「声優図鑑」飯田ヒカル

飯田ヒカル「誰か一人からでも憧れの先輩だと思ってもらえる役者になっていたい」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

「声優図鑑」飯田ヒカル

アルバイト時代のスタッフさんと再会したらすごく感動してくださって……

──デビュー当初のことを振り返ってみると、どんな事柄が思い出されますか?

最初のお仕事はゲームのアフレコだったんですが、自分のセリフがあることにすごく感動しました。初めてのアニメのアフレコは、『天華百剣 ~めいじ館へようこそ!~』の透し正宗ちゃんという女の子の役だったんですけど、オーディションを受けて役を頂きました。合格ですと言われた時のことは、何時頃にどの場所で言われたかとか、今でも全部覚えています。うれしすぎて覚えているんですけど、言われた後の記憶はむしろ曖昧で、時が止まったような感覚でした。『天華百剣』では庖丁三姉妹という3人組ユニットで挿入歌も担当させていただき、たくさんの貴重な経験を積ませてもらったなと思っています。

──デビュー当時は、大変なこともあったかと思います。

親から「自分に必要なお金は自分で稼ぎなさい」と教えられて育ったので、上京してからは1円も親にもらったことはなくて、デビュー当時はアルバイトを最大で3つ掛け持ちしていたこともあったんです。その時期は、体力的に大変だったなと思います。レッスンをして、それが終わってからアルバイトをして、次の日はオーディションとか。

「声優図鑑」飯田ヒカル

──印象に残っているアルバイトは?

当時の自宅から自転車で行ける距離に温泉施設があって、そこでの経験は印象深いです。「声優として仕事をしていくなら、(将来的にいろんな役柄を演じるうえでも)やったことのないアルバイトをしたほうがいいんじゃない?」と友人にアドバイスされて始めたんですけど、働いてみたら賄いもおいしくて、温泉にも入れて、すごく楽しくアルバイトをさせていただきまして(笑)。それ以来、温泉が大好きになりました!

──体力的にも時間的にも大変ななか、それでも頑張れたのは声優への想い、”私はこの仕事で生きていくんだ”という強い気持ちがデビュー当時の時点でしっかりとあったからですかね?

そうです。もちろん苦しい時もたくさんありましたけど、それ以上にみんなが楽しむ作品に自分の声が乗っている、素晴らしい絵に自分の声が乗っていることが、どんなつらいことよりもうれしくて。キャラクターから自分の声が聞こえてくる感動は、やっぱり超えられないです。その感動を味わったら、どんなに大変でも頑張ることができました。

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──そこから現在までにいろんな作品に出演されていますが、自分の中でターニングポイントになった作品・役柄というと?

あえて挙げるとすると『君は冥土様。』の横谷李恋役でしょうか。私にとって、初めての30分枠アニメへの出演だったんです。李恋ちゃんは主人公の妹で11歳なんですけど、実際の私も兄が二人いる妹属性なので、子供時代にお兄ちゃんたちに甘えていたことを思い出したりして、楽しく李恋ちゃんを演じることができたなって思います。アフレコ現場の雰囲気も温かくて、共演者やスタッフの皆さんも全員優しくて、自由に伸び伸びと李恋ちゃんを演じることができました。

──『君は冥土様。』で、特に印象に残っているのは?

第3話です。李恋ちゃんのすべての表情がかわいすぎて、自分で見ながら何度も止めて見惚れていました(笑)。あんなに全部がかわいい李恋ちゃんに自分の声を乗せられて、本当にうれしかったです。

──声優以外のお仕事では、2024年から舞台にも立っています。

高校時代に演劇をやっていたこともあって、いつか舞台に立つことは目標の一つではありました。舞台ではアフレコの時と違って自分の生身が見えるので、そこでは高校時代に舞台に立った経験が活かされたかなと思います。自分ではない誰かになるという部分では声優のお仕事と一緒ですが、直接人対人で演技をしてぶつかり合えるという意味では、アフレコとはまた違うかなと思いますし、そこに関しては同じ演技でも別の楽しさをかみしめながら舞台に立たせていただきました。

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──プライベートについても聞いていきたいのですが、飯田さんが今ハマっているものを三つ挙げてもらうとすると?

