかで会ってはいましたが、一緒のお仕事となると10年ぶりですね。すごく不思議な感覚で、現場で会った時に二人とも「何これ~?」みたいな感じになって(笑)。二人ともいまだに「なる」「陽菜」って『ばらかもん』の役名で呼び合っていて、この現場でも「なる」「陽菜」なので、ほかの共演者さんは「なんでその名前なんだろう?」と思っているんだろうなというのはあるんですけど、まだ本名で呼ぶのは慣れないです。

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――直近では『ラブライブ!』シリーズの新プロジェクト『イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRD』に麻布麻衣役で参加することが発表され、子役時代の印象が強く残っている人たちは遠藤さんの成長した姿を見て驚いている様子でした。

実際に反応もありました。Xで「え、『甘々と稲妻』の子じゃん!」みたいなコメントがけっこうあって、やっぱり『ばらかもん』と『甘々と稲妻』のイメージがついているんだなと思いましたね。「大人になったな」というコメントもいっぱいありました。

――『ラブライブ!』シリーズのような歌って踊るコンテンツに挑戦したいという気持ちは以前からあったんですか?

今までは意識したことがなかったんですけど、今回のオーディションのお話を頂いて、今まで私が経験してきたものが全部活かせる機会かもしれないと思いました。声優はもちろん、歌の活動もやらせていただいていますし、高校では部活でダンスをやっていたので、これまで私がやってきたことの集大成になる作品かもしれないなと。この役は絶対に取りたいと思ってオーディションに臨んだのを覚えています。

――それだけの意気込みがあると、決まった時のお気持ちは……。

本当にうれしかったですね。マネージャーさんから電話が来た時に泣いてしまって。でも、その時ちょうど油そば屋さんに並んでいたんですよ。あと一人で呼ばれるくらいのタイミングで電話が来て「決まりました!」と言われて、うれしさとかいろんな気持ちが込み上げてきたんですけど、そのまま呼ばれちゃったのでお店の中に行くしかなくて、泣きながら油そばを食べました(笑)。多分お店のスタッフさん側は「なんだろう、この子?」と思っていたと思うんですけど、それもいい思い出ですね。

――涙の混じった油そばはおいしかったですか?

おいしかったです! 最高の一杯でした(笑)。

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