今に限った話ではないんですが、温泉、お寿司、ラーメンです! 温泉はアルバイトをした時にハマったんですが、忘れられない温泉の思い出があるんですよ。以前、あるコンテンツで各地の温泉とコラボする企画があったのですが、たまたま私がデビュー当時にアルバイトをしていた温泉もコラボ対象になっていて。コラボ中、その温泉施設を訪れた時にアルバイト時代のスタッフさんと再会したら、すごく感動してくださったんです。少しは恩返しができたかなって、私もうれしくなりました。

──お寿司とラーメンは?

お寿司もそうなんですけど、子供の頃からお刺身が好きで、家族からは“猫娘”って呼ばれていたぐらいなんです(笑)。『ゲゲゲの鬼太郎』の猫娘じゃなくて、お魚が大好きな娘だから“猫娘”だって(笑)。

──お寿司のネタでは何が好きなんですか?

生エビがこの世でいちばん好きな食べ物で、お寿司屋さんに行ったら最初に生エビを食べて、最後も生エビで締めていたんです。でも、食べすぎてエビアレルギーになってしまいまして(笑)。なので、今はサーモンですかね。あとはツブ貝とかサワラ、カンパチが好きです。

──ラーメンは、福岡出身なのでやはり豚骨ラーメンが好き?

そうですね。でも今は豚骨ラーメン以外も好きになりました。上京したばかりの頃は、豚骨ラーメンしか認めないって思ってたんです。でも、北海道に旅行した時に「すみれ」の味噌ラーメンを食べて、豚骨ラーメン以外もおいしいんだと気づきました。それ以来、東京でも味噌ラーメンを食べたり、最近は二郎系にもハマっていて。心は豚骨ラーメンにあり、なんですけど(笑)。

──ハマっていること三つのうち、二つが食ですね。

今は、コンビニのチョコミントフェアにもハマっています。いろんなチョコミントのメニューを食べ比べるんです。テンションが上がりますね(笑)。食べ物の以外だと、YouTubeを観ることも好きです。特にハマっているのは、平坂寛さんという方のチャンネル。生物が大好きな方なんですけど、いろんな生物に刺されてみたり、その生物の毒を自分で試すんです。興味深いし、すごく面白いんですよ。

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──最後に、読者にメッセージをお願いします。

「声優図鑑」に載るのは夢の一つだったんですが、これも皆さんが応援してくださったおかげですので、まずは感謝の気持ちをお伝えしたいです。本当にありがとうございます! これからも自分にとっても、そして応援してくださっている方にとっても素晴らしい未来が描けるように、作品と役に日々ぶつかって、演技にどんどん向き合って、役者として精進していきますので、どうかこれからもよろしくお願いします!

~声優未来予想図~

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Q:これからどんな声優を目指したいですか?

1年後の私
今はかわいい系の女の子を演じさせていただくことが多いんですが、これまでに演じたことのない役柄を演じて、この1年間で役者としての引き出しを増やしたいです。

3年後の私
今は『学園アイドルマスター』の藤田ことねちゃん役で知ってくださっている方が多いんですけど、3年後は「飯田ヒカルと言えば、○○だよね」という役柄、代表作をもっと増やしていきたいなって思います。

5年後の私
キャリアを重ねて後輩も増えていると思うので、先輩としてかっこいいなと思ってもらえるような演技をしていたいです。誰か一人からでも憧れの先輩だと思ってもらえる役者になっていたいと思います。

10年後の私
心身ともに健康で、何も悩まず、その時その時を楽しみながら、純粋な気持ちで演技をしているのが理想です。そのうえで、どんどん出演作を増やしていって、応援してくださるファンの方にしっかり恩返しができている10年後であればいいなと思います。

撮影/玉井美世子 ヘアメイク/GiGGLE
取材・文/大久保和則

飯田ヒカルさん手書きプロフィール

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飯田ヒカルさんコメント動画

▼動画URLはこちら
https://youtu.be/Dlm5LAi8SpU

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